ホンダの米国法人は2026年10月30日、「シビック タイプR HRC コンセプト」を11月3日開幕のSEMAショー2026で北米初公開すると発表し、あわせて米国市場向けに開発を進めていることを明らかにしました。
シビック タイプR HRC コンセプトは、2026年1月の東京オートサロン2026で世界初公開されたモデルです。ホンダのモータースポーツ部門であるHRC(ホンダ・レーシング)の技術と、レーシングドライバーの知見を取り入れて走りを磨いたタイプRとして紹介されてきましたが、市販に向けた動きが公式に示されたのは今回が初めてです。
一方で、HRC仕様の具体的なスペックや価格、発売時期はまだ発表されていません。日本での発売についても、2026年10月31日時点でホンダの日本公式サイトに案内はありません。タイプRの購入を考えている方は、今後の公式発表を待ちながら、現行モデルとの違いを整理しておくとよいでしょう。
この記事では、シビック タイプR HRC コンセプトの発表内容、ベースとなるタイプRのスペック・価格・燃費、同時に発表されたHRCパフォーマンスパーツ、日本発売の見通しまで、わかりやすくまとめました。


新型シビック タイプR HRCとは?:背景と概要
シビック タイプRは、1997年に初代が登場したホンダの代表的なスポーツモデルです。現行の6代目(FL5型)は2022年9月に日本で発売され、2.0L VTEC TURBOエンジンと6速MTを組み合わせたFF(前輪駆動)のハッチバックとして、サーキットでも公道でも高い評価を得てきました。2026年10月1日には、米国で2027年モデルへの改良も発表されています。
「HRC」は、ホンダのレース活動を担う株式会社ホンダ・レーシングの略称です。F1やSUPER GT、インディカーなどで培った技術を市販車に生かす取り組みを進めており、2026年1月の東京オートサロン2026(幕張メッセ)では「CIVIC TYPE R HRC Concept」と「PRELUDE HRC Concept」の2台を初公開しました。ホンダはシビック タイプR HRC コンセプトについて、究極のピュアスポーツ性能を目指したタイプRをベースに、HRCのモータースポーツ活動で得た知見を生かして走りをさらに磨いたモデルだと説明しています。
今回、北米のレース活動を統括するHRC USは、SEMAショー2026に12台のレーシングマシンを並べると発表しました。その中でシビック タイプR HRC コンセプトは北米初公開となり、「米国市場向けに開発中」と明記されています。コンセプトカーの展示だけでなく、市販化に向けた開発が進んでいることが公式に示された点が、今回の発表の大きなポイントです。
【発表内容まとめ】新型シビック タイプR HRCはここに注目
今回の発表で明らかになったポイントは、主に以下の4点です。
- 北米初公開:2026年11月3日〜6日のSEMAショー2026(米ラスベガス)で展示
- 米国向けに開発中:ホンダが米国市場向けの開発を公式に表明
- HRCの技術を投入:レース活動で得た技術とドライバーの知見を反映
- HRCパーツも発売へ:タイプR用の鍛造ホイールやマフラーなどを2027年3月に米国で発売
① SEMAショー2026で北米初公開
SEMAショーは、毎年アメリカ・ラスベガスで開かれる世界最大級のカスタムカー・アフターパーツの展示会です。2026年は11月3日〜6日に、ラスベガス・コンベンションセンターのセントラルホールで開催されます。HRC USのブースではシビック タイプR HRC コンセプトのほか、ハイブリッドのトロフィートラック「パスポート Baja Spec」なども展示されます。

