米国トヨタは2026年10月27日、ラスベガスで開かれる「SEMAショー2026」に、雪上走行用のクローラー(無限軌道)を履かせたコンセプトカー「スノーハンター(Snowhunter)」シリーズ5台を出展すると発表しました。ベースはタンドラ、タコマ、4ランナー、ランドクルーザー、セコイアと、トヨタのラダーフレーム車がそろい踏みです。
SEMAショーは毎年11月に米国で開かれる世界最大級のカスタムカー・用品の見本市で、2026年は11月3日〜6日の開催です。トヨタはこれまでもSEMAで個性的なプロジェクトカーを披露してきましたが、今回は「深い雪の中を旅する」という1つのテーマで5台をまとめ、ファミリーとして見せる点が新しいところです。デザインは米国ミシガン州アナーバーにあるトヨタのデザイン拠点「CALTY(キャルティ)」が担当しました。
日本でもランドクルーザー“250”や、2026年に日本導入されたタンドラなど、ベース車の一部は買うことができます。雪国にお住まいの方や、アウトドア好きの方にとっても気になる内容です。
この記事では、新型スノーハンター コンセプトの概要、5台それぞれの装備、共通の特徴、日本で買えるベース車の価格、市販化の可能性まで、わかりやすくまとめました。


そもそも新型スノーハンター コンセプトとは?
スノーハンターは、トヨタのボディ・オン・フレーム(ラダーフレーム)構造のトラックとSUVを、深雪の中を走るための仕様に仕立て直したコンセプトカーのシリーズです。米国トヨタは「雪を引き返す理由ではなく、ルートの一部にする」という考え方で、このシリーズを企画したと説明しています。
最大の特徴は、4輪のタイヤの代わりに三角形のクローラーユニットを取り付けていることです。雪上車やスノーモービルのように、ベルト状のキャタピラで車重を広い面積に分散させるため、タイヤでは沈んでしまう深い雪の上でも進むことができます。
5台はそれぞれベース車の性格に合わせて役割が分けられています。大きな荷物を積んで山の拠点になるタンドラ、狭い林道に強いタコマ、長い冒険に向けた4ランナー、伝統の探検車ランドクルーザー、家族や仲間と大人数で出かけるセコイアという組み合わせです。
なお、米国トヨタはこれらを特別なプロジェクトのプロトタイプとして紹介しており、トヨタ以外の部品や用品を使っているため公道走行できない場合があると注意書きをしています。販売される車ではありません。
新型スノーハンター コンセプトの特徴まとめ
今回発表されたスノーハンター コンセプトのポイントは、主に以下の通りです。
- 5車種を一斉に雪上仕様へ:タンドラ、タコマ、4ランナー、ランドクルーザー、セコイアの5台
- 白いクローラーを全車に装着:白い粉体塗装を施した雪上用のトラック(クローラー)で深雪を走る
- 専用カモフラージュ柄:白地にグレーの幾何学模様のスノーハンター専用カモ柄とバッジ、グロスブラックのアクセント
- 純正・TRDのリフトアップ部品:トヨタ純正部品とTRDのリフト部品、Rigid(リジッド)製の照明を共通で採用
- デザインはCALTY:米国のトヨタデザイン拠点が全体のデザインを主導
① 全車に雪上用クローラーを装着
5台に共通する一番の見どころが、白く粉体塗装されたクローラーです。前後4か所のタイヤを外し、三角形のユニットに置き換えています。車体を持ち上げるリフトアップ部品もトヨタ純正とTRDの製品で構成されており、大きなクローラーを収めるための車高を確保しています。
② 白×グレーのスノーハンター専用カモ柄
ボディは白をベースに、グレーの角ばった模様を組み合わせた専用のカモフラージュ柄です。雪山の岩肌や陰影になじむデザインで、5台が並ぶと1つのチームのように見えます。専用バッジやグロスブラックのアクセントも共通です。
③ 照明とラックで「雪山の拠点」に
各車にはRigid製の照明が追加され、暗い雪原でも周囲を照らせるようにしています。さらにルーフラックやカーゴボックス、スキーラックなど、ベース車ごとに違う積載装備を組み合わせ、目的地での活動まで考えた仕立てになっています。
5台の装備を比較!新型スノーハンター コンセプト一覧
米国トヨタが発表した5台の主な装備を表にまとめました(クローラー、カモ柄、照明、リフト部品は全車共通です)。
| モデル | 役割 | 主な専用装備 |
|---|---|---|
| タンドラ | 移動するベースキャンプ | CALTYデザインのTrailLift Proラックシステム コンセプト、TRDリア ビレット コントロールアーム、Predatorステップ、追加照明 |
| タコマ | 狭い林道向けの身軽な1台 | ルーフラック、MOLLEパネル付きフルレングス ベッドラック、オーニング、カーゴ収納、リカバリー用品、ベッドライト |
| 4ランナー | 長距離のバックカントリー旅 | トヨタ純正ロックレール、Prinsuルーフラック(アクセサリーパネル付き)、Thule Pulse 2 カーゴボックス |
| ランドクルーザー | 伝統の探検車の冬仕様 | トヨタ純正ロックレールとスキッドプレート、Prinsuルーフラック、Thule SnowPack スキーラック |
| セコイア | 大人数と大荷物の拠点 | TRDフロントスキッドプレート、トヨタ純正アルミ鋳造ランニングボード、Prinsuルーフラック、Thule Pulse 2 カーゴボックス |
エンジンや出力などパワートレインの変更については、発表では触れられていません。見た目と足まわり、積載装備のカスタムが中心のプロジェクトです。
タンドラ スノーハンター コンセプト:動く山小屋

