トヨタのミドルクラスSUV「RAV4」が6代目へとフルモデルチェンジし、2025年12月17日に正式発表・発売されました。今回の新型RAV4は「Life is an Adventure」をテーマに、多様化・電動化・知能化の3つのキーワードで進化を遂げています。本記事では、新型RAV4の価格、スペック、装備、デザインなど、購入検討中の方が知りておくべき情報を網羅的に解説します。
新型RAV4の価格設定｜グレード別価格一覧
新型RAV4は、ハイブリッド(HEV)モデルが先行発売され、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルは2025年度内の発売予定となっています。
ハイブリッド(HEV)モデル【発売中】
- RAV4 Adventure [E-Four] : 450万円
- RAV4 Z [E-Four] : 490万円
プラグインハイブリッド(PHEV)モデル【2025年度内発売予定】
- RAV4 Z [E-Four] : 580万円
- RAV4 GR SPORT [E-Four] : 650万円
前モデルではガソリン車が323万円からラインナップされていましたが、新型では電動化を推進し、ハイブリッド専用モデルとなりました。価格帯は上昇していますが、最新の安全装備やソフトウェアプラットフォーム「Arene(アリーン)」の搭載、進化したパワートレインなど、価値に見合った内容となっています。
新型RAV4のパワートレインとスペック｜燃費性能も向上
ハイブリッドシステム(HEV)のスペック
新型RAV4のハイブリッドモデルは、2.5L直列4気筒エンジンと電気モーターを組み合わせた新世代ハイブリッドシステムを搭載しています。
エンジンスペック
- 最高出力：186ps/6,000rpm
- 最大トルク：221Nm/3,600-5,200rpm
モータースペック
- フロントモーター：136ps/208Nm
- リアモーター：54ps/121Nm
- システム最高出力：240ps(E-Four)
燃費性能(WLTCモード)
- RAV4 Z [E-Four]：22.5km/L
- RAV4 Adventure [E-Four]：22.9km/L
前モデルのハイブリッドシステム最高出力が222psだったのに対し、新型では240psに向上。トランスアクスル、パワーコントロールユニット、バッテリーの改良により、モーター出力が向上し、シームレスな加速感と軽やかな出足を実現しています。
プラグインハイブリッドシステム(PHEV)【2025年度内発売予定】
新型RAV4のPHEVモデルには、トヨタ初となる第6世代ハイブリッドシステムが搭載されます。
主要スペック
- システム最高出力：324ps
- バッテリー容量：22.7kWh(前モデル比+25%)
- EV航続距離：150km(前モデル比+55km)
- 0-100km/h加速：5.8秒
- 充電時間：約30分で80%まで充電可能(DC急速充電)
前モデルのPHEVがバッテリー容量18.1kWh、EV航続距離95kmだったことを考えると、大幅な進化を遂げています。シリコンカーバイド半導体の採用により小型・高効率化を実現し、V2H(Vehicle to Home)にも対応。家庭への電力供給も可能になりました。
新型RAV4のボディサイズと車体設計
ボディサイズ一覧
RAV4 Z
- 全長×全幅×全高：4,600mm×1,855mm×1,680mm(HEV)/1,685mm(PHEV)
- ホイールベース：2,690mm
- 最低地上高：190mm
RAV4 Adventure
- 全長×全幅×全高：4,620mm×1,880mm×1,680mm
- ホイールベース：2,690mm
- 最低地上高：190mm
RAV4 GR SPORT
- 全長×全幅×全高：4,645mm×1,880mm×1,685mm
- ホイールベース：2,690mm
新型RAV4は、前モデルとほぼ同等のボディサイズを維持しながら、荷室容量を733Lから749Lへ拡大。リアシート折りたたみ時の角度をよりフラットにすることで、長尺物の収納性も向上しています。日常での扱いやすさと実用性を両立したパッケージングが特徴です。
新型RAV4のデザイン｜3つのスタイルを用意
新型RAV4は、ユーザーの多様なライフスタイルに応えるため、3つの異なるデザインタイプを用意しています。
RAV4 Z(旧称:CORE)｜洗練されたスタイリッシュデザイン
ベースグレードとなるRAV4 Zは、「SUVハンマーヘッド」デザインを採用。ボディ全体の塊感で構成された力強いフォルムが特徴です。バンパーと一体化したグリルで先進感を表現し、ボディ同色のフロントバンパーとメッシュグリルが洗練された印象を与えます。
エクステリアの特徴
- Bi-Beam LEDヘッドランプ(オートレベリング機能付)
