トヨタが、ピックアップトラック「ハイラックス」のフルモデルチェンジを行い、2025年9月に発売を予定しています。世界約180の国と地域で愛され、累計販売台数1800万台以上という輝かしい実績を誇るトヨタのピックアップトラック「ハイラックス」。日本では2004年に一旦販売を終了しましたが、根強いファンの声に応える形で2017年に復活導入され、そのタフネスと実用性で再び多くのユーザーを魅了しています。現行の8代目モデルは、海外市場では2015年にデビューしており、モデルライフも熟成期を迎えています。そんな中、待望のフルモデルチェンジに関する情報が注目を集めています。
しかし、その登場時期については、当初の予想から変更が生じる可能性が出てきました。2024年2月に発覚した豊田自動織機の認証不正問題により、ハイラックスを含む一部車種の生産・出荷が停止。同年10月にはハイラックスの生産休止が正式に発表されました。この影響は新型モデルの開発・発売スケジュールにも及ぶ可能性が高く、当初2025年9月と噂されていた発売時期は、現時点では不透明な状況となっています。
この記事では、現在までに判明している情報や海外でのスクープ、過去のモデルチェンジ周期などを基に、フルモデルチェンジによって生まれ変わる新型ハイラックスの全貌を徹底的に解説します。予想されるデザインの進化、パワートレインの刷新、燃費性能の向上、最新の安全装備、そして気になる価格設定や購入時の注意点、ライバル車との比較まで、あらゆる角度から次期ハイラックスに迫ります。
新型トヨタ ハイラックス フルモデルチェンジ情報まとめ
- フルモデルチェンジ時期: 当初2025年9月と予想されたが、豊田自動織機の認証不正問題に伴う生産休止（2024年10月～）の影響で、発売時期は不透明/延期の可能性が高い（2026年以降との見方も）。正式な生産再開発表待ち。
- コンセプト: タフネスと洗練性の融合、機能性・快適性・安全性の向上。
- サブネーム: 海外仕様で「ハイラックス TRAVO」に変更される可能性あり。
- エクステリアデザイン:
- よりモダンで力強いデザインへ進化、北米「タコマ」風の要素を取り入れる可能性。
- フロント：ワイドな大型グリル、薄型またはスプリットタイプのヘッドライト、立体的なボンネット。
- リア：テールランプデザイン変更、荷台の使い勝手と耐久性向上。
- ボディサイズ：現行モデルから小幅な変更に留まる見込み（全長5.3m超、全幅1.8m超）。
- 構造：高剛性な新シャシー採用、軽量化による走行性能・燃費向上。
- インテリアデザイン:
- 質感と機能性を向上させたモダンなデザイン。
- 装備：大型ディスプレイオーディオ（コネクティッドナビ対応）、車内Wi-Fi。
- 快適装備：電動パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能を新たに採用。
- 居住性：静粛性の向上、乗り心地の改善（ただしピックアップ特有の硬さは残る可能性）。
- パワートレイン:
- ディーゼル：現行2.4L/2.8Lエンジンを改良（認証問題クリア、低回転トルク向上、燃費改善）。
- ハイブリッド：ディーゼルハイブリッドシステムの導入が有力視され、大幅な燃費向上とパフォーマンス向上が期待される。
- 4WD：パートタイム4WDシステムを継承し、悪路走破性を高める電子制御（A-TRC、デフロック、マルチテレインセレクト等）を充実。
- 燃費性能:
- ディーゼルモデル：現行（11.7km/L）から改善し、12.5km/L～14.0km/L（WLTCモード）程度を予想。
- ハイブリッドモデル：15.0km/L（WLTCモード）以上の高い燃費性能が期待される。
- 安全性能:
- 最新世代の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を搭載。
- プリクラッシュセーフティ（歩行者・自転車検知）、レーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロール（全車速追従）、ロードサインアシストなどを装備。
- ブラインドスポットモニター、リヤクロストラフィックアラート、パーキングサポートブレーキなども採用し安全性を大幅に向上。
- 価格:
- 機能向上や装備充実により、現行モデルから上昇する見込み。
- 予想価格帯：380万円～550万円程度（グレードやハイブリッド仕様により変動）。ハイブリッドは500万円超えの可能性。
