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三菱自動車が2025年に発表した新型ミッドサイズSUV「デスティネーター(DESTINATOR)」は、家族のための新しいSUVとして世界各国で注目を集めています。「The Confidence Booster for Energetic Families(いきいきとした家族が自信を持って一歩踏み出せるよう後押しするSUV)」という商品コンセプトのもと開発され、ドライバーや大切な家族が新たな目的地(destination)へ踏み出す後押しをしたいという想いが車名に込められています。

デスティネーターは、インドネシアのミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシア(西ジャワ州ブカシ県)で生産されています。クロスオーバーMPV「エクスパンダー」、コンパクトSUV「エクスフォース」に続く、インドネシア発の世界戦略車第3弾として位置づけられており、三菱自動車にとって極めて重要なモデルです。
2025年7月にインドネシアで販売が開始され、年度内の販売目標1万台を大きく上回る約1万2000台を約4か月で受注する好調なスタートを切りました。主な購入層は30代半ば~40代半ばの男性で、洗練されたエクステリアデザインや上質な室内空間が高く評価されています。


インドネシア最大級のメディアグループKompas Gramedia傘下のGridOtoが主催する「GridOto Awards 2025」において、「カー・オブ・ザ・イヤー 2025」と「ベスト・ミディアムSUV」をダブル受賞しました。カー・オブ・ザ・イヤーの受賞は、2016年の「パジェロスポーツ」、2018年の「エクスパンダー」に続き3度目となり、三菱ブランドの評価の高さを証明しています。

デスティネーターのボディサイズは以下の通りです:
最低地上高214mmは、本格的な悪路走破性で知られるスズキ「ジムニー」(205mm)を上回る数値です。さらに、以下の角度を確保しています:
これらの数値により、荒れた路面、大きな段差、降雨により水に覆われた路面など、アセアン地域特有の厳しい路面状況にも対応できる設計となっています。

デスティネーターのデザインコンセプトは「GRAVITAS & DYNAMISM」です。フロントノーズは水平基調としながら豊かな厚みを持たせ、大地をしっかりとつかむ安定感と堂々とした佇まいを実現しています。
フロントまわりには三菱自動車のデザインアイデンティティ「ダイナミックシールド」を採用。フロントグリルを左右バンパーでプロテクトする造形と立体的に一体化させています。フロントグリルは、ハニカム形状のインナーグリルを透明なアクリルのアウターグリルで覆う立体的なデザインで、力強さと先進性を表現しています。
すべてのピラーをブラックアウトし、キャビンを滑らかな面で包み込むことで、広々とした室内空間をより一層強調しています。この手法により、見た目にも室内の広さが伝わるデザインとなっています。
リヤには、往年のパジェロが装着していた背面式スペアタイヤをモチーフとした六角形のデザインコンセプト「ヘキサガードホライズン」を配置。テールゲートは張りのある豊かな面構成とし、SUVらしい力強さを演出しています。
フロントのデイタイムランニングランプとリヤのテールランプは、LEDをT字型に発光させるデザインを採用。ランプの造形は縦基調とし、SUVらしい存在感と先進性を両立しています。また、オートライティングコントロールやオートマチックハイビームなど、安全性と利便性を高める機能も搭載されています。
18インチの大径アルミホイール(マシンカット2トーン仕上げ)に225/55 R18タイヤを装着。フロントとリヤの大型スキッドプレートとサイドプロテクターによって、プロテクト感と堅牢性を表現しています。シルバーの下部バンパーガーニッシュやサイドシルガーニッシュ、マテリアルブラックのフェンダーアーチモールディングなどが、本格SUVとしての風格を高めています。

インストルメントパネルは、ドアトリムまで繋がるダイナミックな形状で空間の広がりを表現しています。各所にソフトマテリアル(ソフトパッドダッシュボードとドアトリム)を使用し、触感にも配慮した上質な仕上がりとなっています。

12.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオ(SDA)と8インチのデジタルドライバーディスプレイを一体化させた大型パネルを設置。SDAは、パジェロの3連メーターをオマージュしたマルチメーター表示など多彩なコンテンツを表示可能で、ワイヤレスApple CarPlayとAndroid Autoに対応しています。
デジタルドライバーディスプレイは、ドライブモード変更時に割り込みでドライブモードを表示させるなど、運転に必要な情報を大画面に見やすく表示します。マルチインフォメーションディスプレイも8インチLCDメーターに統合されており、現代的で視認性の高い操作環境を実現しています。
オーディオシステムには、ヤマハと共同開発した計8個のスピーカーによる「Dynamic Sound Yamaha Premium」を搭載。ヤマハのサウンドマイスターによる専用チューニングが施されており、デスティネーターに最適な室内音響特性を実現しています。全席に最適化した4つのリスニングポジションを設定しているため、どの座席でも高品質で臨場感溢れるサウンドを楽しめます。

