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YANGWANG U9 ハイパフォーマンスEV か 実際に見た内外装についての魅力とは? 優れている点 残念な点を徹底解説

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Yangwang U9 High-Performance EV: What Makes Its Interior and Exterior Design Truly Appealing? - A Thorough Analysis of Its Strengths and Weaknesses

BYDのハイエンドブランド「YANGWANG(ヤンワン/仰望)」が生み出した電動スーパーカー「U9」が、2025年のジャパンモビリティショーで日本初公開され、自動車業界に大きな衝撃を与えました。中国での販売価格は168万元(約3500万円)、サーキット仕様の限定モデル「U9 Xtreme」は1億円を超える価格設定となっています。

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目次

超高級EVスーパーカーが日本に登場

このYANGWANG U9は、EVスーパーカーとしての新たな基準を打ち立てようとしており、従来のガソリンスーパーカーに真っ向から挑戦する革新的なモデルです。

エクステリアデザインの魅力

スーパーカーの美学を体現するスタイリング

YANGWANG U9
YANGWANG U9

YANGWANG U9の外観デザインは、元アルファロメオやランボルギーニのチーフデザイナーだったヴォルフガング・エッガーが主導しました。全長4,966mm、全幅2,029mm、全高1,311mmというディメンションは、まさにスーパーカーの理想的なプロポーションを実現しています。

ミドシップカーを思わせる流麗な流線型のボディラインは、空気抵抗を最小限に抑えながら、攻撃的で未来的な印象を与えます。ランボルギーニやマクラーレンといったヨーロッパのスーパーカーを彷彿とさせる佇まいでありながら、独自の個性を放っています。

カーボンファイバーとエアロダイナミクス

YANGWANG U9
YANGWANG U9

リヤには大型のカーボンファイバー製ウイングが装備され、高速走行時のダウンフォースを生成します。さらにU9 Xtremeでは、カーボン製フロントスプリッターも追加装備され、空力性能が一層強化されています。

超低扁平の大径タイヤと専用セミスリックタイヤ(GitiSport e-GTR PRO)の組み合わせは、サーキットでの限界性能を追求した証と言えるでしょう。

シザーズドアがもたらす演出効果

YANGWANG U9
YANGWANG U9

上方に跳ね上がるシザーズドアの採用により、乗降時のドラマチックな演出が可能です。ジャパンモビリティショーでは電動で開閉するシザーズドアが披露され、多くの来場者の注目を集めました。

インテリアデザインとテクノロジー

シンプルかつ機能的なコックピット

BYD Yangwang U9
BYD Yangwang U9

インテリアは、ランボルギーニやマクラーレンを想起させるシンプルで機能的な造りとなっています。2シーター仕様のコックピットは、ドライバーを中心に据えた設計思想が貫かれています。

中央に配置された大型インフォテインメントモニターに、多くの操作機能が集約されており、物理スイッチを最小限にすることで、モダンで洗練された空間を実現しています。

プレミアムな素材使用

BYD Yangwang U9
BYD Yangwang U9

高級スーパーカーにふさわしく、随所にカーボンファイバーやプレミアムレザーといった上質な素材が使用されています。U9 Xtremeでは軽量化のために3Dプリント技術を多用し、構造部材の最適化が図られています。

圧倒的なパフォーマンス性能

e⁴プラットフォームの革新性

YANGWANG U9最大の特徴は、「e⁴プラットフォーム(易四方)」と呼ばれる独自の4モーター駆動システムです。最高出力30,000rpmを誇る高性能モーターを4輪それぞれに搭載し、各輪のトルクを100Hz以上の周波数で独立制御します。

標準モデルでは最高出力960kW(約1,306PS)、最大トルク1,680N・mを発揮し、0-100km/h加速はわずか2.36秒。これは現代のスーパーカーとして最高峰のパフォーマンスです。

世界記録を塗り替えたU9 Xtreme

サーキット専用の「YANGWANG U9 Xtreme」は、さらに驚異的な性能を実現しています。

最高速度記録
2025年9月、ドイツのATP Automotive Testing Papenburg試験場において、EVとして世界最速の496.22km/hを記録しました。これまで市販車最速だったブガッティ・シロンSuper Sports 300+の490.48km/hを上回り、市販車史上最速の座を獲得しています。

さらに注目すべきは中間加速性能です。シロンが400km/hから490.5km/hまで48秒かかったのに対し、U9 Xtremeはわずか18秒で400km/hから496km/hまで加速しています。

