トヨタ GRヤリスの完全ガイド。WRC直系ホモロゲーションモデルとして誕生した歴史・開発経緯から、304PS/400N·mを誇るエンジンスペック、グレード別価格まで徹底解説。2026年4月6日発売の最新モデル「26式GRヤリス」の新GRステアリング・EPS改良・POTENZAタイヤ採用など最新情報も完全網羅。
GRヤリスとは?モータースポーツから生まれた本物のスポーツカー
GRヤリス(GR YARIS)は、トヨタ自動車の「GAZOO Racing カンパニー」が開発した本格スポーツカーです。単なるスポーティグレードではなく、WRC(世界ラリー選手権)参戦を見据えたホモロゲーションモデルとして誕生した、まさに"レースから生まれた市販車"です。

「トヨタのスポーツカーを取り戻したい」──代表取締役会長であり、マスタードライバーでもある豊田章男氏(MORIZO)のこの一言がGRヤリス誕生の原点です。市販車でありながら、プロドライバーやエンジニアが世界の極限の舞台で鍛え続けたDNAを受け継いでいます。
GRヤリスの歴史と開発経緯
WRCホモロゲーションモデルとして誕生
GRヤリスの開発は、WRCでの競争力を抜本的に高めるため、従来のベース車両の限界を超えた専用モデルの必要性から始まりました。グループA公認取得の条件である25,000台生産を目標に掲げ、開発がスタート。
開発には石浦宏明、大嶋和也といった国内レーシングドライバーだけでなく、オイット・タナク、ヤリ=マティ・ラトバラ、クリス・ミークらWRC第一線のドライバーも参加。実戦的なフィードバックを徹底的に反映した結果、世界に通用するスポーツカーが誕生しました。
開発・発売の歩み
- 2020年1月10日:東京オートサロンにてワールドプレミア
- 2020年9月4日:日本国内で正式発売
- 2021年3月9日:英国カー・オブ・ザ・イヤー2021 および 英国ベスト・パフォーマンス・カー2021 を受賞
- 2024年1月:大幅マイナーチェンジ実施。8速スポーツオートマ「GR-DAT」の追加、エンジン出力を272PS→304PSに向上
- 2026年3月13日:「26式GRヤリス」として一部改良モデルを発表
- 2026年4月6日:26式GRヤリス 発売開始
GRヤリスの特徴的な設計思想|革新的なハイブリッドプラットフォーム

GRヤリスは、既存のプラットフォームをそのまま流用したモデルではありません。フロント部にGA-Bプラットフォーム、リヤ部にGA-Cプラットフォームを組み合わせた独自のハイブリッド構造を採用しています。
この設計により、4WDシステムの搭載に必要なスペースを確保しながら、スポーツカーとしての低重心・高剛性ボディを実現。まさにGRヤリスのためだけに設計された専用設計が、圧倒的な走行性能の礎となっています。
エンジン・パワートレイン|心臓部「G16E-GTS」の実力
ダイナミックフォース スポーツエンジン「G16E-GTS」

GRヤリスのコア(RS グレードを除く全グレード)となるエンジンが、トヨタが新規開発した「ダイナミックフォース スポーツエンジン」の第1弾、**1.6L 水冷直列3気筒 DOHC ターボ「G16E-GTS」**です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 排気量 | 1,618cc |
| 最高出力 | 224kW(304PS)/ 6,500rpm |
| 最大トルク | 400N·m(40.8kgf·m)/ 3,250〜4,600rpm |
| 型式 | G16E-GTS |
3気筒エンジンでありながら最高出力304PS・最大トルク400N·mという驚異的なスペックを誇り、現行の量産スポーツカーとして世界最高水準の出力密度(1Lあたり約188PS)を実現しています。
駆動システム「GR-FOUR」
4WDシステムには、トヨタが独自開発した電子制御スポーツ四輪駆動システム**「GR-FOUR」**を採用。前後のトルク配分を走行状況に合わせてリアルタイムに最適化し、サーキットからラリーステージまで、あらゆる路面で圧倒的なトラクション性能を発揮します。
トランスミッション
- 6速MT(iMT):インテリジェントMTによる高精度な変速フィール
- 8速AT(GR-DAT):2024年モデルより追加。スポーツ走行に特化した8速スポーツオートマ


グレード構成
| グレード | 特徴 |
|---|---|
| RZ “High performance” | 最上級グレード。ハイパフォーマンスタイヤ・フルスペック装備 |
| RZ “High performance” + Aero performance package | 上記にエアロパーツをプラス |
| RZ | バランス型スタンダードグレード |
| RC | 競技ベース車両としての素性を活かしたモデル |
| RC + Aero performance package | RCにエアロパッケージを追加 |
また、過去には限定のMORIZO RR(モリゾウRR)や、セバスチャン・オジエの9度のWRC世界王者達成を記念したSébastien Ogier 9x World Champion Editionといった特別仕様車も設定されています。
2026年最新モデル「26式GRヤリス」|何が変わったのか?
2026年3月13日、トヨタはGRヤリスの一部改良モデル「26式GRヤリス」を発表しました。「開発に終わりはない」という精神のもと、モータースポーツで得た知見をフィードバックした最新バージョンです。
① 新開発「GRステアリング」を初採用

