トヨタ自動車は、米国市場で高い人気を誇るフルサイズピックアップトラック「タンドラ(TUNDRA)」の日本導入を2026年に予定していることが明らかになりました。日米貿易交渉を受けて国土交通省が検討している新制度を活用し、「カムリ」「ハイランダー」とともに米国生産車3モデルを日本市場に投入する戦略の一環です。

この決定により、日本のピックアップトラック市場に新たな選択肢が加わることになります。従来のハイラックスよりもさらに大型で力強いタンドラは、アウトドア志向が高まり、ライフスタイルが多様化する日本市場において、他のモデルとは一線を画す個性的な存在となるでしょう。
トヨタがアメリカン・フルサイズピックアップ「タンドラ」を日本市場へ導入
日米貿易交渉と新制度の活用
トヨタは日米貿易交渉の流れを受けて、国土交通省が検討している新たな認証制度を活用し、米国生産車の日本導入を推進しています。この取り組みにより、従来は日本の厳格な認証基準に適合させるための大幅な改修が必要だった米国仕様車を、より効率的に日本市場へ導入できるようになります。
多様化する日本市場のニーズに対応
近年、日本ではアウトドアブームやキャンプ人気の高まりにより、ピックアップトラックへの関心が急速に高まっています。従来のハイラックスも13年ぶりに日本市場へ復活し好評を博していますが、タンドラはそれをさらに上回る積載能力と牽引性能を持つフルサイズモデルとして、より本格的な用途を求めるユーザーのニーズに応えます。
トヨタ・タンドラとは?米国で圧倒的人気のフルサイズピックアップ

アメリカンカルチャーを代表する存在
タンドラは、圧倒的なパワーと最大級の牽引能力を誇り、品質、耐久性、信頼性に優れたアメリカンカルチャーを代表するピックアップトラックとして、北米市場で長年にわたり高い評価を獲得してきました。トヨタのピックアップトラックラインナップの中で最上位に位置し、"フルサイズ"と呼ばれる最大級のボディサイズが特徴です。
圧倒的なボディサイズと存在感

タンドラのボディサイズは以下の通りです:
- 全長×全幅×全高:5,933mm×2,037mm×1,981mm
- ホイールベース:3,700mm
- 車重:約2,440kg

参考までに、現行ハイラックスの全長5,320mm、全幅1,855mm、全高1,800mm、ホイールベース3,085mmと比較すると、タンドラは全長で約600mm、全幅で約180mm、ホイールベースで約615mmも大きく、まさに別次元のスケール感を持つピックアップトラックです。

タンドラの魅力:パワフルなパワートレインと先進装備
高出力エンジンとハイブリッドシステム
タンドラには、力強い走りを実現する2種類のパワートレインが用意されています。
ガソリンモデル
- V型6気筒3.4Lツインターボエンジン
- 2つの出力設定:358ps/56.1kgm、389ps/66.2kgm
- 10速オートマチックトランスミッション
ハイブリッドモデル(i-Force MAX)

- V型6気筒3.4Lツインターボ+ハイブリッドシステム
- 最高出力:437ps/80.6kgm
- 圧倒的なトルクと環境性能を両立
特にハイブリッドモデルは、80.6kgmという驚異的なトルクを発揮しながら、ガソリンモデルと同等の約8.5km/Lという燃費性能を実現しています。

先進のインフォテインメントと快適装備

タンドラの内装には最新の装備が惜しみなく投入されています:
- 12.3インチデジタルメーター:運転情報を見やすく表示
- 14インチ大型インフォテインメントシステム:直感的な操作性
- 10インチカラーヘッドアップディスプレイ:視線移動を最小限に
- 12スピーカーJBL製オーディオシステム:プレミアムな音響体験

広大な室内空間を活かし、ピックアップトラックでありながら後席でも足を伸ばせるゆとりのあるスペースを確保。シート下などに収納スペースも豊富に設けられ、実用性も抜群です。

タンドラの走行性能:オフロードもオンロードも
優れた走破性能

タンドラは、駆動方式にFRと4WDを設定。4WDモデルには以下の先進技術が搭載されています:
- マルチテレインセレクト:路面状況に応じた走行制御
- ダウンヒルアシストコントロール:急な下り坂での安全性向上
- リアデフロック(TRD Proグレード):悪路での脱出性能向上

