プジョーは、中核モデルである「308」の改良新型を2025年6月4日に日本市場に投入しました。今回の改良では、新開発のマイルドハイブリッドパワートレイン「308 GTハイブリッド」が導入され、既存のプラグインハイブリッドモデルの名称も変更されるなど、その魅力がさらに高まっています。この進化は、プジョーが掲げる電動化戦略の一環であり、効率性、走行性能、そして環境性能の向上を追求した結果と言えるでしょう。
プジョー新型308の改良点
プジョー新型308の改良は、主に以下の点でその魅力と性能を高めています。
- 新パワートレインの導入:
- 新開発の48Vマイルドハイブリッドシステムを採用した「308 GTハイブリッド」が新たに設定されました。これは1.2Lガソリンターボエンジンと電動モーター内蔵の6速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせたものです。
- このマイルドハイブリッドシステムにより、約30km/hまでの速度域で100%電動走行が可能となり、市街地走行における実用燃費が大幅に向上しました。従来のガソリンエンジンモデルと比較して約15%の燃費改善(WLTCモード燃費20.6km/L)を実現しています。
- 新開発のガソリンターボエンジンは、タイミングチェーンへの変更、ミラーサイクル採用、ターボチャージャー可変領域の拡大、ローラー式バルブリフターによる摩擦低減、インジェクター高圧化など、全体の約40%のパーツが刷新され、エンジン最高出力が6ps向上しています。
- ハイブリッドシステム全体の最高出力は145psとなり、ガソリンエンジンモデルと比較して約11%の出力向上を果たしています。
- PHEVモデルの名称変更:
- 既存のプラグインハイブリッドモデルの名称が「308 GT HYBRID」から「308 GT Plug-in Hybrid」へ、ワゴンの「308 SW GT HYBRID」から「308 SW GT Plug-in Hybrid」へと変更されました。
- プラグインハイブリッドモデルの走行用バッテリー容量が11.8kWhから12.4kWhに増量され、EV走行距離が71kmに延長されました。
- ラインアップの再編と価格変更:
- 新開発のマイルドハイブリッドモデル「308 GT HYBRID」が479万円から設定されました。
- 旧モデルでエントリーだった1.2Lガソリンターボに代わり、1.5Lディーゼルエンジンモデルが新たなエントリーモデルとなりました。
プジョー 新型「308 GT Hybrid」新開発マイルドハイブリッド「308 GTハイブリッド」の登場
今回の改良で最も注目されるのは、新設定された「308 GTハイブリッド」です。このモデルには、新開発の1.2L直列3気筒ガソリンターボエンジンと、電動モーターを内蔵した6速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドシステムが採用されています。プジョーブランドのラインアップにおいて、この新しいパワートレインが搭載されるのは308が初めてとなります。
新開発のハイブリッドシステムは、電動モーターのアシストによって発進や停止時の振動が抑制され、非常にスムーズで快適な加速を実現しています。特に低速域からの力強いトルクの立ち上がりは、ドライバーに心地よい加速感を提供します。さらに、約30km/hまでの速度域であれば100%電動での走行が可能であり、信号待ちの多い市街地走行では、1時間あたり約50%もの時間でエンジンを停止させることができます。これにより、実用燃費は飛躍的に向上し、従来のガソリンエンジンモデルと比較して約15%もの燃費性能改善を達成し、WLTCモード燃費は20.6km/Lという優れた数値を記録しています。
この新開発ガソリンターボエンジンには、耐久性の向上と高効率運転を実現するための様々な改良が施されています。例えば、タイミングベルトから強度の高いタイミングチェーンへの変更、ミラーサイクルの採用、ターボチャージャーの可変領域の拡大、ローラー式バルブリフターによる摩擦低減、そしてインジェクターの高圧化(最大噴射圧35MPa)などが挙げられます。これらの改良により、エンジン全体の約40%のパーツが刷新され、エンジン最高出力は従来のモデルから6ps向上しています。ハイブリッドシステムトータルでの最高出力は145psとなり、これはガソリンエンジンモデルと比較して約11%もの出力向上に相当します。
プジョー 新型「308 GT Hybrid」ラインアップの再編と価格設定
今回のパワートレイン変更に伴い、308のラインアップも再編されました。これまで「308 GT HYBRID」として設定されていたプラグインハイブリッドモデルは、今回のマイルドハイブリッドモデルの登場を機に、「308 GT Plug-in Hybrid」へと名称が変更されました。同様に、ワゴンの「308 SW GT HYBRID」も「308 SW GT Plug-in Hybrid」に名称が改められています。
