2026年1月の東京オートサロンで衝撃的なデビューを飾った「AURA NISMO RS Concept(ノートオーラ NISMO RS コンセプト)」。日産自動車とNMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)が送り出す、コンパクトカーの枠を超えたハイパフォーマンスモデルとして、自動車ファンの間で大きな注目を集めています。本記事では、ノートオーラ NISMO RSのスペック・デザイン・価格・発売日など、最新情報をまとめてご紹介します。
ノートオーラ NISMO RSとは?誕生の背景と開発コンセプト:
ノートオーラ NISMO RSは、スポーツモデル「ノートオーラ NISMO」をベースに、上位SUV「エクストレイル NISMO」の1.5L可変圧縮エンジン(VCターボ)とe-POWERユニットを搭載した、ノートオーラシリーズの最高峰に位置するハイパフォーマンスモデルです。

開発のきっかけについて、NMCのモータースポーツパワートレイン開発部主管の片倉丈嗣氏は「ル・マン24時間のような本当のレースカーの頂点みたいなクルマではなく、量産のアセットを使ってレースの開発と量産の開発をつなげるような橋渡し的なクルマを作りたい」という思いからプロジェクトがスタートしたと明かしています。

デザイン面では、NMCのカスタマイズデザイン部長・森田充儀氏がノートオーラ NISMOのプロダクトコンセプト「Agile Electric City Racer」をさらにピュアに体現することを目指したと説明しています。荒々しいパワフルさではなく、電動のNISMO車としての「クールでサイレントなダイナミックさ」を追求し、性能向上のためのデザインを理論的に体現するサイエンティフィックなアプローチを採用している点が、このモデルの大きな特徴です。
NMCのCEO・真田裕氏は発表の場で「お客さまの心を打つハートビートモデルを順次出していくことが重要で、そこにわれわれNMCの役割があります」と語り、ノートオーラ NISMO RSが日産復活の狼煙を上げる象徴的な1台であることを強調しました。
ノートオーラ NISMO RSのスペック|エクストレイル NISMOのユニットを搭載:
ノートオーラ NISMO RSの最大のトピックは、パワーユニットの刷新にあります。ベースとなるノートオーラ NISMOが1.2L・3気筒エンジン(発電用82ps)を搭載するのに対し、NISMO RSではエクストレイル NISMOで実績のある1.5L可変圧縮ターボエンジン「KR15DDT」を採用しています。
▼ノートオーラ NISMO RSのスペック(コンセプトモデル)

- 全長×全幅×全高:4,260mm × 1,880mm × 1,485mm
- ホイールベース:2,580mm
- 車両重量:1,490kg以下(目標値)
- エンジン:直列3気筒1.5L 可変圧縮ターボ(KR15DDT)/発電用
- 最高出力:106kW(144ps)/最大トルク:250Nm(25.5kgm)
- フロントモーター(BM46型):150kW(204ps)/330Nm(33.7kgm)
- リアモーター(MM48型):100kW(136ps)/195Nm(19.9kgm)
- 駆動方式:4WD(NISMO tuned e-4ORCE)
- ホイール:18×9.0J(NISMO LM GT4)
- タイヤ:245/45R18(ミシュラン パイロットスポーツ4)
▼参考:ノートオーラ NISMOのスペック(ベースモデル)
- エンジン:直列3気筒1.2L(発電用)/82ps・10.5kgm
- フロントモーター:136ps/30.6kgm
- リアモーター(4WD車):82ps/15.3kgm
- 駆動方式:FF または 4WD
エンジン排気量が1.2Lから1.5Lへ引き上げられたことで発電性能が大幅に向上し、フロントモーターは136psから204psへ、リアモーターも82psから136psへとパワーアップ。その結果、パワーウエイトレシオはベースモデルであるノートオーラ NISMOから約30%向上しています。
4WD制御には「NISMO tuned e-4ORCE」を採用しており、高いトラクションと旋回性能を実現。通常の4WDとは異なり、前後モーターのトルク配分をリアルタイムかつ精密に制御することで、コーナリング時の安定感と俊敏さを高次元で両立しています。
ノートオーラ NISMO RSの外装(エクステリア)デザイン|145mm拡幅の迫力ボディ:
ノートオーラ NISMO RSの外観で最も目を引くのが、ベースモデルから大幅に拡張されたワイドボディです。トレッドの拡大にあわせて左右それぞれ72.5mm(合計145mm)広げられたフェンダーが、圧倒的な存在感を放ちます。さらに全長は140mm延長、全高は20mmのローダウン化により、低重心で迫力あるプロポーションが実現されています。

NISMOのレッドアクセントが施されたフロントスポイラー、サイドスカート、リアディフューザーが視覚的なスポーティさを強調するだけでなく、空力機能面においても重要な役割を果たしています。ホイールハウス内の空気を積極的に排出する形状のフロントフェンダー、整流効果をもたらすサイドエアスプリッター、専用リアスポイラーによって、ダウンフォースの向上とドラッグ(空気抵抗)の低減を高次元で両立させました。

ボディカラーには、周囲の光環境に左右されずソリッド感を強調する専用色「ダークマット・ニスモ・ステルスグレー」を採用。サイエンティフィックなデザインアプローチを体現する、クールで精悍なフィニッシュです。

