ホンダは、日本でいちばん売れている軽自動車「N-BOX」の電気自動車(EV)版を2028年に投入する予定だと公式に発表しています。ただし2026年11月8日の時点で、車名・価格・航続距離・発売日は発表されていません。
この計画が示されたのは、2026年5月14日に開かれた「2026 ビジネスアップデート」です。ホンダは四輪事業の立て直し策を説明するなかで、日本では「軽自動車を中心にEVの拡充を図り、2028年にはN-BOX EVの投入を予定」していると明らかにしました。ホンダの軽EVは、商用の「N-VAN e:」、乗用の「N-ONE e:」に続き、いよいよ主力のN-BOXへ広がることになります。
この記事で「予想」「見込み」と書いた部分は公式発表ではなく、ホンダの公式発表と現行モデルの公式情報から考えた見通しです。公式に確認できない価格や航続距離などの数値は書いていません。車名も正式には未発表のため、この記事では「N-BOX EV」と呼びます。
この記事では、新型N-BOX EVについて公式に分かっていること、発売時期の見込み、現行N-BOXの価格・スペック・燃費、先に登場した軽EVの実力、購入を考えるときの注意点まで、わかりやすくまとめました。記事中の写真はすべて現行モデル(ガソリン車)です。


そもそも新型N-BOX EVとは?ホンダが公式に「2028年投入」を表明
N-BOXは、背の高い車体と後席スライドドアを持つ「軽スーパーハイトワゴン」です。現行型は2023年10月に発売された3代目で、2026年7月17日にマイナーモデルチェンジを受けました。2025年度の新車販売台数では登録車を含めて第1位となり、軽自動車としては11年連続で首位を守っています。2026年5月にはシリーズ累計販売台数が300万台を超えました。
そのN-BOXに設定されるのがEV版です。ホンダが2026年5月14日のビジネスアップデートで示した内容のうち、N-BOX EVに関係する公式の記述は次のとおりです。
- 日本では軽自動車を中心にEVの拡充を図り、2028年にはN-BOX EVの投入を予定
- 2029年3月期までの3年間は、投入資源をEVからハイブリッド車へ移し、EV投資は3年間で0.8兆円規模に抑える
- 2030年3月期以降は、EVの需要動向を見極めながら投資を判断する
ホンダは全体としてEVへの投資を絞り込みながらも、日本の軽EVについては「拡充」と明記し、その中心にN-BOXを置いています。走る距離が比較的短い使い方の多い軽自動車は、EVの弱点が出にくいジャンルといえます。
【予想】新型N-BOX EVの特徴まとめ
公式発表と、先に発売された軽EVの公式情報から考えると、新型N-BOX EVのポイントは以下の3つになりそうです。
- 投入時期:ホンダが公表した計画では2028年(発売日・車名は未発表)
- 中身(予想):N-VAN e:・N-ONE e:で実績のある軽EVの技術を受け継ぐ見込み
- 焦点(予想):N-BOXの広い室内とスライドドアを、床下のバッテリーとどう両立させるか
① 2028年投入はホンダの公式計画
N-BOX EVは、ホンダ自身が説明会で示した計画です。ただし公表されているのは「2028年に投入予定」という年までで、発売日、グレード構成、価格は発表されていません。
② N-VAN e:・N-ONE e:の技術を受け継ぐ見込み
ホンダはこれまでに、商用軽EV「N-VAN e:」(2024年10月10日発売)と乗用軽EV「N-ONE e:」(2025年9月12日発売)を出しています。N-ONE e:は薄型の大容量バッテリーを床下に置き、広い室内を保っています。N-BOX EVも、この考え方を受け継ぐと予想されます。
③ 室内の広さとスライドドアの両立が焦点
N-BOXの最大の魅力は、軽自動車とは思えない室内の広さと、両側スライドドアの使いやすさです。現行型は後席を前に19cmスライドさせて荷室を広げられ、27インチの自転車も積めることを公式にうたっています。EV化してもこの使い勝手を落とさないことが、N-BOX EVの成否を分けるポイントになるでしょう。