- 購入時の注意点:
- 発売・予約開始時期が未定のため、情報収集が必要。
- 生産休止の影響で中古車価格が高騰傾向。
- ボディサイズが大きく、駐車場の制約を受けやすい。
- オープンデッキ（荷台）は天候や盗難対策、荷物固定が必要（カバー等で対策可）。
- ピックアップ特有の硬めの乗り心地（特に空荷時）。
- ライバル車種:
- 三菱 トライトン（新型、SS4-II搭載）
- いすゞ D-MAX（海外で人気、耐久性に定評）
- ハイラックスサーフとの関係:
- ハイラックス（ピックアップ）とは異なるSUV。日本での復活可能性は低い。海外の「フォーチュナー」が実質的な後継。
トヨタ 新型 ハイラックス フルモデルチェンジの背景と発売時期：生産休止の影響と新たな可能性
自動車のモデルチェンジは、技術の進化や市場の要求に応えるために定期的に行われます。特にハイラックスのようなグローバルモデルは、常に競合車種との競争にさらされており、商品力を維持・向上させるためのフルモデルチェンジは必然と言えます。ハイラックスは、過去のモデルサイクルを見ると約10年周期でフルモデルチェンジを実施してきました。現行モデルが2015年に海外で登場したことを踏まえると、2025年から2026年にかけて新型が登場するのは自然な流れと考えられていました。
ところが、前述の豊田自動織機の認証不正問題による生産休止が、このスケジュールに大きな影響を与える可能性が出ています。生産ラインの停止は、当然ながら新型モデルの開発や生産準備にも遅れを生じさせる要因となります。そのため、一部で報じられていた「2025年9月発売」というスケジュールは現実的に厳しくなり、2025年内に生産再開に向けた準備が進み、実際の発表・発売は2026年以降にずれ込む可能性が高いと見る向きもあります。
一方で、この生産休止期間を、より完成度の高いモデルを投入するための準備期間と捉えることもできます。特にディーゼルエンジンの認証問題がクローズアップされたことを受け、次期モデルではその点を完全にクリアした、信頼性の高い新型エンジンが搭載されることは確実視されています。
また、フルモデルチェンジに伴い、海外市場で使われているサブネームが変更される可能性も浮上しています。現行モデルは「ハイラックス REVO」として知られていますが、新たに「ハイラックス TRAVO」という商標が登録されていることが確認されており、これが次期モデルのサブネームとなるかもしれません。「TRAVO」が何を意味するのかは現時点では不明ですが、"Travel"（旅）や"Traverse"（横断する）などを連想させ、ハイラックスの持つ走破性や冒険心を表現するネーミングとなる可能性も考えられます。
いずれにしても、新型ハイラックスの正確な発売時期は、トヨタからの公式な生産再開スケジュール発表を待つ必要があります。最新情報が入り次第、随時更新していく予定です。
トヨタ 新型 ハイラックス フルモデルチェンジ エクステリアデザインの大胆な進化：タフネスと洗練性の融合
新型ハイラックスのエクステリアデザインは、現行モデルのイメージを踏襲しつつ、よりモダンで力強い印象へと進化することが予想されます。特に注目されているのが、北米市場で販売されているピックアップトラック「タコマ」のデザイン要素を取り入れる可能性です。
海外で目撃されているスクープ画像やリーク情報によると、フロントフェイスは大幅に変更される見込みです。現行モデルよりもワイド感を強調した大型のグリルが採用され、ヘッドライトは薄型化、あるいは上下に分割されたスプリットタイプのデザイン（上部にデイタイムランニングライトを配置）になる可能性が指摘されています。これにより、シャープで先進的な表情を生み出すと同時に、視覚的な重心を低く見せ、安定感を演出します。ボンネット形状も、より立体的で厚みのあるデザインに変更され、オフロードトラックらしいタフネスを強調すると考えられます。
サイドビューでは、力強いフェンダーラインやキャラクターラインが、躍動感と堅牢性を表現。リアセクションでは、テールランプのデザインが一新され、荷台へのアクセス性や使い勝手を向上させるとともに、後続車からの視認性も高められます。また、荷台のゲートや周辺パネルのデザインも見直され、作業時やレジャーでの使用における傷への耐久性向上も図られるでしょう。
