日産のフラッグシップミニバン「エルグランド」が、2026年度にフルモデルチェンジを実施することが正式発表されました。現行の3代目E52型は2010年から続いており、実に16年ぶりのフルモデルチェンジとなります。
プレミアムミニバン市場でトヨタ アルファード・ヴェルファイアに苦戦を強いられてきたエルグランドが、革新的な技術を搭載して王者復帰を目指します。新型エルグランドは待つべきなのか? 詳しく解説していきます。
新型エルグランド(4代目E53型)の最新情報
発売時期と基本情報
- 発表時期:2025年度後半(2025年10月〜2026年3月)
- 発売時期:2026年度(2026年7〜8月頃)
- 型式:E53型(4代目)
- 開発期間:約16年ぶりのフルモデルチェンジ
デザインの革新:横一文字LEDライトが印象的
2025年4月の「NISSAN START AGAIN 2025」で公開されたデザインでは、前後に横一文字のLEDデイライトを採用した先進的なスタイルが注目を集めています。
エクステリアの特徴:
- フロント・リア横一文字LEDライト
- ライト周りのウロコ状パターン
- スクエア感を強調したボックススタイル
- 日産のVモーション2.0デザイン採用
ユーザーからは「かっこいい」「未来的」「エルグランドらしさが残っている」と好評価の声が多数寄せられています。
第3世代e-POWER:新型エルグランドの心臓部
革新的なハイブリッドシステム
新型エルグランドの最大の特徴は、第3世代e-POWERの搭載です。これまでのe-POWERから大幅な進化を遂げています。
第3世代e-POWERの特徴:
- 新開発1.5L発電専用エンジン搭載
- 5-in-1統合システム:モーター、インバーター、減速機、発電機、増速機を一体化
- 20%の軽量化を実現
- 大幅な燃費向上(17km/L以上を予定)
- 静粛性の大幅改善
4WDシステム「e-4ORCE」も導入予定
電動4WDシステム「e-4ORCE」の搭載により、大型ミニバンながら優れた操縦安定性と雪道での走破性を実現する見込みです。
パワートレイン | 第3世代e-POWER |
---|---|
エンジン | 新開発1.5L直列4気筒(発電専用) |
モーター出力 | 約200ps/300Nm(推定) |
燃費(WLTC) | 17km/L以上(予定) |
駆動方式 | FF/e-4ORCE(4WD) |
プロパイロット2.0で安全性も大幅向上
先進運転支援機能の充実
新型エルグランドには、日産最新の自動運転技術「プロパイロット2.0」が搭載される予定です。
プロパイロット2.0の機能:
- 高速道路でのハンズオフ運転対応
- 車線変更支援機能
- 3D HDマップとの連携
- 360°セーフティアシスト標準装備
その他の安全装備:
- インテリジェント アラウンドビューモニター
- インテリジェント エマージェンシーブレーキ
- 踏み間違い衝突防止アシスト
- 後退時車両検知警報(RCTA)
室内空間:アルファードを超える広さを目指す
快適性の大幅向上
現行エルグランドの弱点であった室内空間の狭さを解消し、アルファード・ヴェルファイアを上回る室内の広さを実現する見込みです。
期待される室内装備:
- 12.3インチナビゲーションシステム
- 9インチ後席エンターテイメント
- Amazon Alexa音声認識
- プレミアムレザーシート
- 電動オットマン(セカンドシート)
- 三列目跳ね上げ式シート
シートアレンジの充実
- 1列目・2列目のロングスライド機構
- 2列目キャプテンシート標準装備
- セカンドシートの電動調整機能
- 3列目の格納・跳ね上げ機能
価格予想:500万円台からのスタートか
グレード構成と価格帯
予想される価格帯:
- エントリーグレード:500万円台前半
- 中間グレード:600万円台
- 最上級グレード:700万円台後半
現行エルグランドと比較して、第3世代e-POWERや先進装備の充実により、価格は上昇する見込みです。
ライバル車との価格比較
車種 | 価格帯 |
---|---|
新型エルグランド(予想) | 500〜750万円 |
アルファード | 540〜872万円 |
ヴェルファイア | 655〜892万円 |
アルファード・ヴェルファイアとの徹底比較
デザイン面での差別化
新型エルグランド
- 横一文字LEDライト
- スポーティなスクエアデザイン
- 日産らしいVモーション
アルファード・ヴェルファイア
- 大型グリルによる威圧感
- 豪華絢爛なエクステリア
- トヨタの最新デザイン言語
