2025年10月22日、京都市に本社を置くEVメーカーのフォロフライが、中国Geely Holding GroupのプレミアムEVブランド「ZEEKR(ジーカー)」の大型ミニバン「009」を日本市場向けに販売すると発表しました。ジャパンモビリティショー2025での国内初披露を前に、その圧倒的なスペックと豪華装備が注目を集めています。
日本のミニバン市場に新たな選択肢、ZEEKR 009が登場

日本のミニバン市場では、トヨタ・アルファード、日産エルグランド、ホンダ・オデッセイなどが長年人気を博していますが、ZEEKR 009は100%電気自動車という新たなアプローチで、プレミアムセグメントに革新をもたらそうとしています。
ZEEKR 009のボディサイズは国内最大級

圧倒的な存在感を放つディメンション
ZEEKR 009のボディサイズは、全長5,209mm×全幅2,024mm×全高1,812mmと、日本市場向けミニバンとしては最大級のサイズを誇ります。主要競合モデルとの比較は以下の通りです:
- ZEEKR 009: 全長5,209mm×全幅2,024mm×全高1,812mm
- レクサスLM500h: 全長5,125mm×全幅1,890mm×全高1,955mm
- トヨタ・アルファード: 全長4,995mm×全幅1,850mm×全高1,945mm
- トヨタ・ヴェルファイア: 全長4,995mm×全幅1,850mm×全高1,935mm
- 日産エルグランド(E52): 全長4,975mm×全幅1,850mm×全高1,815mm
- ホンダ・オデッセイ: 全長4,860mm×全幅1,820mm×全高1,695mm
レクサスLM500hよりもさらにロング&ワイドな設計により、最大7人が快適に過ごせる広大な室内空間を実現しています。
空力性能とデザインの両立

大型MPVでありながらCd値0.27という優れた空力性能を達成。元アウディのデザイナー、ステファン・シーラフ氏率いるスウェーデンの「Zeekr Global Design Center」が手がけたデザインは、洗練された北欧スタイルを取り入れています。
存在感を放つ縦型フィン構造の大型フロントグリル、1.47mに及ぶ一体型テールライトバーなど、プレミアムカーとしての風格と先進性を見事に融合させています。

圧倒的なパワートレインスペック
V10スーパーカー級のパワー
ZEEKR 009のパワートレインは、前後デュアルモーター構成により以下のスペックを実現:
- 最大出力: 450kW(612馬力)
- 最大トルク: 693Nm
- 0-100km/h加速: 4.5秒
- 車重: 2,870kg
このパワースペックは、ランボルギーニ・ウラカンEvoのV型10気筒自然吸気エンジンに匹敵する数値です。車重2,870kgという大型ボディにもかかわらず、わずか4.5秒で0-100km/h加速を達成する動力性能は、ミニバンの常識を覆すものです。
CATL製第3世代バッテリー「Qilin」搭載
- バッテリー容量: 140kWh
- 航続距離: 822km(ZEEKRテスト値)
- 充電規格: 普通充電、急速充電(CHAdeMo)対応
CATLの最新技術を結集した第3世代バッテリー「Qilin」により、長距離ドライブでも安心の航続距離を確保。ショッピングセンターや高速道路のパーキングエリアでの急速充電にも対応し、実用性も高く設計されています。
ZEEKR 009 Grand Collector Editionの超豪華仕様

24K金メッキアクセントの贅沢
中国市場で展開されているZEEKR 009 Grand Collector Editionは、さらなる豪華さを追求したフラッグシップモデルです:
- 24K金メッキアクセント: バンパー、ウィンドウサラウンド、サイドスカートに採用
- ロールスロイス風20インチアロイホイール: 金メッキ加工
- 4座席構成: 最高級のおもてなし空間
黒い外装とゴールドアクセントのコントラストが、圧倒的な存在感を放ちます。
2列目のVIP体験

ZEEKR 009の真骨頂は、2列目シートの豪華さにあります:
- マッサージ機能付きキャプテンシート(標準装備)
- レッグレスト
- シートヒーター&ベンチレーション
- ヘッドレストスピーカー
- リクライニング機能
まるでファーストクラスのような快適性を実現し、長距離移動でも疲れを感じさせません。
静粛性へのこだわり
120km/h走行時でもわずか64.5dBという優れた静粛性を実現。高速巡航時でも会話や音楽を快適に楽しめる、高級MPVにふさわしい車内環境を提供します。電気自動車ならではの静かな走行性能と相まって、極上の移動空間を演出します。