ボディサイズについては、現行モデル（全長5340mm×全幅1855mm×全高1800mm、ホイールベース3085mm）から大幅な変更はないと見られています。予想される新型のサイズは全長5350mm×全幅1860mm×全高1800mm程度と、若干の拡大に留まる可能性が高いです。これにより、日本の道路環境でもある程度の取り回しやすさを維持しつつ、広い荷台スペースと安定した走行性能を両立します。
一方で、ボディ構造には最新の知見が投入されます。新設計の高剛性シャシーを採用することで、ボディ全体のねじり剛性を高め、操縦安定性や衝突安全性を向上させます。同時に、高張力鋼板の使用範囲拡大やアルミ素材などの軽量素材を適材適所に採用することで、車両重量の軽量化も実現される見込みです。現行モデルの車重は約2080kg（Zグレード）ですが、新型では2050kg程度まで軽量化される可能性があり、これは走行性能や燃費性能の向上に大きく貢献します。
カラーバリエーションについても、新しいボディデザインに合わせて刷新されることが期待されます。現行モデルで人気の「アティチュードブラックマイカ」や「シルバーメタリック」、「スーパーホワイトⅡ」といった定番色に加え、新たなトレンドを取り入れたメタリックブルーやダークグリーン、あるいはオフロードイメージを強調するマット系のカラー（マットグレーなど）が追加される可能性も考えられます。
トヨタ 新型 ハイラックス フルモデルチェンジ インテリアと装備の全面刷新：機能性と快適性を大幅向上
新型ハイラックスのインテリアは、エクステリア同様に大幅な進化を遂げ、機能性と快適性が飛躍的に向上することが予想されます。タフなピックアップトラックでありながら、日常使いや長距離移動でも快適に過ごせる空間を目指した設計となるでしょう。
インパネデザインは、水平基調を基本としながら、より現代的で質感の高いものへと刷新されます。ドライバーが操作しやすいようにスイッチ類の配置が見直され、素材の質感も向上。ソフトパッドの使用範囲が広がるなど、視覚的にも触覚的にも満足度の高い内装となることが期待されます。
最も大きな進化の一つが、インフォテインメントシステムです。センターコンソールには、大型のタッチスクリーンディスプレイが搭載され、最新のコネクティッドサービスに対応します。トヨタ独自の「コネクティッドナビ」は、通信によって常に最新の地図情報や交通情報を取得し、最適なルート案内を提供。Apple CarPlayやAndroid Autoへの対応はもちろん、車内Wi-Fi機能も設定されることで、スマートフォンとの連携が強化され、移動中に音楽ストリーミングや各種アプリを快適に利用できるようになります。
快適装備の面では、待望の「電動パーキングブレーキ」と「オートブレーキホールド機能」が採用される見込みです。これにより、信号待ちや渋滞時のブレーキ操作の負担が軽減され、利便性が大幅に向上します。特に、坂道での停車・発進時に効果を発揮するオートブレーキホールドは、多くのユーザーから要望のあった機能です。
居住空間の快適性も重要な進化ポイントです。新設計の高剛性シャシーは、走行中の振動やロードノイズの室内への侵入を効果的に抑制します。エンジンノイズや風切り音対策も強化され、静粛性が大幅に向上。これにより、ドライバーと同乗者は、長時間のドライブでも疲れにくく、リラックスして過ごせるようになります。シートのデザインや素材も見直され、ホールド性と快適性の両立が図られるでしょう。
乗車定員は現行モデル同様の5人乗りが基本となりますが、室内空間の効率的な設計により、後席の足元スペースやヘッドクリアランスにもゆとりがもたらされる可能性があります。収納スペースも、日常の使い勝手を考慮して各所に設けられるでしょう。
トヨタ 新型 ハイラックス フルモデルチェンジ パワートレインの進化：ディーゼル改良と待望のハイブリッド導入か？
ピックアップトラックの心臓部であるパワートレインも、新型ハイラックスでは大きな進化が期待されます。信頼性と力強さ、そして環境性能を高次元でバランスさせることが目標となります。
まず、主力となるディーゼルエンジンについては、現行モデルに搭載されている2GD-FTV型 直列4気筒2.4Lディーゼルターボエンジン（最高出力150ps/最大トルク40.8kgm）と、1GD-FTV型 直列4気筒2.8Lディーゼルターボエンジン（最高出力204ps/最大トルク51.0kgm ※一部市場向け）が、それぞれ改良を受けて搭載される可能性が高いです。特に、豊田自動織機の認証問題をクリアするため、排ガス浄化システムや制御プログラムが見直され、よりクリーンで信頼性の高いユニットへと進化します。改良にあたっては、低回転域からのトルク特性をさらに向上させ、重い荷物を積んだ状態やオフロード走行での力強さを引き出すとともに、燃費性能の改善も図られます。