ニュルブルクリンク北コース記録
2025年、ドイツのニュルブルクリンク北コースにおいて、量産EV最速となる6分59秒157を記録しました。これは、シャオミSU7 Ultraが樹立した7分4秒957を5秒以上も短縮する驚異的なタイムです。

1200V超高電圧プラットフォーム

U9 Xtremeには、世界初の量産型1,200V超高電圧プラットフォームが搭載されています。総出力は3,000PSを超え、パワーウェイトレシオは1,217PS/tという驚異的な数値を達成しています。

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革新的なDiSus-X車体制御システム

物理法則を超えた動き

YANGWANG U9を語る上で欠かせないのが、「DiSus-Xインテリジェント車体制御システム」です。空気圧と油圧を組み合わせた高度なアクティブサスペンションにより、従来のエアサスペンションの概念を大きく超えた車体制御を実現しています。

ダンスパフォーマンスで注目

ジャパンモビリティショー2025では、このDiSus-Xシステムを活用したダンスパフォーマンスが披露され、SNS上で大きな話題となりました。1輪だけを宙に浮かせたり、4輪すべてを同時にジャンプさせたりと、まるで車が踊っているかのような動きを見せました。

このパフォーマンスへの反響を受けて、BYDは全国4拠点(さいたま新都心、名古屋北、東京ベイ東雲、滋賀)でディーラーキャラバンを実施し、実車とダンスパフォーマンスを披露しています。

サーキットでの実用性

DiSus-Xシステムは、単なる見世物ではありません。加減速やコーナリング時にサスペンションを瞬時に制御し、ロールやピッチを抑制することで、タイヤの接地性を最適化します。

将来的にはADAS(先進運転支援システム)と連動し、GPSで判断してコース上の位置に応じた最適なセッティングに自動切り替えが可能になります。例えば、直線では最高速特化モード、コーナー手前では旋回特化モードに自動的に切り替わるといった制御が実現されます。

バッテリーとパワートレインの技術革新

LFPバッテリーの優位性

YANGWANG U9には、BYD独自のLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーが採用されています。一般的にNMC(ニッケル・マンガン・コバルト)バッテリーの方が高性能とされていますが、BYDの技術責任者は興味深い見解を示しています。

サーキット走行におけるLFPの利点:

  • 30Cもの極端な放電レートに対応可能
  • 温度耐性が高く、高温下でも安定したパフォーマンス
  • 低SOC条件下でも性能が安定
  • 物理的な振動や変形への耐性が高い
  • パックレベルでのエネルギー密度はNMCと遜色なし

U9 Xtremeでは、サーキット専用LFPバッテリーセルと二層冷却構造のバッテリーパックを採用し、最大放電レート30Cを実現しています。

30,000rpm高性能モーター

各輪に搭載される30,000rpmモーターは、BYD独自開発の高性能ユニットです。変速ギアを使用せずに、高回転域まで力強い加速を維持できることが、中間加速性能の秘密です。

ポルシェやメルセデスが2速トランスミッションを採用して高速域の加速性能を補っているのに対し、U9はシングルスピードながら圧倒的な性能を実現しています。

4モーター駆動の真の目的

フロント側に搭載される2基の555kWモーターは、実は動力性能向上だけが目的ではありません。車重が重いEVにとって、通常の摩擦ブレーキだけでは制動力が不足するため、超強力な回生ブレーキが必要です。4モーター駆動により、サーキット走行に必要な制動性能を確保しているのです。

優れている点

1. 圧倒的な動力性能

0-100km/h加速2.36秒、最高速度496.22km/h(Xtreme)という数値は、現代のスーパーカーとして最高峰レベルです。

2. 革新的な車体制御技術

DiSus-Xシステムによる車体姿勢制御は、他メーカーのスーパーカーにはない独自の魅力です。

3. サーキット実証済みの性能

ニュルブルクリンク北コースで量産EV最速記録を樹立したことで、その実力は証明されています。

4. 垂直統合による技術力

モーター、パワー半導体、バッテリー、ブレーキシステム、サスペンションシステムをすべてBYD独自開発することで、最適なパッケージングを実現しています。

5. 驚異的なコストパフォーマンス

約3500万円(標準モデル)という価格は、同等性能のヨーロッパ製スーパーカーと比較すれば破格と言えます。ブガッティ・シロンは3億円超、フェラーリやランボルギーニの最上位モデルも数千万円から1億円超です。

