ソニー・ホンダモビリティ株式会社が開発する電気自動車「AFEELA(アフィーラ)」は、従来の自動車の概念を覆す革新的なモビリティです。2026年1月6日、米国ネバダ州ラスベガスで開催されたCES2026において、量産第一弾となる「アフィーラ1」の先行量産車と、新たなコンセプトモデル「アフィーラ プロトタイプ 2026」が世界初公開されました。
ソニーとホンダが挑む次世代EV「AFEELA」とは?
ソニーのエンターテインメント技術とホンダの自動車製造ノウハウを融合させたアフィーラは、「運転」ではなく「車内で過ごす時間と空間」を主目的とする、まったく新しいモビリティ体験を提供します。
アフィーラ1|量産第一弾モデルの価格とスペック

基本スペック
価格: 89,900ドル~(日本円で約1,400万円)
航続距離: EPA推定で最大300マイル(約483km)
搭載センサー: 40ユニット
自動運転レベル: レベル2+相当(ADAS:先進運転支援システム)
プラットフォーム: Qualcomm Snapdragon Digital Chassis搭載
発売時期と販売地域
- 2026年内: アメリカ・カリフォルニア州から納車開始
- 2027年: アメリカ・アリゾナ州へ展開
- 日本での販売: 時期未定
アフィーラ1は、まずアメリカ市場で先行販売される戦略をとっています。ソニー・ホンダモビリティ代表取締役社長兼COOの川西泉氏は、CES2026のプレスカンファレンスにおいて、エンドツーエンドの運転支援機能やクアルコムとの技術提携について詳細を語りました。
アフィーラ プロトタイプ 2026|新型SUVコンセプトの全貌

CES2026で同時発表された「アフィーラ プロトタイプ 2026」は、セダンタイプのアフィーラ1とは異なり、クロスオーバーSUVデザインを採用した新コンセプトモデルです。
特徴
- ボディタイプ: SUV/クロスオーバー
- 最低地上高: 高めの設計で悪路走行にも対応
- 発売予定: 2028年以降、アメリカより先行販売
- 予想価格: 1,500万円~1,600万円相当(日本円換算)
このプロトタイプモデルは、アフィーラブランドの多様化を示すものであり、SUV人気の高い北米市場を意識した戦略的なラインナップ拡充と言えます。
アフィーラの革新技術|AI・エンターテインメント・自動運転

1. AFEELA Personal Agent(対話型AIアシスタント)
アフィーラ全モデルに搭載される「AFEELA Personal Agent」は、Microsoft社の「Azure OpenAI」を活用した対話型パーソナルエージェントです。個々のユーザーに最適化された自然な対話を実現し、人とモビリティの関係をよりパーソナルなものへと進化させます。

2. 没入型エンターテインメント体験
ソニーの技術力を活かし、車内は「動くシアター」へと変貌します。
- 高品質サウンドシステム
- 先進的なディスプレイ技術
- ストリーミングコンテンツとの連携
運転が主目的ではなく、車内で過ごす時間そのものが価値となる新しいモビリティ体験を提案しています。
3. 自動運転技術(レベル2+)
現時点での自動運転はレベル2+相当です。
レベル2+の機能:
- 高速道路での自動運転モード
- 自動車線変更・追い越し機能
- 高速道路の分合流自動化
完全自動運転(レベル4・レベル5)には至っていませんが、今後のアップデートで段階的に進化していく可能性があります。
4. 40個のセンサーによる安全性
車両には40ユニットものセンサーが搭載されており、360度の周囲監視と予防安全を実現します。
アフィーラの市場戦略と課題
アメリカ先行販売の理由
ソニー・ホンダモビリティがアメリカ市場を優先する背景には、以下の要因があります。
- EV市場の成熟度: カリフォルニア州を中心とするEV普及率の高さ
- 充電インフラ: 全米で整備が進む充電ステーション網
- 価格受容性: 高価格帯EVへの理解がある富裕層の存在
- テスラとの競合: テスラの本拠地での挑戦
価格競争力の課題
約1,400万円という価格設定は、競合他社と比較すると高額です。
競合比較:
- テスラ モデルS:約900万円~
- ルシード エア:約1,200万円~
- メルセデス・ベンツ EQS:約1,300万円~
航続距離483kmという数値も、同価格帯の競合車種と比べて見劣りする点が懸念されています。
経営状況と今後の展望
ソニー・ホンダモビリティは、アフィーラ1の発売前から既に約520億円の赤字を計上しています。今後、事業として継続可能かどうかは、市場での受け入れ次第と言えるでしょう。
アフィーラのデザイン哲学|モビリティを「空間」として再定義
アフィーラの最大の特徴は、「運転すること」ではなく「車内で過ごす時間」を主体験として位置づけている点です。
車内空間のコンセプト
- リトリート(隠れ家)としての空間
静かで快適、心を癒す空間。喧騒から隔てられた安らぎの場。 - 没入型シアター
音と映像を駆使したエンターテインメント空間。 - クリエイティブな空間
仕事や創作活動を刺激する環境。 - 可変的な環境
ライフスタイルに寄り添い、ニーズに応じて自在に変化する空間。
この哲学は、従来の自動車メーカーとは一線を画すものであり、ソニーのエンターテインメントDNAが色濃く反映されています。
日本での発売はいつ?国内展開の見通し
現時点で、日本国内での発売時期は明らかにされていません。アメリカでの市場反応を見ながら、段階的に展開地域を拡大していく方針と見られます。
日本市場への投入が遅れる理由としては、以下が考えられます。
- 充電インフラの整備状況
- 日本市場特有の価格感度
- 右ハンドル仕様への対応コスト
- 国内法規への適合作業
アフィーラに対する評価と市場の反応
肯定的な評価
- ソニーとホンダの技術融合への期待
- 革新的なUI/UX設計
- エンターテインメント性の高さ
- 未来志向のモビリティビジョン
懸念点
- 高額な価格設定に見合う価値があるか
- 航続距離の短さ(483km)
- 自動運転レベルがまだ2+に留まっている
- ブランド認知度と信頼性の不足
- アフターサービス体制の不透明さ
自動車業界アナリストからは、「方向性が迷走している」「車としての基本性能よりエンタメ機能を優先しすぎている」との指摘もあります。
アフィーラと競合EVの比較
テスラとの違い
テスラが「運転の楽しさ」「圧倒的な加速性能」「長い航続距離」を追求するのに対し、アフィーラは「車内体験の質」を最優先しています。
中国EVメーカーとの競合
BYDやシャオミなど、コストパフォーマンスに優れた中国EVメーカーとは、ターゲット層が大きく異なります。アフィーラは富裕層向けのプレミアムEVとして差別化を図っています。
まとめ|アフィーラは成功するのか?
ソニー・ホンダモビリティの「AFEELA」は、従来の自動車産業にはない発想で開発された革新的なモビリティです。しかし、高額な価格設定、限定的な航続距離、市場での認知度不足など、課題も山積しています。
2026年からのアメリカでの実販売を通じて、市場がこの新しいモビリティコンセプトをどう受け入れるかが、アフィーラの成否を分ける鍵となるでしょう。
今後の注目ポイント:
- アメリカでの初期販売実績
- ユーザーからのフィードバック
- 自動運転技術のアップデート
- 価格改定の可能性
- 日本市場への投入時期
ソニーとホンダという日本を代表する2社が挑む未来のモビリティ。その挑戦の行方に、世界中の注目が集まっています。

