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マツダ VISION X-COMPACT 実際に見た内外装についての魅力とは?優れている点・残念な点を徹底解説

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VISION X-COMPACT

ジャパンモビリティショー2025において、マツダは2つの革新的なビジョンモデルを世界初公開しました。その中でも特に注目を集めているのが「VISION X-COMPACT」です。プレスカンファレンス直前まで秘密にされていたこのモデルは、マツダが描く次世代コンパクトカーの方向性を示す重要な存在として、多くの来場者の関心を集めています。

目次

VISION X-COMPACTのボディサイズとデザインコンセプト

コンパクトながら存在感のあるプロポーション

VISION X-COMPACT
VISION X-COMPACT

VISION X-COMPACTのボディサイズは、全長3,825mm×全幅1,795mm×全高1,470mm、ホイールベースは2,515mmとなっています。注目すべきは、全幅を除くすべてのディメンションが現行MAZDA2よりも小さく設計されている点です。

特に全長3,825mmというサイズは、縦列駐車が多い欧州市場を強く意識した設定となっており、現行MAZDA2(全長4,080mm)が「大きすぎる」という評価を受けていた課題に対する明確な回答となっています。このサイズ感は、Bセグメントだけでなく、Aセグメントも視野に入れた「クラスレス」なコンセプトを表現しています。

極限まで短縮されたフロントオーバーハング

VISION X-COMPACT
VISION X-COMPACT

VISION X-COMPACTの最大の特徴の一つが、極端に短いフロントオーバーハングです。この大胆なプロポーションは、従来の4気筒エンジンを搭載することが困難なほどコンパクトに設計されており、新しいパワートレイン構成を強く示唆しています。

マツダは2024年5月のワークショップで、MX-30に搭載されているものよりも小型化した1ローターのロータリーEVコンセプトを公開していました。このコンセプトには、トヨタ製ハイブリッドシステム(THS)が組み合わされており、VISION X-COMPACTのコンパクトなフロントノーズに収まる可能性が高いと考えられています。

新世代「魂動デザイン」の進化|ネオオーセンティックというテーマ

VISION X-COMPACT
VISION X-COMPACT

「ソリッドムーブ」による動きの表現

VISION X-COMPACTには、マツダが「ソリッドムーブ」と呼ぶ新しいデザイン手法が採用されています。これは第7世代商品群で追求してきたボディパネルに映るリフレクションによる動きの表現から一歩進んで、ボディ全体で動きを表現する方向性を示しています。

デザイン本部長の木元英二氏は、この新しいアプローチを「ネオオーセンティック」というテーマで説明しています。クルマの本質的なカッコ良さを継承しながらも、最小限の要素で豊かな表現を追求する、いわば「引き算の美学」のさらなる進化形です。

大きなヘッドライトによる親しみやすい表情

VISION X-COMPACT
VISION X-COMPACT

近年のマツダ車よりも大きめに設計されたヘッドライトは、VISION X-COMPACTに「カッコカワイイ」印象を与えています。フロントマスクは、同時に発表されたVISION X-COUPEと基調を共有しながらも、より愛らしさや親しみやすさを強調した表情に仕上げられています。

特徴的なのは、フロントグリルがボディ同色でカバーされている点です。これは冷却効率と空力性能を考慮した設計であり、開口部を一箇所に集約することで効率的な冷却マネージメントを実現しています。ただし、量産モデルでは、中国市場で先行公開されたEZ-6のようにグリル風の意匠が採用される可能性も示唆されています。

ヴィオラレッドが示す量産化への道筋

ICONIC SPから進化したボディカラー

ICONIC SP
ICONIC SP

VISION X-COMPACTには、ICONIC SPで初めて公開された「ヴィオラレッド」というソリッドレッドが採用されています。ICONIC SPでは、ホワイトベースの上にクリアレッドを27回も重ね塗りするという手間のかかる手法が取られていました。

