トヨタは、日本の街並みに溶け込む次世代タクシーとして開発された「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」の改良モデルを、2025年6月2日に満を持して市場に投入しました。この新型車両は、プロのドライバーの皆様や利用客の皆様からの貴重な意見を真摯に受け止め、より一層の機能進化と快適性の向上を実現した一台として注目を集めています。価格は、標準グレードである「和」が3,367,100円から3,455,100円、そして上級グレードの「匠」が3,592,600円から3,680,600円と設定され、幅広いニーズに対応する選択肢を提供しています。
トヨタ新型ジャパンタクシー 改良点
- 発売日と価格:
- 2025年6月2日に改良モデルを発売しました。
- 価格は標準グレード「和」が3,367,100円~3,455,100円、上級グレード「匠」が3,592,600円~3,680,600円です。
- 航続距離の延伸:
- LPGタンク容量を52Lから58Lに拡大し、航続距離が向上しました。
- 視認性の向上:
- メーターの意匠を変更し、視認性を高めました。「匠」グレードには7インチTFTカラーメーターが搭載されています。
- 利用客の快適性向上:
- 天井サーキュレーターの吹き出し口のフィンが可動式に変更され、利用客自身で調整できるようになりました。
- 外部給電機能:
- 外部給電アタッチメントが全グレードにメーカーオプション設定されました(アクセサリーコンセント選択時に追加)。
- 安全装備「Toyota Safety Sense」の強化:
- プリクラッシュセーフティの検知範囲拡大:
- 歩行者(夜)、自転車運転者(昼・夜)、自動二輪車(昼)に対応。
- 交差点での右折時対向直進車、右左折時の横断歩行者・自転車運転者、交差点進入時の車両・自動二輪車も検知可能になりました。
- 緊急時操舵支援機能の追加:
- 急な操舵が必要な際の車線逸脱抑制をサポートします。
- 低速時加速抑制機能の追加:
- 低速走行時の急なアクセル踏み込みによる急加速を抑制します。
- レーンディパーチャーアラート(LDA)の機能追加:
- 従来の車線逸脱警報に加え、車線逸脱抑制機能が追加されました。
- ヘルプネット・eケアの標準化:
- 全グレードで標準装備となりました。
- ブラインドスポットモニター(BSM):
- 上級グレードにメーカーオプション設定されました。
- プリクラッシュセーフティの検知範囲拡大:
- 外装デザイン:
- 大開口リヤスライドドアを基軸とした開放感のあるデザインです。
- 横基調の格子モチーフのラジエーターグリルは、クラウンの歴史を受け継ぎつつモダンな印象を与えます。
- 内装デザインと機能性:
- 「おもてなし空間」をコンセプトに、運転席は機能的、客席は快適な空間となっています。
- 内装色は「黒琥珀」(上級グレード)と「琥珀」(ベースグレード)が設定されています。
- 開口幅720mm、開口高1,300mmの大開口リヤスライドドアと、乗り込み高さ320mmの低床フラットフロアにより、優れた乗降性を実現しました。
- 車いす利用者が乗車した際に介助者が隣に座れるデザインも特徴です。
- 広々とした前後席空間(1,065mm)と後席ヘッドクリアランス(230mm)を確保しています。
- シートは横移動しやすいフラット形状で、上質な乗り心地と静粛性を実現しました。
- 上級グレードには、利用客が操作できるシートヒーターも設定されています。
- ラゲージルームは392Lの容量(スーツケース2個、ゴルフバッグ4個相当)を確保し、バックドア開閉に必要な後方スペースも短縮されています。
- パワートレインと燃費:
- 1.5L直列4気筒LPGハイブリッドシステムを搭載しています。
- 最高出力はエンジン74ps+電気モーター61ps、最大トルクはエンジン11.3kgm+電気モーター17.2kgmです。
- 駆動方式はFFで、WLTCモード燃費は16.5km/Lです。
- タクシー用に最適化されたギヤ比が採用されています。
トヨタ 新型 JPN TAXI 一部改良 進化を遂げた新型ジャパンタクシーの主要な変更点
