2026年6月11日、レクサスは上級セダン「ES」のフルモデルチェンジモデルを日本国内で正式発売しました。先代(7代目)から実に8年ぶりとなる全面刷新により、8代目となる新型ESは外観・内装・パワートレインのすべてにわたって大きく進化を遂げています。
ハイブリッド(HEV)モデルに加え、待望のピュアEV(BEV)モデルを初設定するなど、次世代LEXUSの幕開けを象徴する一台として注目を集めています。本記事では、価格・スペック・デザイン・安全装備にいたるまで、新型ESのすべてを詳しく解説します。
レクサス新型ESとは?モデル概要とコンセプト:
レクサスESは1989年にフラッグシップセダン「LS」とともにデビューし、静粛性・乗り心地の良さ・広い室内空間を武器に、世界80以上の国や地域で販売されてきたLEXUSの基幹モデルです。8代目となる新型ESは「DISCOVER CONFIDENCE(背伸びではない、あなたらしい自信とともに新しいステージへ)」というブランドテーマを掲げ、歴代ESが培ってきた長距離でも疲れにくい快適性をさらに磨き上げながら、ドライバーが自信を持って運転できる動的性能を高次元で両立させることを目標に開発されました。
2025年4月に開催された「上海モーターショー2025」でワールドプレミアを果たしてから約1年2ヶ月後に日本市場へ投入されたこのモデルは、日本の伝統技術や自然の美しさを随所に取り入れた"和"と"おもてなし"の心を重視した内装設計が特徴的です。マルチパスウェイ戦略に基づき、HEVとBEVの両パワートレインを用意することで、多様なユーザーニーズに対応しています。
新型ESの主な変更点まとめ:
8代目新型ESで採用された主な変更点は以下の通りです。
- 新世代デザインテーマ「Provocative Simplicity」に着想を得たエクステリア・インテリアデザインへの刷新
- ボディサイズの大幅拡大(先代比:全長+165mm、全幅+55mm、全高+110mm)
- 新グレード「ES350h」を設定し、出力を248psへ大幅アップ
- ピュアEVモデル「ES350e」「ES500e」を新設定(航続距離670km/636km)
- 4WD(AWD)モデルを新設定
- リヤマルチリンクサスペンションをESとして初採用
- Dynamic Rear Steering(DRS)の搭載
- 世界初の「レスポンシブヒドゥンスイッチ」を採用
- 最新インフォテインメントシステムおよび助手席用ディスプレイを設定
- 新パッケージ「Rr Comfort package」をES350eに新設定
- 最新安全技術「Lexus Safety System +4.0」の搭載
価格は790万円〜!新型ESのグレード別価格一覧:
新型ESの価格は、最新技術の採用や大幅な性能向上に伴い、先代(ES300h:602万円〜)から大きく引き上げられています。特筆すべきは、ハイブリッドモデルとBEVモデルが同じ790万円というスタート価格から選択できる点で、EVへの移行を検討しているユーザーにとっても購入しやすい価格設定となっています。
- ES350h(2.5Lハイブリッド)FWD:7,900,000円
- ES350h(2.5Lハイブリッド)AWD:8,100,000円
- ES350e(EVモデル)ベース:7,900,000円
- ES350e(EVモデル)“version L”:8,800,000円
- ES350e(EVモデル)“Rr Comfort package”:9,200,000円
- ES500e(EVモデル)ベース:8,300,000円
- ES500e(EVモデル)“version L”:9,200,000円
後席の快適性を最大限に高める「Rr Comfort package」はES350eにのみ設定され、電動リクライニング、オットマン、助手席前倒し機能を装備。オーナー自身が乗るのみならず、後席に大切なゲストを乗せる機会が多いユーザーにとって魅力的な選択肢です。なお、ナビゲーションサービス(ナビパッケージ)は新車登録から初回車検(3年間)まで無料で使用でき、レクサスオーナーズデスクは永久無料となっています。
大幅拡大!新型ESのボディサイズとプラットフォーム:
新型ESのボディサイズは先代と比べて全長+165mm、全幅+55mm、全高+110mmと各寸法とも大幅に拡大されており、全長5,140mm×全幅1,920mm×全高1,555mm(HEV)/1,560mm(BEV)、ホイールベース2,950mmというスペックは、フラッグシップである「LS」(全長5,235mm)に迫る堂々たる車格を持ちます。この大型化により後席の居住空間が大幅に拡大されている一方で、日本の狭い路地での取り回しについては注意が必要とも言えるサイズ感です。

