日産エクストレイルは、その卓越した性能と多機能性で、国内外のSUV市場において確固たる地位を築いています。この記事では、エクストレイルの販売台数と生産台数の推移を詳しく解説し、その人気の理由を探ります。また、一部では「人気がない」「売れていない」といった声が囁かれることも。実際のところはどうなのでしょうか?販売台数と生産台数の推移から、その真相に迫ります。
日産自動車を代表するミドルサイズSUV、エクストレイル。タフギアとして、初代モデルから高い人気を誇り、現行モデルは4代目となります。e-POWER搭載による力強い走りや、先進の安全技術プロパイロットなど、魅力的な要素を多く備えています。
しかし、近年では販売台数に伸び悩みが見られるという声も耳にします。果たしてエクストレイルの販売状況は実際どうなっているのでしょうか?本記事では、エクストレイルの販売台数と生産台数の推移を分析し、好調の影に潜む課題を浮き彫りにします。さらに、ライバル車との比較や今後の展望についても考察していきます。
日産エクストレイルの販売台数:国内外で躍進するSUV
エクストレイルは、発売以来、その革新的な技術と洗練されたデザインで、多くのドライバーを魅了してきました。国内市場では、SUVセグメントにおいて常に上位にランクインし、安定した販売台数を記録しています。特に、e-POWERモデルの登場は、燃費性能と力強い走りを両立させ、さらなる販売台数の増加に貢献しました。
海外市場においても、エクストレイルは高い評価を得ています。北米、欧州、アジアなど、世界各国で販売台数を伸ばしており、日産のグローバル戦略における重要な役割を担っています。特に、中国市場での人気は顕著で、SUVブームを背景に、販売台数を大きく伸ばしています。
2022年 販売台数
2022年の年間の販売台数は18,066台でした。フルモデルチェンジ後の2022年7月以降は台数が増えていることがわかります。
年月 | 販売台数 |
---|---|
2022年1月 | 797台 |
2022年2月 | 927台 |
2022年3月 | 1,435台 |
2022年4月 | 630台 |
2022年5月 | 425台 |
2022年6月 | 737台 |
2022年7月 | 2,561台 |
2022年8月 | 2,151台 |
2022年9月 | 3,395台 |
2022年10月 | 1,761台 |
2022年11月 | 1,928台 |
2022年12月 | 1,319台 |
合計 | 18,066台 |
2023年 販売台数
エクストレイルは27,129台でSUV年間販売での7位にランクインしています。
年月 | 販売台数 |
---|---|
2023年1月 | 1,517台 |
2023年2月 | 2,616台 |
2023年3月 | 3,533台 |
2023年4月 | 1,697台 |
2023年5月 | 2,068台 |
2023年6月 | 2,899台 |
2023年7月 | 2,758台 |
2023年8月 | 1,578台 |
2023年9月 | 1,905台 |
2023年10月 | 2,027台 |
2023年11月 | 2,439台 |
2023年12月 | 2,092台 |
合計 | 27,129台 |
2024年 販売台数
2024年上半期(1月~6月)における販売台数が18,621台となり、なんと2022年の年間販売台数を既に上回っています!
年月 | 販売台数 |
---|---|
2024年1月 | 3,093台 |
2024年2月 | 4,224台 |
2024年3月 | 5,272台 |
2024年4月 | 2,387台 |
2024年5月 | 1,521台 |
2024年6月 | 2,124台 |
2024年8月 | 2,762台 |
2024年9月 | 3,626台 |
合計 | 25,009台 |
2022年5月のフルモデルチェンジを発表し月販目標台数は2,500台となっています。2024年は目標台数を上回る平均約3,100台ほどを生産しています。
日産エクストレイルの生産台数:需要に応えるための増産体制
エクストレイルの販売台数の増加に伴い、日産は生産体制の強化にも取り組んでいます。国内工場に加え、海外工場での生産も拡大しており、グローバルでの需要に応えるための体制を整えています。特に、e-POWERモデルの生産能力増強は、今後の販売台数拡大に向けて重要な鍵を握っています。
エクストレイルの販売台数推移:栄光と苦難の歴史
エクストレイルの販売台数を理解するには、過去の推移を振り返ることが重要です。初代モデルは2000年に登場し、SUVブームの火付け役として大ヒットを記録しました。その後も、モデルチェンジごとに進化を遂げ、常に高い人気を維持してきました。
