2025年、三菱の軽ハイトワゴン「eKスペース」が待望のフルモデルチェンジを迎えます。新世代となる3代目eKスペースは、8月22日に先行公開され、同日から予約受付を開始。9月18日の正式発表を経て、10月29日の発売が予定されています。
三菱自動車の主力軽自動車として、また日産ルークスとの共同開発モデルとして、どのような進化を遂げたのか詳しく解説します。
フルモデルチェンジの主要ポイント
デザインの刷新
新型eKスペースは、従来のマイルドで親しみやすいデザインから一新。スクエア基調のアイコニックな造形を採用し、シンプルかつ高品質な印象を演出しています。フロントには黒い帯でつながるグリルとキューブ型LEDヘッドランプを採用し、存在感を大幅にアップさせました。
パワートレインの最適化
注目すべきは、前モデルに採用されていたマイルドハイブリッドシステムを廃止しながらも、燃費性能を向上させた点です。直列3気筒660ccエンジンを最適化し、FF車で22.0km/L(前モデル比+1.1km/L)の優秀な燃費を実現しています。
先進安全装備の大幅強化
軽自動車初となる「後側方衝突防止支援」機能をはじめ、三菱自動車として軽自動車初の「後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)」と「後退時交差車両検知警報システム」を搭載。さらに交差点での衝突を回避する「交差点アシスト」機能も採用されています。
価格・グレード構成
新型eKスペースの価格設定
グレード | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|
M | FF | 174万円 |
M | 4WD | 187万円 |
G | FF | 182万円 |
G | 4WD | 194万円 |
前モデルと比較して約15万円の価格上昇となっていますが、これは大幅に強化された安全装備や質感向上によるものです。
前モデルとの価格比較
前モデル(2023年型)と比較すると、確実に価格は上昇していますが、搭載される装備の充実度を考慮すれば妥当な価格設定と言えるでしょう。
エクステリアデザインの詳細
フロントデザイン
新型eKスペースのフロントフェイスは、スクエア基調のデザインでまとめられています。キューブ型LEDヘッドランプと黒い帯状のグリルが一体となって、モダンで洗練された印象を与えます。
サイドビュー・リアデザイン
サイドからは、ルーフ前端を10cm延長してフロントウインドウを立たせ、車内空間の広がりを演出。リアデザインはスクエア型のコンビネーションランプを採用し、シンプルでクリーンな印象に仕上げられています。
ボディカラーバリエーション
多彩なボディカラーを用意し、幅広い顧客のニーズに対応。老若男女問わず愛される親しみやすさと、モダンな質感を両立させています。
インテリア・室内空間の進化
デジタル化の推進
新型eKスペースの内装で最も注目すべきは、7インチデジタルメーターの新採用です。多彩な情報をわかりやすくドライバーに提供し、運転をサポートします。
室内空間の拡大
- 室内長: 前型より115mm拡大してクラストップの2,315mmを実現
- 後席ニールーム: クラストップの795mmを維持
- 後席スライド: 最大320mmのスライドが可能
収納・利便性の向上
インパネには角型紙パックも入るカップホルダーや、ティッシュボックスを丸ごと隠せる引き出し、スマートフォンや財布などを置けるインストセンタースライドボックスなど、実用的な収納を多数配置しています。
乗降性の改善
後席スライドドアは650mmの開口幅を確保し、大型乗降用グリップも装備。子どもの乗せおろしが無理なくスムーズに行えます。
パワートレイン・走行性能
エンジンスペック
- エンジン: 直列3気筒660cc自然吸気
- 最高出力: 52ps
- 最大トルク: 6.2kgm
- トランスミッション: CVT
- 駆動方式: FF / 4WD
燃費性能
- FF車: 22.0km/L
- 4WD車: 20.0km/L
マイルドハイブリッドを廃止しながらも、エンジンの最適化により燃費を向上させています。
走行性能の向上
ステアリングの操舵力とショックアブソーバーの減衰力を最適化することで、低速時はキビキビと軽快な、高速時はしっかりと安定したハンドリング性能を実現しています。
先進安全装備「MI-PILOT」
軽自動車初の安全機能
- 後側方衝突防止支援: 軽自動車初搭載
- 後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付): 三菱軽自動車初
- 後退時交差車両検知警報システム: 三菱軽自動車初
- 交差点アシスト: 対向・交差車両や歩行者を検知し衝突回避をサポート
3Dマルチアラウンドモニター
三菱自動車として初採用となる3Dマルチアラウンドモニターにより、車両周囲を8つの視点から立体的に確認可能。ノーズパノラマビューやフロントアンダーフロアビューなども搭載し、安全運転を強力にサポートします。
利便性向上機能
軽自動車初となる「接近時アンロック」「降車時オートロック」を採用。電動スライドドアのハンズフリー機能と合わせて、荷物を持った状態でも快適な乗り降りが可能です。
ボディサイズ・設計
基本サイズ
- 全長×全幅×全高: 3,395×1,475×1,785mm
- ホイールベース: 2,495mm
軽自動車規格をフル活用したサイズ設定で、室内空間を最大限確保しています。
設計の最適化
エンジンルームを縮小して室内空間を拡大し、後席フロア部にはフラットフロアを採用。ボディ剛性も向上させ、より軽快な走りを実現しています。
ライバル車比較
主要競合車種
- ホンダ N-BOX: 軽ハイトワゴン市場のベンチマーク
- スズキ スペーシア: 優れた燃費性能で人気
- ダイハツ タント: 使い勝手の良さで定評
eKスペースの優位性
新型eKスペースは、軽自動車初となる先進安全装備の数々と、クラストップレベルの室内空間の広さが大きな魅力。特に安全性を重視するファミリー層には強力な訴求力を持ちます。
発売スケジュール
- 先行公開・予約開始: 2025年8月22日
- 正式発表: 2025年9月18日
- 発売開始: 2025年10月29日
同時に、姉妹車である日産ルークスと三菱デリカミニもフルモデルチェンジが予定されています。
購入を検討する際のポイント
おすすめグレード
日常使いを重視するなら「G」グレードがおすすめ。充実した装備内容と価格のバランスが優秀です。
4WDの必要性
降雪地域や悪路走行が多い場合は4WD車を検討。ブレーキLSD機能により、様々な路面状況で安定した走行が可能です。
従来モデルからの買い替えメリット
- 大幅に向上した安全性能
- 拡大された室内空間
- 改善された燃費性能
- デジタル化された操作系
まとめ
新型三菱eKスペースは、軽ハイトワゴン市場において確実に競争力を高めた魅力的なモデルに仕上がっています。特に安全性能の大幅向上と室内空間の拡大は、ファミリーユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう。
価格は上昇しましたが、搭載される装備の充実度を考慮すれば妥当な設定。軽自動車初となる先進安全装備の数々は、他の競合車種に対する大きなアドバンテージとなります。
2025年秋の発売に向けて、軽ハイトワゴン市場に新たな選択肢を提供する注目のモデルと言えるでしょう。購入を検討されている方は、早めの予約をおすすめします。