車体重量はHEVモデルで1,830〜1,890kg、BEVモデルでは2,100〜2,200kgとなっており、特にES500eの2,200kgはトヨタ・ランドクルーザー250に匹敵する重量です。これは大容量バッテリーを搭載するBEVの宿命でもありますが、後述する高出力モーターとDIRECT4制御によって、その重さを感じさせない走りを目指して開発されています。

プラットフォームには、HEVとBEV両パワートレインの搭載を可能にするために専用開発・刷新されたTNGAプラットフォーム(GA-K)を採用。フロントエンド・フロア・リヤエンドの剛性を強化し、ボディの振動を抑制することで、クルマの大きさを感じさせない素直なステアリング応答性と、加速・減速時の気持ちいいレスポンスを実現しています。

サスペンションはフロントにマクファーソンストラット式、リヤにはESとして初採用となるマルチリンク式を組み合わせ、上質な乗り心地と高い操縦安定性を両立。さらにDynamic Rear Steering(DRS)を搭載し、車速に応じて後輪を最大4度まで転舵することで、低速域での優れた回頭性・小回り性能と、高速域での高い車両安定性を実現しています。
新世代デザイン「Provocative Simplicity」!エクステリアデザイン:
新型ESの外観デザインは、次世代BEVのデザインテーマ「Provocative Simplicity(挑発的なシンプルさ)」を起点として構築されており、先代の「スピンドルグリル」から「スピンドルボディ」へと進化したフロントデザインが採用されています。装飾的な要素を徹底的に排除することで、ボディそのものが持つ彫刻的な美しさを際立たせたデザインは、プレミアムセダンとしての格調を感じさせます。

フロントには薄型の「スピンドルボディ」グリルを採用し(ハイブリッドモデルはエンジン冷却のためアッパー部に薄型グリルを設定)、次世代デザインアイコンとなる「ツインL シグネチャーランプ」が配置されています。

このランプは内向きのデイタイムランニングランプと外向きのターンランプを組み合わせた独自の造形で、夜間のLEXUSらしい存在感を強調しています。

リヤには「リヤL シグネチャーランプ」を採用し、LEXUSの発光ロゴと一体化したデザインによってワイドスタンスとボディの絞りを強調。空力性能の向上にも貢献しています。

ボディカラーは全7色をラインナップしており、ホワイトノーヴァガラスフレーク、ソニックチタニウム、ソニッククロム、ソニックイリジウム、ソウ、グラファイトブラックガラスフレーク、ソニックカッパー(メーカーオプション・165,000円)から選択可能。また、モデリスタから専用のカスタムパーツも設定されており、オーナーが自分らしい個性を表現することができます。
世界初技術も!新型ESのインテリアデザインと装備:
新型ESの内装は、日本の伝統美と先端技術を融合させた新しい体験価値の創出をテーマとして設計されています。最も注目すべき新技術は、世界初採用となる「レスポンシブヒドゥンスイッチ(Responsive Hidden Switches)」です。これは物理スイッチを内装パネルに完全に同化させることで、通常時は何もないようなクリーンな表面に見えながら、手をかざすと機能アイコンが点灯するという革新的なUIです。静電タッチパネルのようにシンプルな見た目でありながら、しっかりとした押下感のあるスイッチを採用することで、誤操作を防ぎつつ操作性と上質なデザインを高次元で両立させています。


