日産は2026年10月8日、新型ピックアップトラック「フロンティア プロ/ナバラ プロ」を、メキシコを皮切りに世界の市場へ順次投入すると発表しました。メキシコでは2026年10月に販売が始まり、2027年にはオーストラリアとニュージーランドにも「ナバラ プロ」として登場します。
このクルマは、日産の中国の合弁会社である鄭州日産が設計・開発・生産するモデルです。日産が中国で開発・生産したクルマを海外へ輸出するのは、今回が初めてです。2025年11月に中国で発表されたときは、日産ブランド初のプラグインハイブリッド(PHEV)を積むピックアップとして話題になりました。
日本での販売は発表されていませんが、トヨタ「ハイラックス」が9代目に生まれ変わり、三菱「トライトン」も日本で販売されるなど、国内でもピックアップへの注目は高まっています。
この記事では、新型フロンティア プロ/ナバラ プロの発売日と販売市場、PHEVの性能、ボディサイズ、装備、ハイラックスとの比較、日本導入の可能性まで、わかりやすくまとめました。


そもそも新型フロンティア プロ/ナバラ プロとは?
フロンティア プロは、日産のミッドサイズピックアップの新しいモデルです。国や地域によって名前が変わり、メキシコなどでは「フロンティア プロ」、フィリピンやオーストラリア、ニュージーランドなどでは「ナバラ プロ」として販売されます。
日産によると、全長5,494mmのボディは日産のミッドサイズピックアップの中で最も大きく、乗車定員は5人です。設計・開発・生産は中国の鄭州日産が担当し、メキシコをはじめとする中南米の環境で10万km以上の評価走行を重ねたうえで送り出されます。
日産は、1934年に「Type 13」トラックを発売して以来、140以上の市場で累計1,500万台を超えるピックアップを販売してきました。フロンティア プロ/ナバラ プロは、その長い歴史に、中国生まれの電動ピックアップという新しい選択肢を加えるモデルです。
新型フロンティア プロ/ナバラ プロの特徴まとめ
今回の発表のポイントは、以下の通りです。
- 販売の順番:2026年10月のメキシコを皮切りに、11月にフィリピン、年末までに中東と中南米のほかの市場、2027年にオーストラリアとニュージーランド
- パワートレイン:市場に合わせて1.5Lと2.0LのPHEV、ガソリン、ディーゼルを用意
- メキシコ仕様のPHEV:最高出力350馬力、最大トルク660Nm、EV走行は最大75km
- 悪路と仕事の性能:後輪デフロック付き4WD、最低地上高232mm、けん引能力3.5トン、最大積載量815kg
- 中国生まれの世界戦略車:日産が中国で開発・生産して海外へ輸出する初めてのモデル
① メキシコから世界へ順次投入
中国以外で最初にフロンティア プロが発売されるのはメキシコで、販売は2026年10月に始まりました。日産によると、メキシコは日産がピックアップ市場をリードしている国です。続いて11月にフィリピン、2026年末までに中東と中南米のほかの市場へ広がります。
右ハンドルの国で最初に発売されるのは、オーストラリアとニュージーランドで、2027年に「ナバラ プロ」として登場する予定です。日本も右ハンドルの国なので、右ハンドル仕様が作られることは、日本導入を考えるうえでも注目したい点です。
② 日産初の電動ピックアップ「PHEV」

最大の注目点は、日産のピックアップとして初めてPHEVを用意したことです。パワートレインは市場ごとに選べるようになっていて、1.5Lと2.0LのPHEVのほか、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンも設定されます。
PHEVには、クルマの電気を外で使える「V2L(外部給電)」の機能があります。キャンプでの調理や照明、工事現場での電動工具の電源などに使えるため、仕事にも遊びにも使うピックアップと相性のよい装備です。
③ 悪路にも仕事にも強い基本性能

