経済産業省は2026年2月16日、米国で生産されたトヨタ自動車の3列シートSUV「ハイランダー」を公用車として導入し、運用を開始しました。赤澤亮正経済産業大臣が初めて試乗した際には、「扉を開けて中を見た途端、車内が広く乗り心地が良いと感じた」とコメントしています。
この導入は、トランプ大統領が指摘してきた米国製車の対日輸出の少なさに対する日本政府の配慮を示すものであり、日米経済関係の改善に向けた具体的な取り組みとして注目されています。
赤澤大臣は、経済産業省の公用車として新たに導入した、逆輸入されたトヨタ車の米国製ハイランダーに乗車。赤澤大臣は、車内は広く快適な乗り心地であったとの感想を述べました。引き続き、日米間の合意について誠実かつ速やかな実施に向けて取り組んでいきます。 #meti_daijin pic.twitter.com/G4YebLwPA0
— 経済産業省 (@meti_NIPPON) February 16, 2026
右ハンドル仕様の米国製「ハイランダー」、日本の公道を走る
経産省が導入したハイランダーは、米国インディアナ州のトヨタ工場(TMMI)で生産された右ハンドル仕様車で、2台が公用車として配備されました。日本国内の保安基準に適合させるため、2026年2月16日には道路運送車両の保安基準が改正され、米国からの逆輸入が実現しました。
本日、#高市総理 に先週の米国出張のご報告。官邸往復には経産省の公用車として新たに導入された #米国からの逆輸入車(#トヨタハイランダー)を試乗。車内は広く乗り心地良く快適(^^)総理からは「引き続き米国と緊密に連携しながら5,500億ドル投資イニシアチブ第1号案件の調整を進めよ」とのご指示。 pic.twitter.com/Peqs8hoXPe
— 赤沢りょうせい (@ryosei_akazawa) February 16, 2026
ハイランダーのスペックと特徴

サイズ・ディメンション
- 全長:4,950mm
- 全幅:1,930mm
- 全高:1,730mm
- ホイールベース:2,949mm
- 乗車定員:7〜8人

パワートレイン
ハイランダーには3つのパワートレインが用意されています。
- 2.4L直列4気筒ターボエンジン
- 最高出力:265PS(198kW)
- 最大トルク:420Nm(310lb-ft)
- トランスミッション:8速AT
- 燃費:EPA基準で10.2km/L(24mpg)
- 2.5L直列4気筒ハイブリッド
- システム総合出力:243PS(181kW)
- バッテリー容量:6.5Ah
- AWDシステム:E-Four
- 燃費:EPA基準で14.9km/L(35mpg)
- 0-96km/h加速:8.1秒
- ハイブリッドMAX
- システム総合出力:362PS
- 最大トルク:542Nm(400lb-ft)
- 0-96km/h加速:6.3秒


トヨタ新型BEV「ハイランダー」も2027年発表予定
トヨタは2026年2月11日(日本時間)、カリフォルニア州オーハイで次世代型となる2027年モデルの電気自動車(BEV)版「ハイランダー」も発表しました。

ハイランダーEVの革新的なスペック
バッテリー容量と航続距離
- 77.0kWhバッテリー搭載モデル:最大462km(FWD)
- 95.8kWhバッテリー搭載モデル:最大515km(320マイル)のEPA航続距離
パワートレイン
- XLE FWD(77.0kWh):221hp(165kW)、269Nm
- XLE AWD(77.0kWh):328hp(245kW)、445Nm
- XLE/Limited AWD(95.8kWh):338hp(252kW)、528Nm
充電機能
- DC急速充電:10%から80%まで約30分
- AC充電:11kW対応
- NACS(北米充電規格)対応
- V2L(Vehicle-to-Load)機能搭載

BEV版の先進装備

- 14インチディスプレイオーディオ
- 12.3インチデジタルメーター
- Toyota Safety Sense 4.0(TSS 4.0)
- 64色アンビエントライト
- JBL 11スピーカーシステム(Limited)
- ヘッドアップディスプレイ(Limited)


日本市場への本格導入は2026年秋以降を予定
トヨタ自動車は、米国で生産する「カムリ」「ハイランダー」「タンドラ」の3車種について、2026年から順次、日本市場への導入を目指すことを正式発表しています。