そして、新型ハイラックスにおける最大の注目点が、「ハイブリッドシステム」の導入です。近年の環境規制強化や燃費性能への要求の高まりを受け、ピックアップトラックカテゴリーにおいても電動化の波が押し寄せています。トヨタはハイブリッド技術において世界をリードしており、ランドクルーザーシリーズなどにもハイブリッドモデルを設定しています。新型ハイラックスにも、このハイブリッド技術が投入される可能性が濃厚です。
予想されるのは、ディーゼルエンジンとモーターを組み合わせた「ディーゼルハイブリッド」システムです。エンジンの力強いトルクとモーターのアシストを組み合わせることで、発進時や加速時のパフォーマンスを向上させつつ、大幅な燃費改善を実現します。システム構成としては、2.8Lディーゼルターボエンジンにモーターを組み合わせ、システム全体で現行2.8Lディーゼルを上回るパフォーマンス（例えば、最高出力は約200psを維持しつつ、トルクはモーターアシストによりさらに向上）と、大幅な燃費向上（後述）を目指すものと考えられます。
トランスミッションは、現行モデル同様に6速オートマチックトランスミッション（6 Super ECT）が主力となり、一部市場やグレードでは6速マニュアルトランスミッションも選択可能となるでしょう。ATは、よりスムーズで効率的な変速制御が行われるように改良されます。
駆動方式は、ハイラックスの伝統であるパートタイム4WDシステムが踏襲されます。通常は後輪駆動（2WD）で走行し、路面状況に応じてドライバーが任意に4WD（高速：H4、低速：L4）を選択できる方式です。このシステムに加え、悪路走破性をさらに高めるための電子制御デバイスも充実します。滑りやすい路面でタイヤの空転を抑え、駆動力を確保する「アクティブトラクションコントロール（A-TRC）」、泥濘地や砂地などでスタックした場合に後輪左右を直結して脱出性を高める「リヤデフロック」、そして、オフロード走行時に路面状況に応じて最適な駆動制御を行う「マルチテレインセレクト」の搭載も期待されます。これにより、オンロードでの快適な走りから、過酷なオフロードでの走破性まで、あらゆるシーンで高いパフォーマンスを発揮します。
前述の通り、新設計の高剛性シャシーと軽量化されたボディは、走行性能の向上にも大きく寄与します。剛性アップはハンドリングの正確性や応答性を高め、軽量化は加速性能や燃費性能だけでなく、運動性能全体の向上につながります。サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン式、リアがリーフスプリング式というピックアップトラックの定石を踏襲すると考えられますが、各部のセッティングが見直され、オンロードでの乗り心地とオフロードでの耐久性・走破性のバランスがさらに高められるでしょう。
トヨタ 新型 ハイラックス フルモデルチェンジ 燃費性能の大幅な向上に期待：ハイブリッド効果は絶大か？
環境性能への関心が高まる中、新型ハイラックスでは燃費性能の向上が重要な開発目標の一つとなります。現行モデルの2.4Lディーゼルエンジン搭載車（AT）のWLTCモード燃費は11.7km/Lですが、新型モデルではこれを上回る燃費性能が期待されます。
ディーゼルエンジン搭載モデルについては、エンジンの燃焼効率改善、フリクション低減、そして車両の軽量化などにより、燃費性能が向上します。予想されるWLTCモード燃費は、12.5km/Lから14.0km/L程度まで改善される可能性があります。特に、尿素SCRシステムの改良などにより、排出ガス性能と燃費性能の両立が図られるでしょう。
そして、燃費性能の向上において最も大きなインパクトをもたらすのが、ハイブリッドモデルの導入です。ディーゼルハイブリッドシステムが採用された場合、モーターによる走行アシストやエネルギー回生の効果により、大幅な燃費改善が見込まれます。具体的な数値はまだ不明ですが、WLTCモードで15.0km/Lを超える燃費性能を実現する可能性も十分に考えられます。これは、同クラスのピックアップトラックとしてはトップクラスの燃費性能となり、ランニングコストの低減に大きく貢献します。
大柄なボディと高い走破性を持ちながら、優れた燃費性能を実現することで、新型ハイラックスは経済性と環境性能においてもユーザーの期待に応えるモデルへと進化するでしょう。
