2025年12月18日に発表、2026年1月の発売が予定されている三菱の新型デリカD:5が、ビッグマイナーチェンジによって大幅な進化を遂げます。予約注文は2025年10月30日より全国の三菱系列販売店で開始され、価格は451万円から494万4,500円となる見込みです。
今回の改良では、エクステリアデザインの刷新、最新の四輪制御技術「S-AWC」の搭載、安全装備の強化など、内外装にわたる大規模なアップデートが実施されています。
ビッグマイナーチェンジの主な変更点
1. より力強く進化したエクステリアデザイン

フロントデザインの全面刷新
新型デリカD:5の最大の特徴は、フロントマスクの大胆な変更です。フロントグリルは完全に新設計され、グリル中央には立体的に掘り込まれた「DELICA」のロゴが配置されています。従来モデルでは平面的だったエンブレム部分が、ガンメタベースにシルバーインサートを配した立体構造となり、より存在感のあるデザインに進化しました。
フロントバンパーも大幅に変更され、クラッディングパーツが深く掘り込まれたラギッドなデザインを採用。アンダーガード部分は以前よりも厚みと立体感が増し、本格的なオフロードテイストを強調しています。レーダーセンサー部分も巧みに配置され、機能性とデザイン性を両立させています。
オーバーフェンダーの追加で迫力アップ

今回の改良で最も注目すべきポイントの一つが、フロント・リア両側に追加された新型オーバーフェンダーです。全幅が20mm拡大されることで、ワイドで安定感のある足回りと高い走破性を視覚的に表現。スライドドア車でありながらオーバーフェンダーを装着するという大胆な設計により、より力強いスタイリングを実現しています。
新デザインの18インチアルミホイール

足元には新デザインの18インチアルミホイールを採用。シングル7スポークタイプのブラック&切削光輝のデュアルトーンデザインにより、力強さとプレミアム感を両立させています。タイヤサイズは225/55R18で、オンロードとオフロードの両方で優れた性能を発揮します。
リアデザインも一新

リアデザインも大きく変更されています。テールゲートには「DELICA」のロゴをガーニッシュ内に取り込むことで、よりシンプルでプレミアム感のあるデザインへと進化。従来のシルバーガーニッシュは廃止され、スマートな印象になりました。
リアバンパーはフロント同様にラギットな造形となり、これまで反射板だけだった位置にバックアップランプを配置。地面に近い位置を照らすことで、後退時の視認性が大幅に向上しています。
新色を含む全9色のボディカラー
ボディカラーラインナップも充実しており、新色として「ムーンストーングレーメタリック」を採用。光の当たり方によってブルーのハイライトが映る特別なグレー系カラーで、「ブラックマイカ」との2トーンも選択可能です。2トーン5色、モノトーン4色の全9色展開となります。
2. 先進性とギア感を高めたインテリア
専用設計の8インチデジタルメーター

インテリアの最大のトピックは、デリカD:5専用設計となる8インチカラー液晶メーターの採用です。センターに大型の液晶ディスプレイ、左右にLCDインジケーターを配したハイブリッドタイプで、アウトランダーPHEVの12.3インチフル液晶メーターとは異なる特別なデザインとなっています。
メーター表示は走行モードに応じて変化し、S-AWCの作動状況をアニメーションで表示。視認性が高く、運転中に必要な情報を直感的に把握できます。
プレミアム感を高めた内装デザイン