1列目シートは、広々とした頭上空間を確保するとともに、ホールド感のある造形で座り心地を高めています。ドライバーシートは8ウェイパワーシートで、高さ調整、スライド、リクライニング機能を装備。助手席はスライドとリクライニング機能を備えています。
後ろに振り向きやすいよう肩口の厚みを調整しているのも特徴で、家族とのコミュニケーションを重視した設計となっています。最上級グレードでは、ヒートガード機能付きの合成レザーシート(ブラック/マルーン2トーン)を採用し、暑いアセアン地域でも快適に過ごせる配慮がなされています。

2列目シートは、頭上に加えて肩まわりのスペースにもゆとりを持たせており、大人が長距離移動しても快適に過ごせる設計です。最大100mmの前後スライド機能を備え、乗員数や荷物の量に応じて柔軟にスペースを調整できます。
6:4分割可倒式シートを採用しており、必要に応じて片側だけを倒すことも可能。センターアームレストや調整式ヘッドレスト3個、専用のリーディングランプ、リアマニュアルクーラー吹き出し口など、快適装備も充実しています。

3列目シートは、高いヒップポイントと十分なニールームを確保し、ゆとりある足元スペースを実現しています。3列目シート用のリヤクーラー吹き出し口も設けられており、暑いアセアン地域でも後席の乗員が快適に過ごせる配慮がなされています。
5:5分割リクライニング・フルフラットフォールド機能を備え、片側ずつ前倒しできる設計となっています。調整式ヘッドレスト2個、専用のLEDルームランプも装備し、単なる補助席ではなく実用的な居住性を提供します。