- アダプティブハイビームシステム[AHS]
- 235/60R18タイヤ&18インチアルミホイール(切削光輝+ダークグレーメタリック塗装)
- リヤスポイラー
- シームレスなリヤデザイン(バックドアガラスとランプの一体化)
RAV4 Adventure｜タフなオフロードスタイル
アウトドア志向のユーザーに向けたRAV4 Adventureは、オフロード感を強調したデザインが魅力です。ワイドトレッド化(+20mm)と専用ホイールアーチモール、大型グリルの採用により、SUVらしい力強さをアピール。
エクステリアの特徴
- ノーズピークを高く設定した専用フロントデザイン
- 専用大型ホイールアーチモール(ブラック)
- 専用大型フロント/リヤスキッドプレート(シルバー塗装)
- 235/60R18タイヤ&18インチアルミホイール(マットグレーメタリック塗装)
- 専用ボディカラー「アーバンロック」(新規開発色)
インテリアの特徴
- 専用インテリアカラー「ミネラル」(低彩度グリーン+オレンジアクセント)
- カモフラージュ柄のインストルメントパネル・ドアトリム
- アウトドアの世界観を演出するデザイン
RAV4 GR SPORT｜走りを追求したスポーツモデル【2025年度内発売予定】
PHEVモデル専用となるRAV4 GR SPORTは、モータースポーツの知見を活かした機能美を追求。市街地からワインディングまで、あらゆる道で走る楽しさを味わえるスポーティなモデルです。
主要装備
- Functional MATRIXグリル("G"モチーフの六角形メッシュ)
- 空力性能を高める前後スポイラー
- 専用軽量アルミホイール(各ホイール2.2kg軽量化)
- 235/50R20ハイグリップタイヤ
- フロントパフォーマンスダンパー
- リアサスペンションブレース
- 専用サスペンションチューニング
- 専用EPSチューニング
新型RAV4のインテリア｜先進技術とユーザビリティの融合
トヨタ初採用のArene(アリーン)搭載
新型RAV4の最大の特徴の一つが、ウーブン・バイ・トヨタが開発したソフトウェアプラットフォーム「Arene(アリーン)」のトヨタ初搭載です。これにより、将来的には複数機能の同時アップデートや、ユーザー一人ひとりに合わせたカスタマイズが可能になります。
12.9インチディスプレイオーディオ【トヨタ初採用】
大画面タッチパネルを全車に標準装備。カスタマイズ可能なホーム画面の採用により、ユーザー一人ひとりに合わせた操作性を実現しています。
主な機能
- 豊かなグラフィック表現
- お好みに合わせてカスタマイズできる表示
- 音声認識の応答速度が従来比約3倍に向上(約1秒で応答)
- 運転中でも快適にナビやエアコンの操作が可能
カラーヘッドアップディスプレイ<スロープ表示>【トヨタ初採用】
グラフィックを刷新し、遠近感を活かした「斜め表示」を採用。3つの表示モード(フル/スタンダード/ミニマム)から情報量を選択でき、情報の認識性が向上しています。
エレクトロシフトマチック<一方向操作方式>【トヨタ初採用】
ワンアクションでの直感的なシフト操作を実現。シフト、電動パーキングブレーキ、ブレーキホールドのスイッチを機能的に集約し、運転中の視線移動や動作を最小限に抑えました。
12.3インチデジタルメーター
車両システムとの連携を強化し、フル地図描画や周辺車両情報をより具体的に表示。状況に合わせた表示の選択に対応しています。
アイランドアーキテクチャーデザイン
ディスプレイやシフトなどの各種機能を、島(アイランド)のように一体的に配置。SUVとしての平衡感覚がつかみやすい水平なインストルメントパネル、目線移動が少ないナビゲーション・メーター配置、手が届きやすいエアコン吹き出し口など、操作性を徹底的に追求しています。
新型RAV4の安全装備｜Areneで進化したToyota Safety Sense
進化した予防安全パッケージ【トヨタ初採用】
新型RAV4には、Areneを開発に活用した最新のToyota Safety Senseが搭載されています。画像認識や自動ブレーキ制御ソフトのレベルアップに加え、カメラやレーダー性能の進化により、検知できる範囲と距離が大幅に拡大しました。
プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車[昼夜]・自動二輪車[昼]検知機能付)
作動領域の拡大
- 先行車の減速をより早く検知
- 交差点進入時の車の陰からの飛び出し車両も検知可能
- 低速時の加速抑制機能が直進時に加え、旋回中にも対応
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
認識力の向上
- 低速走行時における近距離での合流車を早期検知
- 合流車のウィンカーを早期に検知
- よりスムーズな追従走行を実現