メキシコ仕様は、後輪のデフロックを備えた4WDで、最低地上高は232mmです。けん引能力は3.5トン、最大積載量は815kgと、ボートやキャンピングトレーラーをけん引したり、重い資材を運んだりする使い方にも対応します。
新型フロンティア プロのメキシコ仕様のグレードと価格
メキシコでは「LE」と「Platinum(プラチナム)」の2つのグレードが用意されます。価格は96万9,900メキシコペソからです。日本での価格は発表されていません。
| グレード | 主な特徴 | 価格(メキシコ) |
|---|---|---|
| LE | プロパイロット アシストなどの運転支援システムを装備 | 96万9,900ペソから |
| Platinum | 安全装備を追加、FOCALのプレミアムオーディオ、運転席マッサージ機能付き | 未発表 |
中国で2025年11月に発表されたときの中国価格は、ガソリン・ディーゼルの「Frontier Pro」が16.99万〜19.99万元、「Frontier Pro PHEV」が18.99万〜24.99万元でした。市場ごとに装備や価格がかなり違うので、日本に導入される場合も、日本向けの装備と価格が新しく決められることになります。
新型フロンティア プロ/ナバラ プロのボディサイズ
| 項目 | フロンティア プロ(メキシコ仕様) | トヨタ ハイラックス(日本仕様・9代目) |
|---|---|---|
| 全長 | 5,494mm | 5,325mm |
| 全幅 | 1,945mm | 1,885mm |
| 全高 | 1,960mm | 1,865mm |
| ホイールベース | 3,300mm | 3,085mm |
| 最低地上高 | 232mm | 215mm |
| 乗車定員 | 5人 | 5人 |
2026年5月に日本で発売された9代目ハイラックスと比べると、フロンティア プロは全長が169mm、全幅が60mm、ホイールベースが215mm大きくなっています。ホイールベースの長さは後席の広さや高速道路での安定感につながりますが、日本の道では全幅1,945mmという大きさがポイントです。立体駐車場や細い道を使う方は、導入された場合のサイズをよく確かめる必要があります。
新型フロンティア プロのパワートレインとスペック
メキシコに投入されたフロンティア プロ PHEVは、1.5Lターボエンジンと電動モーター、20kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせています。
| 項目 | フロンティア プロ PHEV(メキシコ仕様) |
|---|---|
| エンジン | 1.5L ターボ |
| バッテリー | リチウムイオン 20kWh |
| 最高出力(システム) | 350馬力 |
| 最大トルク(システム) | 660Nm |
| EV走行距離 | 最大75km |
| 総航続距離 | 約1,000km |
| 駆動方式 | 4WD(後輪デフロック付き) |
| 外部給電 | V2L 対応 |
中国仕様のPHEVは、システム出力300kW以上、最大トルク800Nm、EV走行は中国の基準で最大135kmを目標としていました。メキシコ仕様とは数値が違うので、市場ごとに性能を合わせていると考えられます。中国仕様のディーゼルモデルは、第3世代の「M9T」ディーゼルエンジン(最大トルク500Nm)とZF製の8速ATを組み合わせています。
先進的なデザイン!新型フロンティア プロの外装と内装
エクステリア
フロントは横長のLEDライトと大きなグリルで、力強さと新しさを表現しています。中国で発表されたモデルでは、浮かんで見えるようにレーザーで刻んだロゴや、車幅いっぱいに光る立体的なテールライトが採用されていました。外板には両面を亜鉛メッキした鋼板を100%使い、車体の下には砂利から守るコーティングを施すなど、長く使うための対策もとられています。
インテリア