今回の改良で最も注目されるのは、LPGタンクの容量拡大です。従来の52Lから58Lへと増量されたことで、航続距離が格段に延伸され、長距離運行における利便性が大幅に向上しました。これにより、ドライバーは燃料補給の頻度を減らし、より効率的な営業が可能となることでしょう。
また、運転席においては、メーターの意匠が一新され、視認性が飛躍的に向上しています。特に「匠」グレードに搭載される7インチTFTカラーメーター(メーター照度コントロール付き)+マルチインフォメーションディスプレイは、必要な情報を鮮明かつ分かりやすく表示し、ドライバーの負担軽減に貢献しています。
利用客の快適性を追求する改良も怠っていません。天井に設置されたサーキュレーターの吹き出し口のフィンは、利用者自身が風向きを調整できる可動式に変更されました。これにより、後席の冷暖房効率が向上し、乗車する全てのお客様が快適に過ごせる空間が実現されています。さらに、全グレードにメーカーオプションとして設定された外部給電アタッチメントは、万が一の災害時などにも車両を電源として活用できるなど、その多機能性には目を見張るものがあります。メーカーオプションのアクセサリーコンセントを選択した場合、外部給電アタッチメントも追加される仕組みになっています。
トヨタ 新型 JPN TAXI 一部改良 安全性能のさらなる進化「Toyota Safety Sense」
新型ジャパンタクシーの安全性能は、予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」の進化によって、その基準を大きく引き上げています。これまでの昼間の歩行者検知に加え、夜間の歩行者、昼夜の自転車運転者、昼間の自動二輪車、さらには交差点での右折時に対向してくる直進車両や、右左折時の横断歩行者・自転車運転者、そして交差点に進入する際の車両および自動二輪車まで、プリクラッシュセーフティの検知範囲が大幅に拡大されました。これにより、様々な交通状況における衝突回避、または被害軽減を強力にサポートし、乗員だけでなく周囲の安全にも配慮した設計となっています。
加えて、緊急時操舵支援機能も新たに搭載されました。これは、急な操舵が必要な状況において、車線逸脱を抑制し、安全な車両挙動をサポートする画期的な機能です。また、低速走行時加速抑制機能は、駐車場などでの誤操作による急加速を抑制し、衝突の回避や被害軽減に貢献します。
車線逸脱警報に加え、車線逸脱抑制の機能が追加されたレーンディパーチャーアラート(LDA)の採用も、ドライバーの負担軽減と安全運転のサポートに大きく寄与しています。さらに、ヘルプネットとeケアが全グレードで標準装備となり、万が一の事故やトラブルの際にも迅速なサポートを受けられる体制が整えられました。上級グレードにはブラインドスポットモニターがメーカーオプション設定されており、車線変更時などの死角に潜む車両を検知し、ドライバーに警告することで、より安全な運転環境を確保しています。
トヨタ 新型 JPN TAXI 一部改良 洗練された内外装デザインと機能性
新型ジャパンタクシーの外装は、利用客の皆様が中心に見えるよう、大開口リヤスライドドアを基軸とした開放感あふれるデザインを採用しています。大きな窓からは外の景色を満喫でき、移動中の時間をより豊かに演出します。厚みのある造形は、乗り込む際の安心感と車両の格を表現しており、横基調の格子をモチーフとしたラジエーターグリルは、かつて販売されていたクラウンシリーズの歴史を受け継ぎつつも、現代的でモダンな印象を与えています。
内装においては、「おもてなし空間」というコンセプトが色濃く反映されています。運転席はプロの仕事場として機能性を追求し、機器類を用途に合わせてグルーピング配置することで、直感的な操作性を実現しています。ナビゲーション画面や料金メーターは、利用客からも確認しやすいセンター位置に配置され、透明性のあるサービス提供を可能にしています。
インテリアカラーは、利用客が座る助手席と後席、そしてドライバーが座る運転席で異なる色使いを採用しています。上級グレードでは落ち着いた「黒琥珀」、ベースグレードでは温かみのある「琥珀」の内装色が選べ、それぞれの上質感を際立たせています。