新型N-BOX EVの価格はいくら?現行N-BOXのグレードと価格一覧
N-BOX EVの価格は未発表です。参考として、2026年7月17日発売の現行N-BOX(ガソリン車)の主なグレードの価格を紹介します(メーカー希望小売価格・消費税10%込み、トランスミッションはすべてCVT)。
| グレード | エンジン | FF | 4WD |
|---|---|---|---|
| N-BOX | 660cc | 176万8,800円 | 191万4,000円 |
| N-BOX ファッションスタイル | 660cc | 186万7,800円 | 201万3,000円 |
| N-BOX JOY | 660cc | 198万1,100円 | 212万6,300円 |
| N-BOX CUSTOM | 660cc | 199万4,300円 | 213万9,500円 |
| N-BOX CUSTOM ターボ | 660ccターボ | 243万6,500円 | 258万1,700円 |
| N-BOX JOY ターボ | 660ccターボ | 245万6,300円 | 260万1,500円 |
| N-BOX CUSTOM ターボ コーディネートスタイル | 660ccターボ | 259万8,200円 | 274万3,400円 |
このほか、特別仕様車「BLACK STYLE」(N-BOX JOYベース)や、車いすのまま乗れる「スロープ」仕様(消費税非課税)も用意されています。
先に出た乗用軽EVのN-ONE e:は、e: Gが269万9,400円、e: Lが319万8,800円です。EVはバッテリーの分だけ車両価格が上がるため、N-BOX EVもガソリン車より高い価格帯になると予想されます。具体的な金額は、発表まで判断できません。
新型N-BOX EVのボディサイズ
N-BOX EVのボディサイズも未発表です。ただしN-BOXは軽自動車なので、EVになっても軽自動車の規格(全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下)の中に収まります。N-VAN e:やN-ONE e:も、もとになったガソリン車と同じ軽自動車の枠の中で作られています。
3つの個性!現行N-BOXの外装(エクステリア)
N-BOX EVのデザインは公開されていません。ここでは、ベースになると予想される現行N-BOXの外装を紹介します。
N-BOX CUSTOM:迫力のフロントフェイス
N-BOX CUSTOMは、クロームメッキのグリル、一文字につながるフロントアクセサリーLED、四角いフォグライトで迫力ある顔つきになりました。上級の「コーディネートスタイル」はダーククロームメッキの加飾をまとい、ブラックルーフの2トーンも選べます。

N-BOX JOY:遊び心のあるアウトドア風
N-BOX JOYは丸いフォグライトを標準装備し、一部のタイプには「HONDA」の文字が入った専用グリルの「アクティブフェイスパッケージ」が付きます。ブラックの加飾でまとめた特別仕様車「BLACK STYLE」も加わりました。

N-BOX:メッキ加飾をプラスした標準モデル
標準のN-BOXは、フロントロアグリルとリアのテールゲートガーニッシュにメッキの加飾が加わりました。

広さが自慢!現行N-BOXの内装(インテリア)
現行N-BOXの室内は、水平基調のインパネで見晴らしがよく、全タイプにType-CのセンターUSBチャージャー(2個)を標準装備しています。一部のタイプには、9インチのHonda CONNECTナビ、マルチビューカメラシステム、ステアリングヒーターなどが付きます。