TRD Proグレード:オフロード性能を極める

オフロード性能を追求したユーザーには「TRD Pro」グレードが用意されています。専用サスペンションにより車高をアップし、より高い走破性を実現。専用のエクステリアデザインも相まって、タンドラの中でも特に個性的な存在感を放ちます。
タンドラの安全性:Toyota Safety Sense搭載
最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」を標準装備し、以下の機能でドライバーと同乗者の安全を守ります:
- プリクラッシュセーフティ:衝突回避支援
- レーダークルーズコントロール:適切な車間距離を維持
- レーントレーシングアシスト(LTA):車線維持をサポート
- ロードサインアシスト(RSA):交通標識の認識と表示
大型車両でありながら、最先端の安全技術により安心して運転できる環境が整えられています。



タンドラの日本導入価格予想
米国での価格は41,260ドル~80,800ドル(約650万円~1,270万円)となっていますが、日本導入時には輸入関税や諸費用、さらに右ハンドル化などの対応により、価格が上乗せされる可能性があります。
予想される日本市場での価格帯は以下の通りです:
- エントリーグレード(SR/SR5):約700万円~800万円
- 中級グレード(Limited/Platinum):約900万円~1,100万円
- 最上級グレード(TRD Pro):約1,200万円~1,400万円
ハイラックスの価格帯が約400万円台であることを考えると、タンドラは明確に上位に位置づけられるプレミアムピックアップトラックとなります。
タンドラとハイラックスの比較:どちらを選ぶべきか
サイズと用途の違い

ハイラックス(9代目・2026年モデル)
- 全長5,320mm×全幅1,855mm×全高1,800mm
- 2.8Lディーゼルマイルドハイブリッド(204ps/51.0kgm)
- 価格:約425万円~460万円
- 取り回しやすさと日常使いのバランスを重視

タンドラ

- 全長5,933mm×全幅2,037mm×全高1,981mm
- 3.4Lガソリンターボ/ハイブリッド(最大437ps/80.6kgm)
- 価格:約700万円~1,400万円(予想)
- 最大級の積載能力と牽引性能を求めるユーザー向け
こんな人にタンドラがおすすめ
- 大型トレーラーやボートなど重量物の牽引が必要な方
- 最大級の積載スペースを求める方
- 圧倒的な存在感とアメリカンスタイルを楽しみたい方
- 余裕のある後席空間が必要な方
こんな人にハイラックスがおすすめ
- 都市部での使用も考慮した取り回しやすさを重視する方
- ディーゼルエンジンの経済性と耐久性を求める方
- 初めてのピックアップトラックを検討している方
- 400万円台からの手頃な価格を重視する方
タンドラ日本導入のインパクト
ピックアップトラック市場の活性化
タンドラの日本導入により、国内のピックアップトラック市場はさらに活性化すると予想されます。これまでハイラックスが独占していた市場に、より大型で力強い選択肢が加わることで、ユーザーの選択肢が広がり、市場全体の成長が期待されます。
アウトドア・レジャー産業への波及効果
タンドラのような大型ピックアップトラックの導入は、キャンピングトレーラーやボートなどを牽引するアウトドア・レジャー産業にも大きな影響を与える可能性があります。これまで日本市場では牽引性能の限界から難しかった大型トレーラーの利用が現実的になり、新たなレジャースタイルの提案につながるでしょう。
カスタム市場の拡大
米国では、タンドラは豊富なカスタムパーツが用意されており、オーナーそれぞれが個性を表現できる車種として人気です。日本導入後も、カスタム文化が広がることが期待され、関連産業の発展も見込まれます。
タンドラ日本導入時期と販売体制
2026年発売予定
タンドラの日本発売は2026年が予定されています。カムリとハイランダーとともに、トヨタの米国生産車導入プロジェクトの第一弾として市場に投入される見込みです。
販売チャネルと試乗機会
具体的な販売チャネルについては今後発表される予定ですが、トヨタの正規ディーラーネットワークを通じた販売が想定されます。発売前には主要都市で展示会や試乗会が開催される可能性が高く、実車を体験する機会が提供されるでしょう。
まとめ:タンドラは日本のピックアップトラック文化を変える
トヨタ・タンドラの日本導入は、単なる新型車投入を超えた意味を持ちます。それは、日本市場におけるピックアップトラックの可能性を大きく広げ、新たなライフスタイルを提案する挑戦です。
ハイラックスよりも大型で力強く、より本格的な用途に対応するタンドラは、これまで日本市場になかった「フルサイズピックアップトラック」というカテゴリーを確立します。アウトドア愛好家や仕事で大型車両を必要とする方々にとって、待望の選択肢となるでしょう。
2026年の正式発売を前に、タンドラへの期待は高まるばかりです。トヨタがどのような仕様で日本市場に投入するのか、価格設定はどうなるのか、今後の続報に注目が集まります。