室内は、大きなセンターディスプレイを中心にした上質なデザインです。中国仕様では、6層構造で通気性の高いクッションを使った前席のレザーシート、7通りに切り替えられる後席、大きなパノラマサンルーフ、防音・防振材などを採用し、ピックアップとは思えない快適さを目指しています。メキシコの上級グレード「Platinum」には、FOCALのプレミアムオーディオと運転席のマッサージ機能も付きます。
新型フロンティア プロの安全装備「プロパイロット アシスト」
メキシコ仕様には、日産の運転支援システム「プロパイロット アシスト」などが用意されます。上級グレードのPlatinumでは、安全装備がさらに追加されます。中国で発表されたときには、25種類の運転支援機能を備えるとされていました。日本で販売される場合は、日本の安全基準に合わせた装備になると考えられます。
新型フロンティア プロ/ナバラ プロと「新型ナバラ」の違い
日産のピックアップには、少しややこしい点があります。日産オーストラリアは2025年11月に、三菱「トライトン」をベースにした新型「ナバラ」を発表しています。一方、今回の「ナバラ プロ」は、中国の鄭州日産が開発した別のモデルです。
つまり、オーストラリアやニュージーランドでは、三菱と共同の「ナバラ」と、中国生まれでPHEVも選べる「ナバラ プロ」の2本立てになる見込みです。ディーゼル中心で仕事に強い「ナバラ」と、電動化と快適さに力を入れた「ナバラ プロ」という、性格の違う2台をそろえる作戦と言えます。

新型フロンティア プロ/ナバラ プロの日本発売はある?
現時点で、日産はフロンティア プロ/ナバラ プロの日本での発売を発表していません。ただ、次のような点から、今後の動きには注目したいところです。
1つ目は、2027年にオーストラリアとニュージーランドで右ハンドル仕様が作られることです。日本と同じ右ハンドルの仕様ができれば、日本に持ってくるときのハードルは下がります。
2つ目は、日本のピックアップ市場が広がっていることです。トヨタ ハイラックスは2026年5月28日に9代目が日本で発売され、三菱 トライトンも日本で販売されています。日本仕様のハイラックスは2.8Lディーゼルのマイルドハイブリッドで、エントリーの価格は498万800円です。PHEVのピックアップはまだ日本にないため、電動ピックアップという新しい選択肢になり得ます。
3つ目は注意点で、全幅が1,945mmと大きいことと、中国生産のクルマを日本で売るには日本の基準に合わせる必要があることです。導入されるかどうか、いつになるかは、日産からの発表を待つ必要があります。

新型フロンティア プロ/ナバラ プロに関するよくある質問(FAQ)
Q. 新型フロンティア プロはいつ発売されましたか?
A. メキシコで2026年10月に販売が始まりました。フィリピンは11月、中東と中南米のほかの市場は2026年末まで、オーストラリアとニュージーランドは2027年の予定です。
Q. 「フロンティア プロ」と「ナバラ プロ」は違うクルマですか?
A. 同じクルマで、販売する国や地域によって名前が変わります。オーストラリアとニュージーランドでは「ナバラ プロ」として販売されます。
Q. PHEVのEV走行距離はどのくらいですか?
A. メキシコ仕様のPHEVは、電気だけで最大75km走れます。エンジンとあわせた総航続距離は約1,000kmです。
Q. 日本で買えますか?
A. 2026年10月時点で、日本での発売は発表されていません。
Q. どこで作られていますか?
A. 日産の中国の合弁会社、鄭州日産が設計・開発・生産しています。日産が中国で開発・生産して海外へ輸出する初めてのモデルです。
まとめ:新型フロンティア プロ/ナバラ プロは日産の電動ピックアップの切り札
新型フロンティア プロ/ナバラ プロは、日産が中国で開発・生産し、世界へ輸出する初めてのモデルです。2026年10月のメキシコを皮切りに、2027年にはオーストラリアとニュージーランドへ右ハンドル仕様で広がります。
メキシコ仕様のPHEVは、350馬力・660Nmの力強さと最大75kmのEV走行、外部給電を備え、けん引3.5トン・積載815kgという仕事の性能も持っています。日本導入は未定ですが、ハイラックスやトライトンにはない電動ピックアップとして、今後の動きに注目です。
最新情報が入り次第、随時更新していきます。