N-BOX CUSTOMはブラック基調、N-BOX JOYはチェック柄のシートが特徴です。
新型N-BOX EVのパワートレインとスペック
N-BOX EVのモーター出力やバッテリー容量は未発表です。参考として、現行N-BOXのエンジンと、ホンダの軽EV2車種の公式スペックを並べます。
| 現行N-BOX | 最高出力 | 最大トルク |
|---|---|---|
| 660cc i-VTEC(NA) | 43kW[58PS]/7,300rpm | 65N・m[6.6kgf・m]/4,800rpm |
| 660cc ターボ | 47kW[64PS]/6,000rpm | 104N・m[10.6kgf・m]/2,600rpm |
| 項目 | N-VAN e: | N-ONE e: |
|---|---|---|
| 発売日 | 2024年10月10日 | 2025年9月12日 |
| 一充電走行距離(WLTCモード) | 245km | 295km |
| 普通充電(6kW) | 約4.5時間 | 約4.5時間 |
| 急速充電(50kW・80%まで) | 約30分 | 約30分 |
| 価格(税込) | 243万9,800円〜 | 269万9,400円〜 |
N-ONE e:は、アクセルペダルだけで加速・減速・停止までできる「シングルペダルコントロール」や、バッテリーの冷却・加温システムを備えています。N-BOX EVにも、こうした機能が受け継がれると予想されます。
新型N-BOX EVの航続距離と現行N-BOXの燃費(WLTCモード)
N-BOX EVの航続距離は未発表です。現行N-BOX(FF)の燃費は、WLTCモードで21.6km/L(9インチナビ装着車は21.5km/L)です。内訳は市街地18.9km/L、郊外23.4km/L、高速道路21.8km/Lとなっています。
N-BOXはN-ONEより車体が大きく重いため、同じ考え方でバッテリーを積んだ場合、航続距離はN-ONE e:の295kmより短くなる可能性があります。一方で、N-VAN e:の245kmも日常の買い物や送り迎えには十分な距離です。実際の数値は、発表されるまで分かりません。
新型N-BOX EVの安全装備「Honda SENSING」
現行N-BOXは、安全運転支援システム「Honda SENSING」を全タイプに標準装備し、JNCAP「自動車安全性能2023」で最高評価のファイブスター賞を獲得しています。主な機能は次のとおりです。
- 衝突軽減ブレーキ(CMBS)、歩行者事故低減ステアリング
- アダプティブクルーズコントロール(渋滞追従機能付き)、車線維持支援システム(LKAS)
- 路外逸脱抑制機能、標識認識機能、オートハイビーム、先行車発進お知らせ機能
- 誤発進抑制機能(前方・後方)、近距離衝突軽減ブレーキ、急アクセル抑制機能、パーキングセンサーシステム
N-ONE e:では、ホンダの軽自動車として初めて「トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)」が採用されました。N-BOX EVにも同等以上の装備が期待されます。
新型N-BOX EVを待つべきか?今買うならおすすめの現行グレード
2028年まで待てない方のために、現行N-BOXから選ぶならどのグレードがよいかを考えます(価格はFF)。
おすすめ① 【コスパ重視なら】N-BOX(FF)
価格:176万8,800円
シリーズでいちばん安く、Honda SENSINGやセンターUSBチャージャーは標準装備です。主に近所の買い物や送り迎えに使い、走りの力強さを求めない方にはこれで十分です。
おすすめ② 【遠出が多いなら】N-BOX CUSTOM ターボ(FF)
価格:243万6,500円
ターボのトルクは104N・mと、NAの65N・mより大幅に力強く、家族を乗せた坂道や高速道路でも余裕があります。NAのN-BOX CUSTOMとの差は約44万円ですが、長い距離を走る方には価値があります。
ホンダ軽EVの歩みをおさらい
ホンダの軽EVは、2024年の商用「N-VAN e:」、2025年の乗用「N-ONE e:」と続いてきました。N-ONE e:は最大1,500Wの外部給電コネクター(オプション)やV2H(家庭への給電)に対応し、2025〜2026日本自動車殿堂のカーオブザイヤーにも選ばれています。計画どおりなら、3台目の乗用系軽EVは最量販車のN-BOXになります。
新型N-BOX EVの日本発売日はいつ?
ホンダが公表しているのは「2028年に投入予定」という年だけで、月・日は発表されていません。N-ONE e:は、ホームページでの先行公開(2025年7月)から約1か月半後に発売されました。N-BOX EVでも、発売の数か月前に公式サイトで情報が先に公開される可能性があります。
購入前にチェックしたい3つのポイント
1つ目は自宅で充電できるかです。軽EVの使いやすさは、自宅の普通充電(6kWで約4.5時間)ができるかどうかで大きく変わります。集合住宅の方は、充電設備を設置できるかを先に確認しておきましょう。
2つ目は補助金です。EVは国の補助金(CEV補助金)や自治体の補助金の対象になることが多いものの、2028年時点の制度や金額はまだ分かりません。発売時の最新情報で、実質価格を確かめる必要があります。
3つ目はガソリン車との比較です。現行N-BOXは176万8,800円から買え、燃費も21.6km/L(FF)と優秀です。発表後に、価格差と電気代・ガソリン代を比べてから決めましょう。
新型N-BOX EVに関するよくある質問(FAQ)
Q. N-BOX EVは本当に発売されますか?
A. ホンダは2026年5月14日のビジネスアップデートで「2028年にはN-BOX EVの投入を予定」と公表しています。発売日は未発表です。
Q. 価格はいくらですか?
A. 未発表です。参考までに、現行N-BOXは176万8,800円から、N-ONE e:は269万9,400円からです。
Q. 航続距離はどのくらいですか?
A. 未発表です。ホンダの軽EVでは、N-VAN e:が245km、N-ONE e:が295km(いずれもWLTCモード)です。
Q. 今のN-BOXを買うか、EVを待つか迷っています。
A. EVの発売は2028年の予定で、まだ2年近く先です。今すぐクルマが必要な方は現行モデル、自宅で充電でき、急いでいない方は発表を待つという選び方がおすすめです。
まとめ:新型N-BOX EVは2028年投入予定、詳細の発表待ち
ホンダは2026年5月のビジネスアップデートで、軽自動車を中心にEVを拡充し、2028年にN-BOX EVを投入する予定だと公表しました。一方で、車名・価格・航続距離・発売日はまだ発表されていません。
先に登場したN-VAN e:とN-ONE e:は、WLTCモード245〜295kmの航続距離、約30分の急速充電、外部給電などを備えています。N-BOX EVはその技術を受け継ぎつつ、N-BOXならではの広い室内とスライドドアをどう守るかが注目点になると予想されます。
最新情報が入り次第、随時更新していきます。