ドライバー異常時対応システム(路肩寄せ機能付)
ドライバーの異常を検知した場合、警告を発してドライバーに操作を促すほか、ハザードランプなどで車外に異常を報知。自車線内または路肩に減速停車し、自損・加害事故の回避・事故被害低減を支援します。
パノラミックビューモニター<3Dビュー付>【トヨタ初採用】
ディスプレイオーディオ画面でのスワイプ操作により、車両周辺の状況をドライバーお好みの視点で確認できます。駐車時や狭い道での取り回しが格段に向上しています。
新型RAV4の走行性能｜電動車ならではの力強さ
E-Four(電気式4WD)システム
前後輪の駆動力配分を100:0~20:80の間で緻密に制御し、発進加速性と旋回安定性を高いレベルで両立。さらにTRAILモード/SNOWモードの走行制御モードを用意し、悪路や雪道でも優れた脱出性と安定性を実現しています。
プラットフォームとシャシー性能の向上
車体剛性の強化
- ねじり剛性とサスペンション支持剛性を強化
- ボディへの接着剤付与量を増加
- 高減衰接着剤を新たに設定し、微小な振動を低減
サスペンション
- 新採用のショックアブソーバー
- よりフラットな走り出し
- キビキビしたコーナリング性能
- 上質な乗り心地
新型RAV4のグレード別装備の違い
RAV4 Z [E-Four] 490万円の主要装備
エクステリア
- アダプティブハイビームシステム[AHS]
- LEDヘッドランプ(HIGH)
- 18インチアルミホイール(切削光輝+ダークグレーメタリック塗装)
インテリア
- 合成皮革シート(パーフォレーション&ステッチ付)
- シートヒーター(運転席・助手席/3段階+後席左右)
- 前席シートベンチレーション
- カラーヘッドアップディスプレイ<スロープ表示>
- デジタルインナーミラー(前後方録画機能付)
- 左右独立温度コントロールフルオートエアコン(S-FLOW:前席集中モード付)+空調オールオート制御
RAV4 Adventure [E-Four] 450万円の主要装備
エクステリア
- オートマチックハイビームAHB
- 18インチアルミホイール(マットグレーメタリック塗装)
- Adventure専用大型ホイールアーチモール
- Adventure専用大型フロント/リヤスキッドプレート
- Adventure専用ラジエーターグリル
- 専用グレードマーク
インテリア
- 合成皮革シート(ステッチ付)
- シートヒーター(運転席・助手席/2段階のみ)
- 前席シートベンチレーション非搭載
- 自動防眩インナーミラー(デジタルインナーミラーではない)
- 左右独立温度コントロールフルオートエアコン(空調オールオート制御なし)
- 専用インテリアカラー「ミネラル」(カモフラージュ柄)
価格差40万円の装備の違いに注目
RAV4 ZとRAV4 Adventureの価格差は40万円ですが、装備内容を比較すると、その差は妥当と言えるでしょう。RAV4 Zは快適装備や先進安全装備が充実しており、日常使いや長距離ドライブを重視するユーザーに最適。一方、RAV4 Adventureは、外観のタフさとアウトドアの世界観を重視するユーザーに向いています。
新型RAV4のボディカラー展開
新型RAV4には、多彩なボディカラーが用意されています。特に、RAV4 Adventure専用の新規開発色「アーバンロック」は、自然の中にもマッチしながら都会的な雰囲気も演出する、注目のカラーです。
ソリッドな印象ながらメタリックの陰影感もバランスよく表現されており、アウトドア志向のユーザーに人気が集まりそうです。
新型RAV4の注意点｜20インチホイールは初期枠が限定的
新型RAV4を初期ロットで購入する際の大きな注意点として、20インチタイヤ&アルミホイールのオプションがあります。
20インチホイールのメーカーオプション
- 設定グレード：RAV4 Zのみ
- 価格：110,000円(税込)
- タイヤサイズ：235/50R20
- 注意点：初期枠が大幅に制限される
このオプションを選択すると、初期ロットでの納車が大幅に遅れる可能性があるため、早期納車を希望する場合は標準の18インチホイールを選択することをおすすめします。
KINTOでの提供も開始｜月額38,390円から
新型RAV4は、トヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」でも提供されています。
KINTO料金(Adventure グレード)
- 月額：38,390円(税込)~
- プラン：初期費用フリープラン、7年契約
- ボーナス月加算：165,000円(年2回)
- 7年間総支払額：5,534,760円(税込)
KINTOには自動車保険(任意保険)、自動車税、メンテナンスなどが含まれており、「【U35】はじめてのクルマおためしキャンペーン」の対象車種となっています。35歳以下の方で初めてKINTOを契約される方は、6ヶ月目に限り中途解約金が不要となる特典があります(2026年4月30日まで)。