従来のステアリングから刷新された新設計のGRステアリングホイールを採用。改良のポイントは以下の通りです。
- 小径化:操舵レスポンスを向上させるため径を縮小
- グリップ形状の最適化:コーナリング時の押し操作でも手のひらにフィットする左右専用形状
- スイッチ類の独立配置:視認性・操作性を向上
- リング状イルミネーション:夜間走行時の視認性を高める専用照明を追加
ドライバーとクルマのインターフェースであるステアリングを一から作り直すことで、より直感的な運転操作を追求しています。
② 電動パワーステアリング(EPS)の大幅改良

モータースポーツからのフィードバックを直接反映した改良が電動パワーステアリングです。
- トルクセンサー内のトーションバー剛性を最適化
- ソフトウェア制御を刷新:ステアリングトルクの検出範囲を拡大
これにより、高負荷旋回時でもEPSアシストが安定して稼働し、サーキット走行やスポーツドライビングでも手応えのある、自然なステアリングフィールを実現しました。
③ 新開発ハイパフォーマンスタイヤ「ブリヂストン POTENZA RACE」を標準装着

上位グレード(RZ"High performance"・RZ"High performance" + Aero performance package")に、ブリヂストンとの共同開発タイヤ**「POTENZA RACE」**を新たに標準装着。
タイヤ変更に合わせ、前後のショックアブソーバー減衰力特性も最適化されており、限界域でのコントロール性と路面追従性が大幅に向上しています。
④ メーカーオプションの仕様変更

これまで縦引きパーキングブレーキを選択すると設定できなかったシートヒーター・ステアリングヒーターが、ナビパッケージ・コンフォートパッケージ選択時に同時装着可能となりました。日常使いのコンフォート性能も一段と向上しています。

Toyota Global Newsroom – 26式GRヤリス発表
主要諸元(26式GRヤリス RZ"High performance")
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 全長 | 3,995mm |
| 全幅 | 1,805mm |
| 全高 | 1,455mm |
| ホイールベース | 2,560mm |
| エンジン型式 | G16E-GTS(直列3気筒 インタークーラーターボ) |
| 最高出力 | 224kW(304PS)/ 6,500rpm |
| 最大トルク | 400N·m(40.8kgf·m)/ 3,250〜4,600rpm |
| 駆動方式 | スポーツ4WD「GR-FOUR」 |
| トランスミッション | 6速MT(iMT)/ 8速AT(GR-DAT) |
価格一覧(26式GRヤリス・税込)
| グレード | 6MT | GR-DAT(8AT) |
|---|---|---|
| RC | 3,617,200円 | 3,967,200円 |
| RC + Aero performance package | 4,112,200円 | 4,462,200円 |
| RZ | 4,537,200円 | 4,887,200円 |
| RZ “High performance” | 5,037,200円 | 5,387,200円 |
| RZ “High performance” + Aero performance package | 5,532,200円 | 5,882,200円 |
※2026年4月6日発売、注文受付は2026年3月13日より全国のトヨタ車両販売店にて開始。
GRヤリスが選ばれる理由|購入を検討する方へ
世界が認めた走行性能
2021年に英国カー・オブ・ザ・イヤーおよび英国ベスト・パフォーマンス・カーをW受賞。日本のスポーツカーが英国の権威ある賞を獲得したことは、GRヤリスの実力が世界水準であることを証明しています。
「作り続けること」への誓い
トヨタは「GRヤリスの開発は終わりのない改善の旅路」と宣言しています。発売から現在に至るまで、WRCをはじめとするモータースポーツの現場で蓄積された技術・データを惜しみなく市販車にフィードバックし続けています。購入後も、進化し続けるブランドとともにスポーツカーライフを楽しめる点が、他のスポーツカーにはない大きな魅力です。
MT・ATの両立
2024年のマイナーチェンジで追加された**8速「GR-DAT」**により、オートマでも妥協のないスポーツ走行が可能になりました。MTへのこだわりを持つドライバーにも、ATを希望するドライバーにも対応できるラインアップです。
まとめ|GRヤリスは「走る喜び」の結晶
GRヤリスは、量産スポーツカーとしての使いやすさと、WRC直系の本格的な走行性能を高次元で両立した稀有な一台です。2026年の最新モデル「26式GRヤリス」では、新設計のGRステアリング、EPS改良、新タイヤ採用と、またひとつ進化を遂げました。
GRヤリスを検討されている方は、ぜひ全国のトヨタ車両販売店またはGR Garageにて試乗をご検討ください。

