2025年8月15日、米国カリフォルニア州ペブルビーチで開催された「ザ・クエイル、モータースポーツギャザリング」において、レクサスは注目の「LEXUS Sport Concept(レクサス スポーツコンセプト)」を世界初公開しました。このコンセプトカーは、レクサスが描く次世代スポーツカーのビジョンを具現化した革新的なモデルとして、世界中の自動車業界関係者から熱い視線を集めています。
LFA の DNA を受け継ぐ次世代デザインコンセプト

先進性と伝統の融合
LEXUS Sport Conceptは、先進的かつ革新的なスタイルと、伝統的なスポーツカーらしさを併せ持つデザインが特徴です。2ドアクーペをベースとしたワイド&ローなスタンスにより、優雅なプロポーションを実現。特に、ルーフからリアエンドに流れるクーペラインと、左右をつなぐ一文字のテールライトの組み合わせが、その美しさを際立たせています。
市販化を想定した洗練されたデザイン
今回公開されたSport Conceptは、2021年に発表された「Lexus Electrified Sport」と比較して、より市販に近い洗練されたデザインに進化しています。低く構えたシルエット、長いボンネット、傾斜したルーフラインは2シーター構成を示唆しており、実際の生産モデルへの移行を強く印象付けています。
革新的なデザイン要素の詳細分析
フロントデザイン
フロント部分では、L字形のLEDヘッドライトがエアインテークと美しく調和し、使用時以外は隠れるダイヤモンド形のデイタイムランニングライトが特徴的です。従来のスピンドルグリルに代わって、アグレッシブなロワーバンパーインテークを採用することで、より現代的でスポーティな印象を演出しています。
サイドビュー
プロファイルでは、フロントホイール後方の大型ベント、生産終了したLFAスーパーカーを彷彿とさせるCピラーデザインが注目ポイントです。これらの要素により、レクサスのスポーツカーDNAの継承を明確に示しています。
リアデザイン
短いリアデッキにはアクティブリアスポイラーを搭載し、大型のリアベントには照明付きレクサスエンブレムで中断される一体型LEDストリップを配置。ディフューザーはリア部分の大部分を占め、F1スタイルのブレーキライトを特徴としています。
電動化戦略の核となるフラッグシップモデル
フルEV化への明確な方向性
可視的なテールパイプがないことから、このコンセプトカーはフル電動パワートレインを採用していると考えられます。これは、2026年後半にデビュー予定とされる完全電動スポーツカーに関する早期の噂を裏付けるものであり、現行のレクサスLCの後継車種として位置づけられる可能性が高いです。
LFA の精神を受け継ぐ次世代スポーツカー
数年前、レクサスCEOの佐藤恒治氏(現トヨタ社長)は、将来の電動スポーツカーがLFAの精神を受け継ぐことを示唆していました。また、ドライバーエンゲージメントを高めるためのシミュレーテッドマニュアルトランスミッションの搭載についても言及しており、このスポーティなEVは日本ブランドのハロ(フラッグシップ)モデルとして機能する可能性があります。
過去のコンセプトからの進化の軌跡
Lexus Electrified Sport からの発展
2021年12月14日のトヨタ「バッテリーEV戦略に関する説明会」で初披露されたLexus Electrified Sportから、今回のSport Conceptへの進化は目覚ましいものがあります。当時発表されたスペック目標は以下の通りでした:
- 加速タイム:2秒前半(0-100km/h)
- 航続距離:700km超
- 全固体電池の搭載検討
- ハイパフォーマンスバッテリーEVの実現
豊田章男氏の vision との整合性
当時の豊田章男社長(現トヨタ会長)が語った「LFAの開発を通じて作りこんだ『走りの味』、いわば『秘伝のタレ』を継承する次世代のスポーツカー」というビジョンが、このSport Conceptに具現化されています。
市場投入時期と競合環境の分析
2026年後半の市場投入予想
業界関係者の分析によると、生産版は2026年後半にデビューする可能性が高く、完全電動パワートレインを搭載すると予想されています。これにより、レクサスは高級電動スポーツカー市場における競争力を大幅に向上させることができるでしょう。
高級電動スポーツカー市場での位置づけ
この新型スポーツカーは、ポルシェ・タイカンやテスラ・ロードスター(次世代)、さらにはアストンマーティンの電動モデルなどと競合することが予想されます。レクサス独自の「おもてなし」の精神と、日本的な精密性を武器に、差別化を図ることが期待されています。
今後の注目ポイント
- 技術仕様の詳細発表:パワートレイン、バッテリー容量、充電性能
- 価格設定:LFAを超える高級車としての位置づけ
- 限定生産の可能性:希少性による付加価値創出
- グローバル展開戦略:各市場での販売計画
自動車業界への影響と今後の展望
レクサスブランド戦略の転換点
このSport Conceptは、レクサスがガソリンエンジン中心のラグジュアリーブランドから、電動化をリードするイノベーティブなブランドへと変革する象徴的なモデルとなります。特に、スポーツカーセグメントでの電動化を牽引することで、ブランド全体のイメージ向上に大きく貢献することが期待されています。
技術革新の波及効果
このフラッグシップモデルで培われる最新技術は、レクサスの他のモデルラインナップにも段階的に展開される予定です。これにより、ブランド全体の技術力向上と競争力強化が実現されるでしょう。
まとめ:次世代スポーツカーの新たな地平
LEXUS Sport Conceptは、単なるコンセプトカーを超えて、レクサスの未来を象徴する重要なマイルストーンです。LFAから受け継がれた「走りの味」と最新の電動化技術の融合により、これまでにない新しいスポーツカー体験を提供することが期待されています。
2026年後半の市場投入が予想される生産版では、さらなる技術的な進歩とデザインの洗練が期待されており、高級電動スポーツカー市場に新たな基準を打ち立てることでしょう。レクサスファンのみならず、全世界のスポーツカー愛好家が注目する、次世代のフラッグシップモデルの登場が今から待ち遠しい限りです。
レクサスニュースリリース