トヨタが、スポーツクーペ「GRスープラ」の一部改良を行い、同時に、最終限定モデルとなる「GRスープラ A90 ファイナルエディション」を日本では2025年3月21日に発売します。
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は2024年11月28日に現行モデルの集大成となる特別仕様車「A90 Final Edition」が発表され、世界限定300台で発売されることが決定しました。日本への割り当ては150台で、価格は1500万円となります。
今回の発表では、GRスープラ(3.0リッターモデル)の一部改良も行われ、シャシーセッティングの最適化やブレーキ性能の強化など、走行性能がさらに向上しています。2019年に17年ぶりに復活を遂げた、現行モデル(A90)が、ついに生産終了を迎えます。その集大成として登場するのが、世界限定300台の特別仕様車「A90 Final Edition」。マスタードライバーモリゾウこと豊田章男氏の熱い想いで復活を遂げたスープラは、SUPER GTやGR Supra GT4などモータースポーツシーンでも活躍してきました。
トヨタ GRスープラ 一部改良:
- 3.0リッターモデルの一部改良。
- シャシーセッティングの最適化。
- ブレーキ性能の強化(フロントに大径brembo製ディスクブレーキ採用)。
- ボディ剛性の強化(リヤ床下ブレースなど)。
- サスペンションの改良(電子制御ダンパー特性見直し、フロントスタビライザー強化、アルミ強化ブラケット、強化ゴムブッシュ/マウント採用)。
- EPS制御の最適化。
- 前後キャンバー角の見直しによるコーナリング安定性向上。
- ホイールカラーをマットブラックに変更。
- エクステリアにダックテールタイプのカーボンリヤスポイラー採用。
- フロントにホイールアーチフラップ追加、フロントタイヤスパッツ高さ拡大。
- インテリアのドライバーシートにGRロゴ刺繍入りアルカンターラ+本革シート表皮採用。
- シフトノブリング/ステッチ、シートベルトを赤色に変更。
- 2.0Lエンジンモデルを廃止。
- 日本では2025年3月21日発売。
GRスープラ A90 Final Edition:
- 最終限定モデルとして登場。
- 世界限定300台。日本への割り当ては150台。
- 最高出力が320kW(435PS)に向上。
- KW社製サスペンション採用。
- ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2タイヤ採用。
- TOYOTA GAZOO Racing Europeが空力性能開発を担当し、カーボンパーツを多用したエクステリア。
- スワンネック構造のカーボンリアウイング。
- 脱着式のインナーダクト付きカーボンボンネットダクト。
- インテリアにレカロ製カーボンフルバケットシート「RECARO Podium CF」採用(シートパッドにアルカンターラ素材を使用)。
- 運転席シートを赤色とし、ドライバーオリエンテッドコクピットを強調。
- ステアリングホイール、ドアトリムなどにアルカンターラ素材を使用。
- 赤色シートベルト、専用カーボンスカッフプレート採用。
- レーシングカー「GR Supra GT4」採用のKW製サスペンション搭載(伸び側16段、縮み側12段の減衰力調整機能付き)。
- 前後スタビライザーを強化。
- フロントロアアームに強化ゴムブッシュ、フロントコントロールアームにピロボールジョイント採用。
- リヤサブフレームをGR Supra GT4と同じアルミリジッドマウントに変更。
- フロントカウルブレースを強化、フロント床下ブレースを追加。
- リヤ床下ブレースの構造を強化。
- 室内に強化ラゲージクロスバーを採用。
- 現行モデル(A90)の生産終了に伴う集大成。
- マスタードライバーモリゾウ(豊田章男氏)の想いが込められたモデル。
トヨタ 新型 GRスープラ 一部改良 モデルについて
今回の一部改良では、市街地からサーキットまで、あらゆる道で「一体感のある走り」を追求。ブレーキ性能の向上、ボディ剛性の強化、空力性能の改善など、走りの質をさらに高めています。
シャシーセッティングの変更に伴い、アクティブディファレンシャルの制御が最適化されています。これにより、旋回中に発生しやすいアンダーステアが抑制され、より自然で意のままのハンドリング性能が実現されています。制動性能については、フロントブレーキに大径化されたbrembo製のディスクブレーキが採用され、より強力で信頼性の高い制動力を確保しています。