インストルメントパネルには金属調アクセントを採用し、先進性に加えてギア感とプレミアム感を向上。センターパネルは傷つきに配慮したダークグレーとし、質感を高めています。
シート生地には、特別仕様車「CHAMONIX(シャモニー)」で好評だったスエード調素材(撥水機能付)と合成皮革のコンビネーション生地を採用(最上級グレードに標準装備)。ステッチはカーキ色で統一され、機能的で統一感のあるインテリアを実現しています。
USB Type-Cポートを追加
利便性の向上として、センターコンソールとフロアコンソールの下部にUSB Type-Cをそれぞれ2ポート追加。合計4ポートのUSB Type-Cにより、後席乗員も快適にスマートフォンやタブレットを充電できます。
アンビエントライトで質感向上
ルーフ部分のリブフレーム構造に沿ってアンビエントライトを配置。室内の雰囲気を高めるとともに、夜間の視認性も向上しています。
3. 走行性能の飛躍的向上「S-AWC」搭載
ラリーで培った四輪制御技術を投入
今回のビッグマイナーチェンジにおける最大のメカニズム変更が、四輪制御技術「S-AWC(Super All Wheel Control)」の搭載です。従来の「AWC」から「S-AWC」へとアップグレードされ、アウトランダーPHEVと同等のシステムが採用されています。
S-AWCは、左右のトルク配分をアクティブヨーコントロール(AYC)でコントロールすることにより、悪路走破性の向上と優れた直進安定性、意のままの操縦性を実現。ラリーで培った三菱の四輪駆動技術の粋が、ミニバンであるデリカD:5に惜しみなく投入されています。
4つのドライブモードで最適な走行を実現

ドライブモードセレクターも新デザインに変更され、4つのモード(NORMAL/ECO/GRAVEL/SNOW)を選択可能。路面状況に応じて最適な駆動力配分を行い、オンロードからオフロードまであらゆるシーンで高い走行性能を発揮します。
- NORMALモード: 日常走行に最適な標準設定
- ECOモード: 燃費を重視した効率的な走行
- GRAVELモード: 砂利道などの滑りやすい路面に対応
- SNOWモード: 雪道や凍結路面での安全な走行をサポート
ヒルディセントコントロール搭載
下り坂でも車速を一定に保つヒルディセントコントロールを新たに搭載。急な下り坂でもドライバーはステアリング操作に集中でき、より安全にオフロード走行を楽しめます。
高い走破性を維持
オーバーフェンダーやバンパーデザインの変更がありながらも、従来からのアプローチアングル21度、デパーチャーアングル23度という高い対障害角度は維持されています。最低地上高も十分に確保されており、本格的なオフロード走行にも対応できます。
4. 大幅に強化された安全装備「e-Assist」
衝突被害軽減ブレーキに自転車検知を追加
予防安全技術「e-Assist」が大幅に強化されています。衝突被害軽減ブレーキシステムでは、従来の車両と歩行者の検知に加えて、新たに自転車の検知が可能になりました。昨今増加している自転車との事故リスクに対応し、より高い安全性を実現しています。
後退時の誤発進も抑制
誤発進抑制機能が進化し、後退時にもアクセルの踏み間違いに対応。駐車場などでのバック時の事故リスクを大幅に軽減します。
パーキングセンサー標準装備
前後バンパーに搭載したクリアランスソナーにより、車両付近の障害物のおおよその位置をメーター表示と音で知らせるパーキングセンサーを全車標準装備。大型ミニバンでの駐車時の不安を解消します。
マルチアラウンドモニターが大幅進化

