現行は、2022年7月25日にフルモデルチェンジを果たした日産の新型エクストレイル。タフなSUVとしての伝統を受け継ぎつつ、e-POWERによる電動化や先進技術を導入し、注目を集めています。しかし、一方で「新型エクストレイルはひどい」という声も聞こえてきます。この記事では、そのネガティブな意見の真相に迫り、新型エクストレイルのメリット・デメリットを多角的に分析します。
新型エクストレイルはひどいと言われるのか?
エクストレイルのクチコミと評価を徹底解説
2024年6月現在、新型エクストレイルと調べると「新型エクストレイルひどい」と多く検索されている様子です。エクストレイルの評判は、SNSや自動車メディア、口コミサイトなど、様々な場所で賛否両論が見られます。
ネガティブな声の主な理由
新型エクストレイルの評価は賛否両論あります。SNSや自動車メディア、口コミサイトなどでは、e-POWERによる静かで力強い加速や、先進安全技術の充実を評価する声が多く見られます。一方で、3列目の後部座席の狭さやラゲッジスペースの使い勝手の悪さ、価格の高さなどを指摘する声も少なくありません。
- デザインの好みが分かれる: 先代モデルから大きく変わったデザインは、賛否両論あります。特に、フロントマスクのデザインについては、「個性的すぎる」「威圧感がある」といった意見が見られます。
- e-POWERの特性: e-POWERは、エンジンを発電のみに使用し、モーターで駆動するシステムです。静粛性や加速性能に優れる一方、高速走行時の燃費が悪化したり、エンジン音が気になるという声があります。
- 価格の上昇: e-POWERの搭載や先進技術の導入により、新型エクストレイルの価格は先代モデルよりも高くなっています。予算が限られている方にとっては、購入のハードルが高く感じるかもしれません。
- 3列目の後部座席が狭い: 3列目が狭いとよく聞きます。あくまでも簡易的であることを理解した上で3列シートを選ぶ方がいいかもしれません。
新型エクストレイルのネガティブなポイント
新型エクストレイルの本体価格
新型エクストレイルの価格は、グレードやオプションによって異なりますが、2WDモデルで3,601,400円~、4WDモデルで3,851,100円~となっています。先代モデルのエクストレイルの最終モデルは、2,482,700円~3,756,500円であったことから、先代モデルのユーザーから高いと言われているのかもしれません。
仕方ないかもしれませんが、価格改定によって値上がりがあり価格については値段が高いと指摘されている理由かもしれません。
価格改定ですごい値上がりした
日産は、注文受付を一時停止していた「エクストレイル」は、世界的な原材料費や物流費などの高騰を鑑み、下表の通り価格を改定し、2023年4月10日より注文受付を再開しました。更に、一部改良を行い、価格改定を行うと、2024年5月16日発表し、6月20日発売しました。ベースグレードのSは、約402,600円値上がりしました。
※旧価格は2022年7月25日、フルモデルチェンジモデル発売当時の価格です。
グレード | エンジン | 乗車 定員 | 駆動 方式 | 旧価格 ※ (10%) | 新価格 (10%) |
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S | 1.5L 直列3気筒 DOHC ターボ+ BM46モーター | 5人乗り | 2WD | 3,198,800円 | 3,601,400円 |
X | 1.5L 直列3気筒 DOHC ターボ+ BM46モーター | 5人乗り | 2WD | 3,499,100円 | 3,840,100円 |
G | 1.5L 直列3気筒 DOHC ターボ+ BM46モーター | 5人乗り | 2WD | 4,298,800円 | 4,451,700円 |
X 90周年記念車 | 1.5L 直列3気筒 DOHC ターボ+ BM46モーター | 5人乗り | 2WD | -円 | 4,043,600円 |
S e-4ORCE | 1.5L 直列3気筒 DOHC ターボ+ BM46モーター+ MM48モーター | 5人乗り | 4WD | 3,479,300円 | 3,851,100円 |
X e-4ORCE | 1.5L 直列3気筒 DOHC ターボ+ BM46モーター+ MM48モーター | 5人乗り | 4WD | 3,799,400円 | 4,140,400円 |
X e-4ORCE | 1.5L 直列3気筒 DOHC ターボ+ BM46モーター+ MM48モーター | 7人乗り | 4WD | 3,930,300円 | 4,271,300円 |
G e-4ORCE | 1.5L 直列3気筒 DOHC ターボ+ BM46モーター+ MM48モーター | 5人乗り | 4WD | 4,499,000円 | 4,752,000円 |
X e-4ORCE 90周年記念車 | 1.5L 直列3気筒 DOHC ターボ+ BM46モーター+ MM48モーター | 5人乗り | 4WD | -円 | 4,343,900円 |
X e-4ORCE 90周年記念車 | 1.5L 直列3気筒 DOHC ターボ+ BM46モーター+ MM48モーター | 7人乗り | 4WD | -円 | 4,474,800円 |
価格に見合った価値はあるか?