ただし、この設計の方向性については「物理スイッチが減ったことで直感的な操作性が低下している」との指摘もあり、従来の操作感に慣れたドライバーには評価が分かれる可能性もある点は正直に記しておきます。

インフォテインメントシステムには最新世代を採用し、12.3インチの異形液晶メーターと大型センターディスプレイのほか、"version L"グレード以上には助手席専用の「ダブルモニター」も設定。助手席の同乗者が独立したスクリーンで動画や地図などを楽しめる仕様となっています。プラットフォームには次世代車載OSアーキテクチャー「Arene(アリーン)」が採用されており、ソフトウェアのアップデートにも対応しています。

インパネの加飾には「Bamboo Layering(バンブーレイヤリング)」「Modern Bamboo」「Micro Geometric」の3種類が設定され、特に「バンブーレイヤリング」は昼間は質感豊かなバンブー(竹)の立体表情を、夜間は面発光技術によって柔らかな光が空間に温かみと奥行きをもたらす仕様となっています。ドアトリムにはLEXUS初採用の「Synthetic Leather Embossing」を搭載し、印刷・透過技術を駆使して光・音・香りと連動した面発光加飾を実現しています。

内装色は新色「アオタケ」を含む全4色(アオタケ、ホワイト、ブラック、ヘーゼル)から選択可能。「アオタケ」はLEXUSが長年モチーフとしてきた竹の色味をナチュラルに表現した清楚感のあるカラーで、日本的な上質感を体現しています。

イルミネーション、音楽、空調、シートのリラクゼーション機能が連動して乗員の気持ちに寄り添う「センサリーコンシェルジュ(Sensory Concierge)」も採用。INSPIRE(気持ちの高揚)・RADIANCE(集中サポート)・REVITALIZE(リラックス)の3つのモードで、LEXUSならではのパーソナライズされた車内体験を提供します。音響システムには「Mark Levinson Surrounding System」を採用し、スピーカー配置の最適化によって立体的な音場を再現。音と光に包まれた上質な空間が演出されています。
HEVとBEVを設定!新型ESのパワートレインとスペック:
新型ESは日本市場において、ハイブリッド(HEV)1種類とピュアEV(BEV)2種類の計3パワートレインが用意されています。
ES350h(ハイブリッド)

