2026年9月3日、日産の主力ミドルサイズSUV「エクストレイル(T33型)」が一部仕様変更モデルとして発表・発売されました。2022年のT33型デビューから4年以上が経過し、今回の2027年モデルは実質4回目の年次改良となります。価格帯は4,092,000円〜5,962,000円(消費税10%込)となっており、一部グレードの装備が見直されたほか、エントリーグレード「S」が廃止されるなど、ラインナップ構成にも変化が生じています。
「どこが変わったのか」「買うならどのグレードがお得なのか」を詳しく知りたい方に向けて、今回の一部仕様変更の内容を網羅的に解説します。
エクストレイル 2027年モデル(一部仕様変更)の主な変更点まとめ
今回の仕様変更は、デザインの刷新や新グレード追加ではなく、主に装備の標準化・廃止・見直しを中心とした内容です。日産公式が発表した改良ポイントは以下の通りです。
まず「G」グレードについては、幾何学的な切削パターンを持つ19インチアルミホイールが標準装備となり、ルーフレールとドアミラーがブラック塗装化されました。これにより外観のスポーティ感と統一感が向上しています。
「X」グレードについては、リヤサイドスポイラーと18インチアルミホイールがブラック塗装化され、リモコンオートバックドアが標準装備となりました。利便性の観点では確実にプラスとなる変更です。
「AUTECH」と「NISMO」グレードでは、Googleビルトイン12.3インチインフォテインメントシステム、ETC2.0、SOSコールが標準装備となりました。これにより両グレードの利便性が大幅に向上しています。
また、「マルチベッド」仕様に新たに「G e-4ORCE」ベースのグレードが追加設定され、車中泊ニーズへの対応がさらに手厚くなりました。
一方、日産公式では大きく取り上げられていませんが、いくつかの重要な「改悪・廃止」ポイントも存在します。エントリーグレード「S(e-POWER S)」が廃止され、最安価格が3,843,400円から4,092,000円へと引き上げられています。また「G」グレードで人気の高かった「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」「プロパイロットパーキングアシスト」「ワイヤレス充電(置くだけ充電)」が廃止となりました。さらに「G」グレード2WD車では、後席シートヒーターとステアリングヒーターがメーカーオプション扱いとなっています。ボディカラー「ブリリアントシルバーメタリック」も廃止となっています。
【変更点一覧】改良されたポイント・廃止されたポイント
改良されたポイントとしては、最新法規への適合、「G」グレードへの19インチアルミホイール標準装備、「G」グレードのルーフレール・ドアミラーのブラック塗装化、「X」グレードのリヤサイドスポイラー・18インチホイールのブラック塗装化、「X」グレードへのリモコンオートバックドア標準装備、AUTECH・NISMOへのGoogleビルトイン12.3インチシステム・ETC2.0・SOSコール標準装備、マルチベッドへのGe-4ORCEベース新グレード追加が挙げられます。
廃止・変更されたポイントとしては、エントリーグレード「S」の廃止、ボディカラー「ブリリアントシルバーメタリック」の廃止、「G」グレードのHUD・プロパイロットパーキングアシスト・ワイヤレス充電の廃止、「G」グレード2WD車の後席シートヒーター・ステアリングヒーターのオプション化、リアテールゲートのバッジ変更(2WDは"e-POWER"、4WDは"e-4ORCE"のみに統一)があります。
エクストレイル 2027年モデル グレード別価格一覧
2027年モデルの全グレード・価格(消費税10%込)は以下の通りです。
e-POWER Xグレード(2列5人乗り) 2WD:4,092,000円/e-4ORCE:4,389,000円
e-POWER Xグレード(3列7人乗り) e-4ORCE:4,521,000円
e-POWER Gグレード(2列5人乗り) 2WD:4,653,000円/e-4ORCE:4,950,000円
e-POWER G マルチベッド(新設定)(2列5人乗り) e-4ORCE:5,635,300円
e-POWER ROCK CREEKグレード(2列5人乗り) e-4ORCE:4,757,500円
e-POWER ROCK CREEKグレード(3列7人乗り) e-4ORCE:4,889,500円
e-POWER ROCK CREEK マルチベッド(2列5人乗り) e-4ORCE:5,362,500円
e-POWER AUTECH(2列5人乗り) e-4ORCE:5,480,200円
e-POWER AUTECH(3列7人乗り) e-4ORCE:5,559,400円
e-POWER AUTECH Advanced Package(2列5人乗り) 2WD:5,365,800円/e-4ORCE:5,662,800円
e-POWER AUTECH SPORTS SPEC(2列5人乗り) e-4ORCE:5,904,800円
e-POWER NISMO(2列5人乗り) e-4ORCE:5,754,100円
e-POWER NISMO Advanced Package(2列5人乗り) e-4ORCE:5,962,000円
2022年〜2027年モデルの価格推移:累計値上げはいくら?
T33型エクストレイルは、2022年のデビュー以来、年次改良ごとに値上げが続いています。代表的な「e-POWER X 2WD」の推移を見ると、2022年モデルは3,499,100円でしたが、2023年モデルで3,748,800円(+249,700円)、2024年モデルで3,840,100円(+91,300円)、2025年モデルで4,049,100円(+209,000円)、そして今回の2027年モデルで4,092,000円(+42,900円)と推移しており、デビュー当初からの累計値上げ額はXグレードで約59万円、Gグレードでは約35〜45万円に達しています。AUTECHやNISMOグレードでは今回の改良で30万円超の大幅な値上げとなっています。
おすすめグレードはどれ? 目的別に解説
コストパフォーマンス重視なら「e-POWER X e-4ORCE(2WD)」