マルチアラウンドモニターのカメラ画質が従来の約3倍に高精細化。視認性が大幅に向上しました。また、新たに以下の機能が追加されています。
- 両サイドビュー+フロントビュー画面
- バードアイビュー+透過フロントサイドビュー画面
- 移動物検知機能
これらの機能により、駐車場などでの周囲確認性が格段に向上し、安全性と利便性が大きく高まっています。
先行車発進通知機能を追加
前方車両の発進をお知らせする先行車発進通知機能も新たに追加。信号待ちなどで前車が発進したことに気づかないリスクを低減します。
5. パワフルな2.2Lディーゼルエンジン継続
高トルク・低燃費のクリーンディーゼル
パワートレインは、2019年の改良時に導入された2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを継続採用。最高出力145ps/3,500rpm、最大トルク38.7kgm/2,000rpmというスペックで、ミニバンとしては十分なパワーと、ディーゼルならではの力強いトルクを発揮します。
8速ATとの組み合わせ
トランスミッションは8速ATを採用。多段化により、オンロードからオフロードまで幅広い走行状況に対応し、燃費性能も13.6km/L(WLTCモード)を実現しています。
尿素SCRシステム採用
AdBlue(アドブルー)を用いてディーゼルエンジンの排出ガスを浄化する「尿素SCRシステム」を採用。クリーンな排出ガスで環境性能も優れています。
6. グレード構成と価格
3グレード+特別仕様車の構成
新型デリカD:5のグレード構成は、従来のエントリーグレード「M」とカスタムモデル「URBAN GEAR(アーバンギア)」シリーズが廃止され、以下の3グレード展開となります。
- G: 4,510,000円(7人乗り/8人乗り)
- G-Power Package: 4,746,500円(7人乗り/8人乗り)
- P: 4,944,500円(7人乗り/8人乗り)
全車4WD、ディーゼルエンジンのみの設定となります。
予約注文特典
発売日前日までに成約したお客様には、ディーラーオプション7万円分(消費税込)がプレゼントされます。
7. 充実のディーラーオプション
カスタマイズパッケージ
新型デリカD:5では、個性を演出できる多彩なディーラーオプションが用意されています。
- ブラックエンブレムパッケージ: フロントDELICAエンブレム(マットブラック)+リアDELICAエンブレム(ガーニッシュ一体)
- サンドメタリックエンブレムパッケージ: フロントDELICAエンブレム(サンドメタリック)+リアDELICAエンブレム(ガーニッシュ一体)
- ブラックグリルパッケージ: ブラックアウトフロントグリル+ブラックアウトクリアランスランプガーニッシュ+ブラックアウトフォグランプガーニッシュ
その他のオプション
- マッドフラップ(大型)(レッド/ブラック)
- フラットキャリア
- リアアンダーカバー
これらのオプションを組み合わせることで、自分だけのデリカD:5をカスタマイズできます。
ビッグマイナーチェンジで進化した点のまとめ
エクステリア

- フロントグリル完全刷新
- フロント・リアバンパー新デザイン
- オーバーフェンダー追加(全幅20mm拡大)
- 新デザイン18インチアルミホイール
- リアテールゲートデザイン変更
- 新色「ムーンストーングレーメタリック」追加
インテリア

