ホンダを代表する軽自動車「N-BOX(エヌボックス)」が、2026年9月から10月にかけてマイナーチェンジを実施する予定です。2023年10月に3代目へとフルモデルチェンジして以来、初めての大規模改良となる今回のマイナーチェンジでは、デザインの刷新や最新インフォテインメントシステムの搭載など、商品力を大幅に向上させる内容となっています。
日本一売れている軽自動車「N-BOX」がビッグマイナーチェンジへ

国内軽自動車市場において長期間トップクラスの販売台数を記録し続けてきたN-BOXは、広い室内空間と使い勝手の良さで幅広い層から支持を集めています。今回の改良では、特に上級モデルの「N-BOXカスタム」とアウトドア志向の「N-BOX JOY(ジョイ)」に焦点を当て、デザイン性と機能性を高めた内容となっているのが特徴です。
変更点まとめ|何が進化するのか?
主な変更点一覧
エクステリア関連
- N-BOXカスタム:クロームメッキ加飾を拡大した新デザインを採用
- N-BOX JOY:エンブレム下部のエアインテークにブラックガーニッシュを追加
- より精悍で高級感のあるフロントマスクへ進化
インフォテインメント
- 「Google ビルトイン」対応の新世代インフォテインメントシステムを上位グレードに標準装備
- Google アシスタント、Google マップ、Google Playに対応
- 音声操作でハンズフリー操作が可能に
快適装備の充実
- N-BOX JOYに新グレードを追加設定
- ステアリングヒーターを新たに設定(N-BOX JOY)
- ETC2.0車載器を標準装備(一部グレード)
- オートブレーキホールドのメモリー機能追加の可能性
- USBポートがType-AからType-Cへ変更の可能性
2026年モデル N-BOXマイナーチェンジの主な変更点
【エクステリア】N-BOXカスタムのフロントマスクを刷新

今回のマイナーチェンジで最も注目されるのが、スポーティモデル「N-BOXカスタム」のエクステリアデザイン変更です。フロントグリルやバンパー周りにクローム素材の採用を拡大し、より上質で存在感のあるデザインに進化します。
先代モデル(JF3/JF4型)で人気を博したメッキ加飾を彷彿とさせるデザインを取り入れることで、N-BOXカスタムらしい「オラオラ感」を強調。シリーズの上位モデルとしての存在感を高め、デザインにこだわるユーザーのニーズに応える内容となっています。
一方、標準ボディの「N-BOX」については、親しみやすく優しいデザインコンセプトを維持し、大きな変更は予定されていません。丸穴デザインのフロントグリルや人の瞳を想起させるヘッドライトなど、シンプルで親しみやすいスタイルが継続されます。
【N-BOX JOY】クロスオーバーモデルの個性がさらにアップ

2024年9月に追加設定されたクロスオーバーモデル「N-BOX JOY」も、今回のマイナーチェンジで進化を遂げます。エンブレム下部のエアインテークにブラックのガーニッシュを採用することで、より力強くアクティブな印象を強調します。
さらに注目すべきは、N-BOX JOYに新グレードが追加される点です。このグレードには以下の装備が標準装備される見込みです。
N-BOX JOY 新グレード の主な標準装備:
- Googleビルトインタイプの9インチHonda CONNECTナビゲーション
- ETC2.0車載器
- 運転席・助手席シートヒーター
- ステアリングヒーター(N-BOXシリーズ初採用)
特にステアリングヒーターの採用は、競合のスズキ・スペーシア、日産ルークス、三菱デリカミニに対抗する重要な装備追加となります。寒冷地でのドライブを快適にするこの装備は、N-BOXシリーズで初めての採用となり、快適性が大幅に向上します。
N-BOX JOYは、シンプルでスマートなスタイルの標準N-BOXをベースに、専用グリル、専用内部グラフィックのヘッドライト、前後バンパーのブラック樹脂パーツ、鉄ホイール+ハーフキャップを装備。遊び心と力強さを兼ね備えたスタイルで、アウトドアやレジャーを楽しむユーザーに最適なモデルとなっています。
【インフォテインメント】軽自動車初のGoogleビルトインシステム搭載

新型N-BOXの目玉装備として、「Googleビルトイン」を採用した次世代インフォテインメントシステムが上位グレードに標準装備されます。これは軽自動車では初の採用となり、ホンダの車両全ラインナップにGoogleビルトインナビを搭載していく戦略の第一歩となります。