新型RAV4の発売日・生産情報
ハイブリッドモデル(HEV)
- 発表日：2025年12月17日
- 発売日：2025年12月17日
- 生産開始：2025年12月1日
プラグインハイブリッドモデル(PHEV)
- 発売予定：2025年度内
- 生産開始：2026年3月2日予定
生産工場
- トヨタ自動車株式会社 高岡工場
- 株式会社豊田自動織機 長草工場
カスタマイズパッケージも充実
新型RAV4には、各グレードの魅力を引き出す3種類のパッケージが用意されています。
ライフスタイルパッケージ(RAV4 Z向け)
モデリスタ
- フロントスポイラー(LED付)
- サイドスカート
- リヤスパッツ
- フロントグリル
- LEDシグネチャーイルミネーション
- ミラーカバー
価格
- 塗装済み：586,760円
- 素地：538,340円
トヨタ純正用品・TZ
- オールシーズンシェード
- ラゲージアンダーストレージボックス
- ラゲージアンダーボックス
- プロジェクションイルミネーション
- シートバックベースギア
アウトドアパッケージ(RAV4 Adventure向け)
モデリスタ
- フロントバンパーガーニッシュ(LED付)
- リヤバンパーガーニッシュ
- フロントグリルイルミネーション
- フェンダーガーニッシュ
価格：508,310円
トヨタ純正用品・TZ
- フードディフレクター
- モールパネル(シートバック)
- バックドアオープニングガード
- ラゲージトレイ(リヤシート部付)
- サイドストレージランタン
- ラゲージマルチパネルバー
UPGRADE SELECTIONS by KINTO FACTORY
新型RAV4は、購入後もオンラインでカスタマイズパーツを購入できる「UPGRADE SELECTIONS by KINTO FACTORY」に対応。2026年春頃から、バリエーション豊富な純正用品をオンラインで購入可能になります。また、機能および装備のアップグレードも順次提供される予定です。
RAV4の歴史｜30年の進化を振り返る
RAV4は、1994年に誕生したトヨタの伝統あるSUVです。当時、SUVがオフロードを走るクルマとして位置付けられていた時代に、「アウトドアでも街乗りでも楽しい」という新ジャンルのSUVのパイオニアとして登場しました。
RAV4の歴代モデル
- 初代(1994-2000年)：クロスオーバーSUVの先駆け
- 2代目(2000-2005年)：ボディサイズ拡大
- 3代目(2005-2016年)：北米市場で大ヒット
- 4代目(2013-2018年)：日本市場での販売終了
- 5代目(2018-2025年)：日本市場に復活、PHVモデル追加
- 6代目(2025年~)：SDV化、Arene搭載
約30年続く歴史の中で、時代に合わせて変わっていく様々なライフスタイルに応えながら、世界中の多くのユーザーに愛されてきました。6代目となる新型RAV4は、この伝統を受け継ぎながら、ソフトウェア定義車両(SDV)として新たな時代を切り開きます。
新型RAV4と競合車種の比較
新型RAV4のライバルとなる主要なミドルクラスSUVと比較してみましょう。
主な競合車種
- ホンダ CR-V
- マツダ CX-5/CX-60
- 日産 エクストレイル
- スバル アウトバック
- 三菱 アウトランダーPHEV
新型RAV4の強みは、トヨタ初のArene搭載によるソフトウェアの継続的なアップデート、第6世代ハイブリッドシステムによる優れた燃費性能、そして3つの異なるキャラクターから選べるバリエーションの豊富さです。特にPHEVモデルのEV航続距離150kmは、競合車種と比較しても優れた数値となっています。
まとめ｜新型RAV4は「ずっと"好き"」を実現するSUV
2025年12月17日に発売された6代目トヨタRAV4は、「LOVE FOREVER(ラブフォーエバー)」をコンセプトに、ユーザーが"好き"という気持ちを持ち続けられるSUVとして進化しました。
新型RAV4の主なポイント
- Arene搭載により継続的なアップデートが可能
- 第6世代ハイブリッドシステムで燃費・走行性能が向上
- 3つの異なるスタイル(Z/Adventure/GR SPORT)から選択可能
- 最新のToyota Safety Senseで安全性が大幅に向上
- 12.9インチディスプレイなど先進的なインテリア
価格帯
- ハイブリッド：450万円~490万円
- PHEV：580万円~650万円(2025年度内発売予定)
新型RAV4は、日常の利便性とアウトドアでの冒険心を両立し、買った後も進化し続けるSUVです。ミドルクラスSUVの購入を検討している方は、ぜひ一度試乗して、その進化を体感してみてください。
参考リンク
