2025年10月29日、東京ビッグサイトで開催されたジャパンモビリティショー2025において、レクサスは次世代スポーツカーのコンセプトモデル「スポーツコンセプト」を日本初公開しました。このモデルは、2025年8月にカリフォルニアのモントレー・カー・ウィークで世界初披露されたもので、伝説のスーパーカー「LFA」の精神を受け継ぐフラッグシップスポーツモデルとして大きな注目を集めています。
本記事では、レクサス スポーツコンセプトのエクステリアデザイン、革新的なインテリア、パワートレインの可能性、そして市販化の展望まで、あらゆる角度から徹底的に解説します。

レクサス スポーツコンセプトとは

レクサス スポーツコンセプトは、レクサスブランドの次世代スポーツカーの方向性を示す重要なコンセプトモデルです。完全な2シーター構成を採用し、かつてのLFAを彷彿とさせるピュアスポーツカーとしての哲学を貫いています。
開発コンセプトの背景
このモデルは、2021年12月に発表された「Lexus Electrified Sport」の流れを汲むものとされています。当時のコンセプトでは、0-100km/h加速が2秒台前半、航続距離約700kmというスペックが示されていましたが、今回のスポーツコンセプトはより市販化を意識した完成度の高いデザインへと進化しています。
ジャパンモビリティショー2025での展示
東京ビッグサイト南館のレクサスブースにて展示され、トヨタグループとして出展したトヨタ、ダイハツ、センチュリーとともに、レクサスブランドの未来を象徴するモデルとして来場者の視線を集めました。
エクステリアデザインの特徴
レクサス スポーツコンセプトのエクステリアは、伝統的なスポーツカーの美学と次世代レクサスのデザイン言語を融合させた、極めて完成度の高い造形となっています。
ロングノーズ・ショートキャビンのプロポーション

伸びやかなスタイリングが最大の特徴で、FRレイアウトを想起させるロングノーズとショートキャビンの組み合わせは、往年のスポーツカーの伝統を受け継いでいます。この比率は、LFAのDNAを継承しつつ、よりモダンで洗練された印象を与えます。
ワイド&ローのスタンス

地を這うような低い車高と、張り出した大径タイヤによって、静止状態でも圧倒的な走りの性能を主張するデザインとなっています。豊かな曲面で構成されたボディパネルは、グラマラスで美しい流線型を描き、空力性能とデザイン性の両立を実現しています。
革新的なライティングデザイン

L字型のデイタイムランニングライトはレクサスのアイコンデザインを継承しながら、多数のLEDを配したヘッドライトユニットは次世代の技術を感じさせます。この先進的なライティングデザインは、今後の市販モデルにも採用される可能性が高いとみられています。
可変式リアスポイラー

リアには可変式スポイラーを装備し、高速走行時には展開することで空力性能を最適化し、安定性を高める設計となっています。大型ディフューザーと組み合わせることで、ダウンフォースを効果的に生み出す構造です。
斬新なテールランプデザイン
F1マシンを彷彿とさせる革新的なテールライトデザインは、レクサスの新しいデザイン方向性を示唆しています。LEDテクノロジーを駆使した立体的な造形は、夜間の存在感を高めるとともに、ブランドの先進性を表現しています。
カメラ式ドアミラー
カメラ式ドアミラーの採用により、空気抵抗の低減と視界の確保を両立。この技術は、すでに一部の市販モデルでも採用が進んでおり、実用化への道筋が見えています。
革新的なインテリアとコクピット設計
ジャパンモビリティショー2025で初めて公開されたインテリアは、モントレー・カー・ウィークでは明らかにされなかった部分であり、大きな注目を集めました。
ブラックバタフライのスポーツタイプデザイン

コクピット周りは「ブラックバタフライ」と名付けられたスポーツタイプデザインを採用。ドライバーとパッセンジャーを仕切った独立した空間設計により、ドライバーの集中力を最大限に高める設計思想が貫かれています。
U字型変形ステアリング

飛行機の操縦桿を彷彿とさせるU字型の超変形ステアリングは、従来の自動車の概念を覆す革新的なデザインです。視認性の向上とともに、ドライビングポジションの最適化を図っています。ただし、市販化の際には法規制との兼ね合いで変更される可能性も指摘されています。
ヘッドレスト一体型スポーツシート

ヘッドレスト一体型のスポーツシートは、レーシングカーのようなホールド性を実現。高速コーナリング時でもドライバーをしっかりと支え、長距離走行でも疲れにくい構造となっています。
3ゾーン液晶メーターディスプレイ