フルサイズピックアップのタンドラは、5台の中で「移動するベースキャンプ」という役割です。目玉はCALTYがデザインした「TrailLift Pro(トレイルリフト プロ)ラックシステム コンセプト」で、荷台の上の可動式ラックを下げられるため、自転車やカヤック、カヌーなど背の高い車の上に載せにくい道具も積み降ろししやすくなっています。
TRDのリア ビレット コントロールアームや乗り降り用のステップ、追加の照明も装着。大きな車体を生かして、雪山での滞在そのものを支える1台に仕上げています。

タコマ スノーハンター コンセプト:林道に強い身軽さ

ミッドサイズピックアップのタコマは、タンドラより小さい車体を生かし、木々の間を抜ける細い道や、補給なしで進む冬のルートを想定した仕様です。ルーフラックに加えて、MOLLE(モール)パネル付きのフルレングス ベッドラック、オーニング(日よけ)、カーゴ収納、スタックしたときに使うリカバリー用品、荷台の照明までそろえています。
荷台にもルーフにも装備を積み分けられるため、少人数で長く走り続けるオーバーランド(車中泊を重ねる旅)のスタイルに近い仕立てと言えます。
4ランナー スノーハンター コンセプト:守りと積載を強化

4ランナーは、日本ではかつて「ハイラックスサーフ」の名前で販売されていたSUVです。スノーハンター仕様では、トヨタ純正のロックレールで車体の下まわりを守り、Prinsu(プリンス)製のルーフラックとThule(スーリー)の大型カーゴボックス「Pulse 2」で積載量を増やしています。人の居住空間を確保しながら、荷物は屋根の上へ逃がす使い方です。
ランドクルーザー スノーハンター コンセプト:探検車の冬の顔

米国で「ランドクルーザー」として販売されているのは、日本のランドクルーザー“250”にあたるモデルです。写真でも、丸形のヘッドランプとTOYOTAロゴのグリルという、日本で人気の顔つきがよく分かります。
装備は、トヨタ純正のロックレールとスキッドプレートで足元を守り、Prinsuのルーフラックに、Thuleのスキーラック「SnowPack」を組み合わせています。スキーやスノーボードを積んで雪山へ向かうという、ランドクルーザーらしい冒険の姿を冬に置き換えた1台です。
セコイア スノーハンター コンセプト:大人数の雪山旅に