新型エクストレイルの価格に見合った価値があるかどうかは、個人の価値観によって異なります。e-POWERによる優れた燃費性能や先進安全技術の充実、上質なインテリアなどを考慮すると、価格に見合った価値があるという意見もあります。
他社との燃費比較
新型エクストレイルの燃費は、WLTCモードで18.3km/L~19.7km/Lとなっています。e-POWERモデルの方が燃費性能に優れていますが、高速道路などエンジンが頻繁に稼働する状況では、燃費が悪化する傾向があります。
スペック | 新型エクストレイル e-POWER | 新型エクストレイル e-POWER+e-4ORCE |
---|---|---|
全長 | 4,660mm | 4,660mm |
全幅 | 1,840mm | 1,840mm |
全高 | 1,725mm | 1,725mm |
ホイールベース | 2,705mm | 2,705mm |
エンジン | 直列3気筒DOHC 1.5 L VCターボ +モーター 型式:EM57 | 直列3気筒DOHC 1.5 L VCターボ +モーター 型式:EM57 型式MM48型 |
フロント モーター 最高出力 | 150kW/4,501-7,422rpm | 150kW/4,501-7,422rpm |
フロント モーター 最大トルク | 330Nm/0-3505rpm | 330Nm/0-3505rpm |
リア モーター 最高出力 | - | 100kW/4,897-9,504rpm |
リア モーター 最大トルク | - | 195Nm/0-4,897rpm |
最高出力 | 106kW/4,400-5,000rpm | 106kW/4,400-5,000rpm |
最大トルク | 250Nm/2,400-4,000rpm | 250Nm/2,400-4,000rpm |
駆動方式 | 2WD/4WD | 2WD/4WD |
乗車定員 | 5名 | 5名 7名 |
WLCTモード 燃費 | 19.7km/L | 18.3km/L~18.4km/L |
車種 | WLTCモード燃費 |
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エクストレイル e-POWER | 18.3km/L~19.7km/L |
フォレスター ガソリン車 | 13.6km/L |
フォレスター e-BOXER | 14.0km/L |
RAV4 ガソリン車 | 15.2km/L~15.8km/L |
RAV4 ハイブリッド | 20.6km/L~21.4km/L |
他社と比べてみると、燃費は最も燃費のいいRAV4ハイブリッドよりも少し劣る程度です。e-POWERの走りを考えれば決して燃費性能は悪くありません。
シートベンチレーション 非搭載
新型「エクストレイル」では「シートヒーター」を採用しているが、上級仕様となる「シートベンチレーション」が採用されていない。筆者はシートベンチレーションを採用した「ハリアー」に乗っているが、とても快適です。付いている車に乗りたいと心から思います。
シートベンチレーションとは?
シートベンチレーションはシートから風を送り出す、または空気を吸い込み送風することで体を冷やしてくれる優れもの。
メリット
夏場にシートに長い間座っていると蒸れたりベタつくことを防いでくれる。シートヒーター同様に個別で温められる。シートヒーターの「ON」「OFF」を個別で行える、座席毎に温かさなどを調節できる。
後部座席から施錠&解除はできない
後部座席のドアハンドルを触っても施錠や解除はできません。「ハリアー」はできるのですが、意外にも後部座席の施錠&解除は使えるし便利なので付けてもらいたいです。
後部座席のシートバックポケットが運転席側にはない
シートバックポケットが助手席側にしかついてません。両方あった方が便利です。
3列目がとても狭い
3列仕様のエクストレイルに乗ることができたが、先代モデル同様に乗ることはできるが大人が乗るととても苦しいと感じるサイズである。
プロパイロット2.0 非搭載
プロパイロット2.0は2024年6月時点で、エクストレイルには非搭載です。同社、セレナe-POWER (最上級グレード「LUXION(ルキシオン)」に設定)しています。
車両に搭載した7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーで、白線、標識、周辺車両を検知し、更にナビゲーションシステムと3D高精度地図データを使うことで、制限速度をはじめとした道路状況を把握しながら、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフ走行を可能とし、安全でスムーズなドライビングを実現。
新型エクストレイル 現在の日本国内生産台数
【販売計画】月販 2,500台
年月 | 販売台数 |
---|---|
2024年1月 | 3,093台 |
2024年2月 | 4,224台 |
2024年3月 | 5,272台 |
2024年4月 | 2,387台 |
2024年5月 | 1,521台 |
販売台数はほぼ計画通りではありますが、少し台数を下回っている月もありそうです。
RAV4 販売台数
年月 | 販売台数 |
---|---|
2024年1月 | 2,269台 |
2024年2月 | 2,434台 |
2024年3月 | 3,130台 |
2024年4月 | 2,652台 |
2024年5月 | 2,679台 |
同クラスで人気のSUVであるトヨタのRAV4よりも販売台数が好調な月も多くあります。
ネガティブな声の真相は?
