トヨタ自動車は、米国で生産される3列シートSUV「ハイランダー(Highlander)」を2026年から日本市場に導入することを正式発表しました。ハイランダーは、日本では初代が2007年まで「クルーガー(KLUGER)」のモデル名で販売されていましたが、約19年ぶりの復活導入となります。

トヨタ・ハイランダーが日本市場に復活!2026年から米国生産車を導入
今回の日本導入は、日米貿易交渉を受けて国土交通省が検討している新制度を活用し、米国生産車である「カムリ」「タンドラ」とともに実施されます。より良い日米貿易関係に貢献しながら、日本のお客様の多様なニーズに応えることを目指しています。
ハイランダーとは?米国で人気の3列シートSUVの魅力
ハイランダーは、2001年に米国市場でデビューして以来、3列シートSUVのベストセラーモデルとして高い評価を獲得してきました。現在販売されている4代目モデルは、2019年に発売され、米国SUV販売ランキングでTOP10に常にランクインする人気車種です。


ハイランダーの主な特徴

- 3列シート7〜8人乗りで広々とした室内空間
- 都市部からアウトドアまで対応する優れた走破性
- ファミリー層に人気の実用的なデザインと機能性
- 最新の安全装備Toyota Safety Sense標準搭載
- ガソリン・ハイブリッドの選択可能なパワートレイン

圧倒的なサイズ感!ハイランダーのボディサイズとデザイン
ボディサイズ詳細

- 全長:4,950mm
- 全幅:1,930mm
- 全高:1,730mm
- ホイールベース:2,949mm
- 乗車定員:7〜8人
ハイランダーの全長は、トヨタのフラッグシップSUV「ランドクルーザー300」(4,975mm)とほぼ同等です。しかし、ランドクルーザー300がラダーフレームを採用するのに対し、ハイランダーは都市型SUVとして乗用車プラットフォーム(GA-K)を採用。これにより全高を約200mm低く抑え、車重も約600kg軽量化されています。
エクステリアデザイン



フロントは大型グリルとワイドなバンパーを採用し、力強さと高級感を演出。リヤは3列シート分の広い室内空間を確保しながらも、軽快な走りを感じさせるスポーティなデザインとなっています。
さらに、専用デザインとスポーツサスペンションを装備したスポーティグレード「XSE」も用意され、好みに応じた選択が可能です。
先進装備満載!ハイランダーの内装・インテリア
最新テクノロジー搭載の快適空間

2026年モデルのハイランダーは、トヨタの最新技術を結集した先進的なインテリアを採用しています。

主要装備:
- 15.6インチ大型タッチスクリーン(中国仕様では採用済み)
- 12.3インチデジタルメーター
- 10インチヘッドアップディスプレイ
- ワイヤレスApple CarPlay/Android Auto対応
- 50Wワイヤレス充電システム
- JBL製11スピーカーオーディオシステム
- パノラマルーフ(グレード設定あり)

広々とした3列シート空間


ハイランダーの室内空間は、ホイールベース2,949mmの恩恵を受け、3列シート全てで余裕のある空間を実現しています。
シート構成:
- 1列目:2人掛け(運転席・助手席)
- 2列目:3人掛けベンチシートまたは2人掛けキャプテンシート
- 3列目:3人掛けベンチシート(2-3-2配列で7人乗り、2-2-3配列で8人乗り)




ラゲッジスペース:
- 3列使用時:約500L
- 2列使用時(3列目格納):約1,200L
3列目シートは分割可倒式で、使用しない時はフラットに格納でき、大容量のラゲッジスペースを確保できます。
2つのパワートレイン!ガソリンとハイブリッドを用意