Googleビルトインシステムの主な機能:
- Google アシスタント:道路から目を離さず、ステアリングホイールを握ったまま音声操作が可能。電話、メール、音楽再生、車内温度調節などをハンズフリーで操作できます。
- Google マップ:音声操作に対応し、リアルタイムの交通情報を活用して最適なルートを提案。渋滞回避や到着時間の予測精度が向上します。
- Google Play:音楽配信サービス、ポッドキャスト、オーディオブックなど、使い慣れたアプリを車内でも利用可能。スマートフォンとのシームレスな連携が実現します。
注意点:サブスクリプション方式について
ただし、Googleビルトインシステムを利用するには「Googleアプリ/サービス専用通信プラン」への加入が必要です。最初の1年間は無料で利用できますが、2年目以降は月額990円の費用が発生します。
ナビゲーションが月額課金制になることに抵抗を感じるユーザーには、Android Auto/Apple CarPlayの活用や、ディーラーオプションナビの選択という代替手段も用意されています。
【快適装備】細部のアップデートで利便性向上
今回のマイナーチェンジでは、公式発表されていないものの、以下のような改良が予想されています。
予想される改良ポイント:
- オートブレーキホールド機能のメモリー化(自己復帰式)
- 入力用USBポートのType-A → Type-Cへの変更
- インテリア質感の向上
- 静粛性のさらなる改善
これらの改良により、日常使用における利便性と快適性がさらに向上することが期待されます。
現行N-BOXの魅力を再確認|広い室内空間と先進安全装備
軽自動車トップクラスの室内空間
新型N-BOXのボディサイズは、全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,790mmと、軽自動車の規格内で最大限の室内空間を確保しています。ホイールベースは2,520mmで、前後席ともに余裕のある足元空間を実現しています。
特に後席は大人が快適に座れる広さを確保しており、小さなお子様やお年寄りの乗り降りをサポートするため、後席トランクサイドライニングにグリップ形状のくぼみを設けるなど、細部まで配慮された設計となっています。
Honda SENSING(ホンダセンシング)を全車標準装備
安全装備については、最新の予防安全技術「Honda SENSING」を全車に標準装備。主な機能は以下の通りです。
主要な安全機能:
- 衝突軽減ブレーキ(CMBS)
- 誤発進抑制機能
- 歩行者事故低減ステアリング
- 路外逸脱抑制機能
- アダプティブクルーズコントロール(ACC):渋滞追従機能付き
- 車線維持支援システム(LKAS)
- 先行車発進お知らせ機能
- 標識認識機能
- 近距離衝突軽減ブレーキ:約2km/h~約10km/hの低速走行・後退時に対応
- 急アクセル抑制機能
さらに上位グレードには「マルチビューカメラシステム」がオプション設定され、車両周囲の映像をナビゲーション画面に表示することで、死角を減らし安全性を高めます。
パワフルで経済的なパワートレイン
エンジンスペック:
【自然吸気エンジン】
- 直列3気筒 660cc
- 最高出力:58ps/7,300rpm
- 最大トルク:6.6kgm/4,800rpm
- 可変バルブタイミング・リフト機構「VTEC」搭載
【ターボエンジン】(N-BOXカスタム)
- 直列3気筒 660ccターボ
- 最高出力:64ps/6,000rpm
- 最大トルク:10.6kgm/2,600rpm
- 7スピードモード+パドルシフト付きCVT
燃費性能(WLTCモード):
- 自然吸気エンジン:21.6km/L
- ターボエンジン:20.3km/L
自然吸気エンジンにはVTEC技術により、街中での発進加速から高速道路まで力強い走りを実現。ターボエンジンは電動ウェイストゲートにより過給圧を正確にコントロールし、アクセルレスポンスと低燃費を両立しています。
多彩なバリエーション|ライフスタイルに合わせて選べる
N-BOX標準モデル:親しみやすいシンプルデザイン
丸穴デザインのフロントグリルと優しい表情のヘッドライトが特徴。シンプルで飽きのこないデザインは、幅広い年齢層に支持されています。カラーバリエーションも豊富で、モノトーンから2トーンカラーまで選択可能です。
N-BOXカスタム:洗練されたスポーティモデル