しかし今回のVISION X-COMPACTでは、量産化の可能性を検証するために、より少ない塗装回数で仕上げられています。デザイナーによれば、これはヴィオラレッドを市販車に採用できるかを確認する重要なステップであり、コンパクトカーだけでなくロードスターにも似合うこのカラーの量産化に向けた取り組みが進んでいることを示しています。

革新的なインテリアデザインとテクノロジー

VISION X-COMPACT
VISION X-COMPACT

ボディシェルを横断する大胆な意匠

VISION X-COMPACT
VISION X-COMPACT

VISION X-COMPACTの内装で最も印象的なのが、レッド基調のカラーリングと、ドアトリムからセンターコンソールを斜めに横断するボディカラーのパネルです。この大胆なデザインは、「ボディシェルを横断させることで、よりクルマを感じてもらう」という狙いがあります。

この手法は、ND型ロードスターで内装にボディカラーのパネルを採用していたコンセプトと共通しており、プレスカンファレンスでVISION X-COMPACTを紹介したデザイナーの高橋氏がオープンカー好きであることも、このデザインに影響を与えている可能性があります。

スマートフォン連携を前提とした合理的設計

VISION X-COMPACT
VISION X-COMPACT

メーター周りには、タコメーターらしき表示を持つコンパクトなメーターと、その横に配置されたディスプレイ(スマートフォン)という構成が採用されています。これはコンパクトカーならではの割り切った設計であり、スマートフォンをナビゲーション代わりに使用する現代的なアプローチを示しています。

新型CX-5の大型センターディスプレイについては賛否が分かれていますが、VISION X-COMPACTのアプローチは、ディスプレイのサイズや配置方法がまだ過渡期にあることを表しているとも言えます。

人とクルマの新しい関係性を提案

VISION X-COMPACTは、人の感覚をデジタル化した「人体・感性モデル」と共感型AIの融合により、人とクルマの絆がさらに深まることを目指したモデルです。クルマと気取らない会話ができ、行き先を提案してくれる、まるで親友のような存在として、自分の世界を広げてくれる関係性を実現することが、マツダが目指すスマートモビリティの未来像となっています。

サステナビリティへの配慮

再生カーボン素材の活用

VISION X-COMPACTの下部に使用されている素材は、再生カーボンで製作されています。これは通常廃棄されるカーボンをリサイクルして作られたもので、環境への配慮を具体的な形で示しています。

将来的には、同時展示されたCO₂回収技術「Mazda Mobile Carbon Capture(マツダ・モバイル・カーボン・キャプチャー)」で回収されたCO₂を、こうしたカーボン素材の原料として活用することも視野に入れられています。自分で走ったクルマが排出したCO₂が、自分のボディの一部になるというサイクルを実現する、革新的なアプローチです。

デザイナーが語るVISION X-COMPACTの開発背景

コンパクトサイズでの表現の難しさ

デザイナーへのインタビューによれば、VISION X-COMPACTの開発で最も苦労したのは、VISION X-COUPEよりもコンパクトなサイズで同じ「ソリッドムーブ」の表現を実現することでした。

全幅については1,795mmというコンセプトカーらしい思い切ったサイズを採用していますが、それ以外のディメンションは現行MAZDA2よりも小さく設定されています。これは、コンパクトカーに求められるサイズ感が市場ごとに異なることを踏まえた上で、「クラスレス」という新しい価値観を提案するための戦略的な選択です。

「エピソード0」としての位置づけ

VISION X-COMPACTとVISION X-COUPEは、これまでのビジョンモデルとは異なる位置づけを持っています。従来のビジョンモデルが特定世代の究極の姿を表現していたのに対し、今回の2台は「魂動デザイン エピソード0」として、ここからスタートして進化させていくイメージで開発されています。

デザイン本部長の木元氏は、「今まで以上に写真や動画ではなく実車を見た方が良さが伝わる」と強調しています。これは引き算の美学をさらに推進させた効果であり、実際に会場を訪れた多くの人々が、写真で見るよりも実車の方が圧倒的に好印象だったと証言しています。

VISION X-COMPACTは次期MAZDA2なのか?

