ホンダのフラッグシップSUV「CR-V」に、待望のハイブリッドモデル「CR-V e:HEV RS」が2025年12月に日本市場へ投入されます。2024年7月に燃料電池車として復活を遂げたCR-Vですが、今回のハイブリッドモデル追加により、より幅広いユーザー層への訴求が可能となります。
ホンダCR-Vハイブリッドが待望の日本復活

ジャパンモビリティショー2025で日本初公開された新型CR-V e:HEV RSは、グローバルで累計販売台数1500万台を突破し、150以上の国と地域で愛されるホンダを代表するモデルの最新進化形です。本記事では、新型CR-V e:HEV RSの魅力を徹底解説します。
新型CR-V e:HEV RSの主な変更点と特徴

ハイブリッドシステムの採用
新型CR-V e:HEV RSには、ホンダの先進的な2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」が搭載されます。2.0L直列4気筒ガソリンエンジンと2基の電気モーターを組み合わせたこのシステムは、以下のような特徴を持ちます。
パワートレインスペック:
- エンジン出力:145ps/17.8kgm
- モーター出力:184ps/32.1kgm
- 駆動方式:FF(前輪駆動)または4WD(四輪駆動)
e:HEVシステムは、発電用と走行用の2つのモーターを効率的に使い分けます。発進加速や市街地走行では電気モーターが主役となり、高速巡航時にはエンジンの効率が良い領域を活用。走行シーンに応じて「モーターのみ」「エンジンで発電しながらモーター走行」「エンジン直結走行」を自動的に切り替えることで、優れた燃費性能と力強い走行性能を両立しています。
日本専用チューニングの走行性能
新型CR-V e:HEV RSは、海外仕様の標準ハイブリッドモデルから足回り、パワートレイン、シャシーの制御システムを変更した日本専用モデルです。走行性能を重視したチューニングが施され、ホンダが誇るドライビングプレジャーを追求しています。
特に「CR-V e:HEV RS BLACK EDITION」では、専用のブラックカラーアクセントを内外装に採用。洗練されたスポーティさと上質さを兼ね備え、走行性能の高さを視覚的にも表現しています。
新型CR-Vのエクステリアデザイン
燃料電池車との差別化されたデザイン
新型CR-V e:HEV RSのエクステリアは、燃料電池車「CR-V e:FCEV」と明確に差別化されたデザインを採用しています。
エクステリアの特徴:
- 鋭い印象のヘッドライトデザイン
- 押し出し感を強調した専用グリル
- 力強いSUVスタイルのリアデザイン
- 拡大されたボディサイズによる堂々としたプロポーション
BLACK EDITIONでは、ブラックカラーの加飾が内外装に施され、スポーティで上質な印象を強調。ホイールやグリル、ミラーなどにブラックアクセントが配され、走行性能の高さを視覚的にアピールしています。
前世代から大幅に拡大されたボディサイズ
新型CR-Vのボディサイズ:
- 全長:4,805mm
- 全幅:1,865mm
- 全高:1,690mm
- ホイールベース:2,700mm
前世代CR-Vと比較すると、全長が200mm、ホイールベースが40mm拡大されています。この大型化により、室内空間が大幅に広がり、乗員の快適性とラゲッジスペースの実用性が向上しています。
参考:前世代CR-Vのボディサイズ
- 全長:4,605mm
- 全幅:1,855mm
- 全高:1,680mm
- ホイールベース:2,660mm
同門ZR-Vとのサイズ比較
- ZR-V全長:4,570mm(CR-Vより235mm短い)
- ZR-Vホイールベース:2,655mm(CR-Vより45mm短い)
CR-VはZR-Vを上回るボディサイズを持ち、ホンダSUVラインナップの中でもより上級のポジショニングとなります。
インテリアデザインと先進装備

デジタルコックピットの採用
新型CR-Vの内装は、最新のデジタル技術を採用することで使い勝手が大幅に向上しています。
インテリアの主な特徴:
- 最新デジタルメーターパネル(多彩な情報表示に対応)
- コネクティッドサービス対応の新世代インフォテインメントシステム
- 拡大された室内空間による快適性の向上
- 上質な素材を使用した高級感ある仕上げ
デジタルメーターは、ナビゲーション情報、安全運転支援システムの作動状態、車両情報など、運転に必要な情報を見やすく表示。ドライバーは視線移動を最小限に抑えながら、必要な情報を瞬時に把握できます。