大開口リヤスライドドアは開口幅720mm、開口高1,300mmを誇り、乗り込み高さも320mmの低床フラットフロアとすることで、アシストグリップと合わせて抜群の乗降性を実現しています。車いすを利用されるお客様も、リヤスライドドアからスムーズに乗降でき、隣に介助者が座れるデザインは、全ての人に優しいユニバーサルデザインの追求を示しています。1,065mmの前後席空間と230mmの後席ヘッドクリアランス、ショルダー部を室内幅いっぱいに広げるなど、広々とした客室パッケージは、長時間の移動でも疲れにくい快適な空間を提供します。
シートは横移動しやすいフラット形状とされ、シートパッドの厚みと骨格の最適化により、上質な乗り心地を実現しました。吸・遮音材の最適配置や高遮音性ガラスの採用により、高い静粛性も確保されており、移動中も会話を妨げない快適な空間が広がっています。さらに、上級グレードでは、利用客自身がスイッチ操作で調整可能なシートヒーターも設定され、きめ細やかなおもてなしを実感できるでしょう。
ラゲージルームの容量も魅力の一つです。スーツケースが平積みで2個、ゴルフバッグなら4個を収納できる392Lという広大な荷室容量を確保しており、ビジネス利用から観光利用まで、様々な荷物に対応可能です。バックドアを開閉するために必要な後方スペースは560mmと短縮されており、狭い場所での荷物の出し入れも容易に行えます。
トヨタ 新型 JPN TAXI 一部改良 環境性能と走行性能の融合
新型ジャパンタクシーのパワートレインには、1.5Lハイブリッドシステムをベースに開発された液化石油ガス(LPG)燃料仕様が採用されています。タクシー用に最適化されたシステムとしてギヤ比も専用設定されており、軽快な走行性能と優れた燃費性能を両立しています。全長4400mm、全幅1695mm、全高1700mm、ホイールベース2750mmというコンパクトなボディサイズながら、乗員5名(車いす乗車時は3名)を快適に収容できます。車重は1400kgに抑えられ、パワートレインはエンジン74ps+電気モーター61psの最高出力と、エンジン11.3kgm+電気モーター17.2kgmの最大トルクを発生し、FF駆動方式でWLTCモード値16.5km/Lという優れた燃費性能を実現しています。ハイブリッド化により、前世代のタクシーと同等の航続距離を確保しつつ、燃料タンクの小型化と室内空間の拡大を両立させることに成功しました。
スペック | JPN TAXI ハイブリッド |
---|---|
全長 | 4,400mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,750mm |
ホイールベース | 2,750mm |
エンジン | 1NZ-FXP 1.5L 直4DOHC LPGエンジン+ モーター(リダクション機構付THSII) |
排気量 | 1,496㏄ |
最高出力 | 54kW(74p)/4,800rpm |
最大トルク | 11.3kgm/3600~4,400rpm |
システム出力 | 73kW(100ps) |
WLTCモード燃費 | 16.8km/L |
JC08モード燃費 | 19.4km/L |
未来を見据えたタクシー車両
2025年6月2日に改良発売された新型トヨタ・ジャパンタクシーは、LPGタンク容量の拡大、メーターの視認性向上、外部給電アタッチメントのオプション設定、天井サーキュレーターの機能改善など、多岐にわたる変更が施されました。特に、プリクラッシュセーフティの検知範囲の拡大、緊急時操舵支援機能、低速時加速抑制機能の採用など、「Toyota Safety Sense」の先進機能の強化は、ドライバーと利用客の安全を最優先に考えたトヨタの姿勢を明確に示しています。
トヨタは、このジャパンタクシーを通じて、日本のタクシー業界の発展に貢献し、利用客の皆様にとってより快適で安全な移動手段を提供していくという強い意志を持っています。今後も、ユーザーのニーズに応えるべく、ジャパンタクシーのさらなる進化が期待されるところです。常に最新の技術を取り入れ、時代の変化に対応しながら、日本の公共交通を支える存在として、ジャパンタクシーはこれからも進化を続けることでしょう。
トヨタニュースリリース
https://toyota.jp/info/jpntaxi/news/250602
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