2025年12月5日、レクサスは伝説のスーパーカー「LFA」の後継モデルとなる「Lexus LFA Concept」を世界初公開しました。この2代目 LFAは、2027年の発売が予定されており、レクサスのフラッグシップEVスポーツクーペとして復活します。
1. 新型レクサス2代目 LFA 最新情報|2025年12月5日世界初公開

2代目 LFAの開発背景
2代目 LFAは、当初「Lexus Sport Concept」として2025年8月のモントレー・カー・ウィーク、および同年のジャパンモビリティショーで展示されていましたが、今回正式に「LFA Concept」として名称変更され、実質的なLFAの後継モデルであることが明確になりました。
このフルモデルチェンジは、TOYOTA GAZOO Racingのフラッグシップモデル「GR GT」、およびレーシングカー「GR GT3」と基礎を共有しながら開発されており、レクサスとトヨタのモータースポーツ技術が結集された究極のスーパーカーとなっています。
2. LFA フルモデルチェンジの3つの革新ポイント
2代目 LFAのフルモデルチェンジでは、以下の3つの革新的な変更が施されています。
2-1. V10エンジンからピュアEVへの大転換

初代LFAの象徴であったV型10気筒4.8Lエンジン(1LR-GUE型)は廃止され、**100%電気自動車(BEV)**に生まれ変わりました。この決断は、レクサスが掲げる「2030年までに30車種のEVを展開する」という電動化戦略の一環であり、スーパーカーの分野でもカーボンニュートラルを実現する姿勢を示しています。
| 項目 | 初代LFA(2010-2012) | 2代目 LFA(2027予定) |
|---|---|---|
| パワートレイン | V10 4.8L自然吸気 | デュアルモーターEV |
| 最高出力 | 560PS(標準) 570PS(スペシャルエディション) | 1000PS |
| 駆動方式 | FR(後輪駆動) | AWD(四輪駆動) |
| 航続距離 | - | 約550km |
2-2. GR GT/GR GT3との技術共有

2代目 LFAは、トヨタのフラッグシップスポーツ「GR GT」およびレーシングカー「GR GT3」とアルミニウム骨格を共有しています。この戦略により、開発コストの効率化を図りながらも、レーシングカー譲りの高剛性シャシーを実現しています。
共通プラットフォームの特徴:

- オールアルミニウム骨格による軽量・高剛性化
- カーボンや樹脂製ボディパネルの適材適所配置
- ホイールベース2,725mm(GR GTと共通)
- トランスアクスルレイアウトによる理想的な重量配分
2-3. レクサスの新デザイン言語「Discover Immersion」
2代目 LFAには、レクサスの次世代デザイン言語「Discover Immersion」が採用されています。これは従来のスピンドルグリルから脱却し、よりスポーティで未来的なフロントマスクを実現するものです。
3. 2代目 LFAのエクステリアデザイン|ロングノーズ&ショートデッキの美学
3-1. フロントデザイン

2代目 LFAのフロントマスクは、スピンドルグリルっぽさを残しながらも、「レクサス=スピンドルグリル」というイメージからの脱却を図るブレイクスルーデザインとなっています。
フロントデザインの特徴:
- 4灯式LEDヘッドライト:水平基調と縦基調を組み合わせた独特の意匠
- L字型LEDデイライト:ヘッドライト中央を横切るように配置
- エアロダイナミクス最適化:ロングノーズによる空気抵抗の低減
- 前面投影面積の縮小:ルーフ形状の最適化による走行性能向上
3-2. サイドビュー

2代目 LFAのサイドビューは、伝統的なFRスポーツカーのフォルムである「ロングノーズ&ショートデッキ」を採用しています。
サイドデザインの特徴:
- アグレッシブなサイドスカート
- 空力を積極的に利用する設計
- 強力なダウンフォースを発生させるディフューザー
- 全高1,195mmの低重心スタイル
3-3. リアデザイン