ボディとサスペンションに関しても、細部にわたる見直しが行われています。状況に応じて減衰力を調整する電子制御ダンパーの特性が見直され、それに合わせてフロントスタビライザーも強化されています。さらに、前後スタビライザーブラケットにはアルミ製の強化品が採用されたほか、フロントコントロールアームには強化ゴムブッシュ、リヤサブフレームには強化ゴムマウントが用いられています。これらの改良により、サスペンションとボディの一体感が高まり、路面からの情報がよりダイレクトに伝わるようになることで、正確なハンドリングに貢献します。加えて、リヤ床下ブレースの構造も強化され、ボディ剛性が向上することで、ダイレクト感、グリップ感、そしてコントロール性が一段と向上しています。これらの進化に合わせて、EPS(電動パワーステアリング)の制御も最適化され、よりダイレクトで自然なステアリングフィールが実現し、総合的なコントロール性能が引き上げられています。また、前後のキャンバー角が見直され、タイヤのグリップ力を高めることで、コーナリング時の安定性能が向上しています。足元を飾るホイールは、カラーにマットブラックを採用することで、より精悍な印象を与えるデザインとなっています。
エクステリアにおいては、新たにダックテールタイプのカーボンリヤスポイラーが採用されました。また、フロントにはホイールアーチフラップが追加され、フロントタイヤスパッツの高さも拡大されています。これらの変更により、前後の空力バランスとダウンフォースが最適化され、車両の接地性とハンドリング性能が向上しています。
インテリアでは、ドライバーシートにGRロゴの刺繍が施されたアルカンターラと本革のコンビネーションシート表皮が使用され、上質なスポーツ感を演出しています。さらに、シフトノブのリングとステッチ(6速マニュアル仕様車のみ)、そしてシートベルトには赤色が採用され、インテリア全体のスポーティーな雰囲気がより一層強調されています。
トヨタ GRスープラ A90 Final Edition について
A90 Final Editionは、GRスープラが世界中のファンに愛され、モータースポーツシーンでも活躍してきたことへの感謝を込めた、究極のモデルです。最高出力は320kW(435PS)に向上、KW社製サスペンションやミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2タイヤなど、走りのための装備が惜しみなく投入されています。TOYOTA GAZOO Racing Europeが空力性能開発を担当し、カーボンパーツを多用したエクステリアは、サーキットでのパフォーマンスを最大限に引き出すために最適化されています。内装にはレカロ製カーボンフルバケットシートを採用し、ドライバー が集中できるコクピットを実現しました。
トヨタ GRスープラ A90 Final Edition エクステリア について
エクステリアにおいては、TOYOTA GAZOO Racing Europeが徹底的に空力性能を追求しており、風洞実験を繰り返し実施することでその性能を磨き上げています。足元を支えるタイヤとホイールには、グリップ性能を最大限に引き出すため、10mm拡幅されたハイグリップタイヤ「MICHELIN PILOT SPORT CUP 2」が採用されています。
また、カーボン製のエアロパーツが随所に装着されており、特に目を引くのはGR Supra GT4を彷彿とさせるスワンネック構造のカーボンリアウイングです。このリアウイングをはじめとするエアロパーツは、前後の空力バランス、ダウンフォース、ドラッグを最適化することで、車両の接地性とハンドリング性能を向上させる役割を担っています。さらに、カーボンボンネットには脱着式のインナーダクトを備えたダクトが設けられており、必要に応じてインナーダクトを取り外すことで、エンジンの冷却性能を高めることが可能です。
トヨタ GRスープラ A90 Final Edition インテリア について
インテリアには、まず目を引くレカロ製のカーボンフルバケットシート「RECARO Podium CF」が採用されており、シートパッドにはアルカンターラ素材が使用されています。これは、走行性能の向上によってドライバーにかかるGが増加する状況においても、体をしっかりとホールドし、より正確なドライビングをサポートするための工夫です。特に運転席シートは赤色とされ、ドライバーオリエンテッドなコクピットであることを強調しています。
また、ステアリングホイール、ドアトリム、センターコンソールニーパッド、センターアームレスト、シフトノブ・ブーツ、そしてインストルメントパネルの中央部といった、ドライバーが触れたり目に入りやすい箇所にもアルカンターラ素材が使用されています。さらに、赤色のシートベルトや専用のカーボンスカッフプレートを採用することで、この台数限定モデルならではの特別感を高める演出が施されています。
トヨタ GRスープラ A90 Final Edition ボディ・サスペンションの進化
この車両には、レーシングカー「GR Supra GT4」で採用されているKW製のサスペンションが搭載されています。
- 減衰力調整:
- 伸び側:16段階
- 縮み側:12段階
- 多様な走行状況に対応
- スタビライザー: 前後を強化し、限界性能を向上
フロントロアアームには強化ゴムブッシュ、フロントコントロールアームにはピロボールジョイントを採用。リヤサブフレームはGR Supra GT4と同じアルミリジッドマウントとすることで、サスペンションとボディの一体感を高めています。これにより、路面からの情報がより伝わりやすくなり、正確なハンドリングに貢献します。