新型308の価格設定は以下の通りです。
モデル名 | タイプ | エンジン/ パワートレイン | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|
308 GT BlueHDi | ハッチバック | 1.5Lディーゼルターボ | 4,356,000円 | |
308 GT HYBRID | ハッチバック | 1.2LガソリンターボMHEV | 4,790,000円 | 新設定 |
308 GT PLUG-IN HYBRID | ハッチバック | 1.6LガソリンターボPHEV | 5,727,000円 | |
308 SW Allure BlueHDi | ワゴン | 1.5Lディーゼルターボ | 3,947,000円 | |
308 SW GT BlueHDi | ワゴン | 1.5Lディーゼルターボ | 4,796,000円 | |
308 SW GT PLUG-IN HYBRID | ワゴン | 1.6LガソリンターボPHEV | 6,115,000円 |
旧モデルでは1.2Lガソリンターボエンジンがエントリーモデルとなっていましたが、新型308では新開発の1.2Lガソリンターボマイルドハイブリッドに変更されたことで、1.5Lディーゼルエンジンが新たなエントリーモデルとして位置づけられています。新設定されたマイルドハイブリッド「308 GT HYBRID」は479万円からの価格設定となっています。
プジョー 新型「308 GT Hybrid」スポーティで洗練されたエクステリアデザイン
プジョー新型308のエクステリアは、新世代のデザイン言語を纏い、先進的かつスポーティな印象を際立たせています。フロントフェイスでは、プジョーのエンブレムにも採用されているライオンの爪をイメージした縦長のデイタイムライトとウインカーユニットが目を引きます。ヘッドランプには、プジョー初となる超薄型マトリックスLEDテクノロジーが採用されており、高い視認性とデザイン性を両立させています。
グリルはフレームレスデザインを採用することで、より洗練された質感を表現し、車全体のモダンな印象を高めています。リアデザインは、これまでのモデルよりも低重心なスタイルを追求し、テールランプも小型化することで、引き締まった印象を与えます。
ボディタイプにはハッチバックに加え、ワゴンの「308SW」も設定されており、幅広いニーズに対応しています。なめらかなボディラインは、ハッチバックでCd値(空気抵抗係数)0.28、ワゴンで0.277まで低減されており、優れた空力性能が走行効率の改善に貢献しています。ボディカラーは、「オブセッションブルー」「エリクサーレッド」「ペルラネラブラック」「オケナイトホワイト」の合計4色が用意されています。
モデル名 | 308(ハッチバック) | 308SW(ワゴン) |
---|---|---|
全長 | 4420mm | 4655mm |
全幅 | 1850mm | 1850mm |
全高 | 1475mm | 1485mm |
ホイールベース | 2680mm | 2730mm |
プジョー 新型「308 GT Hybrid」拡大されたボディサイズと最新のインテリアデザイン
プジョー新型308は、前世代から全長が延長されており、コンパクトモデル「208」とのバランスが考慮されています。ハッチバックのボディサイズは全長4420mm、全幅1850mm、全高1475mm、ホイールベースは2680mmです。ワゴンの308SWは全長4655mm、全幅1850mm、全高1485mm、ホイールベース2730mmとなっており、より広い室内空間を確保しています。
車体には新世代プラットフォームが採用されており、これにより広々とした室内空間が実現されただけでなく、電動パワートレインへの対応も考慮された柔軟な設計となっています。
インテリアは、プジョーの最新デザインコンセプトである「3D i-Cockpit」によって洗練された空間が創り出されています。情報のわかりやすさを追求し、10インチデジタルメーター内の配置やデザインは3D化され、重要な情報が大きく手前に表示されるよう工夫されています。インフォテインメントシステムもディスプレイサイズが10インチに拡大され、タッチ操作による各種機能のコントロールが可能となり、使いやすさが格段に向上しています。
その他、新型308ではワイヤレス充電パッドや8色のLEDアンビエントライト、10スピーカーのフォーカル製サウンドシステム、電動パワーシートなど、充実した装備が採用されています。特筆すべきは、メインディスプレイに空気の質を表示しながら汚染ガスや粒子をろ過する「クリーンキャビン機能」の採用です。ホイールベースの延長によりリアの足元スペースも拡大され、後席の快適性も向上しています。
