2026年4月10日に発表され、同年5月6日に発売されるトヨタ ヴォクシーの一部改良(ビッグマイナーチェンジ)。メーターの大型化やハイブリッド専用化、インテリアの質感向上など、多くの充実した変更点が話題を集めている一方で、ユーザーや元オーナー目線で見ると「なぜここが変わらなかったのか」と感じる部分も少なからず存在する。本記事では、今回のトヨタ ヴォクシー 一部改良における残念なところを、細かい装備や仕様の観点からしっかりと整理してお伝えする。購入を検討している方にとって、良い面だけでなく気になる点も把握したうえで判断できる内容となっているので、ぜひ参考にしていただきたい。

トヨタ ヴォクシー 一部改良 残念なところ①|リアウィンカーが非LEDのまま継続:
今回のビッグマイナーチェンジで最も残念と感じるユーザーが多いとされるポイントの一つが、リアウィンカー(方向指示器)の非LED継続採用だ。フロントまわりはLEDヘッドライトやLEDターンランプが全車標準装備化されるなど、灯火類の充実が図られたにもかかわらず、リアウィンカーに限っては従来どおりバルブ式(豆球)のままとなっている。

フルモデルチェンジや一部改良のタイミングでフルLED化を期待していたオーナーや購入検討者にとっては、明らかな肩透かしといえる部分だ。競合他車や同クラスのミニバンでリアまで含めた全灯火LED化が当たり前になりつつある中、ヴォクシーのリアウィンカーがバルブ式のままである点は、特に上質感を求めるユーザー層にとって気になる箇所となっている。なぜフロントのみLED化が進んでリアは取り残されているのか、トヨタの判断に疑問を抱くユーザーも少なくない。

トヨタ ヴォクシー 一部改良 残念なところ②|S-Z E-FourとS-Gは16インチホイールのまま:
今回の改良でS-Z(2WD)グレードは17インチアルミホイールの意匠が刷新され、切削光輝+ブラック塗装+ダーククリア仕上げに変更されてより精悍な印象になった。しかしながら、S-Z E-Four(4WD)グレードとS-Gグレードについては、これまでどおりの16インチアルミホイール(ダークグレーメタリック塗装)が継続採用されており、変更は見送られた。

最上位グレードであるにもかかわらず、4WDを選ぶと足元のホイールが2WDよりも見劣りするという状況は、こだわりを持つユーザーには納得しにくい部分だ。4WD(E-Four)仕様を選ぶユーザーは降雪地域在住者やアウトドア好きなど、クルマにこだわりを持つ層が多い傾向があるだけに、ホイールの見直しが行われなかった点は惜しまれる。
トヨタ ヴォクシー 一部改良 残念なところ③|オートブレーキホールド(ABH)にメモリー機能が非搭載:
現行ヴォクシーには電動パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機能が標準装備されているが、今回の改良でも「メモリー(自己復帰)機能」は搭載されなかった。オートブレーキホールドのメモリー機能とは、エンジンを切っても次回の起動時に自動的にオートブレーキホールドがオンの状態で立ち上がる便利な機能で、毎回手動でオンにする手間が省けるものだ。

この機能はすでにトヨタの現行シエンタや現行アクアには採用されており、ユーザーからは「なぜノア・ヴォクシーには搭載されないのか」という声が改良発表後も多く上がっている。レクサス新型IS300hにはレクサス初としてメモリー機能が搭載された事例もあり、採用・不採用の基準が不明瞭なままとなっている点も、モヤモヤ感を生む一因となっている。日常的に使用する頻度が高い機能だけに、ビッグマイナーチェンジのタイミングでの搭載を期待していたユーザーには残念な結果となった。
トヨタ ヴォクシー 一部改良 残念なところ④|ユニバーサルステップが助手席(左)側のみ:
メーカーオプションとして設定されているユニバーサルステップは、スライドドアの開閉と機械的に連動してステップが自動展開・格納される便利な機能だ。しかし、このユニバーサルステップは助手席側(左側)のみに搭載されており、運転席側(右側)には設定されていない。今回のビッグマイナーチェンジで両側設定への変更が期待されていたものの、残念ながらその変更は行われなかった。

