2026年初頭、日産自動車はアメリカ市場に革新的なモデルを投入します。それが2026年日産ローグ プラグインハイブリッド(Nissan Rogue PHEV)です。このモデルは日産にとって米国市場初のプラグインハイブリッドSUVとなり、環境性能と実用性を両立させた注目の一台として期待されています。
日産初の米国市場向けPHEV誕生

本記事では、ロサンゼルスオートショー2025で世界初公開された新型ローグPHEVの全貌を、スペック、デザイン、価格、そして三菱との関係性まで徹底解説します。
新型ローグPHEVの最大の特徴:三菱アウトランダーPHEVとの関係性
バッジエンジニアリングの真実

2026年ローグPHEVの最も興味深い点は、三菱アウトランダーPHEVをベースにしたバッジエンジニアリングモデルであるという事実です。日産・ルノー・三菱アライアンスの協力関係を活用し、既存のプラットフォームと技術を共有することで、開発期間の短縮とコスト削減を実現しています。
エクステリアデザイン:日産のアイデンティティを纏う
フロントマスク:Vモーショングリルとダイナミックシールドの融合
新型ローグPHEVの最も注目すべきデザイン要素は、日産独自のVモーショングリルです。三菱のダイナミックシールドデザインをベースにしながらも、フロントグリル中央には日産のアイデンティティであるVモーショングリルが巧みに組み込まれています。

フロントデザインの特徴:
- 「NISSAN」エンブレムをフロントセンターに配置
- Vモーショングリルによる日産らしさの演出
- グロスブラックのフロントスキッドプレートでスポーティさを強調
- 20インチホイールを標準装備
- ブラックアウトされたトリムと専用ホイールオプション
リアデザイン:控えめながら洗練された佇まい
リアエンドには「NISSAN」のレタリングバッジのみが採用され、エンブレムは装着されていません。この控えめなアプローチは、近年のトレンドに沿ったモダンな印象を与えます。

テールゲート左下には「ROGUE」と「PLUG IN HYBRID」のバッジ、右下にはグレードを示す「PLATINUM」バッジが配置されています。
パワートレインスペック:環境性能と実用性の両立
ハイブリッドシステムの構成
新型ローグPHEVは、2.4L直列4気筒ガソリンエンジン+ツインモーターという洗練されたプラグインハイブリッドシステムを搭載しています。

主要スペック:
- システム総出力: 248馬力(185kW)
- システム総トルク: 332lb-ft(450Nm)
- バッテリー容量: 20kWh
- EVモード航続距離: 最大38マイル(約61km)
- 総航続距離: 最大420マイル(約676km)
- 燃費: 最大64MPGe(高速道路)
3つの走行モード
ローグPHEVは、走行状況に応じて自動的に切り替わる3つの走行モードを搭載:
- EVモード: 完全電動走行で静かで排出ガスゼロ
- シリーズモード: エンジンで発電し、モーターで走行
- パラレルモード: エンジンとモーターの両方で走行、最大効率を実現
EVモードセレクター機能
ドライバーは中央コンソールのEVボタンで、走行モードを手動選択可能です:
- EVモード: 近距離通勤や住宅街での静粛走行に最適
- セーブモード: 高速道路走行時にバッテリーを温存
- チャージモード: 走行中にバッテリーを充電
充電性能:自宅で手軽に充電可能
充電仕様:
- レベル2充電器使用時: フル充電まで約7.5時間
- 充電ポート: 運転席側フロントフェンダーに配置
- 回生ブレーキ: 減速時のエネルギー回収システム搭載
自宅での充電を前提とした設計により、日々の通勤ではガソリンスタンドに立ち寄る必要がほとんどないという利便性を実現しています。
インテリア:7人乗り3列シートレイアウト
室内空間とシート構成

新型ローグPHEVの大きな特徴は、3列シート7人乗り専用設定という点です。これはアウトランダーPHEVの実用性をそのまま継承したもので、ファミリーユースに最適な構成となっています。
シートの特徴:
- 3列目シートは格納可能でフラットな荷室空間を創出
- 2層構造のフロントシートで耐久性と高級感を両立
- キルティング加工を施したレザーアポインテッドシート(上位グレード)
テクノロジー装備:3つのディスプレイシステム

