2026年7月25日、スズキのインド四輪子会社であるマルチ・スズキ・インディア(以下、マルチ・スズキ)が、コンパクトSUV「ブレッツァ(Brezza)」の新型モデルを発表しました。
今回の改良では外装デザインの刷新に加え、新たに1.0リッターターボエンジン搭載モデル「ブレッツァ ターボブースタージェット」の追加、さらにCNG(圧縮天然ガス)仕様の設定など、パワートレインの大幅な拡充が最大のトピックとなっています。本記事では、新型ブレッツァの変更点・スペック・安全装備・価格などを詳しく解説します。
発表日・販売概要:
新型ブレッツァは2026年7月24日(現地時間)に発表・発売されました。生産はマルチ・スズキのカルコダ工場(インド)で行われ、インド国内のアリーナ店(Maruti Suzuki ARENA)にて販売されます。日本国内での販売は現時点では発表されておらず、インド市場向けのモデルとなっています。
スズキ ブレッツァとはどんなクルマか:
ブレッツァは、スタイリッシュなデザインと実用的なコンパクトサイズを両立した都市型コンパクトSUVです。2016年に「ビターラ ブレッツァ」の車名でインドに初登場して以来、手頃な価格と優れた装備内容から圧倒的な人気を誇り、マルチ・スズキのSUVラインナップをけん引してきた主力モデルです。これまでインド国内で累計140万台以上を販売するベストセラーモデルであり、インド市場でのスズキブランドを象徴する存在となっています。
現行モデルは2022年6月に発売された2代目で、初代のサブネーム「ビターラ」を廃止し「ブレッツァ」のみのシンプルな車名に刷新されました。2代目ではフードラインやベルトラインを強調した力強いエクステリアデザインと、ブラック・ブラウン・シルバーの加飾を組み合わせた上質なインテリアを採用。全方位モニター(360度ビューモニター)やHUD(ヘッドアップディスプレイ)、コネクテッドサービス「スズキコネクト」など先進機能も充実させ、インド市場での競争力をさらに高めています。
現在インド市場ではSUVセグメントが急速に拡大しており、2025年度の新車販売に占めるSUV比率はおよそ6割(スズキ調べ)に達しています。スズキはこの市場トレンドを踏まえ、新型ブレッツァの投入によりSUVラインナップのさらなる強化とブランド価値向上を目指しています。
新型ブレッツァの外装(エクステリア)デザイン変更点:
今回の改良でもっとも目を引くのが、フロントフェイスのデザイン刷新です。フロントグリルのデザインが新しくなり、スモーククロームの加飾が採用されています。また、メタリックグレーのブルバー(カンガルーバー)風の意匠とスキッドプレート風のロアデザインが組み合わされ、SUVらしい力強さと高級感・存在感が際立つフロントビューに生まれ変わっています。
ボディサイドには新たにデュアルトーン(2色塗り分け)のサイドクラッディングパネルが追加され、個性的かつ精悍な横顔を演出しています。ホイールデザインも刷新され、全体としてSUVらしいアクティブかつスポーティな印象がより強調されています。
なお、ボディサイズは全長3,995mm×全幅1,790mm×全高1,685mm、ホイールベース2,500mmで、前モデルから変更はありません。全長はトヨタ「ライズ」とほぼ同等ですが、全幅はトヨタ「ヤリスクロス」程度のサイズ感となっており、コンパクトSUVの中ではほどよく存在感のあるボディサイズといえます。
新たに設定された「ブレッツァ ターボブースタージェット」には、専用ターボエンブレムとレッドアクセントが施されており、スポーティなキャラクターが外観からも伝わるデザインとなっています。
新型ブレッツァのパワートレイン(エンジン・ミッション):
今回の改良における最大のトピックが、パワートレインの大幅な拡充です。従来の1.5リッターエンジン一本から、3種類のパワートレインラインナップへと拡張されました。
まず従来からの主力となる1.5リッター「K15C型」デュアルジェットエンジンは、プログレッシブスマートハイブリッドシステムと組み合わせて継続設定されます。最高出力103馬力・最大トルク139Nmを発揮し、トランスミッションは今回の改良で新たに6速MTが追加されたほか、従来の6速ATも引き続き設定されます。日常使いにおける扱いやすさと燃費効率を高次元でバランスさせた、標準グレードの主力エンジンです。
次に今回の改良で新たに追加された「ブレッツァ ターボブースタージェット」には、1.0リッター3気筒「K10C型」ガソリンターボエンジンにプログレッシブスマートハイブリッドを組み合わせたパワートレインが搭載されます。最高出力は110馬力・最大トルク170Nmを発揮し、1.5リッター自然吸気エンジンを上回るパワーとトルクを持ちながら、WLTCモードに相当する燃費は20.47km/Lという優れた数値を実現しています。トランスミッションは6速MTのみの設定となっており、走りを楽しむ若年層ドライバーをターゲットに設定されています。