エクストレイルに乗りたいが予算を抑えたいという方には、エントリーグレードとなった「e-POWER X」がおすすめです。今回の改良でリモコンオートバックドアが標準装備となり、利便性がさらに向上。Xグレードはリヤのサイドスポイラーと18インチアルミホイールのブラック塗装化により引き締まった外観も獲得しています。2WD(FF)であれば4,092,000円から購入でき、日常使いには十分な装備と走行性能を持ちます。雪道や悪路を走る機会が少ない都市部在住の方にとっては、最もコスパに優れた選択肢といえるでしょう。
バランス重視の定番なら「e-POWER G e-4ORCE」

エクストレイルの中で最も人気の高い上位グレード「G」は、今回の改良で19インチアルミホイール・ルーフレール・ブラックドアミラーが標準化され、装備の充実度がさらに高まりました。一方で、HUDやワイヤレス充電が廃止となった点は惜しいですが、4WD(e-4ORCE)仕様であれば後席シートヒーターとステアリングヒーターは引き続き標準装備となっています。価格は4,950,000円と500万円を下回る価格帯で、SUVとしての総合力が非常に高いグレードです。晴れた日のドライブからウィンタースポーツまで幅広く対応したい方に特に適しています。
アウトドア派には「e-POWER ROCK CREEK e-4ORCE」

溶岩をイメージした「ラバレッド」アクセントの専用フロントグリル・バンパー・アルミホイールを持つROCK CREEKは、アウトドア志向のユーザーに向けた個性派グレードです。専用防水シートやブラック基調のインテリアは実用性とスタイルを両立しており、キャンプや登山などアクティブなライフスタイルに最適。価格は4,757,500円(2列5人乗り)〜4,889,500円(3列7人乗り)と、Gグレードに近い価格帯でROCK CREEK専用の個性を手に入れられます。7人乗りが必要な家族層にも選びやすい選択肢です。
車中泊・アウトドアキャンプをメインに楽しむなら「ROCK CREEKマルチベッド」または「G e-4ORCE マルチベッド(新設定)」

2026年2月に設定されたROCK CREEKマルチベッドに加え、今回の改良でG e-4ORCEベースの「マルチベッドグレード」が新たに追加されました。セカンドシート位置から荷室スペース全体にわたってフルフラットなベッドシステムを展開できるこのグレードは、車中泊ニーズを持つユーザーにとって非常に魅力的です。ROCK CREEKマルチベッドは5,362,500円、G e-4ORCEマルチベッドは5,635,300円となっています。
装備・高級感・スポーティさを求めるなら「AUTECH」または「NISMO」

今回の改良でGoogleビルトイン12.3インチシステム・ETC2.0・SOSコールが標準化されたAUTECHおよびNISMOは、30〜34万円程度の大幅値上げが行われましたが、これらの装備を実質込みで考えれば値上げ分の多くは装備の標準化によるものと理解できます。特にNISMOは、カヤバ製Swing Valveサスペンション・NISMO tuned e-4ORCE・ミシュラン PILOT SPORT EV・20インチアルミホイールという走行性能特化の装備を持ち、エクストレイルで最高のドライビングフィールを求めるユーザーに最適です。
エクストレイルの基本スペックをおさらい
エクストレイル(T33型)のパワートレインは、1.5L可変圧縮比エンジン「VCR」と第2世代「e-POWER」ハイブリッドの組み合わせです。フロントモーター出力は204ps/33.7kgm、4WD車のリアモーター出力は136ps/19.9kgmを発揮し、3Lエンジン相当の最大トルクを実現しています。4WD車には日産の電動4輪制御技術「e-4ORCE」が採用されており、雪道や濡れた路面でも安定した走りを発揮します。

ボディサイズは全長4,660mm×全幅1,840mm×全高1,720mm・ホイールベース2,705mmで、競合のトヨタRAV4(全長4,600mm)やマツダCX-5(全長4,575mm)と比べると一回り大柄なボディを持ちます。室内空間の広さや積載性はクラストップレベルと言えます。

2025年9月のビッグマイナーチェンジで採用されたインフォテインメントシステムは、日産初のGoogleビルトイン搭載12.3インチNissanConnectシステムを採用。Googleマップ・Googleアシスタント・Google Playアプリをタッチスクリーンで直接操作でき、ワイヤレスApple CarPlay・ワイヤレスAndroid Autoにも対応しています。
まとめ:2027年モデル エクストレイルはどんな人に向いている?
今回の一部仕様変更(2027年モデル)は、「劇的な変化」というよりも「装備の再編成」という性格の改良です。Gグレードの19インチホイール標準化やXグレードのリモコンバックドア標準装備はプラスの変化ですが、人気装備だったHUDや一部快適装備の廃止・オプション化はマイナスに感じるユーザーもいるでしょう。T33エクストレイルは2027年モデルで最後となる可能性も高く、次世代T34型の登場が近いともいわれています。
現時点でのおすすめグレードをまとめると、コスパ最優先なら「e-POWER X 2WD(4,092,000円)」、バランス重視の定番なら「e-POWER G e-4ORCE(4,950,000円)」、アウトドア派なら「ROCK CREEK e-4ORCE(4,757,500円〜)」、車中泊重視なら「マルチベッド各グレード」、走行性能最優先なら「NISMO(5,754,100円〜)」という整理になります。
エクストレイルは国内屈指の人気SUVとして高い完成度を誇っており、今回の改良後もその価値は変わりません。購入を検討している方はぜひ、自分のライフスタイルと予算に合わせたグレード選びの参考にしてください。
関連情報: 日産エクストレイル公式サイト https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/x-trail.html / 日産プレスリリース https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/260903-01-j