リアエンドは、初代LFAへのオマージュを随所に感じさせるデザインとなっています。
リアデザインの特徴:
- 一文字LEDテールランプ:センター直結風のデザイン
- 逆"L"字型意匠:複雑さと精悍さを演出
- 3灯式LEDリアフォグ:初代LFAの3本出しマフラーをイメージ
- アクティブリアウイング:車速感応式で空力性能を最適化
4. ボディサイズと車体構造|初代から大幅に拡大
4-1. ボディサイズ比較
2代目 LFAのボディサイズは、出力向上に対応した走行安定性を確保するため、初代LFAから大幅に拡大されています。
| 寸法 | 初代LFA | 2代目 LFA | 差異 |
|---|---|---|---|
| 全長 | 4,505mm | 4,690mm | +185mm |
| 全幅 | 1,895mm | 2,040mm | +145mm |
| 全高 | 1,220mm | 1,195mm | -25mm |
| ホイールベース | 2,605mm | 2,725mm | +120mm |
| 乗車定員 | 2名 | 2名 | - |
4-2. 車体構造の進化

初代LFAではCFRP(炭素繊維強化プラスチック)モノコックが採用されていましたが、2代目 LFAでは以下のハイブリッド構造に変更されています。
2代目 LFAの車体構造:
- オールアルミニウム骨格:GR GTと共有のプラットフォーム
- カーボン製ボディパネル:高剛性と軽量化を両立
- 樹脂製パーツ:適材適所での採用
- バッテリー床下配置:低重心化と理想的な重量配分
この構造変更により、製造コストの削減と量産性の向上を図りながらも、初代LFAに匹敵する高剛性と軽量性を実現しています。
5. インテリアデザインと最新装備|没入感を高めるコックピット
2代目 LFAのインテリアは、「Discover Immersion(没入感の発見)」というコンセプトのもと、ドライバーが運転に集中できる環境が追求されています。
5-1. デジタルコックピット

インテリアの主な特徴:
- デジタルメーター:直感的な情報表示
- タッチ式インフォテインメントシステム:車体セッティングの変更や状態確認に対応
- ドライビングポジション最適化:2シーターレイアウト継続
- 軽量スポーツシート:ホールド性と快適性の両立
5-2. 「F-MODE」とは?
2代目 LFAには、謎の機能「F-MODE」の存在が確認されています。これは、レクサスFシリーズの伝統を受け継ぐ特別な走行モードと推測されており、以下のような機能が予想されます。
F-MODEの予想機能:
- サーキット走行に最適化された設定
- パワートレインの出力特性変更
- サスペンション硬度調整
- ESC(横滑り防止装置)の介入レベル変更
5-3. データロガー機能
2代目 LFAには、本格的なデータロガー機能が搭載されます。
データロガーで記録される情報:
- アクセル、ブレーキ、ステアリング操作
- 車速、モーター回転数
- 加速度(G)の各種センサー数値
- 車両の位置と方向
- カメラ撮影映像:サーキット走行映像と同期
これらのデータを分析することで、ドライビングスキルの向上やサーキット走行の最適化が可能になります。
6. パワートレインとスペック|1000PS超のモンスターEV