上位クラスにあたるアルファード・ヴェルファイア(40系)では左右両側にユニバーサルステップが設定されており(その分オプション費用も高くなる)、ミドルサイズミニバンとラージサイズミニバンで意図的に装備差を設けているとも考えられる。とはいえ、運転席側からの乗降の利便性向上を望む声は根強く、片側のみという制約は実用面でやや物足りなさを感じさせる部分だ。
トヨタ ヴォクシー 一部改良 残念なところ⑤|ガソリン車の完全廃止による価格帯の上昇:
今回の一部改良で最も大きなポイントとして挙げられるのが、ガソリン車の完全廃止とハイブリッド専用化だ。環境性能の向上という観点では前向きな変更である一方で、これにより実質的なエントリー価格が大きく引き上げられることとなった。
改良前は比較的手の届きやすい価格帯のガソリン車も選択肢にあったが、改良後のヴォクシーはHYBRID S-G(2WD・7人乗り)が3,751,000円からとなる。ファミリーカーとして選択を検討するユーザーにとって、予算の面で選びにくくなったと感じる層も一定数存在するはずだ。燃費性能の向上や長期的なランニングコストの低減という利点はあるものの、初期購入費用の負担増は無視できない現実として残念なところといえる。
ヴォクシー 一部改良の価格・グレード構成:
ヴォクシーの改良後グレード構成はS-ZとS-Gの2グレード体制で、全車ハイブリッドのみとなる。価格は以下のとおりだ。
- HYBRID S-Z 2WD(7人乗り):4,127,200円(税込)
- HYBRID S-Z E-Four(7人乗り):4,380,200円(税込)
- HYBRID S-G 2WD(7人乗り):3,751,000円(税込)
- HYBRID S-G E-Four(7人乗り):4,004,000円(税込)
- HYBRID S-G 2WD(8人乗り):3,751,000円(税込)
トヨタ ヴォクシー 一部改良 残念なところ⑥|プロジェクター式LEDヘッドライト(デイライト付)はS-ZのメーカーOPのまま:
フロントの灯火類はリフレクター式LEDヘッドライト(マニュアルレベリング機能付き)+LEDターンランプ+LEDクリアランスランプが全車標準装備化されたことは評価できる。しかし、より高機能なプロジェクター式LEDヘッドライト(オートレベリング機能付き)+LEDターンランプ+LEDクリアランスランプ(デイライト機能付き)については、S-Zグレードでもメーカーオプション扱いのままとなっている。

最上位グレードであるS-Zであれば当然のように標準装備されてもよいと感じるユーザーも多く、追加費用を払わなければデイライト付きの上質なヘッドライトユニットが手に入らない仕様は、価格の引き上げと合わせて「割り切れなさ」を感じさせる部分だ。
トヨタ ヴォクシー 一部改良 残念なところ⑦|前後方ドライブレコーダーがS-Gはオプション設定:
今回の改良でS-Zグレードには前後方ドライブレコーダーが標準装備として加わったが、S-Gグレードではメーカーオプションの扱いにとどまっている。現在のカーライフにおいてドライブレコーダーはもはや必需品ともいえる装備であり、昨今の交通トラブルや万が一の事故に備えた記録手段として、多くのユーザーが重視する装備だ。
S-Gグレードを選ぶユーザーにとっても標準装備として搭載されていれば安心感が高まるが、オプション費用が別途発生するという点は、コストパフォーマンスの観点から不満の声が上がりやすいポイントといえる。
「残念なところ」はあっても、総合評価は高い一台:
ここまでトヨタ ヴォクシー 一部改良の残念なところを複数挙げてきたが、これらはあくまで「より良いクルマになるための惜しい点」として捉えるべきものでもある。今回の改良全体としては、メーターの大型化(S-Z:12.3インチ、S-G:7インチ)、インテリア質感の向上、車内静粛性の改善、SNOW EXTRAモードの追加、S-Gへのデュアルパワースライドドア標準装備化など、日常の使い勝手を大きく高める変更が多数盛り込まれており、ファミリーカーとしての完成度はさらに高まっている。
価格はHYBRID S-G(2WD)が3,751,000円、HYBRID S-Z(2WD)が4,127,200円(いずれも税込)となっており、装備の充実を踏まえれば合理的な価格設定といえる面もある。残念な点を把握したうえで、それでもヴォクシーに求める価値と自分のニーズを照らし合わせて判断することが、後悔のない購入につながるだろう。発売は2026年5月6日(ウェルキャブ仕様は5月中旬ごろ)なので、詳細はトヨタ販売店や公式サイトにてご確認いただきたい。
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