2025年6月5日に待望のフルモデルチェンジを迎えるダイハツの人気軽ハイトワゴン「ムーヴ」。今回のフルモデルチェンジでは、ムーヴとして初めて両側スライドドアを標準装備する一方で、スポーティモデルの「ムーヴカスタム」が廃止されるなど、ラインナップにも大きな変革が見られます。軽自動車の枠内で最大限の効率性と快適性を追求してきたムーヴが、次期型でどのような進化を遂げるのか、特にそのサイズ感と新たな機能に注目が集まっています。
そこで今回は、発表された新型ムーヴのサイズや新機能を、現行ムーヴ（販売終了モデル）はもちろん、強力なライバルとなるスズキ・ワゴンRやホンダ・N-WGNといった車種と徹底的に比較することで、新型ムーヴの魅力に迫ります。
ダイハツ 新型ムーヴ サイズ・新機能 まとめ
- 新型ムーヴ vs 現行ムーヴ（販売終了モデル）
- 新型は現行型に対して、全長・全幅は軽自動車規格内でほぼ維持しつつ、ホイールベースを若干拡大。
- 全高はアップし、より開放感のある室内空間を実現。
- シリーズ初の両側スライドドアを標準装備し、利便性が飛躍的に向上。
- スポーティグレード「ムーヴカスタム」は廃止。
- DNGA（ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー）採用によるパッケージングの最適化で、室内空間、特に後席足元空間の拡大と乗り心地向上に期待。
- 荷室の使い勝手も向上する可能性。
- 新型ムーヴ vs 軽ハイトワゴンライバル
- ワゴンRやN-WGNといったヒンジドアのライバルに対し、スライドドアという大きなアドバンテージを持つ。
- 全長・全幅はほぼ同等ながら、全高やホイールベースで各社の個性が現れる部分。新型ムーヴはスライドドアによる利便性とクラストップレベルの室内空間を目指す。
- 取り回しの良さを維持しつつ、いかに広い室内空間と日常での使い勝手を実現するかがポイント。
フルモデルチェンジでの進化
- エクステリア: スタイリッシュなデザインに一新され、シャープな印象に。
- スライドドア: シリーズ初となる両側スライドドアを標準装備し、乗降性や荷物の積み下ろしが格段に向上。
- ボディカラー: シックなカラーを含む全13色の豊富なバリエーションを展開。
- インテリア: 9インチディスプレイオーディオを標準装備またはオプション設定。さらに、オプションで10インチ大型ナビゲーションも用意。電動パーキングブレーキの採用で、足元もすっきりし操作性もアップ。
- 室内空間: 全高アップにより、ヘッドクリアランスが拡大し、より開放感のある室内へ。
- 安全性能: 最新の予防安全機能「スマートアシスト」に加え、軽自動車ではまだ採用例の少ないBSM（ブラインドスポットモニター）をオプション設定し、安全性を強化。
- プラットフォーム: DNGAを採用することで、優れた操縦安定性と快適な乗り心地を実現。
新型ムーヴはこんな人におすすめ！
- スライドドア付きの軽ハイトワゴンを求める方
- 日々の足として、経済的で運転しやすく、さらに便利な車を求める方
- 限られたサイズの中で、最大限の室内空間と実用性を重視する方
- 家族での使用（特に小さなお子様がいるご家庭）や、荷物の多いシーンでの利用を考えている方
- 最新の安全運転支援システムや快適装備に関心がある方
- スタイリッシュで新しいデザインの軽自動車に乗りたい方
新型ムーヴ vs 現行ムーヴ（販売終了モデル）：サイズと仕様の大きな違い
まずは、販売終了となった現行ムーヴ（6代目 LA150S/LA160S型）と新型ムーヴのサイズと仕様を比較してみましょう。新型ムーヴの最大のトピックは、シリーズ初となる両側スライドドアの標準装備です。これにより、タントやムーヴキャンバスといった同社のスライドドア車とは異なる、新たな価値をムーヴにもたらします。一方で、長年ラインナップされてきた「ムーヴカスタム」は今回のフルモデルチェンジで廃止となり、標準モデルに集約される形となります。