足元には18インチ×9.0Jの大径ホイール「NISMO LM GT4」を装着。タイヤはミシュラン パイロットスポーツ4の245/45R18サイズが選択されており、スポーツ走行にも十分対応できるグリップ力を確保しています。
ノートオーラ NISMO RSのブレーキ|強化された制動システム:
パワーアップと車重増加に対応するため、ブレーキシステムも大幅に強化されています。フロントには対向4ポッドベンチレーテッドディスク(355mm径)、リアには対向2ポッドソリッドディスク(280mm径)を採用。ベースモデルであるノートオーラのフロントが片押し1ポッド・ソリッドディスク(258mm径)、リアがドラム式であることと比較すると、制動力と放熱性が格段に向上していることがわかります。この強力なブレーキシステムにより、高速域からの急制動や繰り返し使用でもフェードしにくい安定した走行性能が期待できます。
ノートオーラ NISMO RSの車重と軽量化への取り組み:
パワーユニットの換装、ボディ拡大、ブレーキ強化などの装備追加にもかかわらず、ノートオーラ NISMO RSの車両重量はノートオーラ NISMOから100kg増の1,490kg以下(目標値)にとどめることを目標としています。パワーウエイトレシオの向上幅(約30%)から逆算しても、この車重制御の努力は走行性能に直結する重要な課題です。NMCの開発チームが軽量化と性能向上を同時に追い求めていることが、この目標値からも伝わってきます。
ノートオーラ NISMO RSのレース参戦計画|スーパー耐久ST-Qクラスへ:
ノートオーラ NISMO RSは単なる市販スポーツカーにとどまらず、モータースポーツ活動との連携も視野に入れています。NMCはスーパー耐久のST-Qクラス(開発者カテゴリー)への参戦を計画しており、実際のレース環境で電動パワートレインの要素技術を鍛え上げ、磨き込むことを目指しています。
片倉氏は「ハイブリッド車でのレースはまだ少ないため、まずはスーパー耐久の場で技術を磨き、将来的にトップカテゴリーへの技術展開を目指したい」と述べており、NISMO RSがレースと量産の橋渡し役を担う「テクノロジーラボ」的な存在であることを強調しています。将来的にはGT-RやフェアレディZが歩んできたようなモータースポーツとのシナジーが、このコンパクトカーにも生まれてくることが期待されます。
ノートオーラ NISMO RSの価格と発売日:
ノートオーラ NISMO RSの市販化は2027年1月が予定されており、現在公開されているのはコンセプトモデルの段階です。価格については正式発表がなされていませんが、ベースモデルのノートオーラ NISMOが3,163,600円(FF)から設定されていることを踏まえ、700万円前後(予想)のスペシャルプライスになると見られています。
NISMOブランドの最高峰モデルとして、通常のグレードとは一線を画すポジショニングが予想されます。コンプリートカーとして市販化される際には、個人向けの特別受注販売や限定台数販売といった方法が採られる可能性もあり、入手困難なプレミアムモデルになることも十分考えられます。
ノートオーラ NISMO RSとベースモデルの違いを比較:
| 項目 | ノートオーラ NISMO(4WD) | ノートオーラ NISMO RS(目標値) |
|---|---|---|
| 全長 | 4,120mm | 4,260mm(+140mm) |
| 全幅 | 1,735mm | 1,880mm(+145mm) |
| 全高 | 1,505mm | 1,485mm(−20mm) |
| エンジン | 1.2L・3気筒(82ps) | 1.5L VCターボ(144ps) |
| フロントモーター | 136ps | 204ps |
| リアモーター | 82ps | 136ps |
| 駆動方式 | e-4ORCE(4WD) | NISMO tuned e-4ORCE(4WD) |
| ホイール/タイヤ | 17インチ | 18インチ(245/45R18) |
| フロントブレーキ | 片押し1ポッド・258mm | 対向4ポッド・355mm |
| リアブレーキ | ドラム式 | 対向2ポッド・280mm |
| 価格 | 3,531,000円 | 700万円前後(予想) |
ノートオーラ全グレードの価格一覧:
現行のノートオーララインナップと価格は以下のとおりです。
- 【G】FF:2,849,000円 / 4WD:3,135,000円
- 【G レザーエディション】FF:2,951,300円 / 4WD:3,237,300円
- 【AUTECH】FF:3,141,600円 / 4WD:3,389,100円
- 【AUTECH SPORTS SPEC】FF:3,290,100円
- 【NISMO】FF:3,163,600円 / NISMO tuned e-POWER 4WD:3,531,000円
- 【NISMO RS】設定予定:700万円前後(予想)
ノートオーラ NISMOからNISMO RSへのグレードアップは単なる上位グレードではなく、パワーユニット・ボディサイズ・ブレーキ・タイヤなど、車両のあらゆる要素が別次元に引き上げられたスペシャルモデルへの変貌を意味します。
ノートオーラ NISMO RSまとめ|e-POWERコンパクトの頂点へ:
日産 ノートオーラ NISMO RSは、コンパクトカーという枠を超えたモータースポーツ精神と電動技術の結晶です。エクストレイル NISMOゆずりの1.5L VCターボ×e-4ORCE 4WDシステム、145mmのワイドフェンダー、レーシングスペックのブレーキ、そしてスーパー耐久参戦を見据えた開発哲学……これらすべてが、「Agile Electric City Racer」というコンセプトをリアルに体現したモデルとして高く評価されています。
2027年1月の市販化に向けた動向には、国内外の自動車ファンから大きな期待が寄せられています。現在経営再建中の日産にとっても、ノートオーラ NISMO RSはブランドイメージを再構築する「ハートビートモデル」の筆頭として、特別な意味を持つ1台となりそうです。今後の正式発表・詳細スペック公開・発売価格決定など、最新情報を引き続きチェックしておきましょう。
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