あくまでビジョンモデルという公式見解

マツダの公式見解としては、VISION X-COMPACTは「特定車種ではなく、マツダ全体の方向性を示すコンセプトカー」という位置づけです。しかし、MAZDA2の行方に関する様々な噂や憶測が飛び交う中でこのモデルが発表されたこと、そして現行MAZDA2よりも小さいサイズ設定は、多くの人々に次期MAZDA2または後継モデルを連想させています。

市場が期待する量産化の可能性

ジャパンモビリティショー2025の会場では、VISION X-COMPACTに対する来場者の反応が非常に好意的でした。「欲しい」という声が多く聞かれ、実際のプロダクトとして市場に投入されることへの期待が高まっています。

デザイナーは、現行MAZDA2が全長4,080mmで欧州市場では「大きすぎる」と評価される可能性があることを認識しており、より小さなサイズのコンパクトカーを意識していることを明かしています。コンセプトカーであるにもかかわらず、全幅以外を現行MAZDA2より小さく設定していることは、想像以上にコンパクトなモデルを真剣に検討している証拠とも受け取れます。

マツダ代表取締役社長 毛籠勝弘氏のメッセージ

ジャパンモビリティショー2025のプレスカンファレンスにおいて、マツダ代表取締役社長兼CEOの毛籠勝弘氏は次のようにコメントしています。

「『走る歓びは、地球を笑顔にする』という言葉はマツダの原点であり、今後の挑戦のコアでもあります。カーボンニュートラルという人類共通の使命のもと、『走る歓び』が、社会と地球の未来をよくする力になると信じ、『クルマが好き』『いつまでも運転をしていたい』という想いを叶え続けます。」

この言葉は、VISION X-COMPACTが単なるデザインスタディではなく、マツダが目指す2035年の未来を具現化する重要なモデルであることを示しています。

まとめ|VISION X-COMPACTが示す未来

マツダ VISION X-COMPACTは、次世代コンパクトカーの方向性を示す重要なビジョンモデルです。コンパクトなボディサイズ、革新的な「ソリッドムーブ」デザイン、ロータリーエンジンを活用した新しいパワートレイン、そして人とクルマの新しい関係性を提案する先進テクノロジーなど、多くの魅力が詰め込まれています。

公式にはあくまでビジョンモデルという位置づけですが、現行MAZDA2のディスコンの噂がある中でこのモデルが発表されたタイミング、そして量産化を視野に入れたヴィオラレッドの採用など、市販化に向けた具体的な検討が進んでいる可能性を感じさせます。

第7世代商品群では、RX-VISIONやVISION COUPEで大きな期待を集めながらも、その後登場した量産車の大半がSUVだったという経緯があります。今回こそは、このスタイルを受け継いだ量産車の登場を期待したいところです。

ジャパンモビリティショー2025は11月9日まで開催されています。VISION X-COMPACTの実車は、写真や動画では伝わらない魅力があると多くの来場者が証言しています。ぜひ会場を訪れて、マツダが描く次世代コンパクトカーの未来を体感してみてください。

VISION X-COMPACT

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この記事を書いた人

KAZUのアバター KAZU 編集長

自動車専門メディア『最新自動車情報』編集長のKAZU。IT企業から独立後、自動車専門サイト『最新自動車情報』を立ち上げ、編集長として12年間運営に携わってまいりました。これまでに、新車・中古車、国産車(日本車)から輸入車(外車)まで、あらゆるメーカーの車種に関する記事を6,000本以上執筆。その経験と独自の分析力で、数々の新型車種の発表時期や詳細スペックに関する的確な予測を実現してきました。『最新自動車情報』編集長として、読者の皆様に信頼性の高い最新情報、専門的な視点からの購入アドバイス、そして車(クルマ)の奥深い魅力をお届けします。後悔しない一台選びをしたい方、自動車業界のトレンドをいち早く知りたい方は、ぜひフォローをお願いいたします。

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