基本スペック比較（現行ムーヴの数値は代表的なものです）
| 項目 | 現行ムーヴ (LA150S) | 新型ムーヴ | 現行との差 |
|---|---|---|---|
| 発売日 | - | 2025年6月5日 | - |
| 全長 | 3,395mm | 3,395mm | - |
| 全幅 | 1,475mm | 1,475mm | - |
| 全高 | 1,630mm | 1,655mm | +25mm |
| ホイールベース | 2,455mm | 2,460mm | +5mm |
| ドアタイプ | ヒンジドア | 両側スライドドア | 大幅変更 |
| カスタムモデル | あり | なし | 廃止 |
| トレッド前 | 1,305mm | 未発表 | - |
| トレッド後 | 1,295mm | 未発表 | - |
| エンジン | 直列3気筒 0.66L NA/ターボ | 直列3気筒 0.66L NA/ターボ (DNGA対応) | 改良 |
| 最高出力 (NA) | 38kW(52ps)/ 6,800rpm | 38kW（52ps）/ 6,900rpm | - |
| 最大トルク (NA) | 60Nm(6.1kgm)/ 5,200rpm | 60Nm（6.1kgm）/ 3,600rpm | - |
| 駆動方式 | FF/4WD | FF/4WD | - |
| WLTCモード燃費 | ～22.7km/L (NA FF) | 更なる向上に期待 | - |
| トランスミッション | CVT | CVT (DNGA対応) | 改良 |
| 安全装備 | スマートアシスト | スマートアシスト (進化版), BSM (OP) | 機能向上・追加 |
| 快適装備 | - | 電動パーキングブレーキ, 9インチDA, 10インチナビ(OP) | 大幅追加 |
| 乗員定員 | 4名 | 4名 | - |
ボディサイズと構造の違い
新型ムーヴは、全長・全幅を維持しつつ、全高が25mm高く、ホイールベースが5mm長くなりました。数値以上に大きな変化は、両側スライドドアの採用です。これにより乗降性が大幅に向上し、特に狭い場所でのドアの開閉や子供の乗り降りに配慮されています。全高アップは、スライドドアの採用と相まって、より開放的で使いやすい室内空間に貢献しています。エクステリアもシャープでスタイリッシュなデザインに一新されました。
室内空間とユーティリティの進化
DNGAプラットフォームによる効率的なパッケージングとホイールベースの若干の延長、そして全高アップにより、新型ムーヴの室内空間、特にヘッドクリアランスと後席の居住性は現行型に比べて大きく向上していると期待されます。スライドドアの採用で、荷物の積み下ろしや後席へのアクセスも格段にスムーズになります。インテリアには9インチディスプレイオーディオや電動パーキングブレーキといった先進装備が採用され、質感と利便性が高められています。
安全性能の進化
最新の「スマートアシスト」が搭載されるほか、軽自動車ではまだ珍しいBSM（ブラインドスポットモニター）がオプション設定されるなど、安全性能も大きく進化しています。
新型ムーヴ vs スズキ ワゴンR：スライドドアで差別化！サイズ比較
次に、軽ハイトワゴンの代表格であり、長年のライバルであるスズキ・ワゴンRと比較してみましょう。ワゴンRは伝統的なヒンジドアを採用しています。
| スペック | スズキ ワゴンR (現行 MH85S/95S) | ダイハツ 新型ムーヴ | ワゴンRとの差 |
|---|---|---|---|
| 全長 | 3,395mm | 3,395mm | - |
| 全幅 | 1,475mm | 1,475mm | - |
| 全高 | 1,650mm | 1,655mm | +5mm |
| ホイールベース | 2,460mm | 2,460mm | - |
| ドアタイプ | ヒンジドア | 両側スライドドア | 大きな違い |