現代のドライバーのニーズに応える、トリプルディスプレイシステムを採用:
- 12.3インチワイドスクリーンメーター: カスタマイズ可能なデジタル計器盤
- 9インチタッチスクリーンディスプレイ: ナビゲーション、メディア、車両設定を統合
- 10インチヘッドアップディスプレイ: ターンバイターン案内、速度表示(Platinumグレード)
接続性機能:
- ワイヤレスApple CarPlay対応
- 有線Android Auto対応
- ワイヤレス充電パッド
- USB充電ポート(4ポート標準装備)
- 1500Wコンセント×2(車内給電可能)
プレミアムオーディオ体験
Platinumグレードには、9スピーカーBoseプレミアムオーディオシステムが標準装備され、車内のどこに座っても高音質を楽しめます。
その他の快適装備

- パノラミックムーンルーフ
- アコースティックガラス(遮音性向上)
- ヒーター付きフロントシート(全グレード標準)
- ヒーター付きリアシート&ステアリング(Platinumグレード)
- リアサンシェード(Platinumグレード)
- ダイヤモンドシェイプダイヤルとアルミニウムアクセント
先進運転支援システム:ProPILOT Assist標準装備
ProPILOT Assistの機能

日産の誇る運転支援技術ProPILOT Assistを全グレードに標準装備:
- アダプティブクルーズコントロール: 前車との車間距離を自動維持
- レーンキープアシスト: 車線中央を維持
- 渋滞支援機能: ストップ&ゴーの負担を軽減
包括的な安全装備
標準安全機能:
- 歩行者検知付き自動緊急ブレーキ
- ブラインドスポットモニター
- リアクロストラフィックアラート
- 360度アラウンドビューカメラシステム
- LEDヘッドライト&テールライト
AWD性能:インテリジェント全輪駆動システム
ツインモーター式AWDの利点
すべてのローグPHEVにインテリジェントAWDシステムが標準装備されます。ツインモーターが後輪を駆動することで、従来の機械式AWDよりも優れた特性を実現:
- 瞬時のトラクションコントロール
- 安定性の向上
- 路面状況に応じた最適な駆動力配分
7つのドライブモード
ダイヤル式セレクターで選択可能な7つのドライブモード:
- スタンダードモード
- スポーツモード
- エコモード
- スノーモード
- オフロードモード
- その他カスタムモード
これにより、晴天の市街地から雪道、軽いオフロードまで、あらゆる状況に対応可能です。
グレード構成と装備内容
新型ローグPHEVは2グレード構成で展開されます。
SLグレード(ベースグレード)
主要装備:
- LEDヘッドライト&テールライト
- 12.3インチデジタルメーター
- 9インチタッチスクリーンディスプレイ
- ワイヤレスApple CarPlay / 有線Android Auto
- ヒーター付きフロントシート
- USB充電ポート×4
- ProPILOT Assist
- 全方位安全運転支援システム
- 20インチアルミホイール
- インテリジェントAWD
Platinumグレード(最上位グレード)
SLグレードの装備に加え:
- 10インチヘッドアップディスプレイ
- レザーアポインテッドシート(キルティング加工)
- 9スピーカーBoseプレミアムオーディオ
- パノラミックパワームーンルーフ
- ヒーター付きリアシート&ステアリング
- リアサンシェード
- 1500Wコンセント×2
- ワイヤレス充電パッド
- グロスブラック ルーフレール
外観上の変化は控えめですが、快適性と利便性が大幅に向上しています。
価格予想と発売時期
予想価格帯
日産は正式な価格を発表していませんが、ベースとなる三菱アウトランダーPHEVが40,445ドル(税・諸費用別)からスタートすることを考慮すると、ローグPHEVも同等かやや高めの40,000〜48,000ドルのレンジになると予想されます。
発売スケジュール
- ワールドプレミア: 2025年11月21日 ロサンゼルスオートショー
