米国マツダ(Mazda North American Operations)は2026年10月27日、3列シートSUV「CX-90」の2027年モデルの価格と装備を発表しました。最大の変更点は、これまでの3列シートに加えて2列シート(5人乗り)の仕様を新たに設定したことで、米国市場ではこの2列仕様が「CX-70」に代わるモデルになります。価格は3万9,700ドル(約596万円※)からです。
CX-90は、マツダが北米向けに開発したラージ商品群のフラッグシップSUVです。縦置きの3.3L直列6気筒ターボエンジンと後輪駆動ベースのプラットフォームを採用し、2023年に2024年モデルとして登場しました。その翌年には、CX-90をベースにした2列シートの兄弟車CX-70が加わりましたが、2027年モデルではCX-90の中に2列仕様を設けることで、ラインアップが1つにまとめられます。
日本ではCX-90は販売されておらず、国内では同じラージ商品群の3列シートSUV「CX-80」が販売されています。
この記事では、マツダ 新型 CX-90 2027年モデルの変更点、全9グレードの価格、パワートレイン、装備、日本のCX-80との違い、購入前のチェックポイントまで、わかりやすくまとめました。なお、記事中の写真は米国マツダが公開しているCX-90の報道向け写真で、2027年モデルの新色とは異なります。
※1ドル=150円で換算した参考値です(以下同じ)。


そもそもマツダ CX-90とは?2027年モデルの概要
CX-90は、マツダが北米市場の主力として送り出した大型SUVです。日本で販売されているCX-60やCX-80と多くの技術を共有し、北米のマツダのラインアップでは最上位に位置します。
今回発表された2027年モデルは、デザインを大きく変える改良ではなく、ラインアップの整理と乗り心地・静粛性の改善、装備の見直しを中心とした年次改良です。米国マツダが発表した主なポイントは2列仕様の追加、全車のリアサスペンションの改良、PHEVのモーターの静粛性向上、新色の追加などです。
【変更点まとめ】新型 CX-90 2027年モデルはここが変わる
2027年モデルの主な変更点は以下の通りです。
- 2列シート仕様を新設定:3.3 Turbo Premium Sportと3.3 Turbo S Premium Sportで2列5人乗りを選べるように。米国ではCX-70の後継の役割
- 乗り心地の改善:全車のリアサスペンションのクロスメンバーを見直し、荒れた路面での快適性を向上
- PHEVの静粛性向上:電動モーターに外側の遮音材を追加し、低速走行時の音を低減
- 装備の見直し:Premium SportにAlexa Built-In、Premium Plusにマツダ オンライン ナビゲーションを標準装備
- 新色4色を追加:ネイビーブルーマイカ、エアログレーメタリックなど。2列仕様専用色も設定
① 2列シート仕様を追加し、CX-70の役割を引き継ぐ

最も大きな変化は、CX-90に2列シートの5人乗り仕様が加わったことです。2列仕様を選べるのは、ガソリンターボの「3.3 Turbo Premium Sport」と、高出力版の「3.3 Turbo S Premium Sport」の2グレードです。2列目シートはワンタッチで自動的に倒れます。
米国マツダは、この2列仕様が米国市場でCX-70に代わるモデルになると説明しています。2027年モデルでは、CX-90の中で2列・3列を選ぶ形に整理されました。
② リアサスペンションの改良で乗り心地を向上
2027年モデルでは、全車のリアサスペンションのクロスメンバー(サスペンションを支える骨格部品)が見直されました。米国マツダは、荒れた路面を走ったときの乗り心地が良くなると説明しています。家族を乗せる機会が多いファミリーSUVにとって、うれしい改良です。
③ PHEVのモーターが静かに
プラグインハイブリッド(PHEV)モデルは、電動モーターに外側から遮音材を加えたことで、低速で走るときの音が小さくなりました。モーターだけで走る街中での静かさが高まります。
新型 CX-90 2027年モデルのグレードと価格一覧(米国)
米国での希望小売価格(MSRP)は次の通りです。価格には配送・手数料(1,645ドル)や税金は含まれていません。
| グレード | パワートレイン | シート | 価格(米国MSRP) |
|---|---|---|---|
| 3.3 Turbo Select | 3.3Lターボ | 3列 | 3万9,700ドル |
| 3.3 Turbo Preferred | 3.3Lターボ | 3列 | 4万3,850ドル |
| 3.3 Turbo Premium Sport 【2列仕様を新設定】 | 3.3Lターボ | 2列/3列 | 4万6,880ドル(2列) 4万8,080ドル(3列) |
| 3.3 Turbo Premium Plus | 3.3Lターボ | 3列 | 5万670ドル |
| PHEV Preferred | PHEV | 3列 | 5万695ドル |
| PHEV Premium Sport | PHEV | 3列 | 5万5,500ドル |
| PHEV Premium Plus | PHEV | 3列 | 5万8,700ドル |
| 3.3 Turbo S Premium Sport 【2列仕様を新設定】 | 3.3Lターボ(高出力) | 2列/3列 | 5万3,540ドル(2列) 5万4,740ドル(3列) |
| 3.3 Turbo S Premium Plus | 3.3Lターボ(高出力) | 3列 | 5万7,970ドル |
エントリーの3.3 Turbo Selectは約596万円※、最上級の3.3 Turbo S Premium Plusは約870万円※にあたります。2列仕様は同じグレードの3列仕様より1,200ドル安い設定です。プレミアム塗装のボディカラーは1色あたり595ドルのオプションです。
存在感あるデザイン!新型 CX-90の外装(エクステリア)
ロングノーズのプロポーション