精悍なフロントマスク、ダイレクトプロジェクション式LEDヘッドライト、専用デザインのアルミホイールなど、上質でスポーティなデザインが魅力。今回のマイナーチェンジでクローム加飾が拡大され、さらに存在感がアップします。
N-BOX JOY:アウトドアを楽しむクロスオーバー
専用のフロントグリル、ブラック樹脂パーツの前後バンパー、鉄ホイール+ハーフキャップを装備したアクティブなスタイル。内装はチェック柄シートと撥水素材のラゲッジスペースを採用し、汚れを気にせず使えるのが特徴です。
後席を倒すとフラットになる「ふらっとテラス」モードや、丸ごと取り外して洗える樹脂製アンダーボックスなど、アウトドアシーンで活躍する機能が満載です。
特別仕様車「N-BOXカスタム BLACK STYLE」
2025年12月に設定された特別仕様車は、ブラックを基調とした精悍なスタイルが特徴。専用のブラック加飾やアルミホイール、専用インテリアなどを装備し、個性を際立たせています。
ファッションスタイル・コーディネートスタイル
さらに個性を追求するユーザー向けに、「N-BOXファッションスタイル」と「N-BOXカスタムコーディネートスタイル」も設定されています。
N-BOXファッションスタイル:
- 2トーン仕様:プレミアムディープモカ・パールのドアミラー
- モノトーン仕様:オフホワイトのドアミラー・アウタードアハンドル
- ボディ同色フルホイールキャップ
N-BOXカスタムコーディネートスタイル:
- ダーククロームメッキ加飾フロントグリル
- ダーククロームメッキリアライセンスガーニッシュ
- ブラックアルミホイール
- フルプライムスムースシート
- 本革巻ステアリングホイール
- LEDフォグライト(メーカーオプション)
- マルチビューカメラシステム対応
純正アクセサリーで自分好みにカスタマイズ
モダンカジュアルスタイル(N-BOX用)
フロント&サイドデカール、LEDフォグライト&フォグライトガーニッシュ、ドアミラーカバー、14インチアルミホイールなどを用意。都会的でスタイリッシュな印象に仕上げることができます。
プレミアムスタイル(N-BOXカスタム用)
専用フロントグリル、LEDフォグライト&フォグライトガーニッシュ、リアライセンスガーニッシュ、ドアハンドルプロテクションカバー、サイド&テールゲートガーニッシュなど、上質感をさらに高めるパーツを設定。
無限カスタムパーツ
ホンダのカスタマイズブランド「無限」からは、「My SpeciaL BOX」をコンセプトにしたパーツをラインナップ。スポーティさを高めるエアロパーツ、専用サスペンション、アルミホイールなど、走りの質感を向上させるパーツが揃います。
12.8インチリア席モニター
後席で迫力ある映像を楽しめる大型モニターも選択可能。長距離ドライブやファミリーでのお出かけ時に、後席の同乗者も快適に過ごせます。
2027年度には電気自動車「N-BOX e:」も登場予定
マイナーチェンジの翌年となる2027年度には、N-BOXをベースにしたピュアEV(電気自動車)「N-BOX e:」の登場が予定されています。これはN-VAN e:に続く、後席スライドドアを備えた軽EVの第二弾となります。

N-BOX e: に期待される機能と懸念点
期待される進化ポイント:
- ヒートポンプ式暖房システムの採用(冬場の航続距離低下を防ぐ)
- 次世代Honda SENSINGの搭載
- Googleビルトインナビの標準装備
- 低重心化による走行性能の向上
懸念されるポイント:
- 駆動方式は2WDのみで4WDの設定がない可能性
- バッテリー搭載による車両重量の増加
- 床下バッテリーによるフロア位置の上昇
- N-BOX本来の広々とした室内空間を維持できるか
- 車両本体価格の上昇
特にヒートポンプ式暖房システムは、外気や部品の熱を冷媒で集めて再利用する効率的な暖房方式で、従来のPTCヒーターに比べ約3倍のエネルギー効率を誇ります。冬場の航続距離低下を防ぐ「寒冷地対策の救世主」として期待されていますが、コストとの兼ね合いで採用されるかが注目されます。
新型N-BOXの価格帯とグレード構成
現行モデルの価格帯は以下の通りです。マイナーチェンジ後は装備充実により若干の価格上昇が予想されます。
N-BOX 標準モデル
N-BOX
- FF:1,739,100円
- 4WD:1,872,200円
N-BOXファッションスタイル(モノトーン)
- FF:1,838,100円
- 4WD:1,971,200円
N-BOXファッションスタイル(2トーン)