しかし、2013年に登場した3代目モデルは、それまでのタフギア路線から都会的なデザインへとシフトしたことで、従来のファン層から支持を得られず、販売台数は低迷しました。
2022年にフルモデルチェンジした現行型4代目エクストレイルは、e-POWER専用車として生まれ変わり、力強い走りと低燃費を実現。先進技術も満載で、再び注目を集めています。
各世代の販売台数と特徴を比較
世代 | 発売時期 | 特徴 | 販売台数推移 |
---|---|---|---|
初代(T30型) | 2000年 | タフギア路線を確立 | 発売当初は月販目標5,000台を大きく上回る10,000台を記録。その後も好調を維持。 |
2代目(T31型) | 2007年 | 走破性と快適性を両立 | 初代の人気を継承し、安定した販売台数を維持。 |
3代目(T32型) | 2013年 | 都会的なデザインを採用 | デザイン変更が裏目に出て販売台数は低迷。 |
4代目(T33型) | 2022年 | e-POWER専用車として登場 | 先進技術と力強い走りが評価され、販売台数は回復傾向。 |
エクストレイルの生産台数:需要と供給のバランス
エクストレイルの生産台数は、販売台数と密接に関係しています。需要が高い場合は生産台数を増やし、需要が低い場合は生産台数を減らすことで、在庫過多や供給不足を防ぎます。
近年、自動車業界では半導体不足や部品供給の遅延などにより、生産計画に影響が出ているケースが多く見られます。エクストレイルも例外ではなく、納期遅延が発生しているという情報もあります。
日産自動車は、これらの問題を解決するために、サプライチェーンの強化や生産体制の見直しなど、様々な取り組みを行っています。
エクストレイル販売台数低迷の要因:競争激化と価格設定
現行型エクストレイルは、e-POWER専用車として生まれ変わり、高い評価を得ています。しかし、販売台数に関しては、爆発的なヒットとまでは言えない状況です。
その要因としては、以下の点が考えられます。
- 競争激化: SUV市場は、国内外メーカーから多くの魅力的なモデルが登場し、競争が激化しています。トヨタのRAV4やハリアー、ホンダのCR-Vやヴェゼルなど、強力なライバル車が存在します。
- 価格設定: エクストレイルは、e-POWER搭載によるコスト増加や先進技術の採用などにより、価格帯が高めになっています。ライバル車と比較して、価格競争力において不利な状況です。
- e-POWERのみの設定: ガソリン車を設定していない点は、ユーザーの選択肢を狭めている可能性があります。e-POWERのメリットを感じないユーザーや、価格面でハードルが高いと感じるユーザーは、他の選択肢を選ぶ可能性があります。
ライバル車との比較:エクストレイルの優位性と劣位性
エクストレイルの販売台数を分析する上で、ライバル車との比較は欠かせません。ここでは、主要なライバル車と比較し、エクストレイルの優位性と劣位性を明らかにします。
車種 | エクストレイル | トヨタ RAV4 | ホンダ CR-V |
---|---|---|---|
パワートレイン | e-POWER | ガソリン、ハイブリッド | ガソリン、ハイブリッド |
駆動方式 | 2WD、4WD | 2WD、4WD | 2WD、4WD |
価格帯 | 319万8,800円~449万9,000円 | 293万8,000円~465万0,000円 | 349万8,300円~469万7,000円 |
優位性 | 力強い加速、低燃費、先進の安全技術 | 多彩なパワートレイン、豊富なグレード展開、高い信頼性 | 広々とした室内空間、優れた燃費性能、洗練されたデザイン |
劣位性 | 価格設定の高さ、e-POWERのみの設定 | 走りの質感、内装の質感 | 個性の弱さ |
Google スプレッドシートにエクスポート
エクストレイルは、e-POWERによる力強い加速と低燃費、そして先進の安全技術プロパイロットが強みです。しかし、価格設定の高さやe-POWERのみの設定は、ユーザーによってはデメリットと感じられる可能性があります。
ライバル車と比較して、エクストレイルは、より個性的で先進的なSUVを求めるユーザーに適していると言えるでしょう。
エクストレイルの販売戦略:ユーザーニーズに応えるために
エクストレイルの販売台数を伸ばすためには、ユーザーニーズを的確に捉え、効果的な販売戦略を展開することが重要です。
- ターゲット層の明確化: エクストレイルは、どのようなユーザー層をターゲットにしているのかを明確化し、その層に響くマーケティング戦略を展開する必要があります。
- 価格戦略の見直し: 価格設定の高さは、販売台数に影響を与える可能性があります。ライバル車との価格差を縮める、あるいは価格に見合う価値をより明確にアピールするなどの対策が必要です。