大型パノラマガラスルーフ

自然光をふんだんに取り込む大型パノラマガラスルーフにより、車室内を明るく開放的に演出。閉塞感のない広々とした空間で、すべての乗員が快適に過ごせます。
アルパカウールカーペットの極上体験
最も特徴的なのが、ペルーアンデス山脈の標高4,000メートル地点に生息する若いアルパカの首と肩から採取された最高級アルパカウールカーペット。その柔らかさと質感は、まさに足元のラグジュアリー体験です。
後部座席の充実装備
Grand Collector Editionの後部座席には、以下の豪華装備が用意されています:
- 43インチ4Kディスプレイ: 大画面エンターテインメント
- 24段階調整可能なキャプテンシート
- 8種類のマッサージプログラム
- 格納式テーブル
- Yamahaサウンドシステム: 31スピーカー
- 18リットル冷温庫: 加熱・冷却・除菌機能付き
- エレクトロクロミックガラス
まさに「走るラウンジ」と呼ぶにふさわしい空間です。
Grand Collector Editionのパフォーマンス
- 最大出力: 778馬力(580kW)
- 最大トルク: 810Nm(597 lb-ft)
- 0-100km/h加速: 3.9秒
- バッテリー容量: 108kWh
- 航続距離: 702km(中国CTLCサイクル)
- 価格: 899,000元(約1,230万円)
標準のZEEKR 009 Grandよりも110,000元(約15万円)高い設定ながら、その価格差を遥かに上回る豪華装備が魅力です。
日本市場での展開と販売網
フォロフライによる国内展開
ZEEKR 009を日本市場に導入するフォロフライは、以下の企業概要を持ちます:
- 本社: 京都市下京区中堂寺粟田町93 KRP4号館
- 設立: 2021年8月3日
- 代表: 代表取締役 小間裕康
- 資本金: 16億976万円(資本準備金、資本剰余金含む)
- 業種: 電気自動車の開発販売及び環境対応型インフラサービスの提供
- 連絡先: 078-891-7117(代表窓口)
フォロフライは軽商用EV「FKV」などを展開しており、既存の販売およびアフターサービス網を活用してZEEKR 009の国内展開を行う予定です。
グローバルでの高評価
ZEEKR 009は、中国市場だけでなく、オーストラリアやシンガポールなど、すでに販売を開始している多くの市場で高い評価を獲得しています。右ハンドル仕様の展開も進んでおり、日本市場への対応も万全です。
ジャパンモビリティショー2025での詳細発表
2025年10月29日のジャパンモビリティショー2025プレスデーでは、メディアカンファレンスが実施され、以下の詳細が明らかにされる予定です:
- 日本市場向けグレード構成
- 価格帯
- 標準装備内容
- オプション設定
- 納車スケジュール
- アフターサービス体制
ZEEKR 009と日本のミニバンの比較
性能面での優位性
従来の日本製プレミアムミニバンと比較して、ZEEKR 009は以下の点で優位性を持ちます:
- ゼロエミッション: 100%電気自動車としての環境性能
- 圧倒的な加速性能: 4.5秒という驚異的な0-100km/h加速
- 静粛性: 120km/h走行時64.5dBという優れた数値
- 航続距離: 822kmという長距離ドライブ対応
- 室内空間: 最大級のボディサイズによる広大な空間
課題と不安要素
一方で、日本市場での展開には以下の課題も存在します:
- ブランド認知度: 日本では未知のブランド
- 販売網の規模: 全国展開のカバー範囲
- アフターサービス: メンテナンス体制と部品供給
- リセールバリュー: 中古車市場での評価
- 充電インフラ: 大容量バッテリーへの対応
ZEEKR 009の価格予想
中国市場での価格設定や、競合モデルとの比較から、日本市場での価格は以下のように予想されます:
- 標準モデル: 約1,000万円〜1,200万円
- 上級グレード: 約1,300万円〜1,500万円
レクサスLM500h(約2,000万円〜)よりも手頃な価格設定となる可能性が高く、アルファード/ヴェルファイア(約500万円〜900万円)とレクサスLMの中間に位置するプライシング戦略が考えられます。
EV時代のプレミアムミニバンの新基準
ZEEKR 009の登場は、日本のミニバン市場に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。
EVミニバンの利点
- 低重心: バッテリーの床下配置による走行安定性向上
- 静粛性: エンジン音のない快適な車内環境
- 瞬発力: モーターの特性による力強い加速
- 環境性能: ゼロエミッション走行
- ランニングコスト: ガソリン車と比較した燃料費削減
今後の市場動向
日産が新型エルグランド(E53)の開発を進める中、トヨタやホンダもEVミニバンの投入を検討していると見られます。ZEEKR 009は、その先駆けとして日本市場のEVミニバンセグメントを切り開く役割を担うでしょう。
まとめ:日本のミニバン市場に新風を吹き込むZEEKR 009
ZEEKR 009は、圧倒的なボディサイズ、スーパーカー級のパフォーマンス、ファーストクラスのような快適性を兼ね備えた次世代プレミアムミニバンです。
中国発のEVブランドとして、日本市場ではまだ未知数の部分もありますが、すでにグローバル市場で高い評価を獲得していることは、その品質と魅力を証明しています。
ジャパンモビリティショー2025での詳細発表が待ち遠しい一台です。アルファード、ヴェルファイア、新型エルグランドといった日本の伝統的ミニバンに対して、ZEEKR 009がどのような選択肢を提示するのか、今後の展開から目が離せません。
プレミアムミニバン市場に新たな選択肢が加わることで、ユーザーにとってより魅力的な車選びが可能になるでしょう。

