2025年10月13日、トヨタ自動車が注目のジャパンモビリティショー2025(JMS2025)で披露する車種の詳細が明らかになりました。豊田章男会長自らが登場したトヨタイムズの生配信で、これまでにない革新的なコンセプトカーとブランド戦略を発表し、自動車業界に大きな話題を呼んでいます。
ジャパンモビリティショー2025の注目車種
センチュリークーペ - 日本の美学を体現した究極のラグジュアリー
最も注目を集めているのが、オレンジ色のセンチュリークーペです。従来の黒いセダンという概念を覆すこの車両は、「One of One」というコンセプトのもと、日本にしか作れない唯一無二の存在として開発されています。
豊田章男会長は「日本人の心の中にプライドを感じていただきたい」と語り、このクーペが単なる高級車ではなく、日本の美学と技術の結晶であることを強調しました。センチュリーはトヨタブランドの頂点に位置する独立したブランドとして新たなスタートを切ることが発表されています。
新型カローラ - 「TO YOU TOYOTA」の象徴
同時に公開された新型カローラは、「あなた目掛けて」というトヨタの新しいブランドメッセージ「TO YOU TOYOTA」を体現した車両です。従来のカローラのイメージを大きく覆すデザインとなっており、トヨタが世界中の一人一人の顧客に向けて作り上げた渾身の作品として位置づけられています。
レクサスの新たな挑戦 - 6輪のLS
レクサスブランドからは、従来のセダンという概念を打ち破る6輪のLSが発表されました。「LS」の「S」を「セダン」ではなく「スペース(空間・宇宙)」と再定義し、誰も踏み入れたことのない新しい領域への挑戦を表現しています。
この6輪車両は月面走行車「ルナクルーザー」の技術を地上用に応用したもので、プレミアムな室内空間と新しい移動体験を提供します。豊田章男会長は「地球の上でも6輪車に乗りたい」という発想から生まれたと説明しています。
GRブランドの秘密プロジェクト
GRブランドについては、2026年1月の東京オートサロンでの発表が予告されました。富士スピードウェイの看板が「GRスープラコーナー」から「GR GTコーナー」に変更され、2000GT、LFA、そして新型車の姿が描かれていることが話題となっています。
豊田章男会長は年末にグローバル発表会を実施し、年明けのオートサロンで一般展示するスケジュールを明かしました。
ダイハツ ミゼット 復活 - 「大発明」というメッセージ
ダイハツブランドでは「小さいからこそできること」をテーマに、「私のための大発明」というキャッチフレーズを掲げています。関西らしい「おもろい」発想を大切にし、暮らしに密着した革新的な軽自動車の開発を進めています。
5ブランド統合戦略の意義
今回の発表で最も注目すべきは、トヨタの5ブランド(センチュリー、レクサス、トヨタ、GR、ダイハツ)の明確な役割分担です:
- センチュリー: 究極のラグジュアリーブランドとして頂点に位置
- レクサス: より自由で大胆な挑戦を行うプレミアムブランド
- トヨタ: 世界中の一人一人に向けた多様なモビリティを提供
- GR: モータースポーツと走りの楽しさを追求
- ダイハツ: 暮らし密着型の革新的な軽自動車
ジャパンモビリティショー2025での展示
これらの車両は2025年10月29日から開幕するジャパンモビリティショー2025の南館で展示される予定です。今回初めて、トヨタと大発が同じホール内で展示を行い、5ブランドの統合戦略を体感できる構成となっています。
まとめ
トヨタの今回の発表は、単なる新車披露を超えた企業戦略の大転換を示しています。各ブランドの独自性を活かしながら、日本の技術力と美学を世界に発信する姿勢が明確に打ち出されました。ジャパンモビリティショー2025は、トヨタの新時代の幕開けを告げる重要なイベントとなりそうです。
これらの革新的な車両が実際に市販化されるかについて、豊田章男会長は「全て本気で開発中」と断言しており、トヨタの本気度が伺えます。自動車ファンにとって見逃せないイベントとなることは間違いありません。
参考資料