パワートレインの違い
新型エルグランド
- 第3世代e-POWER専用車
- 17km/L以上の低燃費
- 電動4WD「e-4ORCE」
アルファード・ヴェルファイア
- 2.5Lハイブリッド:22.7km/L
- 2.4Lターボエンジン
- 電動4WD「E-Four」
室内空間・装備の比較
どちらも3列8人乗りの大型ミニバンですが、新型エルグランドでは室内長・室内幅でアルファードを上回ることを目標としています。
現行エルグランドから新型への変化点
大きく変わるポイント
- パワートレイン:3.5L V6→第3世代e-POWER
- 燃費性能:10.8km/L→17km/L以上
- 安全装備:基本的なものから→プロパイロット2.0
- 室内空間:狭め→アルファード超えを目標
- 価格帯:350万円台〜→500万円台〜
継承される価値
- プレミアムミニバンの元祖としての品格
- 走りの質感へのこだわり
- 上質な乗り心地
新型エルグランドは「待つべき」か?判断のポイント
待つべき人の特徴
✅ 燃費性能を重視する方
- 第3世代e-POWERで大幅改善予定
✅ 最新の安全装備が欲しい方
- プロパイロット2.0搭載予定
✅ 独創的なデザインを求める方
- 横一文字ライトなど先進デザイン
✅ 室内空間の広さを重視する方
- アルファード超えを目標とした設計
現行エルグランドで十分な人
❌ すぐに車が必要な方
- 新型発売は2026年度
❌ 価格を抑えたい方
- 新型は価格上昇が予想される
❌ V6エンジンの走りにこだわる方
- 新型はe-POWER専用車
販売動向と市場の反応
現行エルグランドの販売状況
2024年の月別販売台数を見ると、年間1,300台程度と低迷が続いています。
月 | 2024年販売台数 |
---|---|
1月 | 95台 |
2月 | 143台 |
3月 | 224台 |
4月 | 54台 |
合計 | 1,300台(年間) |
自販連データより
ユーザーの反応
SNSでは新型エルグランドに対する期待の声が多数:
- 「久しぶりに日産に活気が戻ってきた」
- 「ついに新型が出るのか!」
- 「アルファードへの挑戦に期待」
競合車種との位置づけ
プレミアムミニバン市場の現状
市場シェア(推定)
- アルファード:60%
- ヴェルファイア:25%
- エルグランド:10%
- その他:5%
新型エルグランドの目標
日産は新型エルグランドで月販3,000台を目標に設定。アルファード・ヴェルファイアからのシェア奪還を狙います。
購入を検討している方へのアドバイス
おすすめのタイミング
2025年内
- 現行エルグランドの在庫処分により、お得に購入可能
- ただし選択肢は限定的
2026年度
- 新型エルグランド登場
- 初期受注は混雑が予想されるため早めの検討が必要
試乗・比較検討のポイント
- 第3世代e-POWERの走行感覚
- プロパイロット2.0の使い勝手
- 室内空間の広さと快適性
- アルファードとの乗り比べ
よくある質問(FAQ)
Q: 新型エルグランドの正確な発売日は?
A: 2026年7〜8月頃の発売が予想されています。正式な発売日は2025年度後半の公開時に発表される見込みです。
Q: 現行エルグランドはいつまで買えるの?
A: 2025年7月3日で新規受注は停止されており、現在は在庫車のみの販売となっています。
Q: 新型エルグランドにガソリンエンジンモデルはある?
A: 新型はe-POWER専用車となり、従来のガソリンエンジンモデルは廃止される予定です。
Q: 価格はどのくらい上がりそう?
A: 現行モデルより150〜200万円程度の値上げが予想され、500万円台からのスタートとなりそうです。
まとめ:新型エルグランドは期待に応えられるか
新型エルグランドは、16年間という長期間のモデルライフを経て、革新的な技術を搭載して復活を遂げます。
期待できるポイント
- 第3世代e-POWERによる燃費性能の大幅向上
- プロパイロット2.0による安全性の進化
- アルファードを意識した室内空間の拡大
- 独創的で先進的なデザイン
課題となるポイント
- 価格上昇による競争力への影響
- アルファード・ヴェルファイアとの差別化
- 長期間のブランク後の市場復帰
結論として、新型エルグランドは「待つ価値がある」と言えるでしょう。特に燃費性能や安全装備、室内空間を重視される方にとっては、現行モデルから大幅な進化が期待できます。
ただし、すぐに車が必要な方や価格を抑えたい方は、現行エルグランドの在庫車や他の選択肢も検討されることをお勧めします。