- グレード展開の拡充: e-POWERのみの設定では、ユーザーの選択肢が限られてしまいます。ガソリン車やハイブリッド車など、選択肢を増やすことで、より幅広いユーザー層にアプローチできる可能性があります。
- プロモーションの強化: エクストレイルの魅力をより効果的に伝えるために、テレビCMやWeb広告、SNSなどを活用したプロモーション活動を強化する必要があります。
エクストレイルの今後の展望:電動化とグローバル展開
自動車業界は、電動化や自動運転技術の進化など、大きな変革期を迎えています。エクストレイルも、これらの変化に対応し、進化を続けていく必要があります。
- 電動化: 日産自動車は、2030年代初頭までに主要市場で投入する新型車を全て電動化する計画を発表しています。エクストレイルも、今後、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などの電動化モデルが登場する可能性があります。
- グローバル展開: エクストレイルは、日本だけでなく、北米や中国など、世界各国で販売されています。グローバル市場での競争力を強化するために、各地域のニーズに合わせた商品開発や販売戦略が求められます。
日産エクストレイルの人気 多岐にわたる魅力
- エクステリアは新世代のデザイン・新しい「日産エンブレム」を採用。
- インテリアはデジタル液晶メーターに12.3インチのフル液晶デジタルメーター、9インチタッチスクリーンディスプレイを採用し一新する。
- ルノー・日産の新型プラットフォーム「CMF(Common Module Family)」を採用する。
- 次世代の「e-POWER」搭載しエンジンは「1.5L 3気筒ガソリンエンジンターボ(VC)」4WDモデルには最新電動技術「e-4ORCE」を採用。
- 運転支援システム「プロパイロット」を採用。
ボディサイズはコンパクトになり30mm短く、20mm低い、全長4660mm、全幅1840mm、全高1720mmとし、広い室内長はそのままに全長をコンパクト化したこと、さらに最小回転半径を0.2m減の5.4mとする。ルノー・日産の新型プラットフォーム「CMF(Common Module Family、コモン・モジュール・ファミリー)」を採用。エクステリアデザイン変更、前後バンパーデザイン変更。スプリットヘッドライトに上部に取り付けられたLEDデイタイムランニングライトが付いている大きなダブル「Vモーショングリル」が特徴的。
インテリアには新しいステアリングホイール、デジタル液晶メーターに7インチディスプレイ、12.3インチのフル液晶デジタルメーターを設定。「10.8インチのカラーヘッドアップディスプレイ」を採用した。大きい最新インフォテインメントシステム採用。インパネの上面にソフトパットを使用し高級感を高めた。「NissanConnectインフォテインメントシステム」は、「Apple CarPlay」「Android Auto」対応した8インチまたは9インチタッチスクリーンディスプレイを採用。センターコンソールにテレイン設定用の小さなシフターノブとロータリーセレクターや電動パーキングブレーキ&ホールドを採用。2列5人乗りまたは3列7人乗りをラインナップする。
エクストレイルの人気の理由は、その多岐にわたる魅力にあります。
1. 先進技術と安全性能: エクストレイルは、プロパイロットやe-POWERなど、日産の先進技術を積極的に搭載しています。これらの技術は、ドライバーの負担を軽減し、安全で快適なドライブをサポートします。
2. 洗練されたデザイン: エクストレイルのデザインは、都会的で洗練された印象を与えます。エクステリアは、力強さとエレガントさを兼ね備え、インテリアは、上質な素材と快適な空間を提供します。
3. 多彩なラインナップ: エクストレイルは、ガソリンモデル、ハイブリッドモデル、e-POWERモデルなど、多彩なラインナップを展開しています。ユーザーは、自身のライフスタイルやニーズに合わせて、最適なモデルを選ぶことができます。
4. 高い実用性: エクストレイルは、広い室内空間と豊富な収納スペースを備えています。ファミリーユースやアウトドアレジャーなど、さまざまなシーンで活躍できる実用性を備えています。
編集部から一言
エクストレイルは、日産を代表するSUVとして、長年にわたり高い人気を誇ってきました。しかし、近年はSUV市場の競争激化や電動化の進展など、様々な課題に直面しています。
エクストレイルが今後も市場で生き残っていくためには、ユーザーニーズを的確に捉え、進化を続けることが重要です。電動化への対応、グローバル展開の強化、そして魅力的な商品開発など、日産自動車の戦略に注目が集まります。