電動パノラマサンルーフ(チルト&スライド・パワーサンシェード付)を装備。マップランプ部に設置している操作スイッチに加え、三菱車で初めてSDAによる操作も実現しています。開放感あふれるドライブを家族全員で楽しむことができます。
アンビエントライトも採用。インストルメントパネルや前後席ドアトリムに配置したLEDライトはSDAからの操作が可能で、三菱車では初めて64色を揃えました。常時点灯させられるほか、2秒ごとに色を切り替えたり、明滅を繰り返したりすることもできます。車内の雰囲気を自由にカスタマイズできる、楽しい機能です。
デュアルゾーンオートエアコンを装備し、運転席と助手席で独立した温度設定が可能です。Max Cool、ドライモード、メモリー機能も搭載。さらに、PM2.5対応エアフィルターとnanoeXを装備し、車内の空気環境にも配慮しています。前部4個、後部4個のリアマニュアルクーラー吹き出し口により、全席で快適な温度を保つことができます。
ドアトリムやフロアコンソールなど各所にカップホルダーとボトルホルダーを設置。運転席と助手席の背もたれの裏側には、タブレットなどが置ける折りたたみ式のシートバックテーブルやポケットを設けています。
Type-AとType-Cの充電ポートを各列に複数用意しており、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを常に充電しながら使用できます。センターコンソールには冷却機能付きのフロアセンターコンソールボックスも装備し、飲料を冷やしておくこともできます。
その他、グローブボックス、グロッサリーフック、シートバックポケット、クォータートリムポケット、リアカーゴボックスストレージなど、家族でのドライブに便利な収納が各所に配置されています。
デスティネーターのラゲッジルームは十分な広さを確保しており、3列目シートを使用している場合でも、飲料水のガロンボトル4本などを積載可能です。
多彩なシートアレンジを可能としており、2列目には6:4分割で前倒しできるシート、3列目には5:5分割で片側ずつ前倒しできるシートを採用。2列目と3列目をフルフラットにすれば、長尺物も積み込めます。
パワーテールゲートはキックモーション機能付きで、両手に荷物を持っている時でも足をかざすだけで開閉できる便利な機能です。リアスポイラーや専用のライセンスプレートランプも装備されています。
デスティネーターが搭載する1.5リッターMIVECターボエンジン(4B40)は、水冷インタークーラーの採用や高膨張比サイクル(アトキンソンサイクル)化を行うことにより、力強い加速と高い燃焼効率を両立しています。
この1.5Lエンジンは、7人乗りのミッドサイズSUVとしては比較的小排気量ながら、ターボチャージャーにより十分なパワーとトルクを発揮します。
トランスミッションには高効率CVTを組み合わせています。アクセルの踏み込み量に応じてリニアに加速する制御により、ドライバーの意図に忠実なレスポンスを実現。スムーズで快適な走りと燃費性能を両立しています。
エンジンプッシュスタートシステムや電子パーキングブレーキ(オートブレーキホールド機能付)など、現代的な快適装備も充実しています。
デスティネーターは前輪駆動(FF)ながら、三菱の四輪制御技術によって、さまざまな路面や天候で安全・安心で快適な走りを提供するSUVならではの走破性を実現しています。
前左右輪の駆動力を調整して高い旋回性能を実現する「アクティブヨーコントロール(AYC)」、タイヤのスリップを制御するトラクションコントロール(TCL)、エンジン制御、パワーステアリング制御を統合制御することで、前輪駆動ながらさまざまな路面状況に対応します。
路面状況に応じて選択可能な5つのドライブモードを設定しています:
これらのドライブモードにより、アセアン地域特有の多様な路面状況に柔軟に対応できます。
サスペンション形式は、フロントがマクファーソンストラット式、リヤがトーションビーム式です。直進安定性と操縦安定性を高めるとともに、乗り心地を向上させています。
アセアン地域の路面状況を再現した日本国内のテストコースで走行試験を重ね、現地でも評価を繰り返してチューニングを施しました。荒れた路面やうねりのある路面でも快適な乗り心地を実現しています。
ステアリングは、Uターンの機会が多いアセアン地域の運転環境を考慮してグリップしやすい形状とするとともに、クイックなステアリングギヤ比を採用。最小回転半径5.4mにより、狭い道や駐車場でも取り回しやすい設計となっています。
デスティネーターには、新たに先進運転支援機能「Mitsubishi Motors Safety Sensing」を採用しています。主な機能は以下の通りです:
衝突時のエネルギー吸収とキャビンの変形抑制を両立させた衝突安全強化ボディに加え、6つのSRSエアバッグ(ドライバー、助手席、サイド、カーテン)を採用することで、衝突安全性能も確保しています。
その他の安全装備として、アクティブスタビリティコントロール(ASC)、ヒルスタートアシスト、電子制御ブレーキシステム(ABS/EBD)、ブレーキアシスト、チャイルドプルーフロック、ISOFIX&テザーアンカー、エマージェンシーストップシグナル、サイドインパクトビーム、イモビライザー、セキュリティアラームなど、包括的な安全装備を装備しています。
全シートに3点式ELRシートベルト(1列目はプリテンショナー付)を装備し、シートベルトリマインダーも全席に設定されています。
コネクティッド機能では、エアバッグ展開時に自動でコールセンターに通報する機能や、事故や故障時にボタンひとつでコールセンターに救助を依頼できるSOSコールを設定するなど、コールセンターサポートを充実させています。
スマートフォンと連携した操作では、燃料の残量や自車位置の確認ができるほか、エアコンの遠隔作動が可能となり、利便性を高めます。乗車前に車内を冷やしておくなど、暑いアセアン地域では特に有用な機能です。
フィリピンでは3つのグレードが設定されています:
価格:1,389,000フィリピンペソから
主な装備:
価格:1,599,000フィリピンペソから
主な追加装備:
価格:1,939,000フィリピンペソから
主な追加装備:
デスティネーターは、2025年7月にインドネシアで販売を開始し、2025年11月20日にフィリピンで発売されました。今後は以下の地域への展開を予定しています:
最終的には約70か国に順次投入する計画で、三菱自動車のグローバル販売を支える重要なモデルとなることが期待されています。
現時点では日本導入は未定とされていますが、国内市場でも3列シートSUVへの需要は高く、マツダCX-8が生産終了となった今、デスティネーターのような実用的な7人乗りSUVは一定の需要が見込めると考えられます。
ただし、日本市場では排ガス規制や安全基準が厳しいため、導入する場合は仕様変更や追加装備が必要になる可能性があります。今後の三菱自動車の動向に注目が集まります。
ミツビシ・モーターズ・フィリピンズ・コーポレーション(MMPC)の今枝律社長は、デスティネーターの現地発表に際し次のようにコメントしています:
「過去数年にわたり、MMPCは力強く安定した成長を遂げてきました。SUVならではの堂々たる存在感とラグジュアリーさ、MPVの多用途性と快適性を兼ね備えた新型デスティネーターの投入により、さらなる成長を目指すとともに、競争の激しいミッドサイズSUV市場における当社の存在感を一層高めてまいります」
この発言からも、三菱自動車がデスティネーターに大きな期待を寄せていることが伝わってきます。
三菱デスティネーターは、「いきいきとした家族が自信を持って一歩踏み出せるよう後押しするSUV」というコンセプトを具現化した、実用性の高いミッドサイズSUVです。
7人乗りの3列シートレイアウト、214mmの最低地上高による優れた悪路走破性、1.5L MIVECターボエンジンによる力強い走り、充実した先進安全装備と快適装備、そして洗練されたデザインを兼ね備え、アセアン地域を中心としたグローバル市場で高い評価を得ています。
インドネシアでの好調な受注状況や、GridOto Awards 2025でのカー・オブ・ザ・イヤー受賞など、市場からの評価も上々です。今後約70か国への展開が予定されており、三菱自動車の世界戦略を支える重要なモデルとして、その動向に注目が集まります。
日本市場への導入は未定ですが、実用的な7人乗りSUVとして国内でも潜在的な需要があると考えられ、今後の展開に期待したいところです。
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自動車専門メディア『最新自動車情報』編集長のKAZU。IT企業から独立後、自動車専門サイト『最新自動車情報』を立ち上げ、編集長として12年間運営に携わってまいりました。これまでに、新車・中古車、国産車(日本車)から輸入車(外車)まで、あらゆるメーカーの車種に関する記事を6,000本以上執筆。その経験と独自の分析力で、数々の新型車種の発表時期や詳細スペックに関する的確な予測を実現してきました。『最新自動車情報』編集長として、読者の皆様に信頼性の高い最新情報、専門的な視点からの購入アドバイス、そして車(クルマ)の奥深い魅力をお届けします。後悔しない一台選びをしたい方、自動車業界のトレンドをいち早く知りたい方は、ぜひフォローをお願いいたします。