トヨタ 新型 ハイラックス フルモデルチェンジ 安全性能の飛躍的な強化：最新「Toyota Safety Sense」を搭載
安全性能は、現代の自動車選びにおいて最も重要な要素の一つです。新型ハイラックスでは、トヨタの最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が搭載され、安全性能が大幅に強化されます。
「Toyota Safety Sense」には、以下のような先進的な機能が含まれると予想されます。
- プリクラッシュセーフティ（PCS）： 単眼カメラとミリ波レーダーを用いて、前方の車両や歩行者（昼夜）、自転車運転者（昼間）を検知し、衝突の危険がある場合には警報やブレーキ制御で衝突回避または被害軽減を支援します。交差点での右左折時の対向直進車や横断歩行者・自転車の検知機能も強化される可能性があります。
- レーントレーシングアシスト（LTA）： 高速道路などで、車線の中央を走行するようにステアリング操作を支援します。レーダークルーズコントロール作動中には、先行車に追従して走行する際にも機能し、ドライバーの負担を軽減します。
- レーダークルーズコントロール（全車速追従機能付）： 設定した速度内で、先行車との車間距離をミリ波レーダーと単眼カメラで測定し、適切な車間距離を保ちながら追従走行します。停止・発進にも対応するため、渋滞時の疲労軽減に貢献します。
- ロードサインアシスト（RSA）： 道路脇の交通標識（制限速度、一時停止、進入禁止、はみ出し禁止など）をカメラで認識し、メーター内のディスプレイに表示して、ドライバーの見落とし防止をサポートします。
- アダプティブハイビームシステム（AHS）またはオートマチックハイビーム（AHB）： 先行車や対向車のライトを検知し、ハイビームの照射範囲を自動で調整（AHS）またはハイビームとロービームを自動で切り替え（AHB）、夜間の視認性を向上させます。
これらの基本的な機能に加え、駐車時や後退時の安全性を高める機能も充実します。
- ブラインドスポットモニター（BSM）： 隣接する車線を走行する車両をレーダーで検知し、ドアミラーに搭載されたインジケーターを点灯させてドライバーに注意喚起します。車線変更時の安全確認をサポートします。
- リヤクロストラフィックアラート（RCTA）： 後退時に、左右後方から接近する車両をレーダーで検知し、警報音とドアミラーのインジケーター点滅でドライバーに知らせます。駐車場からの出庫時などに役立ちます。
- パーキングサポートブレーキ（PKSB）： 駐車時など、低速での運転中に前後方の静止物や後方の接近車両を検知し、衝突被害の軽減を支援するブレーキ制御を行います。
これらの先進安全装備により、新型ハイラックスは、日常の運転から高速道路走行、駐車時まで、様々なシーンでドライバーをサポートし、事故の未然防止に貢献します。特に、大柄なボディを持つピックアップトラックにとって、死角をカバーするBSMやRCTA、駐車を支援するPKSBは、非常に有効な装備と言えるでしょう。
トヨタ 新型 ハイラックス フルモデルチェンジ 気になる価格設定：機能向上に伴う上昇は必至か？
フルモデルチェンジに伴う機能向上や装備の充実は、車両価格にも影響を与えることが予想されます。現行ハイラックスの価格帯（2024年時点、消費税込）は以下の通りです。
- Xグレード：約352万円
- Zグレード：約388万円
- Z "GR SPORT"グレード：約431万円
新型ハイラックスでは、最新の安全装備やインフォテインメントシステム、そして可能性のあるハイブリッドシステムの搭載などにより、価格が上昇することは避けられないでしょう。
予想される新型ハイラックスの価格帯は以下の通りです（消費税込）。
- Xグレード（仮称）： 380万円 ～ 400万円程度
- Zグレード（仮称）： 420万円 ～ 450万円程度
- Z "GR SPORT"グレード（仮称）： 460万円 ～ 500万円程度
- ハイブリッド仕様（追加される場合）： 500万円 ～ 550万円程度
エントリーグレードの価格上昇は比較的小幅に抑えられるかもしれませんが、装備が充実する上位グレードや、新たに設定される可能性のあるハイブリッド仕様では、現行モデルから数十万円単位での価格アップが見込まれます。特にハイブリッド仕様は、高価なバッテリーやモーター、制御システムを搭載するため、500万円を超える価格帯となる可能性が高いです。