上記のようなネガティブな意見は、必ずしも全ての人に当てはまるわけではありません。例えば、デザインについては、個人の好みによって評価が大きく異なります。e-POWERの特性についても、メリットとデメリットを理解した上で、自身のライフスタイルや運転状況に合致するかどうかを判断することが重要です。
新型エクストレイルのメリット
新型エクストレイルには、以下のようなメリットがあります。
- e-POWERによる優れた燃費性能: e-POWERは、街乗りや低速走行時において、ガソリン車よりも優れた燃費性能を発揮します。
- 静かで滑らかな加速: モーター駆動ならではの静粛性とスムーズな加速は、快適なドライブを可能にします。
- 先進安全技術の充実: 最新の運転支援システム「プロパイロット」や、安全装備が充実しており、安心して運転することができます。
- 広々とした室内空間: 2列シートモデルのみの設定となったことで、後席の足元空間が広くなり、快適性が向上しました。
- 上質な内装: 高級感のある素材やデザインを採用しており、快適なドライブ空間を提供します。
エクステリアデザインは新鮮さがある
先代モデル発売から9年越しのフルモデルチェンジだけあり、エクステリアはより現代の日産車のデザイン要素を多く取り入れてながらも初代から受け継ぐタフな力強さに、余裕と上質さを感じられるエッセンスを加え、仕上げたという。「スプリットヘッドライト」に上部に取り付けられたLEDデイタイムランニングライトが付いている大きなダブル「Vモーショングリル」が特徴的。ボディサイズはワイドで低くなった20mm広く、20mm低い、全長4660mm、全幅1840mm、全高1720mmとし、広い室内長はそのままに全長をコンパクト化したこと、さらに最小回転半径を0.2m減の5.4mとする。ルノー・日産の新型プラットフォーム「CMF(Common Module Family、コモン・モジュール・ファミリー)」を採用。
インテリアは最新装備充実
インテリアは高級感がありながらもどこかカジュアル感も感じられるデザインとし乗っていると安心感を感じさせる室内空間を作り上げていた。「ディスプレイオーディオ」からメーター「12.3インチ大型フル液晶デジタルメーター」の視界の良さはとても良かった。「12.3インチ大型フル液晶デジタルメーター」は高級感と言うよりかは新鮮さを感じさせるポイントとなっている。
ナビゲーションシステムを「NissanConnectインフォテインメントシステム」としており、こちらは現状から進化していくことに期待したい。
センターコンソールとシフトレバーは日産車で多く採用されだしているデザインを採用しており素晴らしい。電動パーキングブレーキ&ホールドボタンの位置は非常に押しやすく、ドリンクフォルダーと置くだけ充電の位置もとても使い勝手の良い場所に設置されていると感じた。
2列目後部座席は広い エアコン独立温度調整機能あり
後部座席はとても広く快適で心地もいいシートを採用している。グレードGに標準で「エアコン独立温度調整機能」が搭載されており後部座席の温度調節を行うことができるのは素晴らしい。更に2列目の座席は前後に稼働することができる。グレードGには「ロールサンシェード」が採用されており、陽の光を避けることができる。(ハリアーには上位グレードやオプションでも採用されていません。)
第2世代e-POWER+VCターボエンジン搭載
モーターとインバーターを刷新することで力強さ・なめらかさ・静かさを進化させた第2世代「e-POWER」を搭載。電力を発電するエンジンは、日産が世界で初めて量産化に成功した圧縮比を8~14まで自在に可変させる可変圧縮比エンジン「VCターボエンジン」を採用、e-POWER用にチューニングされたVCターボエンジンの採用により出力を大幅に向上、エンジンの回転数を抑えることで燃費にも貢献している。
まとめ|新型エクストレイルは「買い」か?
新型エクストレイルに対するネガティブな声は、多岐にわたる要因から発生しています。しかし、これらの意見は一部のものであり、すべてのユーザーが同じ感想を持っているわけではありません。
新型エクストレイルは、先代モデルから大幅に高級路線に変更されているため、価格などが大幅にアップしてはいますが、デザインやe-POWERの特性など、好みが分かれる部分もありますが、全体的には完成度の高いSUVと言えるでしょう。特に、街乗り中心で燃費性能や静粛性を重視する方、先進安全技術に関心がある方にとっては、魅力的な選択肢です。筆者はおすすめできる一台です!
購入を検討する際は、試乗やディーラーでの相談を通じて、新型エクストレイルのメリット・デメリットをしっかりと把握し、自身のニーズに合っているかどうかを見極めることが大切です。