CX-90は、縦置きの直列6気筒エンジンを収めるための長いボンネットと、後ろに引いたキャビンが特徴です。2027年モデルでも基本的なデザインは変わらず、マツダの「魂動(こどう)」デザインらしい、なめらかな面の映り込みを生かしたスタイルを受け継いでいます。Premium Sportグレードは、外装の装飾部分をブラックで仕上げ、21インチのブラックホイールを組み合わせたスポーティな見た目です。
「INLINE 6」バッジ

フロントフェンダーには、直列6気筒エンジン搭載車であることを示す「INLINE 6」のバッジが付きます。CX-90の大きな個性です。
ボディカラー(新色4色)
2027年モデルでは、ネイビーブルーマイカ、エアログレーメタリック、メルティングカッパーメタリック、ジルコンサンドメタリックの4色が新たに加わりました。このうちメルティングカッパーメタリックとジルコンサンドメタリックは、2列仕様だけで選べる色です。
上質な室内!新型 CX-90の内装(インテリア)
コックピットとディスプレイ

エントリーのSelectでも10.25インチのセンターディスプレイを備え、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応します。Preferred以上は12.3インチの大きなディスプレイとワイヤレス充電が付きます。2027年モデルでは、Premium SportにAmazonの音声アシスタント「Alexa Built-In」が新たに標準装備され、Premium Plusではマツダ オンライン ナビゲーションが標準装備になりました。
シートと荷室

3列仕様は最大8人乗りで、グレードによって7人乗りも選べます。Premium Plusでは、2列目をキャプテンシート(独立した2脚)にするか、ベンチシートにするかを選択できます。PHEVは7人乗りで、3列目は2人掛けです。Premium PlusとTurbo Sの上級グレードにはナッパレザーが使われます。
新型 CX-90 2027年モデルのパワートレインとスペック

パワートレインは3種類です。どれも8速ATと、四輪駆動の「i-Activ AWD」を組み合わせます。
| 項目 | 3.3 Turbo | 3.3 Turbo S | PHEV |
|---|---|---|---|
| エンジン | 3.3L直列6気筒ターボ | 3.3L直列6気筒ターボ(高出力) | 2.5L直列4気筒+モーター |
| 電動化 | 48Vマイルドハイブリッド | 48Vマイルドハイブリッド | プラグインハイブリッド(電池17.8kWh) |
| 最高出力 | 280hp | 340hp(91オクタン) 319hp(87オクタン) | 323hp(システム・91オクタン) |
| 最大トルク | 332lb-ft | 369lb-ft | 369lb-ft |
| 使用燃料 | レギュラー(87オクタン) | プレミアム推奨(91オクタン) | プレミアム推奨(91オクタン) |
| トランスミッション | 8速AT | ||
| 駆動方式 | i-Activ AWD(四輪駆動) | ||
トルクをメートル法に直すと、332lb-ftは約450N・m、369lb-ftは約500N・mです。3.3 Turbo Sには走行モード「Mi-Drive」にけん引用の「Towingモード」があり、マツダ純正のけん引用アクセサリーを付ければ最大5,000ポンド(約2.3トン)のトレーラーを引くことができます。