ワゴンRと比較すると、新型ムーヴのサイズは全長、全幅、ホイールベースが全く同じです。全高は新型ムーヴがわずかに5mm高い設定。最大の差別化ポイントはやはりドアタイプで、新型ムーヴが両側スライドドアを手に入れたことで、ワゴンRに対して日常の使い勝手で大きなアドバンテージを持つことになります。
新型ムーヴ vs ホンダ N-WGN：異なるアプローチのライバルとサイズ比較
続いて、使い勝手の良さとシンプルなデザインで人気のホンダ・N-WGN（ヒンジドア）と比較します。
| スペック | ホンダ N-WGN (現行 JH3/4) | ダイハツ 新型ムーヴ | N-WGNとの差 |
|---|---|---|---|
| 全長 | 3,395mm | 3,395mm | - |
| 全幅 | 1,475mm | 1,475mm | - |
| 全高 | 1,675mm (FF) / 1,700mm (4WD) | 1,655mm | -20mm (FF比) / -45mm (4WD比) |
| ホイールベース | 2,520mm | 2,460mm | -60mm |
| ドアタイプ | ヒンジドア | 両側スライドドア | 大きな違い |
N-WGNと比較すると、新型ムーヴはホイールベースが60mm短く、全高もN-WGN（FFモデル）より20mm低い設定です。N-WGNは比較的長いホイールベースで広大な室内空間を追求していますが、新型ムーヴはややコンパクトなホイールベースながら、スライドドアという明確な強みを持ち、パッケージングの工夫で十分な実用性を確保していると考えられます。
新型ムーヴはどんな人におすすめ？（予測・再掲）
新型ムーヴは、両側スライドドアという大きな武器を手に入れ、デザインも一新。DNGAプラットフォームによる基本性能の向上、先進的な安全・快適装備の採用により、幅広いニーズに応える軽ハイトワゴンへと進化しました。
- スライドドア付きの軽ハイトワゴンを求める方: 特に小さなお子様がいるファミリー層や、荷物の積み下ろしが多い方には最適です。
- 日々の足として、経済的で運転しやすく、さらに便利な車を求める方: 軽自動車ならではの低燃費、小回り性能に加え、スライドドアによる利便性がプラスされます。
- 限られたサイズの中で、最大限の室内空間と実用性を重視する方: 全高アップと効率的なパッケージングにより、快適な室内空間が期待できます。
- 最新の安全運転支援システムや快適装備に関心がある方: 進化したスマートアシストやBSM（オプション）、電動パーキングブレーキなどが魅力です。
- スタイリッシュで新しいデザインの軽自動車に乗りたい方: 一新されたエクステリアと豊富なボディカラー（全13色）から選べます。
- これまでムーヴカスタムを検討していた方: カスタムは廃止されましたが、標準モデルのデザイン性向上と装備の充実に注目です。
新型ムーヴは、これらのニーズに応える魅力的な選択肢となるでしょう。
編集部から一言
2025年6月5日に発売される新型ムーヴは、まさに「大変革」と呼ぶにふさわしいフルモデルチェンジを遂げました。最大の注目点は、軽ハイトワゴンの本流であるムーヴが、ついに両側スライドドアを標準装備したことです。これにより、タントやムーヴキャンバスとは異なるキャラクターを持つスライドドア車として、新たな市場を開拓する可能性を秘めています。
ムーヴの代名詞でもあった「カスタム」の廃止は一部のファンにとっては寂しいニュースかもしれませんが、標準モデルのデザイン性向上と装備の充実、そしてスライドドアという新たな武器を得て、より幅広いユーザー層にアピールしていくダイハツの戦略がうかがえます。シックなカラーを含む13色のボディカラー展開や、9インチディスプレイオーディオ、BSM（オプション）といった装備も魅力的です。激戦区の軽自動車市場において、新型ムーヴがどのような存在感を示していくのか、大いに注目されます。
ムーヴ