6-1. 新開発EVシステム
2代目 LFAには、レクサス初となる1000PS超のデュアルモーターEVシステムが搭載されます。
パワートレインスペック:
- 形式:電気モーター×2(フロント+リア)
- システム最高出力:1000PS(約735kW)
- 駆動方式:AWD(電動四輪駆動)
- 航続距離:約550km(WLTC推定)
- 充電性能:急速充電対応(詳細未発表)
6-2. 初代LFAとのスペック比較
| 項目 | 初代LFA | 2代目 LFA |
|---|---|---|
| エンジン/モーター | V10 4.8L | デュアルモーターEV |
| 最高出力 | 560PS | 1000PS |
| 最大トルク | 48.9kgf·m | 未発表(推定150kgf·m以上) |
| 0-100km/h加速 | 3.7秒 | 推定2.5秒以下 |
| 最高速度 | 325km/h | 未発表 |
| トランスミッション | 6速ASG | シングルスピード |
| 車両重量 | 1,480-1,580kg | 推定1,700kg前後 |
6-3. GR GTとの差別化
2代目 LFAと基礎を共有する「GR GT」はV型8気筒4Lツインターボ+1モーターハイブリッドを搭載していますが、2代目 LFAは完全なEVとして差別化されています。
GR GTのスペック(参考):
- エンジン:V8 4.0Lツインターボ+モーター
- システム出力:650PS以上
- 最大トルク:86.7kgf·m以上
- 駆動方式:FR
- 最高速度:320km/h以上
7. 価格と発売日|4500万円で2027年発売予定
7-1. 価格設定
2代目 LFAの予想価格は4500万円とされています。初代LFAの3750万円から約20%の価格上昇となりますが、これは以下の要因によるものです。
価格上昇の要因:
- 最新EVパワートレインの採用
- レーシングカー(GR GT3)からの技術フィードバック
- 1000PSという圧倒的なパフォーマンス
- 限定生産によるプレミアム性
7-2. 発売日と生産計画
発売スケジュール:
- 2025年12月5日:Lexus LFA Conceptとして世界初公開
- 2027年:市販モデル発売予定
- 生産方式:少量限定生産(台数未発表)
- 生産拠点:トヨタ自動車元町工場(推定)
初代LFAは500台限定生産でしたが、2代目 LFAの生産台数は現時点で公表されていません。ただし、GR GTと同様に少量限定生産が予定されており、抽選販売または既存顧客への優先案内となる可能性が高いでしょう。
8. 初代LFAから受け継ぐDNA|伝説のスーパーカーの系譜
8-1. 初代LFAの歴史
初代レクサスLFAは、2010年12月から2012年12月にかけて500台限定で生産された2人乗りスーパーカーです。レクサスのプレミアムスポーツ「Fシリーズ」の頂点として開発され、「世界超一級レベルの運動性能と超一流の感性と官能を持ち合わせるスーパースポーツカー」というコンセプトで誕生しました。
初代LFAの主要スペック:
- エンジン:1LR-GUE型 V10 4.8L
- 最高出力:560PS(標準)/ 570PS(ニュルブルクリンクパッケージ)
- 最大トルク:48.9kgf·m
- トランスミッション:6速ASG(セミAT)
- 車両重量:1,480-1,580kg
- 0-100km/h加速:3.7秒
- 最高速度:325km/h
- 価格:3750万円
8-2. 初代LFAの開発秘話
初代LFAの開発は2000年冬、北海道での冬季テスト中に棚橋晴彦が上司にスポーツカー開発を直訴したことから始まりました。
開発のマイルストーン:
- 2000年冬:プロジェクト非公式スタート
- 2003年6月:最初の試作車完成、ニュルブルクリンクでテスト開始
- 2005年1月:「LF-A」コンセプトカーが北米国際オートショーで初公開
- 2005年5月:ボディ素材をアルミからカーボンに変更決定
- 2007年4月:正式プロジェクトとして商品化許可
- 2009年10月:東京モーターショーで市販モデル「LFA」発表
- 2010年12月15日:生産開始
- 2012年12月14日:500台目の生産完了
8-3. 初代LFAが残した遺産
初代LFAは莫大な開発費をかけたため、販売は赤字に終わったとトヨタ自身がコメントしています。しかし、LFAの開発によって培われた以下の技術は、その後のレクサス車に大きな影響を与えました。
LFAが残した技術遺産:
- CFRP製造技術(豊田自動織機と共同開発)
- V10エンジン開発ノウハウ(ヤマハ発動機と共同)
- FRスポーツカーのパッケージング技術
- レーシングカー譲りの空力技術
- データロガーシステム
9. GR GTとの関係性|「ONE TEAM」の開発体制
9-1. GR GT / GR GT3との技術共有