- FF:1,898,600円
- 4WD:2,031,700円
N-BOXカスタム
N-BOX CUSTOM
- FF:1,923,900円
- 4WD:2,057,000円
N-BOX CUSTOMコーディネートスタイル(モノトーン)
- FF:2,169,200円
- 4WD:2,302,300円
N-BOX CUSTOMコーディネートスタイル(2トーン)
- FF:2,229,700円
- 4WD:2,362,800円
N-BOX CUSTOM ターボ
- FF:2,129,600円
- 4WD:2,262,700円
N-BOX CUSTOM ターボ コーディネートスタイル(モノトーン)
- FF:2,281,400円
- 4WD:2,414,500円
N-BOX CUSTOM ターボ コーディネートスタイル(2トーン)
- FF:2,341,900円
- 4WD:2,475,000円
N-BOX JOY(2025年10月価格改定後)
N-BOX JOY(モノトーン)
- FF:1,899,700円
- 4WD:2,032,800円
N-BOX JOY(2トーン)
- FF:1,982,200円
- 4WD:2,115,300円
N-BOX JOY ターボ(モノトーン)
- FF:2,108,700円
- 4WD:2,241,800円
N-BOX JOY ターボ(2トーン)
- FF:2,191,200円
- 4WD:2,324,300円
福祉車両(スロープ仕様)※消費税非課税
N-BOX スロープ
- FF:1,915,000円
- 4WD:2,036,000円
N-BOX CUSTOM スロープ
- FF:2,153,000円
- 4WD:2,274,000円
※価格は2026年2月時点の参考価格です。マイナーチェンジ後の正式価格は発表をお待ちください。
発売時期と販売戦略
新型N-BOXのマイナーチェンジは、2026年9月から10月にかけて実施される予定です。ホンダは軽自動車市場でのトップシェアを維持するため、N-BOXの商品力強化を最優先課題としており、今回のマイナーチェンジもその一環です。
特にN-BOXカスタムとN-BOX JOYの商品力を高めることで、より幅広い顧客層の獲得を狙います。スタイリッシュなデザインを求めるユーザーにはN-BOXカスタム、アウトドアやレジャーを楽しむユーザーにはN-BOX JOYと、明確な棲み分けを図っています。
競合車種との比較
スズキ スペーシア/スペーシアカスタム
最大のライバル。2023年11月にフルモデルチェンジし、マイルドハイブリッドによる優れた燃費性能が武器。価格帯もN-BOXより若干低めに設定されています。
ダイハツ タント/タントカスタム
ミラクルオープンドアが特徴。助手席側のセンターピラーレス構造により、乗り降りのしやすさでは一歩リード。
日産 ルークス
プロパイロット(高速道路同一車線運転支援技術)を軽自動車で初採用。先進安全装備の充実度が魅力。
三菱 デリカミニ
デリカD:5のデザインを受け継ぐ個性的なスタイリング。SUVテイストの軽スーパーハイトワゴンとして独自のポジションを確立。
これらの競合車種に対し、N-BOXは「バランスの良さ」と「ホンダブランドの信頼性」、そして「広い室内空間」を武器に戦っています。今回のマイナーチェンジで、デザイン性と装備の充実度をさらに高めることで、競争力を維持・強化する狙いです。
まとめ|進化を続けるN-BOXの魅力
2026年秋に実施される新型N-BOXのマイナーチェンジは、3代目として初めての大規模改良となります。N-BOXカスタムのデザイン刷新、N-BOX JOYの新グレード追加、軽自動車初のGoogleビルトインシステム搭載など、注目ポイントが満載です。
特にN-BOX JOYへのステアリングヒーター追加は、競合車種に対抗する重要な装備であり、快適性の向上が期待できます。一方、Googleビルトインナビの月額課金制については賛否両論があり、ユーザーのニーズに合わせた選択肢の提供が求められます。
さらに2027年度には電気自動車「N-BOX e:」の登場も控えており、N-BOXブランドは新たなステージへと進化していきます。ホンダが軽自動車市場のトップを維持し続けるために、N-BOXの商品力強化は今後も継続されるでしょう。
日本一売れている軽自動車として、多くのユーザーから支持されるN-BOX。マイナーチェンジでさらなる進化を遂げた新型モデルの登場が、今から楽しみです。