ラゲッジスペースと実用性
ボディサイズの拡大に伴い、ラゲッジスペースも拡大されています。力強いSUVスタイルのリアデザインにより、大容量のラゲッジスペースを確保。日常の買い物からレジャー、長距離旅行まで、様々なシーンで活躍する実用性を備えています。
燃料電池車のCR-V e:FCEVでは、水素タンクを棚状の平らな面で覆うフレキシブルボードを設定。荷室を上下2段に分けて使用できる工夫が施されており、ハイブリッドモデルでも同様の実用性が期待されます。
先進安全運転支援システム「Honda SENSING」
全車標準装備の充実した安全性能
新型CR-Vには、ホンダの最新先進安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」が全車標準装備されます。
Honda SENSINGの主な機能:
- 広角フロントワイドビューカメラの採用
- 前後計8つのソナーセンサー搭載
- 従来機能の拡充
- 近距離衝突軽減ブレーキの追加
- 渋滞追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
広角カメラとソナーセンサーの組み合わせにより、従来モデルよりも広い範囲を正確に検知。歩行者や車両、障害物を早期に認識し、危険を回避するサポートを行います。
渋滞追従機能で快適な長距離ドライブ
渋滞追従機能付ACCは、高速道路や自動車専用道路での渋滞時に特に威力を発揮します。前走車に追従して自動的に加速・減速を行い、停止から再発進まで対応。ドライバーの疲労を大幅に軽減し、長距離ドライブをより快適にします。
燃費性能と環境性能
e:HEVシステムによる優れた燃費性能
新型CR-V e:HEV RSの燃費は、ボディサイズの拡大により前世代から若干低下していますが、最新のe:HEVシステムにより実用的な燃費性能を確保しています。
燃費性能(参考値):
- ハイブリッドモデル:約40mpg(米国値/約17.1km/L)
- ガソリンモデル:約30mpg(米国値/約12.8km/L)※海外仕様
前世代CR-Vの燃費(参考):
- ハイブリッド:21.2km/L(WLTCモード)
- 1.5Lターボ:14.2km/L(WLTCモード)
e:HEVシステムは、エンジンとモーターの効率的な使い分けにより、実走行でも優れた燃費性能を発揮します。市街地走行では電気モーターの効率の良い領域を活用し、高速走行ではエンジンの効率的な動力を利用することで、トータルでの燃費性能を最適化しています。
価格設定と競合比較
500万円からのスタート価格
新型CR-V e:HEV RSの価格は、約500万円からのスタートが予想されています。燃料電池車「CR-V e:FCEV」の809万4,900円と比較すると、大幅に手の届きやすい価格設定となります。
新型CR-Vの価格構成(予想):
- CR-V e:HEV RS:約500万円
- CR-V e:HEV RS BLACK EDITION:約550万円~
- CR-V e:FCEV(燃料電池車):809万4,900円
前世代CR-Vの価格(参考):
- 1.5Lターボ EX:336万1,600円~
- ハイブリッド e:HEV EX:392万5,900円~
- ハイブリッド e:HEV BLACK EDITION:433万8,400円
新型CR-Vは装備の充実とボディサイズの拡大により、前世代から価格が上昇していますが、その分質感と性能が大幅に向上しています。
競合モデルとの比較
主な競合モデル:
- トヨタ RAV4:約300万円~500万円
- マツダ CX-5:約290万円~420万円
- 日産 エクストレイル:約350万円~500万円
- スバル アウトバック:約400万円~430万円
新型CR-Vは、ミドルクラスSUVの中でも上位に位置づけられる価格設定ですが、最新のハイブリッドシステム、充実した安全装備、広い室内空間を考慮すると、競争力のある価格と言えます。
CR-Vの歴史とグローバル展開
30周年を迎えるホンダの代表的SUV
CR-Vは1995年に初代モデルが発売され、2025年で30周年を迎えます。グローバルでの累計販売台数は1,500万台を突破し、現在では150以上の国と地域で販売される、ホンダを代表するグローバルモデルです。
CR-Vの歴史:
- 初代(1995-2001年):シビックベースのクロスオーバーSUVとして登場
- 2代目(2001-2006年):居住性と実用性を向上
- 3代目(2006-2011年):グローバル・ライトトラック・プラットフォーム採用