6. 未来志向のデザイン

ヴォルフガング・エッガーによるデザインは、伝統的なスーパーカーの美学を尊重しながら、EVならではの先進性を表現しています。

7. サーキット専用タイヤの開発

佳通タイヤ(Giti Tire)と共同開発した専用セミスリックタイヤは、500km/h超の高速域でも安定したグリップを提供します。

残念な点

1. 航続距離の限界

標準モデルの一充電走行距離は約450km(中国基準)。スーパーカーとしては十分ですが、日常使用を考えると制約があります。サーキット走行時の航続距離はさらに短くなるでしょう。

2. 日本導入の不透明性

現在のところ、日本での正式発売は公表されていません。ジャパンモビリティショーでの反響次第で導入が検討される可能性がありますが、確約はありません。

3. 車重の重さ

車両重量2,475kgは、EVとしては標準的ですが、軽量なガソリンスーパーカーと比較すると不利です。DiSus-Xシステムの機構も重量増加の要因となっています。

4. 充電インフラの課題

高速充電対応でも、ガソリン給油と比較すれば時間がかかります。サーキット走行後の急速充電は、バッテリーへの負担も懸念されます。

5. ブランドイメージの構築途上

フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンといった伝統あるスーパーカーブランドと比較すると、YANGWANGはまだ新興ブランドです。リセールバリューや資産価値の面で不透明性があります。

6. インテリア情報の不足

ジャパンモビリティショーでは内装が公開されず、詳細な質感や装備内容が確認できませんでした。外から覗いた印象ではシンプルな造りですが、3500万円の価格に見合う豪華さがあるかは不明です。

7. アフターサービス体制

日本で正式販売されていない現状では、メンテナンスや修理対応、部品供給体制が不明確です。限定30台のU9 Xtremeに至っては、サポート体制がさらに懸念されます。

8. 熱管理システムの複雑性

極限性能を実現するための熱管理システムは高度で複雑です。長期信頼性やメンテナンスコストについては、市場投入後の実績を見る必要があります。

EVスーパーカーの未来を占う存在

YANGWANG U9は、電動スーパーカーの新時代を切り開く象徴的なモデルです。ガソリンエンジンの限界を超える加速性能、革新的な車体制御システム、そして従来の常識を覆す最高速度記録によって、EVがスーパーカーの世界でも主役となり得ることを証明しました。

BYDの技術責任者が語るように、「ソフトウェア中心の車両調整」という新しいアプローチは、今後の自動車開発の方向性を示しています。最新ハードウェア(e⁴プラットフォームとDiSus-X)を基盤として、ソフトウェアアップデートで性能向上を図る手法は、EVならではの利点です。

また、ポルシェ、メルセデス・ベンツといったドイツの伝統的スポーツカーメーカーも、中国勢の躍進に危機感を持ち、2026年以降に新型ハイパフォーマンスEVを投入する計画を発表しています。YANGWANG U9の登場により、EVスーパーカー市場の競争が本格化することは間違いありません。

日本での正式販売については未定ですが、ディーラーキャラバンでの反響や、モビリティショーでのSNS拡散を見る限り、潜在的な需要は確実に存在します。今後の動向から目が離せないモデルと言えるでしょう。

まとめ

YANGWANG U9は、中国製EVスーパーカーとして前例のない領域に到達しました。優れた動力性能、革新的な技術、そして驚異的なコストパフォーマンスという強みを持ちながら、ブランドイメージの構築、日本市場への導入、長期信頼性といった課題も抱えています。

しかし、世界最速記録やニュルブルクリンク北コースでの実績は、その技術力を雄弁に語っています。EVスーパーカーの新時代を切り開くパイオニアとして、YANGWANG U9は自動車史に名を刻むモデルとなるでしょう。

Yangwang U9 High-Performance EV: What Makes Its Interior and Exterior Design Truly Appealing? - A Thorough Analysis of Its Strengths and Weaknesses

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この記事を書いた人

KAZUのアバター KAZU 編集長

自動車専門メディア『最新自動車情報』編集長のKAZU。IT企業から独立後、自動車専門サイト『最新自動車情報』を立ち上げ、編集長として12年間運営に携わってまいりました。これまでに、新車・中古車、国産車(日本車)から輸入車(外車)まで、あらゆるメーカーの車種に関する記事を6,000本以上執筆。その経験と独自の分析力で、数々の新型車種の発表時期や詳細スペックに関する的確な予測を実現してきました。『最新自動車情報』編集長として、読者の皆様に信頼性の高い最新情報、専門的な視点からの購入アドバイス、そして車(クルマ)の奥深い魅力をお届けします。後悔しない一台選びをしたい方、自動車業界のトレンドをいち早く知りたい方は、ぜひフォローをお願いいたします。

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