② 米国市場向けに開発中と公式に表明
東京オートサロンでの初公開時、ホンダは装備や性能の数値、市販化の予定を明らかにしていませんでした。今回の米国の発表では「米国市場向けに開発中」とされ、市販化に向けた開発が進んでいることがはっきりしました。ただし、生産開始の時期や価格、HRC仕様の性能は、引き続き未発表です。
③ HRCのモータースポーツ技術を投入
HRC USは、北米で500勝以上、60のシリーズタイトルを獲得してきたホンダ・アキュラのレース活動の中心です。SEMAには、FL5型タイプRをベースにしたIMSAのレース車両「シビック タイプR TCR」も並びます。
④ タイプR用のHRCパフォーマンスパーツも発表
HRC USは10月22日、初めての市販用「HRCパフォーマンスパーツ」をSEMAで発表し、2027年3月から発売すると発表しました。軽量鍛造ホイール、マフラー(エキゾーストシステム)、ショートストロークシフターの3種類で、対象はシビック タイプR、アキュラ インテグラ タイプS、パスポート トレイルスポーツです。HRC仕様の完成車を待たずに、手持ちのタイプRへHRCの部品を取り付けられるようになります。
新型シビック タイプR HRCの価格は?ベース車の価格一覧
シビック タイプR HRCの価格は、日本・米国とも未発表です。参考として、ベースとなるシビック タイプRの公式価格を以下にまとめます。
| モデル | 駆動 | 変速機 | 価格 |
|---|---|---|---|
| シビック タイプR HRC 【開発中】 | FF | 未発表 | 未発表 |
| シビック タイプR RACING BLACK Package(日本仕様) | FF | 6速MT | 617万9,800円(税込) |
| シビック タイプR 2027年モデル(米国仕様) | FF | 6速MT | 4万8,695ドル(メーカー希望小売価格・税別) |
米国の2027年モデルの価格には、輸送費(1,295ドル)やプレミアム塗装代(455ドル)は含まれていません。HRC仕様は専用の空力パーツや足まわりが加わると考えられるため、ベース車より高くなる可能性がありますが、金額は公式発表を待つ必要があります。
新型シビック タイプRのボディサイズ
HRC仕様のボディサイズは未発表です。ベースとなる日本仕様のシビック タイプRは、次のサイズです。
| 項目 | シビック タイプR(日本仕様) |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 4,595×1,890×1,405mm |
| ホイールベース | 2,735mm |
| 車両重量 | 1,430kg |
| 乗車定員 | 4名 |
全幅1,890mmは、国産のハッチバックとしてはかなり幅広い数値です。265mm幅の太いタイヤを履くこともあり、機械式駐車場では全幅1,850mmまでの制限があるところも多いため、自宅や勤務先の駐車場は事前に確認しておきましょう。

迫力のエアロ!新型シビック タイプR HRCの外装(エクステリア)
HRC コンセプトのデザイン
公開された写真のシビック タイプR HRC コンセプトは、ピンクやブルーの模様のラッピングをまとい、細かな形がわかりにくい状態です。それでも、フロントバンパーまわりの造形やトランク上の大型リアウイングなど、ベース車よりも空力を重視した仕立てが見て取れます。具体的な変更点について、ホンダはまだ説明していません。
ベースとなる2027年モデルのフロント・リア
米国の2027年モデルでは、グリルの開口部を広げてエンジンの冷却性能を高めたほか、フロントスプリッターを深くしてダウンフォースを増やしました。新しいボディカラー「メテオライトグレー・メタリック」も追加されています。リアは中央3本出しのマフラーと大型ウイングという、タイプRらしい構成を受け継いでいます。


質感アップ!新型シビック タイプRの内装(インテリア)
HRC仕様の内装は未発表です。ベースの2027年モデル(米国仕様)は、3段階に調整できる前席シートヒーター、新しいパーフォレーション(穴あけ)デザインのシート、ウルトラスエードを使ったインパネと前席ドア上部、自動防眩ルームミラーなどを採用しました。
インフォテインメントは、Google Gemini・Googleマップ・Google Playを含む「Google ビルトイン」とAlexaに対応し、センターコンソールにUSB-Cポートを2つ追加しています。真っ赤なフロアカーペットとシートは、FL5型タイプRを象徴するデザインです。

新型シビック タイプRのパワートレインとスペック
HRC仕様のエンジン出力は未発表です。ベースとなる日本仕様のスペックは次のとおりです。
| 項目 | シビック タイプR(日本仕様) |
|---|---|
| エンジン | 2.0L 直列4気筒 VTEC TURBO |
| 最高出力 | 243kW(330PS) |
| 最大トルク | 420N・m(42.8kgf・m) |
| パワーウエイトレシオ | 4.33kg/PS |
| トランスミッション | 6速MT |
| 駆動方式 | FF |
| フロントブレーキ | ブレンボ製 対向4ポットキャリパー+φ350mm 2ピースディスク |
| タイヤ・ホイール | 265mm幅(ミシュランと共同開発)・19インチ |
米国仕様の出力は315hpと発表されています。ドライブモードは「+R」「SPORT」「COMFORT」「INDIVIDUAL」の4つで、2027年モデルでは+Rモードの減衰力を最適化したほか、シフトダウン時に回転を合わせるレブマッチシステムの制御を改善し、ブレーキペダルにヨークスプリングを加えてペダルの感触をよりダイレクトにしました。