3列シートのフルサイズSUV、セコイアは、家族旅行から遠くのベースキャンプまで、人も荷物もたっぷり運べる役割です。TRDのフロントスキッドプレート、トヨタ純正のアルミ鋳造ランニングボード(サイドステップ)、Prinsuのルーフラック、ThuleのPulse 2 カーゴボックスを装着しています。
日本で買えるベース車はどれ?価格一覧
スノーハンターそのものは販売されませんが、ベース車のうち日本の公式サイトで販売が案内されているモデルもあります。2026年10月30日時点のトヨタ公式サイトの情報をまとめました。
| ベース車 | 日本での販売 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| ランドクルーザー“250” | 販売中(公式サイト掲載はVX ガソリン 2.7L 4WD・7人乗り) | 577万9,400円 |
| タンドラ | 米国製を導入(1794 Edition)。トヨタモビリティ東京のみ取り扱い | 1,200万円 |
| タコマ | 日本未発売 | - |
| 4ランナー | 日本未発売 | - |
| セコイア | 日本未発売 | - |
ランドクルーザー“250”
日本のランドクルーザー“250”は、トヨタ公式サイトの価格・グレードのページで、VX(ガソリン車 4WD・7人乗り)が577万9,400円、WLTCモード燃費7.5km/Lと案内されています。2026年10月21日には、販売店で丸目のヘッドランプに後から変更できるアップグレードも始まっており、スノーハンターのような「自分好みに仕立てる」楽しみ方が日本でも広がっています。
タンドラ
タンドラは、米国で生産され米国基準に適合する乗用車を日本で認める新しい制度を使って導入されたモデルです。トヨタ公式サイトでは、トヨタモビリティ東京を通じて4月2日に発売し、全国での発売は夏以降を予定していると案内しています。グレードは1794 Editionで、価格は1,200万円です。米国向け仕様のため、購入時には留意事項説明書を確認するよう求められています。
新型スノーハンター コンセプトが示すトヨタの狙い
今回の5台は、どれもエンジンには手を入れず、純正部品やTRD、有名アウトドアブランドの用品を組み合わせて仕上げています。つまり「ベース車の素性と、純正・用品の組み合わせで、ここまで遊べる」という見本の役割を持っていると考えられます。
実際に米国トヨタは、ラダーフレーム車をファミリーとして並べ、それぞれに違う使い方を割り当てました。ピックアップの荷台を生かすタンドラとタコマ、屋根上の積載で旅を広げる4ランナーとランドクルーザー、大人数向けのセコイアという分け方は、買い手が自分の遊び方に合う1台を選ぶヒントにもなっています。
新型スノーハンター コンセプトの日本発売はある?
結論から言うと、スノーハンター コンセプトの日本発売の予定はありません。米国でも販売を前提としないプロジェクトカーとして発表されており、トヨタ以外の部品・用品を使っているため公道を走れない場合があるとされています。
日本での実物展示についても、2026年10月30日時点では発表されていません。ただし、トヨタは東京オートサロンなどのカスタムカーの展示会に、毎年さまざまなコンセプトカーを出展しています。日本で見られる機会があるかどうかは、今後の発表を待つ必要があります。
購入前にチェックしたい3つのポイント
1つ目は、ベース車の入手性です。日本で正式に買えるのはランドクルーザー“250”と、取り扱い店舗が限られるタンドラだけで、タコマ、4ランナー、セコイアは日本では販売されていません。並行輸入には保証や整備の面で注意が必要です。
2つ目は、カスタムと保証・車検の関係です。米国トヨタ自身が、トヨタ以外の部品や用品は保証の対象外になる可能性があり、性能や安全に影響し、公道走行に適さない場合があると注意しています。リフトアップや大型のルーフラックを日本で取り付ける場合も、車検や保証への影響を販売店に確認しておきましょう。
3つ目は、雪道で本当に必要な装備を見極めることです。クローラーは見た目のインパクトこそ大きいものの、日常の雪道に必要なのはスタッドレスタイヤやチェーン、リカバリー用品などの基本装備です。スノーハンターのアイデアは、ルーフラックや照明などの「使える部分」から取り入れるのが現実的です。
新型スノーハンター コンセプトに関するよくある質問(FAQ)
Q. スノーハンター コンセプトはいつ、どこで公開されますか?
A. 米国トヨタが2026年10月27日に発表し、米国ラスベガスで2026年11月3日〜6日に開かれるSEMAショー2026に出展されます。
Q. ベースになっている車種は何ですか?
A. タンドラ、タコマ、4ランナー、ランドクルーザー、セコイアの5車種です。いずれもボディ・オン・フレーム構造のトラック・SUVです。
Q. 市販される予定はありますか?
A. 販売の予定は発表されていません。特別なプロジェクトのプロトタイプとして紹介されています。
Q. 日本でベース車を買うことはできますか?
A. ランドクルーザー“250”(米国名ランドクルーザー)は全国のトヨタ販売店で、タンドラはトヨタモビリティ東京で取り扱われています。タコマ、4ランナー、セコイアは日本未発売です。
まとめ:新型スノーハンターはトヨタのラダーフレーム車の「冬の遊び方」見本帳
トヨタのスノーハンター コンセプトは、タンドラ、タコマ、4ランナー、ランドクルーザー、セコイアの5台に雪上用クローラーと専用カモ柄を与えた、SEMAショー2026向けのプロジェクトカーです。エンジンはそのままに、純正部品、TRD、アウトドアブランドの用品で、それぞれの車に違う冬の役割を持たせています。
市販の予定はありませんが、日本でもランドクルーザー“250”やタンドラはベース車として購入できます。ルーフラックやスキーラック、照明など、取り入れやすいアイデアも多いので、冬のカスタムの参考にしてみてはいかがでしょうか。
最新情報が入り次第、随時更新していきます。