メーターパネルは3つの表示ゾーンに分かれた液晶ディスプレイを採用。センター部には、バッテリー残量やチャージ/パワー表示など、BEV(電気自動車)を示唆する情報が表示されています。
さらに注目すべきは、メーターに表示される「3」という数字です。これはレクサスRZに採用されている「インタラクティブマニュアルドライブ(Interactive Manual Drive)」の搭載を示唆している可能性が高く、EVでありながらマニュアルトランスミッションのような操作感を楽しめる可能性があります。
タイヤ温度・空気圧モニタリング
メーター内にはタイヤの空気圧や温度をリアルタイムで表示する機能も確認でき、サーキット走行を想定した本格的なスポーツカーとしての性格を示しています。
パワートレインの謎:EVかハイブリッドか
レクサス スポーツコンセプトのパワートレインについては、公式発表がないため憶測が飛び交っていますが、いくつかの手がかりがあります。
BEV(電気自動車)説の根拠
メーターパネルに表示されるバッテリー残量やチャージ/パワー表示から、ピュアEVである可能性が高いと考えられています。また、エンジンの存在を示唆する表示がメーター内に見当たらないことも、この説を補強しています。
2021年発表のLexus Electrified Sportでは以下のスペックが示されていました:
- 0-100km/h加速:2秒台前半
- 航続距離:約700km
- 全固体電池の採用可能性
V8ハイブリッド説の可能性
一方で、フロントに大型のエアインテークが設けられていることから、V8エンジンを搭載したハイブリッドシステムの可能性も完全には否定できません。これはLFAの4.8L V10エンジンの伝統を、環境性能と両立させる形で継承する選択肢とも考えられます。
デュアルパワートレイン戦略の可能性
市販化の際には、複数のパワートレインオプションを用意する可能性もあります。ピュアEVモデルとプラグインハイブリッドモデルを併売することで、多様な顧客ニーズに対応する戦略です。
LFAとの関係性とDNAの継承
レクサス スポーツコンセプトを語る上で、LFAとの関係は避けて通れません。
LFAの遺産
2010年から2012年にかけて500台限定で生産されたレクサスLFAは、4.8L V10エンジンを搭載し、最高出力560馬力、最高速度325km/hを誇る伝説のスーパーカーです。カーボンファイバー製のボディ、ヤマハと共同開発したエンジン、そしてニュルブルクリンクで磨き抜かれた走行性能は、今なお多くのファンを魅了しています。
DNAの継承ポイント
レクサス スポーツコンセプトがLFAから受け継いでいる要素:
- 2シーター専用設計: 走りに特化した純粋なスポーツカーの哲学
- ロングノーズのプロポーション: FR的な美しいシルエット
- 徹底した空力性能: 可変スポイラーなどによる走行性能への拘り
- ドライバー中心の設計思想: コクピットデザインの考え方
- 先進技術の積極採用: 時代の最先端技術を惜しみなく投入
現代的進化
LFAの精神を受け継ぎながらも、スポーツコンセプトはカーボンニュートラル時代に対応した次世代のスーパーカーとして進化を遂げています。内燃機関からEVへのパワートレイン変更は、時代の要請であると同時に、新たな走りの楽しさを提供する可能性を秘めています。
市販化の可能性と予想時期
市販化の現実性
展示されたモデルの完成度は極めて高く、今すぐにでも市販できそうな仕上がりであることは、多くの専門家が指摘しています。今回展示されたコンセプトカーの中で、最も市販化に近いモデルと評価されています。
予想される市販化時期
2026年頃が有力視されています。これは以下の理由によります:
- レクサスLCの後継モデルとしてのポジショニング
- 全固体電池技術の実用化タイムライン
- ブランド戦略上の重要性
- モントレー・カー・ウィークでの先行披露
市販化に向けた課題
市販化までに調整が必要とされる要素:
- ステアリング形状: 法規制への適合
- ドアミラー形状: 各国の保安基準への対応
- 価格設定: LFAは3750万円だったが、EVとなればさらに高額に
- 生産体制: 限定生産か通常販売か
- 充電インフラ: スーパーカーユーザーの使用環境への配慮
価格予想
LFAの価格帯を考慮すると、4000万円〜5000万円のレンジが予想されます。ただし、全固体電池などの先進技術を採用する場合、さらに高額になる可能性もあります。
まとめ
レクサス スポーツコンセプトは、単なるコンセプトカーではなく、レクサスブランドの未来を占う極めて重要なモデルです。LFAの精神を受け継ぎながら、カーボンニュートラル時代に対応したスーパーカーとして、新たな伝説を生み出す可能性を秘めています。
注目ポイントまとめ
- 完成度の高いデザイン: 市販化を強く示唆する仕上がり
- 革新的インテリア: ドライバー中心の未来的コクピット
- パワートレインの謎: EVかハイブリッドか、今後の発表に注目
- LFAのDNA継承: 伝統と革新の融合
- 2026年頃の市販化: 現実的なタイムライン
ジャパンモビリティショー2025での展示は、レクサスの本気度を示すものであり、今後の続報から目が離せません。日本のラグジュアリーブランドが世界に放つ次世代スーパーカーの誕生を、私たちは期待を持って見守りたいと思います。
LEXUS ニュースリリース