さらに3つ目のパワートレインとして、アイドルストップ機能付き1.5リッターデュアルジェットエンジンを搭載したCNG(圧縮天然ガス)仕様が新たに設定されました。CNG車は環境負荷の低いカーボンニュートラル燃料であるバイオガスにも対応しており、インドの多様な燃料インフラに対応するとともに、環境意識の高まりに応えるモデルとなっています。また、CNGタンクを車体下部に収納する「アンダーボディタンクレイアウト」を採用しており、荷室や室内空間を犠牲にすることなく優れた積載性を確保している点も注目です。トランスミッションは6速MTの設定です。
新型ブレッツァの先進安全装備:
安全装備についても今回の改良で大幅に強化されています。まずインドの新車安全性能評価プログラム「BNCAP(Bharat NCAP)」において最高評価の5つ星を獲得しており、現地の安全基準における最高水準の安全性が認められています。
追加・強化された安全機能としては、車線変更時の死角に存在する車両を検知する「ブラインドスポットモニター(BSM)」、後退時に後方横から接近する車両を検知する「リアクロストラフィックアラート(RCTA)」、タイヤの空気圧をリアルタイムで監視する「タイヤ空気圧監視システム(TPMS)」、急制動時に後続車へ知らせる「エマージェンシーストップシグナル」、乗降時に後方から接近する自転車・二輪車などを検知する「降車支援警告」が装備されています。また、従来モデルから設定されている360度ビューモニターには新たに3つのビューが追加され、車両周囲の安全確認がよりきめ細かく行えるようになっています。
新型ブレッツァの主要装備・インテリア:
インフォテイメントシステムは10.1インチの大型タッチスクリーンを採用し、ワイヤレスでのAndroid Auto・Apple CarPlay接続に対応しています。さらにインターネット接続機能とAmazon Alexaアシスタントを利用可能で、スマートフォンとの連携性が大幅に向上しています。オーディオはアルカミス(Arkamys)製プレミアムスピーカーシステムを搭載し、サウンド面の質感も高められています。また、64色のアンビエントライトが室内を彩り、プレミアムな雰囲気を演出しています。
シートはブラックとブラウンの2トーンカラーで、上質な合成皮革を採用。さらにシートベンチレーション(通気機能)が設定されており、インドの高温多湿な気候においても快適な乗車環境を提供します。そのほか、リアシートへの送風用エアコン吹き出し口やUSB電源ソケット、リアシート幅の拡大など後席の快適性・利便性の高さも引き続き継承されています。
新型ブレッツァの価格:
改良された新型ブレッツァの価格は、ベースグレードが739,900インドルピーからとなっています。2026年7月下旬時点のレートに換算すると、約126万円からという設定です。インドのコンパクトSUVセグメントにおいて非常に競争力のある価格帯であり、装備内容の充実度を考えると高いコストパフォーマンスを誇るモデルといえます。なお、日本円換算の価格は為替レートにより変動するため、参考値としてご覧ください。
主要諸元(参考):
ボディサイズは全長3,995mm×全幅1,790mm×全高1,685mm、ホイールベース2,500mmです。パワートレインのラインナップは以下の3種類となっています。1.5リッター デュアルジェット(ガソリン)は6MTまたは6ATとの組み合わせ、1.5リッター デュアルジェット(CNG)は6MTのみ、1.0リッター ターボ ブースタージェット(ガソリン)は6MTのみとなっています。1.0リッターターボの燃費は20.47km/Lを実現しています。
まとめ|新型スズキ ブレッツァはインド市場の主役を担う一台:
今回発表されたスズキの新型ブレッツァは、1.0リッターターボモデルの追加・CNG仕様の新設定・デザインの刷新・先進安全装備の大幅強化・充実したインフォテイメント機能と、まさに全方位で商品力を強化した意欲的なモデルチェンジです。
特に1.0リッターターボの「ブレッツァ ターボブースタージェット」は、110馬力・最大トルク170Nmという1.5リッター自然吸気超えのパフォーマンスを持ちながら20km/Lを超える燃費も実現しており、若年層を中心に大きな注目を集めることが予想されます。また、CNG仕様はインドのエネルギー政策・環境規制にも対応した戦略的な選択肢です。
インド市場においてSUV比率が約60%にまで拡大するなか、累計140万台以上の販売実績を持つブレッツァが新世代へと進化したことで、マルチ・スズキのSUV販売はさらなる拡大が期待されます。スズキのグローバル戦略における重要な柱として、今後の動向からも目が離せません。
スズキ ニュースリリース