新型シビック タイプRの燃費(WLTCモード)
| モード | シビック タイプR(日本仕様) |
|---|---|
| WLTCモード | 12.5km/L |
| 市街地モード | 8.6km/L |
| 郊外モード | 13.1km/L |
| 高速道路モード | 15.0km/L |
330PSのターボ車としては、高速道路モードで15.0km/Lという数値は十分に現実的です。HRC仕様の燃費は未発表です。
新型シビック タイプRの安全装備「Honda SENSING」
日本仕様のシビック タイプRには、安全運転支援システム「Honda SENSING」が標準装備されています。主な機能は次のとおりです。
- 衝突軽減ブレーキ(CMBS)
- 歩行者事故低減ステアリング・路外逸脱抑制機能
- アダプティブクルーズコントロール(ACC)
- 車線維持支援システム(LKAS)
- ブラインドスポットインフォメーション
- 標識認識機能・オートハイビーム
- 近距離衝突軽減ブレーキ・パーキングセンサーシステム・後退出庫サポート
米国の2027年モデルでは、衝突軽減ブレーキがバイクや自転車をより認識しやすくなり、衝突後に車両を止める「ポストコリジョンブレーキ」がタイプRで初めて標準装備になりました。
SEMAショー2026 HRC USブースの主な展示車
HRC USのブースは、市販車とレース車両を合わせた多彩な展示になります。シビック タイプR HRC コンセプト以外の主な展示車は次のとおりです。
- パスポート Baja Spec トロフィートラック:2.4L V6ツインターボと800Vのハイブリッドを組み合わせ、最高出力は1,300馬力超。バハ1000などに参戦予定
- Hasport プレリュード クラブレーサー:シビック タイプRの2.0Lターボエンジンと6速MTを積んだタイムアタック車両
- シビック タイプR TCR:FL5型タイプRベースのIMSA参戦車両

さらにタイプRを速くする「HRCパフォーマンスパーツ」
HRCパフォーマンスパーツは、ニュルブルクリンクを含むテストを重ねて開発されたHRC初の市販パーツです。2027年3月から、米国のホンダ・アキュラ販売店とオンラインストア「Honda DreamShop」で販売されます。SEMAでは市販予定の3品目に加えて、キャンバープレート付きの車高調整式サスペンションと、ブレンボ製の対向6ポットブレーキキットの試作品も展示されます。
なお、HRC コンセプトにこれらの部品が採用されるかどうかや、日本での販売予定は発表されていません。

新型シビック タイプR HRCの日本発売日はいつ?
2026年10月31日時点で、シビック タイプR HRCの日本発売日・価格は発表されていません。今回の公式発表は「米国市場向けに開発中」というもので、日本での市販については触れていません。コンセプトの世界初公開は東京オートサロンだったため、日本仕様の情報にも注目です。
購入前にチェックしたい3つのポイント
1つ目は、日本仕様の2027年モデルの動きです。米国では2027年モデルが2026年10月から販売店に届き始めていますが、日本仕様の改良モデルの発売日・価格は、ホンダの日本公式サイトではまだ案内されていません。今の日本仕様を買うか、改良モデルを待つかは、販売店で最新の受注状況を確認して決めましょう。
2つ目は、HRC仕様を待つかどうかです。HRC仕様は性能・価格・発売時期のすべてが未発表で、日本で売られるかどうかもわかっていません。タイプRそのものが欲しい方は、HRC仕様を待ちすぎて購入の機会を逃さないよう注意が必要です。
3つ目は、駐車場と維持費です。全幅1,890mm、265mm幅の19インチタイヤと、維持費や駐車場の条件は一般的なハッチバックより厳しくなります。購入前に保管場所とタイヤ交換の費用を確認しておくと安心です。
新型シビック タイプR HRCに関するよくある質問(FAQ)
Q. シビック タイプR HRCは市販されますか?
A. ホンダは米国市場向けに開発中と発表しています。発売時期や価格は未発表です。
Q. 日本でも発売されますか?
A. 2026年10月31日時点で、日本での発売は発表されていません。
Q. エンジンの出力は上がりますか?
A. HRC仕様の出力は未発表です。ベースの日本仕様は243kW(330PS)・420N・mです。
Q. HRCパフォーマンスパーツはいつ買えますか?
A. 米国では2027年3月から販売店とHonda DreamShopで発売されます。日本での販売は未発表です。
まとめ:シビック タイプR HRCは「市販に向けて一歩前進」
シビック タイプR HRC コンセプトは、2026年1月の東京オートサロンで世界初公開され、今回のSEMAショー2026で北米初公開されます。ホンダが米国市場向けに開発中だと明言したことで、コンセプトから市販に向けて一歩進んだと言えます。
一方で、性能・価格・発売時期は未発表で、日本での発売も決まっていません。まずはSEMAでの実車公開と、日本仕様の2027年モデルの動きに注目です。
最新情報が入り次第、随時更新していきます。
参考ページ
- Honda News(米国)|Honda Racing Corporation Displays Racing Pedigree at 2026 SEMA Show; Civic Type R HRC Concept Makes North American Debut
- Honda News(米国)|Updated 2027 Honda Civic Type R
- Honda 公式サイト|東京オートサロン2026 出展概要
- Honda 公式サイト|CIVIC TYPE R
- ホンダ 新型 シビックタイプR(2027年モデル)マイナーチェンジ 2026年10月1日発表! 進化した走り・最新装備・価格を徹底解説