- 米国ディーラー到着: 2026年初頭予定
- 日本市場: 現時点で導入未定
競合車種との比較
同クラスPHEV SUVとの位置づけ
主な競合モデル:
- トヨタ RAV4 Prime: 302馬力、42マイルEV航続距離
- 三菱アウトランダーPHEV: 最新型は302馬力、22.7kWhバッテリー
- ジープ グランドチェロキー 4xe: 375馬力、25マイルEV航続距離
- フォード エスケープ PHEV: 221馬力、37マイルEV航続距離
ローグPHEVは出力面では控えめですが、420マイルという長大な総航続距離と3列シート7人乗りという実用性で差別化を図っています。
メリットとデメリットの分析
メリット
- 優れた総航続距離: 420マイル(約676km)で長距離ドライブも安心
- 日常使いに十分なEV航続距離: 38マイル(約61km)で通勤はガソリン不要
- 7人乗り3列シート: ファミリー向けの実用性
- 標準AWD: 全天候対応の走行性能
- 充実した装備: ProPILOT Assist、トリプルディスプレイなど
- 日産の信頼性: ディーラーネットワークとアフターサービス
- 低税金・補助金対象: PHEV車としての税制優遇の可能性
デメリット・懸念点
- 旧世代プラットフォーム: 最新のアウトランダーPHEVより性能が劣る
- 控えめな出力: 248馬力は競合より低め
- 小さい9インチスクリーン: 通常ローグは12.3インチ
- バッジエンジニアリング: 独自性に欠ける印象
- 価格が不透明: コストパフォーマンスは発表待ち
日本市場への導入可能性
現行の日産エクストレイル(日本名)にはe-POWERハイブリッドが設定されていますが、プラグインハイブリッドモデルは存在しません。
ローグPHEVが日本市場に「エクストレイル PHEV」として導入される可能性はありますが、以下の要因から現時点では不透明です:
- 日本の充電インフラ整備状況
- 右ハンドル仕様の開発コスト
- 国内PHEVニーズの見極め
- 三菱アウトランダーPHEVとのカニバリゼーション懸念
よくある質問(FAQ)
Q1: ローグPHEVは完全な電気自動車ですか?
A: いいえ、プラグインハイブリッドです。最大38マイルの電気走行が可能ですが、ガソリンエンジンも搭載しています。
Q2: 充電にはどれくらい時間がかかりますか?
A: レベル2充電器を使用した場合、約7.5時間でフル充電できます。
Q3: 2列シート5人乗りモデルはありますか?
A: いいえ、全モデルが3列シート7人乗り専用設定です。
Q4: 通常のローグとの違いは何ですか?
A: ローグPHEVは三菱アウトランダーPHEVベースで、プラットフォームから異なります。通常ローグとは別の車種です。
Q5: ハイブリッド専用の保証はありますか?
A: バッテリーとハイブリッドシステムには通常より長い保証が付く見込みですが、詳細は発表待ちです。
まとめ:実用性重視のファミリー向けPHEV
2026年日産ローグ プラグインハイブリッドは、日産の米国市場におけるPHEV戦略の第一歩として重要な意義を持ちます。三菱アウトランダーPHEVをベースとしたバッジエンジニアリングという手法は賛否両論ありますが、開発コストを抑えつつ市場ニーズに応える現実的なアプローチと言えるでしょう。
最大420マイルの総航続距離、7人乗りの実用性、標準AWDという特徴は、アメリカの大陸的な使用環境と大家族文化にマッチしています。日常の通勤は電気で、週末の遠出はガソリンエンジンの安心感という、PHEVならではの柔軟性が最大の魅力です。
一方で、最新世代のアウトランダーPHEVをベースにしなかった点は、長期的な競争力に疑問を残します。今後、市場の反応次第で次期モデルがどのように進化するか注目されます。
2026年初頭の発売を前に、価格や詳細スペックの正式発表が待たれるところです。環境性能と実用性を両立させたファミリー向けSUVをお探しの方にとって、ローグPHEVは有力な選択肢となるでしょう。
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