2025年4月、上海モーターショーで世界初公開されたレクサス新型「ES」は、セダン市場に衝撃を与える革新的な進化を遂げました。8代目となる新型ESは、2026年春頃の日本発売を予定しており、「Experience Elegance and Electrified Sedan」をコンセプトに掲げた次世代プレミアムセダンとして注目を集めています。
レクサスESは1989年の誕生以来、80以上の国や地域で販売されてきたレクサスの基幹モデルです。今回の8代目では、静粛性と乗り心地というESの伝統的な美点を継承しながら、電動化時代に対応した大幅な進化を実現しています。
新型ESの概要:7年ぶりの全面刷新
ボディサイズの大幅拡大
新型ESのボディサイズは従来型から大幅に拡大されました:
- 全長: 5,140mm(+165mm)
- 全幅: 1,920mm(+55mm)
- 全高: 1,555-1,560mm(+110-115mm)
- ホイールベース: 2,950mm(+80mm)
この拡大により、セダンとして最も美しく見えるプロポーションを追求し、後席の居住性も大幅に向上しています。
デザインの革新:次世代BEVコンセプト「LF-ZC」から着想
新型ESのデザインは、次世代BEVコンセプト「LF-ZC」のデザインテーマ「Provocative Simplicity」から着想を得ています。
エクステリアの進化ポイント
- 新世代スピンドルボディ
- 従来のスピンドルグリルからボディ全体でスピンドル形状を表現
- 低いノーズと水平軸のフェンダーとの高低差で独創的な印象を創出
- ツインLシグネチャーランプ
- 内向きのデイタイムランニングランプと外向きのターンランプの組み合わせ
- 一目でレクサスと認識できる新しいアイコン
- 新色「SOU(蒼)」の採用
- BEVのクリーンなイメージを表現するブルーエフェクト
- 電動化時代を象徴するソリッドライクカラー
インテリアの革新技術
- 世界初「Responsive Hidden Switches」
- 物理スイッチを内装に同化させる革新的技術
- 機能性と上質なデザインを両立
- Sensory Concierge(センサリーコンシェルジュ)
- イルミネーション、空調、フレグランスの連動システム
- パーソナライズされた体験価値を提供
- 開放的な室内空間
- 着座位置を高く設定で乗降性と見晴らしを確保
- ガラス面積拡大による開放感の向上
パワートレインの多様化:HEVとBEVのマルチパスウェイ戦略
新型ESは、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、多様な電動パワートレインを用意しています。
HEVラインアップ
- ES300h
- 2.0L直列4気筒エンジン + モーター
- 2WD(FF)のみの設定
- ES350h
- 2.5L直列4気筒エンジン + eAxle
- システム出力:182kW(247.4PS)
- 2WD(FF)/AWD選択可能
- 0-100km/h加速:7.8-8.0秒
BEVラインアップ
- ES350e
- 2WD(FF)仕様
- 航続距離:約685km(CLTC)
- ES500e
- AWD仕様、DIRECT4搭載
- システム出力:252kW(342.6PS)
- 0-100km/h加速:5.9秒
- 航続距離:約610km(CLTC、19インチタイヤ装着時)
充電性能
BEVモデルでは150kW充電器使用時、以下の充電時間を実現:
- 外気温25℃:約30分(10-80%)
- 外気温0℃:約40分(10-80%)
- 外気温-10℃:約60分(10-80%)
プラットフォームと走行性能の進化
専用開発TNGA プラットフォーム(GA-K)
新型ESは、HEVとBEVに対応可能な専用開発されたTNGAプラットフォーム(GA-K)を採用。徹底した体幹強化により、ボディ振動を抑制し、ドライバーの意図に忠実なステアリング応答性を実現しています。
サスペンション システム
- フロント: マクファーソンストラット式
- リヤ: マルチリンク式(ES初採用)
マルチリンク式リヤサスペンションの採用により、路面追従性が向上し、スポーティな走りと快適な乗り心地を高次元で両立しています。
Dynamic Rear Steering(DRS)
車速に応じて後輪を最大4度転舵させることで:
- 低速域: 優れた回頭性と取り回しの良さ
- 高速域: 高い車両安定性
を実現しています。
最新の先進安全技術
新型ESは、進化したLexus Safety System +を搭載し、より安全・安心なドライブをサポートします。
主な安全装備
- プリクラッシュセーフティ(PCS)
- レーンチェンジアシスト(LCA)
- 新開発アダプティブハイビームシステム(AHS)
- ブラインドスポットモニター(BSM)
- ドライバー異常時対応システム
新型ESは待つべきか?購入検討のポイント
待つべき理由
- 革新的な技術満載
- 世界初の隠れスイッチ技術
- 先進的なフレグランスシステム
- 最新の電動パワートレイン
- 大幅なサイズアップ
- より広い室内空間
- 改善された後席の快適性
- デザインの大幅刷新
- 次世代レクサスデザインの採用
- 電動化時代にふさわしい先進的なスタイル
検討すべき点
- 価格の上昇予想
- 新技術の搭載により現行モデルより高価格化が予想される
- サイズの大型化
- 日本の道路事情との適合性
- 駐車場での取り回し
- 充電インフラ(BEVモデル検討時)
- 自宅や職場での充電環境整備の必要性
まとめ:次世代プレミアムセダンの到来
レクサス新型ESは、従来のセダンの概念を覆す革新的な進化を遂げています。電動化技術、最新のインテリア技術、先進安全装備を統合し、2026年春の日本発売に向けて大きな期待が寄せられています。
現行ESからの大幅な進化を考慮すると、プレミアムセダンを求める方にとって「待つ価値」は十分にあると考えられます。ただし、価格上昇や大型化による影響も検討し、自身のニーズと照らし合わせた慎重な判断が重要です。
新型ESは、レクサスが描く電動化時代のセダンの姿を体現した重要なモデルとなるでしょう。2026年春の正式発売まで、さらなる詳細情報の発表が待たれます。