- 4代目(2011-2016年):質感の大幅向上
- 5代目(2016-2022年):1.5Lターボとハイブリッドを設定
- 6代目(2023年~):燃料電池車とハイブリッドをラインナップ
日本市場での位置づけ
日本市場では、5代目CR-Vが2022年12月に販売を終了し、ZR-Vが新たに導入されました。しかし、グローバルでの人気を受けて、6代目は2024年7月に燃料電池車として日本復活。そして今回、ハイブリッドモデルの追加により、日本市場でも本格的な展開が始まります。
CR-VはZR-Vの上位に位置づけられ、より広い室内空間と充実した装備を求めるユーザーに向けたフラッグシップSUVとしての役割を担います。
北米市場での高い評価
CR-Vは特に北米市場で高い人気を誇ります。2022年の北米発売を皮切りに、欧州、中国、東南アジアでも展開され、快適な室内空間と力強い走行性能で多くのユーザーから好評を得ています。
北米では、アメリカンフットボールの祭典「スーパーボウル」のテレビCM(30秒間で約6億円の広告料)を放映するなど、ホンダの主力モデルとして積極的なマーケティングが展開されています。
2025年12月の発売に向けて
ジャパンモビリティショー2025で日本初公開
新型CR-V e:HEV RSは、ジャパンモビリティショー2025(一般公開:2025年10月31日~11月9日)のホンダブースで日本初公開されました。プロトタイプの展示により、実車を間近で確認できる機会が提供されています。
先行情報の公開
ホンダは発売に先立ち、新型CR-V e:HEV RSに関する情報を公式ホームページで先行公開しています。スペック、装備、デザインなどの詳細情報が順次公開されており、発売前から高い関心を集めています。
今冬発売予定
正式な発売時期は2025年12月が予定されています。年末商戦に向けた投入となり、ホンダはCR-Vのパワートレインラインナップ拡大により、ブランド力強化を図る考えです。
新型CR-Vが選ばれる理由
1. 実用性と走行性能の両立
新型CR-V e:HEV RSは、広い室内空間と大容量ラゲッジスペースによる実用性と、e:HEVシステムがもたらす力強い走行性能を高いレベルで両立しています。日常使いからレジャー、長距離ドライブまで、あらゆるシーンで活躍する万能性が魅力です。
2. 最新の安全技術
Honda SENSINGの全車標準装備により、家族の安全を守る充実した予防安全性能を実現。広角カメラと多数のセンサーによる高精度な検知能力は、運転に自信のないユーザーにも安心感を提供します。
3. 環境性能への配慮
e:HEVシステムによる優れた燃費性能は、環境への配慮とランニングコストの低減を両立。ガソリン車と比較して、CO2排出量を大幅に削減できます。
4. ホンダブランドの信頼性
30年の歴史を持ち、グローバルで1,500万台以上の販売実績を誇るCR-Vは、ホンダの高い技術力と品質の証明。長年培われた信頼性と耐久性は、長く安心して乗り続けられる価値を提供します。
5. 上質なデザインと質感
洗練されたエクステリアデザインと、高級感あるインテリアは、所有する喜びを感じさせます。特にBLACK EDITIONは、スポーティさと上質さを兼ね備え、ワンランク上の満足感を提供します。
まとめ:新時代のフラッグシップSUV
ホンダ新型CR-V e:HEV RSは、最新のハイブリッド技術、充実した安全装備、広々とした室内空間を兼ね備えた、まさに新時代のフラッグシップSUVです。
2025年12月の発売により、燃料電池車e:FCEVと合わせて、多様なユーザーニーズに応える選択肢が揃います。500万円からという価格設定は、前世代から上昇していますが、それに見合う価値と性能の向上が実現されています。
グローバルで高い評価を得ている6代目CR-Vのハイブリッドモデルが、いよいよ日本市場に本格投入されることで、ミドルクラスSUV市場に新たな選択肢が加わります。実用性と走行性能、環境性能と快適性を高次元で両立した新型CR-V e:HEV RSは、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。
ジャパンモビリティショー2025での実車展示を経て、年末の正式発売が待ち遠しい一台です。30周年という節目の年に投入される新型CR-V e:HEV RSは、ホンダSUVラインナップの中核を担う存在として、今後の活躍が期待されます。
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