2.4L直列4気筒ガソリンターボエンジン
スペック:
- 最高出力:265PS(198kW)
- 最大トルク:420Nm(310lb-ft)
- トランスミッション:8速AT
- 燃費(EPA値):約10.2km/L(24mpg)
- 車両重量:約2,268kg
- 牽引能力:約2,268kg(5,000ポンド)
2.5L直列4気筒ハイブリッドシステム
トヨタのハイブリッドシステム(THS II)を採用。RAV4やESと同じA25A-FXSエンジンをベースとしています。
スペック:
- システム最高出力:243PS(181kW)
- ハイブリッドバッテリー:6.5Ah
- 駆動方式:AWD-i(E-Four)
- 燃費(EPA値):約14.9km/L(35mpg)
- 0-96km/h加速:8.1秒
ハイブリッドMAXモデル(米国限定)
米国市場には、さらにパワフルな「ハイブリッドMAX」も設定されています。
スペック:
- システム最高出力:362PS
- 最大トルク:542Nm(400lb-ft)
- 0-96km/h加速:6.3秒
日本への導入は未定ですが、3列シートSUVとしては驚異的な加速性能を実現しています。
充実の安全装備!Toyota Safety Sense搭載
ハイランダーには、トヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense 3.0」(または最新バージョン)が標準装備されます。
主要安全機能
- プリクラッシュセーフティ(PCS):衝突回避支援
- レーントレーシングアシスト(LTA):車線維持支援
- ロードサインアシスト(RSA):道路標識認識
- レーンディパーチャーアラート(LDA):車線逸脱警報
- オートマチックハイビーム(AHB):自動ハイビーム
- ブラインドスポットモニター(BSM):後側方車両接近警報
- セーフティエグジットアシスト(SEA):降車時警報
さらに、360度カメラシステムやアドバンストパーク(駐車支援)などの先進装備も用意されます。
気になる価格は?日本での予想価格
米国での価格(参考)
- XLE AWD:45,270ドル(約688万円)
- XSE AWD:48,000ドル(約730万円)
- Limited AWD:51,000ドル(約775万円)
- Platinum AWD:54,675ドル(約831万円)
※ハイブリッドモデルのベース価格は44,210ドル(約673万円)
日本での予想価格
米国での価格設定や輸送コスト、日本仕様への調整費用などを考慮すると、日本での販売価格は以下のように予想されます。
予想価格帯:
- ガソリンモデル:650万円〜
- ハイブリッドモデル:700万円〜
- 上級グレード:850万円程度
この価格帯は、同じく3列シートSUVである「ランドクルーザー300」(約540万円〜)よりも高額ですが、装備内容や快適性を考慮すると妥当な設定と言えるでしょう。中国仕様の高級グレード「EXCEL PREMIUM」は52,590元(約976万円)で販売されています。
ライバル車種との比較
国産3列シートSUVとの比較
| 車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | 乗車定員 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|
| ハイランダー | 4,950mm | 1,930mm | 1,730mm | 7-8人 | 約688万円〜 |
| ランドクルーザー300 | 5,010mm | 1,850mm | 1,950mm | 7-8人 | 540万円〜 |
| マツダCX-8 | 4,925mm | 1,845mm | 1,730mm | 6-7人 | 299万円〜 |
| トヨタRAV4 | 4,600mm | 1,855mm | 1,685mm | 5人 | 293万円〜 |
| 日産エクストレイル | 4,740mm | 1,855mm | 1,660mm | 5人 | 312万円〜 |
ハイランダーの競争力
ハイランダーの強み:
- 3列シート全てで余裕のある空間
- 最新の大型インフォテインメントシステム
- 優れた燃費性能(ハイブリッド:14.9km/L)
- 豊富なグレード展開と選択肢
懸念点:
- 車幅1,930mmは日本の道路環境では大きめ
- 価格帯が700万円前後と高額
- 立体駐車場の高さ制限(1.55m)には入らない
グランドハイランダーとの違いは?
トヨタは2023年に、ハイランダーよりもさらに大型の「グランドハイランダー」を米国市場に投入しています。