- 8インチデジタルメーター(専用設計)
- インストルメントパネルに金属調アクセント
- スエード調素材+合成皮革コンビシート
- USB Type-C 4ポート追加
- アンビエントライト装備
走行性能
- S-AWC(四輪制御技術)搭載
- 4つのドライブモード(NORMAL/ECO/GRAVEL/SNOW)
- ヒルディセントコントロール搭載
- 高い走破性維持(アプローチアングル21度、デパーチャーアングル23度)
安全装備
- 衝突被害軽減ブレーキに自転車検知追加
- 誤発進抑制機能(後退時対応)
- パーキングセンサー全車標準装備
- マルチアラウンドモニター画質3倍向上+機能追加
- 先行車発進通知機能追加
デリカD:5の変更されない点(注意事項)
今回のビッグマイナーチェンジは大規模な改良ですが、以下の点は変更されていないため、購入検討時の参考にしてください。
外装関連
- ヘッドライト形状は変更なし
- フロント・リアウィンカーは非LEDのまま(豆球タイプ継続)
内装関連
- ステアリングのテレスコピック機能なし(チルトのみ)
- シートポジションメモリー機能なし
- フロントシートベンチレーションなし(シートヒーターのみ)
- 2列目キャプテンシートヒーターなし(3列7人乗り仕様)
- 3列目シートの跳ね上げ格納方式は従来通り
- オートブレーキホールドのメモリー機能なし
- デジタルインナーミラーの設定なし
- Aピラーの角度は変更なし
- センターナビゲーションディスプレイは変更なし
- センターシフト周りは変更なし
デリカD:5のボディサイズ
- 全長: 4,800mm
- 全幅: 1,815mm(+20mm)
- 全高: 1,875mm
- ホイールベース: 2,850mm
- 最低地上高: 210mm
- 車両重量: 1,880kg~1,930kg
オーバーフェンダー追加により、全幅が前モデルから20mm拡大していますが、依然として5ナンバーサイズに近い取り回しの良さを維持しています。
デリカD:5の燃費性能
- WLTCモード燃費: 13.6km/L
2.2Lディーゼルエンジンと8速ATの組み合わせにより、ミニバンとしては優れた燃費性能を実現。4WD専用モデルでありながら、経済性も考慮されています。
発売スケジュール
- 2025年10月29日: ジャパンモビリティショー2025でプロトタイプ出展
- 2025年10月30日: 予約注文受付開始
- 2025年12月18日: 正式発表
- 2026年1月: 発売開始
デリカD:5の歴史とコンセプト
デリカシリーズは1968年の初代モデル登場以来、半世紀以上にわたって愛され続けているロングセラーモデルです。「DELICA」の名前は「Delivery(運ぶ・配達する)」と「Car(車)」を組み合わせた造語で、「確実に乗員や荷物を目的地まで運ぶクルマ」というコンセプトを体現しています。
現行の5代目デリカD:5は2007年1月に登場し、「ミニバンの優しさ」と「SUVの力強さ」を融合させたユニークなオールラウンドミニバンとして人気を博しています。モノコック構造をベースとしながら、車体の下から上までを環状の骨格で囲む「リブボーンフレーム構造」を採用し、高い車体剛性と衝突安全性を実現しています。
初代からの累計販売台数は138万台以上を誇り、三菱を代表するモデルの一つとなっています。
新型デリカD:5はこんな人におすすめ
ファミリー層
- 7人乗り/8人乗りの豊富なシート構成
- 優れた居住性と積載性
- 充実した安全装備
アウトドア愛好家
- 高い悪路走破性(アプローチアングル21度、デパーチャーアングル23度)
- S-AWCによる悪路での高い安定性
- 力強い2.2Lディーゼルエンジン
デザイン重視派
- 唯一無二のSUVテイストミニバン
- 新デザインのオーバーフェンダーとアルミホイール
- カスタマイズ可能なディーラーオプション
実用性重視派
- 13.6km/Lの優れた燃費性能
- ディーゼルエンジンの経済性
- 使い勝手の良い室内空間
競合車種との比較
トヨタ ヴォクシー/ノア
ファミリーミニバンの定番ですが、オフロード性能ではデリカD:5が圧倒的に優位。悪路走破性を求めるなら断然デリカD:5です。
日産 セレナ
e-POWERの燃費性能は魅力的ですが、4WD性能と走破性ではデリカD:5が上。アウトドアユースならデリカD:5がおすすめです。
ホンダ ステップワゴン
スタイリッシュなデザインが魅力ですが、本格的なSUVテイストと走破性を求めるならデリカD:5の独壇場です。
マツダ CX-8
3列シートSUVとして比較されることが多いですが、デリカD:5はミニバンならではの室内空間の広さと、CX-8に匹敵するオフロード性能を両立しています。
まとめ:進化したデリカD:5の魅力
2025年モデルのデリカD:5は、ビッグマイナーチェンジによって以下の魅力がさらに強化されています。
- 唯一無二のスタイリング: オーバーフェンダーと新デザインによる力強い外観
- 本格的な走行性能: S-AWC搭載による悪路走破性と操縦安定性の向上
- 充実した安全装備: 自転車検知対応の衝突被害軽減ブレーキ、進化したマルチアラウンドモニター
- 質感の向上: プレミアム感を高めた内装デザインと8インチデジタルメーター
- 実用性: 優れた居住性、積載性、燃費性能
ミニバンとSUVの良さを併せ持つデリカD:5は、家族とのドライブからアウトドアレジャーまで、あらゆるシーンで活躍する万能選手です。今回のビッグマイナーチェンジにより、その魅力はさらに磨きがかかりました。
予約注文は2025年10月30日から開始され、発売日前日までの成約で7万円分のディーラーオプションがプレゼントされます。唯一無二のオールラウンドミニバン、新型デリカD:5をぜひご検討ください。
関連情報
- 三菱自動車公式ニュースリリース
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