新型 CX-90の燃費とEV走行距離
米国マツダの公式サイトでは、CX-90の燃費を「最大25MPG(複合)」と案内しています。リッターに換算すると約10.6km/Lです(米国の燃費測定方法は日本のWLTCモードと異なるため、単純な比較はできません)。PHEVは電気だけで最大27マイル(約43km)走れます。
新型 CX-90の安全装備「i-Activsense」
全車に10個のエアバッグと、マツダの先進安全技術「i-Activsense」を標準装備します。グレードが上がるほど機能が充実し、主な内容は次の通りです。
- 全車:i-Activsenseの運転支援機能、10エアバッグ
- Preferred以上:前後のパーキングセンサー
- Premium Plus:360°ビューモニター、ドライバーモニタリング、フロントクロストラフィックアラート&ブレーキ、アダプティブ・フロントライティング・システム
新型 CX-90はどのグレードを選ぶべきか?おすすめグレード
おすすめ① 【コスパ重視なら】3.3 Turbo Preferred(3列・AWD)
価格:4万3,850ドル
Selectから4,150ドルの上乗せで、シートヒーターとベンチレーション、12.3インチディスプレイ、パーキングセンサーなどが加わり、日常の快適さが大きく変わります。
おすすめ② 【荷室重視・CX-70の代わりなら】3.3 Turbo Premium Sport 2列仕様
価格:4万6,880ドル
3列目を使わない人には、新しい2列仕様がぴったりです。ブラックの外装パーツと21インチのブラックホイールでスポーティに仕上げられ、専用色も選べます。3列仕様より1,200ドル安く、荷室を広く使えるのも魅力です。
おすすめ③ 【走り重視なら】3.3 Turbo S Premium Sport(2列/3列)
価格:5万3,540ドル(2列)/5万4,740ドル(3列)
340hpの高出力エンジンに、パノラミックムーンルーフやBoseオーディオを組み合わせた上級グレードです。けん引をするアウトドア派にも向いています。
CX-90と日本のCX-80の違いは?
日本でCX-90に最も近いモデルはCX-80です。どちらもラージ商品群の3列シートSUVですが、CX-90は北米市場向け、CX-80は日本や欧州などに向けたモデルという違いがあり、ボディも別々に作られています。
パワートレインも異なります。日本のCX-80は3.3L直列6気筒ディーゼル(SKYACTIV-D 3.3)、ディーゼルのマイルドハイブリッド(e-SKYACTIV D 3.3)、PHEV(e-SKYACTIV PHEV)の3種類で、CX-90の主力であるガソリンの3.3Lターボは設定されていません。日本のCX-80の価格は、XD Drive Edition(2WD)の478万1,700円からPHEVの714万4,500円までです。
新型 CX-90の日本発売日はいつ?
CX-90の日本導入について、マツダからの発表はありません。日本では同じ役割をCX-80が担っているため、CX-90が日本で発売される可能性は現時点では低いと考えられます。
購入前にチェックしたい3つのポイント
1つ目は、日本で乗りたい場合はCX-80を検討することです。CX-90は日本の正規販売がなく、保証や部品の入手で苦労する可能性があります。
2つ目は、2列と3列のどちらが必要かを見極めることです。米国のCX-90では2列仕様を選べるのはPremium Sportの2グレードだけで、それ以外のグレードは3列のみです。
3つ目は、燃料の種類です。3.3 Turbo Sの340hpとPHEVの323hpは、91オクタンの燃料を使ったときの数値です。
新型 CX-90 2027年モデルに関するよくある質問(FAQ)
Q. CX-90 2027年モデルはいつ発表されましたか?
A. 米国マツダが2026年10月27日に価格と装備を発表しました。
Q. CX-70はなくなるのですか?
A. 米国マツダは、CX-90の2列仕様が米国市場でCX-70に代わると説明しています。
Q. CX-90は日本で買えますか?
A. 日本では正規販売されていません。国内では3列シートSUVのCX-80が販売されています。
まとめ:新型 CX-90は2列・3列を選べる1台に進化
マツダ CX-90の2027年モデルは、2列5人乗り仕様を加えることで、米国ではCX-70の役割を引き継ぐことになりました。リアサスペンションの改良による乗り心地の向上、PHEVの静粛性アップ、Alexa Built-Inやナビの標準化など、細かな部分にも手が入っています。
日本では販売されていませんが、兄弟車のCX-80やCX-60の今後の改良を占ううえで見逃せない内容です。最新情報が入り次第、随時更新していきます。