もちろん、これはあくまで現時点での予想であり、最終的な価格は正式発表を待つ必要があります。装備内容やグレード構成によって価格は変動するため、詳細な情報が公開され次第、改めて確認することが重要です。
トヨタ 新型 ハイラックス フルモデルチェンジ 購入検討時のポイントと注意点：生産再開時期とハイラックス特有の事情
新型ハイラックスの購入を検討する上で、いくつか注意すべき点があります。
まず、予約開始時期と納期の不確実性です。前述の通り、ハイラックスは現在生産休止中であり、予約受付も停止されています。トヨタが生産再開の具体的なスケジュールを発表するまでは、新型モデルの予約開始時期も見通せません。通常、新型車の予約は正式発表の3ヶ月から6ヶ月前頃に開始されることが多いですが、ハイラックスの場合は生産再開の目処が立ってからということになるでしょう。そのため、予約開始は早くとも2025年後半以降になる可能性が高いと考えられます。購入を希望する場合は、トヨタディーラーや公式サイトからの情報をこまめにチェックする必要があります。また、生産再開後もバックオーダーを抱えている可能性があり、予約しても納車までには相応の時間がかかることも覚悟しておく必要があるでしょう。
次に、中古車市場の価格動向です。生産休止の影響を受け、ハイラックスの中古車価格は高騰する傾向にあります。特に状態の良い高年式モデルは、新車価格に近い、あるいはそれを上回る価格で取引されるケースも見られます。新型モデルの登場を待つか、あるいは価格が高騰している中古車を選択するか、予算や納期の希望に合わせて慎重に検討する必要があります。新型の価格と比較しながら、最適な購入タイミングを見極めることが重要です。
ピックアップトラック特有の注意点（デメリット）
そして、ハイラックスというピックアップトラック特有の注意点（デメリット）も理解しておく必要があります。
- ボディサイズと駐車場問題： 新型ハイラックスも全長5.3m超、全幅1.8m超という大柄なボディサイズになることが予想されます。日本の一般的な駐車スペースでは持て余すことが多く、特に都市部では駐車場の確保が課題となります。コインパーキングのサイズ制限に引っかかったり、全幅制限のある機械式駐車場や高さ制限のある立体駐車場には停められなかったりするケースが多いため、日常的に利用する駐車場の環境を事前に確認しておくことが不可欠です。
- 荷台の使い勝手と対策： ピックアップトラックの最大の特徴であるオープンデッキ（荷台）は、大きな荷物や汚れたものを気兼ねなく積める反面、いくつかの留意点があります。まず、屋根がないため雨天時には荷物が濡れてしまいます。また、荷物が外部から見えるため、盗難のリスクも伴います。さらに、走行中の振動で荷物が動いたり、落下したりする可能性があるため、ロープやネットなどで確実に固定する必要があります。これらの対策として、オプションで用意される「トノカバー」（荷台の蓋）や「キャノピー/ハードトップ」（荷台を覆う箱型のカバー）を装着することが有効です。用途や予算に応じて検討すると良いでしょう。
- 乗り心地： ハイラックスのリアサスペンションには、重い荷物の積載に対応するため、耐久性の高いリーフスプリング（板バネ）が採用されています。これは悪路走破性や耐久性の面ではメリットが大きいですが、舗装路、特に路面の凹凸が大きい場所では、ゴツゴツとした突き上げを感じやすく、乗り心地が硬いと感じる人もいます。特に、荷台に何も積んでいない空荷状態では、リアが跳ねるような挙動（バタつき）が出やすくなります。新型ではサスペンションセッティングの改良により乗り心地の向上が図られると考えられますが、乗用車やSUVと比較すると、ある程度硬質な乗り味であることは認識しておく必要があります。試乗などを通じて、自身の許容範囲かどうかを確認することをおすすめします。
これらの注意点を理解した上で、自身のライフスタイルや使用目的にハイラックスが合っているかを検討することが、購入後の満足度を高める鍵となります。
トヨタ 新型 ハイラックス フルモデルチェンジ 強力なライバルたち：三菱 トライトン、いすゞ D-MAXとの比較
日本のピックアップトラック市場は、ハイラックスの独壇場というわけではありません。強力なライバル車種が存在し、それぞれに個性と魅力があります。新型ハイラックスを検討する際には、これらのライバルとの比較も重要になります。