ラゲッジスペースも広々としており、ハッチバックのガソリン車では通常時412L、後部座席を折りたたむと最大1,323Lの容量を確保します。ワゴンの308SWでは、通常時608L、後部座席を収納することで最大1,634Lという圧倒的な積載能力を誇ります。
プジョー 新型「308 GT Hybrid」多様なパワートレインと進化した走行性能
プジョー新型308には、前述のマイルドハイブリッドに加え、ディーゼルエンジンとプラグインハイブリッドがラインアップされています。
パワートレイン | ガソリンMHEV (マイルドハイブリッド) | ディーゼル | プラグインハイブリッド |
---|---|---|---|
エンジン構成 | 直列3気筒1.2Lガソリンターボ + 48V MHEV | 直列4気筒1.5Lディーゼルターボ | 直列4気筒1.6Lガソリンターボ + 電気モーター |
出力 (エンジン/ モーター) | 136ps/23.5kgm | 130ps/30.6kgm | エンジン: 180ps/25.5kgmモーター: 110ps/32.6kgm |
システム合計出力 | 145ps | - | - |
トランス ミッション | 6速DCT | 8速AT | 8速AT |
EV航続距離 | 約30km/hまで100%電動走行対応 | - | 71km |
WLTCモード 燃費 | 20.6km/L | 21.6km/L | 17.3km/L |
備考 | 新開発エンジンは前型比で約40%のパーツを刷新し、エンジン最高出力が6ps、ハイブリッドシステム全体で約11%の出力向上を実現。市街地走行での実用燃費大幅改善。 | 力強いトルクと優れた燃費性能が特徴。 | 走行用バッテリー容量が11.4kWhから12.4kWhへ増量。スマートフォンアプリでの充電設定・確認が可能。 |
旧モデルの1.2Lガソリンモデルが17.9km/Lだったのに対し、新型に設定された新開発の1.2LガソリンMHEVは20.6km/Lと、走行性能を向上させながらも燃費性能が大幅に改善されています。
プジョー 新型「308 GT Hybrid」充実した安全装備
プジョー新型308には、ブランドの先進的な安全システムが惜しみなく採用されています。
- アクティブセーフティブレーキ: 二輪車や歩行者、夜間検知にも対応し、衝突の危険を回避または軽減します。
- アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き): 高速道路などでの快適な走行をサポートします。
- レーンポジショニングアシスト: 車線の中央を維持するようにステアリング操作をアシストします。
- レーンキープアシスト: 車線逸脱の危険を検知し、ステアリング操作で車線内に戻るようアシストします。
これらの主要な機能に加え、「360°ビジョン」「ブラインドスポットモニターシステム・ロングレンジ」「リアトラフィックアラート」「ポストコリジョンセーフティブレーキ」なども採用されており、全方位にわたる高い安全性が確保されています。
電気自動車「E-308 / E-308SW」の可能性
海外市場では、電気自動車モデルとなる「E-308」と「E-308SW」も発表されています。これらのモデルは、156ps/26.5kgmを出力する電気モーターを搭載し、400kmを超える航続距離を実現しています。空力性能を高めるため、専用のフロントエンドとアンダーボディを採用し、低抵抗タイヤと18インチアルミホイールを装備しています。
ドライブモードは、「Sport(最高性能)」「Nomal(快適性最適化)」「Eco(出力抑制・航続距離最大化)」「Brake(エネルギー回生量増加)」の4モードが設定されており、走行状況に応じて最適なモードを選択できます。日本市場への導入も期待される電動モデルの展開は、プジョーの環境に対する取り組みを明確に示しています。
発売日と今後の展望
改良されたプジョー新型308は、2025年6月4日に日本で正式に発売されました。プジョーは、ブランドの主力モデルである308に最新のパワートレインと先進技術を投入することで、より幅広いユーザー層にアピールし、市場での存在感をさらに高めていくことを目指しています。
今回の改良は、単なるモデルチェンジに留まらず、プジョーが電動化時代に向けて着実に歩みを進めていることを示すものです。燃費性能の向上、走行性能の進化、そして充実した安全装備は、新型308が現代の自動車に求められるあらゆる要素を高次元で満たしていることを物語っています。
プジョー新型308は、その洗練されたデザイン、先進的な技術、そして多様なパワートレインの選択肢によって、あなたのライフスタイルに最適な一台となるでしょう。この新しい308が、これからのプジョーブランドの未来をどのように牽引していくのか、今後の動向にも注目が集まります。
ステランティス ニュースリリース
https://www.stellantis.jp/news/20250604_peugeot_308_hybrid
プジョー 308