サイズ比較
| 項目 | ハイランダー | グランドハイランダー |
|---|---|---|
| 全長 | 4,950mm | 5,116mm |
| 全幅 | 1,930mm | 1,989mm |
| 全高 | 1,730mm | 1,781mm |
| 乗車定員 | 7人 | 8人(3列目3人掛け) |
| 米国価格 | 45,270ドル〜 | 41,360ドル〜 |
グランドハイランダーは全長が約166mm、全幅が約59mm大きく、より広い室内空間を実現しています。日本への導入については現時点で未定ですが、さらに大きなSUVを求めるユーザーには魅力的な選択肢となるでしょう。
日本導入はいつ?発売時期とスケジュール
公式発表内容
トヨタ自動車は2025年10月25日に、米国生産の3車種(カムリ、ハイランダー、タンドラ)を2026年から順次、日本市場に導入すると正式発表しました。
生産拠点:
- ハイランダー:TMMI(インディアナ工場)
- カムリ:TMMK(ケンタッキー工場)
- タンドラ:TMMTX(テキサス工場)
予想される発売スケジュール
具体的な発売時期は未発表ですが、以下のようなスケジュールが予想されます。
- 2026年前半:カムリ導入(既存モデルの後継)
- 2026年中盤:ハイランダー導入
- 2026年後半:タンドラ導入
ハイランダーは2026年中盤から後半にかけての発売が有力視されています。
ハイランダー日本導入の背景と意義
日米貿易交渉と新制度
今回のハイランダー日本導入は、日米貿易交渉の成果として実現します。国土交通省が検討している新制度を活用することで、米国安全基準に適合した車両を日本市場に導入しやすくなりました。
新制度のポイント:
- 米国安全基準車両の日本導入簡素化
- 輸入手続きの迅速化
- より良い日米貿易関係の構築
日本市場への影響
トヨタにとってのメリット:
- ラインナップの充実:3列シートSUVの選択肢拡大
- 生産能力の有効活用:米国工場の稼働率向上
- ブランドイメージ向上:アメリカンカルチャーの導入
日本のユーザーにとってのメリット:
- 大型3列シートSUVの選択肢増加
- 米国市場で実績のある信頼性
- 最新技術と快適装備の享受
ハイランダーはどんな人におすすめ?
こんな方にピッタリ
ファミリー層:
- 7〜8人乗りの大型SUVを探している
- 3列目シートでも快適な空間が欲しい
- 週末のアウトドアやレジャーに使いたい
アウトドア愛好家:
- キャンプやスキーなどで大容量のラゲッジスペースが必要
- 悪路走破性と快適性を両立したい
- 牽引能力のあるSUVが欲しい
高級志向のユーザー:
- 最新の快適装備を求める
- 他人と違う個性的なSUVに乗りたい
- アメリカンテイストのSUVに憧れがある
購入前に検討すべきポイント
車幅1,930mm:
日本の一般的な駐車場(2.5m幅)には収まりますが、狭い道路や住宅街での取り回しには注意が必要です。
燃費性能:
- ガソリンモデル:約10.2km/L
- ハイブリッドモデル:約14.9km/L
年間10,000km走行した場合の燃料費(レギュラー190円/L想定):
- ガソリンモデル:約186,000円
- ハイブリッドモデル:約127,000円
ハイブリッドモデルの方が年間約6万円お得になります。
維持費:
700万円クラスのSUVとなると、以下の維持費を想定しておく必要があります。
- 自動車税:年間58,000円(2.4L)
- 車検費用:10〜15万円/2年
- 保険料:8〜12万円/年
- メンテナンス費用:年間5〜10万円
まとめ:ハイランダー日本導入で3列シートSUV市場が活性化
トヨタ・ハイランダーの2026年日本導入は、国内3列シートSUV市場に大きなインパクトを与えることは間違いありません。
ハイランダー日本導入のポイント:
- 2026年から米国生産車として日本市場に導入
- 予想価格は700万円前後
- 3列シート7〜8人乗りの広々空間
- ガソリン2.4Lターボとハイブリッド2.5Lの2種類
- 最新のインフォテインメントと安全装備
- Toyota Safety Sense標準装備
約19年ぶりに復活するハイランダーは、日本のファミリー層やアウトドア愛好家にとって待望の選択肢となるでしょう。2026年の正式発売に向けて、今後も最新情報に注目していきたいと思います。