ボディ剛性の強化
- フロント:
- カウルブレースを強化
- 床下ブレースを追加
- リヤ:
- 床下ブレースの構造を強化
- 室内: 強化ラゲージクロスバーを採用
これらの強化により、ボディ剛性が向上し、ダイレクト感、グリップ感、コントロール性が高められています。
EPS制御の最適化
進化点に合わせてEPS(電動パワーステアリング)制御を最適化することで、ダイレクト感のあるステアリングフィールを実現し、コントロール性能を引き上げています。
コーナリング性能の向上
前後のキャンバー角を見直し、グリップを高めることで、コーナリング時の安定性能が向上しています。
トヨタ 新型 GRスープラ 一部改良 モデル価格
スープラ RZグレード 一部改良モデル | |
---|---|
6MT | 8,000,000 |
8AT | 8,000,000 |
特別仕様車 スープラ “A90 Final Edition” | |
---|---|
6MT | 15,000,000 |
トヨタ 新型 GRスープラ 一部改良 モデル “A90 Final Edition” 主要諸元
スペック | スープラ(3.0L) 一部改良モデル | 特別仕様車 スープラ “A90 Final Edition” | |
---|---|---|---|
全長 | 4,380mm | 4,380mm | |
全幅 | 1,865mm | 1,865mm | |
全高 | 1,295mm | 1,275mm | |
ホイールベース | 2,470mm | 2,470mm | |
トレッド (フロント・リヤ) | 1,595mm 1,590mm | 1,595mm 1,585mm | |
乗車定員 | 2名 | 2名 | |
車両重量(kg) | 1,520kg (6速マニュアル) 1,530kg (8速オートマチック) | 1,528kg | |
エンジン | 3.0L 直列6気筒 エンジン | 3.0L 直列6気筒 エンジン | |
最高出力 | 285kW(387ps)/ 5,800rpm | 320kW(435ps)/ 6,000rpm | |
最大トルク | 500Nm[51.0kgm]/1,800~5,000rpm | 570Nm[58.1kgm]/4,500rpm | |
トランスミッション | 6速マニュアル/ 8速スポーツオートマチック | 6速マニュアル | |
駆動方式 | FR(後輪駆動方式) | FR(後輪駆動方式) | |
差動装置 | フロント | - | - |
リヤ | アクティブディファレンシャル | アクティブディファレンシャル | |
サスペンション | フロント | マクファーソンストラット | マクファーソンストラット |
リヤ | マルチリンク | マルチリンク | |
ブレーキ | フロント | brembo製18インチアルミ4ポット対向キャリパー+374mm径ディスク | brembo製19インチアルミ4ポット対向キャリパー+395mm径フローティングドリルドディスク |
リヤ | フローティングキャリパー+345mm径ディスク | フローティングキャリパー+345mm径フローティングドリルドディスク | |
ホイール | 19インチ鍛造アルミホイール | フロント 19インチ鍛造アルミホイールリヤ 20インチ鍛造アルミホイール | |
タイヤ(フロント・リヤ) | 255/35ZR19・275/35ZR19 MICHELIN PILOT SUPER SPORT | 265/35Z1R19・285/30ZR20 MICHELIN PILOT SPORT CUP 2 | |
燃料タンク容量(L) | 52 | 52 |
トヨタ GRスープラ について
GRスープラは、1978年の初代モデル誕生以来、直列6気筒エンジンとFRという伝統を受け継いできました。17年ぶりの復活を果たした2019年以降も進化を続け、多くのファンを魅了してきました。現行モデルの生産は終了となりますが、モータースポーツ活動を通じて、スープラの進化はこれからも続いていきます。
編集部から一言
「究極、最高の性能、仕様を備えた特別なモデル」とトヨタが謳うファイナルエディション。GRスープラの集大成となるこのモデルは、世界中のファンにとって垂涎の的となるでしょう。
一部改良モデルは2025年春以降、ファイナルエディションは欧州で2025年春、日本では検討中とのこと。GRスープラの歴史に名を刻む最後のモデル、その登場が待ち遠しいですね。
トヨタニュースリリース
https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/41894612.html
https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/42468825.html
トヨタ GRスープラ