直列4気筒2.5Lエンジンに最新世代の電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載し、システム最大出力は248ps(182kW)を発揮します。先代のES300h(178ps)から大幅に出力が向上しており、0〜100km/h加速はFWDで7.7秒、AWDで7.5秒を達成。駆動方式にはFWDに加えてAWDも新設定されており、走行安定性と悪天候時の安心感が高まっています。
ES350e(ピュアEV・前輪駆動)
前輪に1基の電気モーター(eAxle)を搭載するFWDのBEVモデルで、最大出力224ps(165kW)を発揮します。WLTCモード(19インチタイヤ装着時)での一充電航続距離は670kmと、日常の長距離移動も十分にカバーできる実用的な電費性能を誇ります。0〜100km/h加速は8.0秒で、150kW急速充電器使用時(外気温25℃)に10〜80%まで約28分での充電が可能です。
ES500e(ピュアEV・4WD)
前後に各1基の電気モーターを搭載するAWDの最上位BEVモデルで、システム最大出力は342ps(252kW)に達します。0〜100km/h加速はわずか5.5秒と、プレミアムセダンとして申し分のない動力性能を持ちます。4WD制御には「DIRECT4」を採用し、前輪と後輪の駆動力配分を0:100〜100:0の範囲でリアルタイムに制御することで、高い操縦安定性と発進加速性能を実現。WLTCモードの一充電航続距離は636kmを確保しています。
燃費・電費性能:
新型ES350hのWLTCモード燃費はFWDで25.4km/L、AWDで24.8km/Lを達成しています。先代ES300h(22.3km/L)と比べて約3km/Lの大幅改善であり、ボディサイズの大型化と出力アップを実現しながら環境性能も向上している点は特筆に値します。プレミアムセダンとしてのキャラクターを保ちながら、これだけの燃費性能を発揮することはユーザーにとって実際のランニングコスト削減にも直結します。
Lexus Safety System +4.0:最新の安全装備:
新型ESには最新世代の先進予防安全技術「Lexus Safety System +4.0」が標準搭載されています。前モデルから機能を大幅に向上させており、プリクラッシュセーフティ、レーダークルーズコントロール、レーンキープアシスト、オートマチックハイビームといった基本機能はもちろん、交差点での出会い頭衝突や右折時の対向車検知など、より複雑なシーンへの対応力が強化されています。先進安全装備の充実によって、高速道路から市街地まであらゆる走行シーンでドライバーと同乗者の安心感を高めています。
ボディカラー・インテリアカラー一覧:
ボディカラーは全7色から選択可能です。
- ホワイトノーヴァガラスフレーク〈083〉
- ソニックチタニウム〈1J7〉
- ソニッククロム〈1L1〉
- ソニックイリジウム〈1L2〉
- ソウ〈1M9〉
- グラファイトブラックガラスフレーク〈223〉
- ソニックカッパー〈4Y5〉(メーカーオプション・165,000円)
インテリアカラーは全4色(ホワイト、ブラック、ヘーゼル、アオタケ)が設定されています。
新型ESの主要スペック一覧(早見表):
| 項目 | ES350h(HEV) | ES350e(BEV FWD) | ES500e(BEV AWD) |
|---|---|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 5140×1920×1555mm | 5140×1920×1560mm | 5140×1920×1560mm |
| ホイールベース | 2,950mm | 2,950mm | 2,950mm |
| 車両重量 | 1,830〜1,890kg | 2,100kg | 2,200kg |
| システム最大出力 | 248ps | 224ps | 342ps |
| 0-100km/h加速 | 7.7秒(FWD)/ 7.5秒(AWD) | 8.0秒 | 5.5秒 |
| 燃費/航続距離 | 25.4km/L(FWD) | 670km | 636km |
| 駆動方式 | FWD / AWD | FWD | AWD |
| 価格(税込) | 790万円〜810万円 | 790万〜920万円 | 830万〜920万円 |
レクサスESを「おさらい」〜歴代の歩みと新型の位置づけ〜:
レクサスESは1989年の初代発売以来、「Executive Sedan(エグゼクティブセダン)」の頭文字を冠した名の通り、ビジネスエグゼクティブから幅広いプレミアムカーユーザーに支持されてきました。日本市場への本格導入は2018年10月の7代目(現行の先代モデル)からであり、ES自体が日本に根付いてから約8年で8代目へとフルモデルチェンジを迎えたことになります。「静粛性と乗り心地の良さ」というESのDNAを継承しながら、BEVやAWDの新設定、世界初技術の採用によって次世代のLEXUSを体現するモデルとして大きく飛躍しています。
まとめ:新型レクサスESは「買い」か?:
2026年6月発売の新型レクサスES(8代目)は、先代から飛躍的な進化を遂げた意欲的なモデルです。HEV・BEVの両パワートレインを用意しながら同じ790万円という明快な価格設定、25.4km/Lという優れた燃費性能、最大670kmという実用的な航続距離、そして世界初の「レスポンシブヒドゥンスイッチ」をはじめとする数々の先端技術など、プレミアムセダン市場での競争力は非常に高いと言えます。
一方、全長5,140mm・全幅1,920mmというボディサイズは日本の都市部では扱いにくい場面もあり得ること、またBEVモデルで2,200kgに達する車重、物理スイッチ減少による直感的操作の難しさなど、一部のユーザーには懸念点も存在します。それでも、「上質で疲れにくい移動体験」を求める方、電動化を視野に入れながら信頼性の高いLEXUSを選びたい方にとっては、現時点で最も充実した選択肢の一つと言えるでしょう。
レクサス ニュースリリース
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/44452094.html
レクサス ES