- 三菱 トライトン： 2023年末に日本市場に復活導入された新型トライトンは、ハイラックスにとって最大の直接的ライバルと言えるでしょう。新開発のラダーフレームと2.4Lクリーンディーゼルターボエンジン（最高出力204ps/最大トルク47.9kgm）を搭載し、力強い走りと快適性を両立。三菱独自の「スーパーセレクト4WD-II（SS4-II）」システムは、悪路走破性とオンロードでの安定性を高いレベルで実現しています。内外装のデザインもモダンで力強く、安全装備も充実しています。価格帯は498万円から540万円（消費税込）と、ハイラックスの予想価格帯と競合します。
- いすゞ D-MAX： 日本市場には正規導入されていませんが、タイをはじめとする東南アジア市場やオーストラリアなどで絶大な人気を誇るのが、いすゞのD-MAXです。トラックメーカーとしてのノウハウが注ぎ込まれた堅牢な作りと高い耐久性、信頼性に定評があります。パワートレインは、市場によって異なりますが、1.9Lまたは3.0Lのディーゼルターボエンジンが用意されています。デザインもタフで機能的。並行輸入などで日本でも目にすることがありますが、正規ディーラーでのサポートが受けられない点には注意が必要です。
新型ハイラックスは、これらのライバルに対して、トヨタブランドの信頼性、充実した販売・サービスネットワーク、そして最新のToyota Safety Senseやハイブリッド技術（導入されれば）といった点でアドバンテージを持つと考えられます。一方で、トライトンのSS4-IIシステムのような独自の4WD技術や、D-MAXの過酷な環境下での実績など、ライバルにもそれぞれ強みがあります。デザインの好みや重視する性能、予算などを考慮し、可能であれば試乗などを通じて比較検討することをおすすめします。
ハイラックスサーフとの違いと復活の可能性
ハイラックスという名前を聞いて、「ハイラックスサーフ」を思い浮かべる方もいるかもしれません。ハイラックスとハイラックスサーフは、名前は似ていますが、異なるカテゴリーの車種です。
- ハイラックス： 荷台を持つ「ピックアップトラック」。
- ハイラックスサーフ： ハイラックスのシャシーをベースに、荷台部分を乗員スペースとしたワゴンタイプのボディを持つ「SUV」。
ハイラックスサーフは、かつて日本市場でも人気を博しましたが、現在は販売を終了しています。海外市場では、ハイラックスをベースとしたSUVとして「フォーチュナー（Fortuner）」というモデルが販売されており、これが実質的なハイラックスサーフの後継モデルと考えることができます。しかし、現在のところ、トヨタがハイラックスサーフやフォーチュナーを日本市場に導入するという公式な発表はありません。SUVの人気は依然として高いですが、日本市場にはすでにランドクルーザープラド（新型はランドクルーザー250）やRAV4など、多くのSUVラインナップがあるため、ハイラックスサーフの復活の可能性は低いと考えられます。
新型ハイラックスはあくまでピックアップトラックとして進化を遂げることになりますが、そのデザインや搭載される技術が、将来的に他のトヨタSUVに影響を与える可能性はあります。
編集部から一言
フルモデルチェンジを控えたトヨタ 新型ハイラックスは、デザイン、性能、装備、安全性、そして環境性能に至るまで、あらゆる面で大きな進化を遂げることが期待されています。タフネスと洗練性を融合させた新しいエクステリア、機能性と快適性を高めたインテリア、改良されたディーゼルエンジンと待望のハイブリッド導入の可能性、そして最新のToyota Safety Sense搭載による安全性能の向上など、魅力的な要素が満載です。
しかし、豊田自動織機の認証不正問題に端を発した生産休止の影響により、その登場時期は依然として不透明な状況です。当初予想されていた2025年後半から、2026年以降へとずれ込む可能性も指摘されており、今後のトヨタからの公式発表が待たれます。
価格についても、機能向上に伴う上昇は避けられない見込みで、特にハイブリッドモデルが導入された場合の価格設定が注目されます。また、購入を検討する際には、ハイラックス特有のボディサイズや荷台の使い勝手、乗り心地といった点も考慮に入れる必要があります。
多くの期待と同時に、いくつかの不確定要素も抱えている新型ハイラックス。その動向は、ピックアップトラックファンだけでなく、多くのクルマ好きにとって目が離せないものとなるでしょう。最新情報が入り次第、引き続き注目していく必要があります。
トヨタ