2代目 LFAは、トヨタのフラッグシップスポーツ「GR GT」、およびレーシングカー「GR GT3」とアルミニウム骨格を共有しています。これは「ONE TEAM」というコンセプトのもと、レクサスとTOYOTA GAZOO Racingが共同開発している証です。
3車種の関係性:
| モデル | GR GT3 | GR GT | Lexus 2代目 LFA |
|---|---|---|---|
| 用途 | レーシングカー | 市販スポーツ | 市販スーパーカー |
| パワートレイン | レース仕様 | V8 4L ツインターボ+HEV | デュアルモーターEV |
| 出力 | レギュレーション準拠 | 650PS以上 | 1000PS |
| 駆動方式 | FR | FR | AWD |
| ホイールベース | 2,725mm | 2,725mm | 2,725mm |
9-2. レーシング技術のフィードバック
GR GT3で培われたレーシング技術は、以下の形で2代目 LFAにフィードバックされています。
レーシング技術の市販車へのフィードバック:
- 高剛性アルミニウムフレーム
- 空力性能最適化(ダウンフォース、ドラッグ係数)
- サスペンションジオメトリー
- ブレーキ冷却システム
- データロガー機能
9-3. なぜ2代目 LFAはEVなのか?
GR GTがV8ハイブリッドを採用する中、なぜ2代目 LFAは完全なEVとなったのでしょうか?
2代目 LFAがEVを選択した理由:
- レクサスのEV戦略:2030年までに30車種のEV展開を目指すレクサスのフラッグシップとして
- 圧倒的な出力:1000PSという出力を実現するには、EVが最も効率的
- 差別化:GR GTとの明確な差別化
- 環境性能:カーボンニュートラル実現への貢献
- 技術実証:レクサスのEV技術を示すショーケース
10. まとめ:2代目 LFAが示すレクサスの未来
2代目 レクサスLFAは、単なる初代LFAのフルモデルチェンジではなく、レクサスの未来を示すシンボルとして誕生します。
2代目 LFAの5つの意義
1. 電動化時代のスーパーカー像
V10エンジンからピュアEVへの転換は、スーパーカーの新時代を切り開く象徴的な出来事です。1000PSという圧倒的な出力と550kmの航続距離を両立し、「EVでもスーパーカーは成立する」ことを証明します。
2. モータースポーツ技術の市販化
GR GT3というレーシングカーと基礎を共有することで、モータースポーツで培われた技術を直接市販車にフィードバック。「レースで勝つための技術」が公道を走る時代が到来します。
3. レクサスの新デザイン言語
「Discover Immersion」という新デザイン言語は、スピンドルグリルからの脱却を図るもの。2代目 LFAはレクサスのデザイン革新の第一歩となります。
4. 少量生産スーパーカーの新モデル
初代LFAは赤字プロジェクトでしたが、GR GTとプラットフォームを共有することで開発コストを削減。少量生産でも採算が取れるビジネスモデルを構築しています。
5. トヨタ/レクサスのブランド価値向上
スーパーカーは「作れる技術力」を示すブランディングツールです。2代目 LFAの存在は、レクサスが世界最高峰の自動車ブランドであることを証明します。
初代LFAファンへのメッセージ
初代LFAの甲高いV10サウンドを愛するファンにとって、EVへの転換は賛否が分かれるでしょう。しかし、2代目 LFAは初代の精神を受け継ぎながらも、時代に合わせて進化した姿です。
初代LFAから受け継ぐもの:
- 2シータースポーツカーとしてのピュアなコンセプト
- 妥協のない走行性能追求
- 限定生産によるエクスクルーシビティ
- 日本の匠の技(ハンドメイド生産)
2代目 LFAで進化したもの:
- V10からEVへのパワートレイン革新
- レーシングカーとの技術共有
- 1000PSという圧倒的な出力
- 次世代デザイン言語
今後の注目ポイント
2代目 LFAの正式発売に向けて、今後注目すべきポイントは以下の通りです。
今後の注目情報:
- 市販モデルの最終デザイン(コンセプトからの変更点)
- 詳細スペック(トルク、0-100km/h加速、最高速度)
- バッテリー容量と充電性能
- 生産台数と販売方法(抽選?先着順?)
- ニュルブルクリンクのラップタイム
- 実際の販売価格
- オプション装備とカスタマイズプログラム