導入スケジュール
- ガソリン/ハイブリッド版:2026年秋〜年末の登場が有力
- BEV版:2027年以降の導入見込み
予想価格帯
国内での販売価格は以下のように予想されています。
- ベースグレード(XLE AWD):約650万円〜700万円
- 上級グレード(Limited/Platinum):約750万円〜850万円
競合車種であるマツダCX-8(約299万円〜)やトヨタランドクルーザー300(約540万円〜)と比較すると、プレミアムSUVとしてのポジショニングになる見込みです。
ハイランダーが日本市場に与えるインパクト
1. 3列シートSUV市場の活性化
日本国内では3列シートSUVの選択肢が限られており、ハイランダーの導入は消費者にとって新たな選択肢となります。全幅1,930mmは国内基準では大型ですが、ファミリー層や多人数乗車のニーズに対応できる貴重なモデルです。




2. トヨタのラインナップ強化
- RAV4(5人乗り、全長4,600mm)よりも大型
- ランドクルーザー300(全長4,975mm)よりもコンパクト
- アルファード/ヴェルファイア(ミニバン)とは異なるSUVスタイル
このポジショニングにより、トヨタはSUVラインナップの空白を埋めることができます。
3. BEV市場への本格参入
bZ4XやC-HRに続く3列シートBEVとして、ファミリー向け電動SUV市場に本格参入します。航続距離320マイル(約512km)は、国内の長距離ドライブにも対応可能な実用的な数値です。
日米貿易関係における象徴的意義
トランプ政権への配慮
赤澤経産大臣は「トランプ大統領が指摘する米国製車の対日輸出の少なさについて、できる努力を最大限やろうという思いがあった」と述べており、日米経済関係の改善に向けた政府の姿勢を明確にしています。
右ハンドル車の保安基準改正
2026年2月16日の道路運送車両の保安基準改正により、米国製右ハンドル車の日本国内での走行が可能になりました。これは今後の米国製自動車の日本市場参入を促進する制度改革としても意義があります。
競合車種との比較
| 車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | 乗車定員 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|
| ハイランダー | 4,950mm | 1,930mm | 1,730mm | 7-8人 | 約688万円〜 |
| ランドクルーザー300 | 5,010mm | 1,850mm | 1,950mm | 7-8人 | 約540万円〜 |
| マツダCX-8 | 4,925mm | 1,845mm | 1,730mm | 6-7人 | 約299万円〜 |
| トヨタRAV4 | 4,600mm | 1,855mm | 1,685mm | 5人 | 約293万円〜 |
ハイランダーの歴史と進化
初代(2001年):3列シートSUVの先駆け
2001年に北米市場で登場したハイランダーは、ミドルサイズの3列シートSUVとして瞬く間に人気を獲得しました。
第2世代(2008年):日本での「クルーガー」終売
日本では2007年まで「クルーガー」として販売されていましたが、2008年以降は北米専売モデルとして展開されてきました。
現行第4世代(2020年〜):最新プラットフォーム採用
GA-Kプラットフォームを採用し、Toyota Safety Senseなどの先進安全装備を標準搭載。北米SUV販売ランキングのトップ10常連モデルとなっています。
第5世代(2027年〜):BEV時代への対応
完全電動化モデルの投入により、トヨタはSUV電動化戦略を加速させます。
まとめ:ハイランダー導入が示す日本の自動車市場の変化
経産省による米国製トヨタ「ハイランダー」の公用車導入は、単なる車両調達以上の意義を持っています。
重要なポイント
- 日米経済関係の改善:トランプ政権の指摘に対する具体的な対応策
- 消費者への新たな選択肢:3列シートSUV市場の活性化
- BEV市場の拡大:2027年のEV版投入で電動化を加速
- 制度改革の推進:保安基準改正による米国製車の受け入れ体制整備
2026年秋以降の一般販売開始に向けて、ハイランダーは日本のSUV市場に新たな風を吹き込むことが期待されます。特にBEV版は、航続距離320マイル(約512km)とV2L機能を備えた実用的な電動SUVとして、ファミリー層から高い関心を集めることでしょう。
トヨタの米国製車種の逆輸入は、グローバルな自動車産業における日米協力の新しいモデルケースとなる可能性を秘めています。
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