トヨタが、ピックアップトラックの新モデル「ハイラックスチャンプ(Hilux Champ)」の日本発売を2026年に予定しています。2023年11月27日にタイで初公開され、早くも注目を集めているこのモデルは、既に日本導入されている「ハイラックス」よりもコンパクトで、よりリーズナブルな価格設定が魅力の新型ピックアップトラックです。
新型ハイラックスチャンプは、ジャパンモビリティショー2023に出展された「IMV 0」の市販モデルとして制作され、トヨタの世界戦略車プロジェクト「トヨタ IMV」シリーズの最新作となります。果たして、この新型モデルは待つ価値があるのでしょうか?現行ハイラックスとの比較を交えながら、詳しく解説していきます。
トヨタ新型ハイラックスチャンプの【特徴まとめ】
新型ハイラックスチャンプには、以下のような特徴があります。
- 「トヨタ IMV」シリーズの新モデルとして、世界戦略車の一翼を担う存在
- 「ハイラックス」よりコンパクトな車体を採用し、日本の道路環境にも適応
- 幅広い架装オプションにより、ユーザーのニーズに柔軟に対応
- 求めやすい価格設定で、ピックアップトラック市場に新たな選択肢を提供
- カスタマイズ性の高さが魅力で、ボルトとナットで簡単に架装可能
新型ハイラックスチャンプは待つべき?購入判断のポイント
【待つべき人】新型ハイラックスチャンプがおすすめのケース
1. コンパクトなピックアップトラックを求めている方
現行ハイラックスは全長5,340mm、全幅1,855mmと大柄なボディサイズで、日本の狭い道路や駐車場では取り回しに苦労することがあります。新型ハイラックスチャンプは、ショートホイールベースモデルで全長4,970mm、全幅1,785mmとコンパクトになっており、最小回転半径も4.9mと優れた取り回し性能を実現しています。
2. コストパフォーマンスを重視する方
タイでの価格は約195万円~245万円(45.9万~57.7万バーツ)と、現行ハイラックス(日本価格407万円~)と比較して大幅に安価です。日本導入時には価格が変動する可能性はありますが、それでも手頃な価格帯になることが予想されます。
3. カスタマイズを楽しみたい方
フラットデッキに設けられた各所のボルト穴により、ボルトとナットで架装部を簡単に締結できる設計となっています。仕事用のキャビンや、アウトドア用のカスタムなど、自分好みにカスタマイズしたい方には最適です。
4. 商用利用やビジネス用途が主な方
シングルキャブ仕様で、荷台の積載性を重視した設計となっており、建設業、農業、配送業などの商用利用に最適です。現行ハイラックスよりもシンプルな装備で、実用性に特化しています。
【待たない方が良い人】現行ハイラックスを選ぶべきケース
1. 後席が必要な方
新型ハイラックスチャンプは2シーターのシングルキャブのみの設定で、ダブルキャブやエキストラキャブは用意されていません。家族や同僚を乗せることが多い方は、現行ハイラックスのダブルキャブを選ぶべきでしょう。
2. 四輪駆動が必要な方
新型ハイラックスチャンプは後輪駆動(FR)のみの設定です。現行ハイラックスのような4WDシステムが必要な方、悪路や雪道での走破性を求める方には不向きです。
3. より高い牽引力や積載性を求める方
現行ハイラックスは最大牽引力3,500kg、より強力な2.8Lディーゼルターボエンジン(海外仕様)を搭載できますが、新型ハイラックスチャンプは基本的に軽量な積載物を想定した設計となっています。
4. 充実した装備や快適性を重視する方
現行ハイラックスは、安全装備や快適装備が充実しており、GR Sportモデルでは走行性能も向上しています。新型ハイラックスチャンプは実用性重視のシンプルな装備となるため、快適性を求める方には物足りないかもしれません。
タフで実用的!新型ハイラックスチャンプの外装デザイン
新型ハイラックスチャンプの外装は、最新のデザイン言語を取り入れながらも、力強く頑丈な印象を与えるスタイリングとなっています。
特徴的なのは、モデルバリエーションとして荷台がない仕様も設定されている点です。各所に用意されるボルト穴に、ボルトとナットで架装部を簡単に締結できる仕組みにより、ユーザーのニーズにあわせて多彩なカスタマイズを楽しむことができます。
冷凍車、キャンピングカー、移動販売車など、様々なビジネスシーンに対応できる柔軟性が最大の魅力です。
コンパクト化!新型ハイラックスチャンプのボディサイズ比較
ボディサイズ詳細
ロングホイールベース(LWB)モデル
- 全長×全幅×全高:5,300×1,785×1,735mm
- ホイールベース:3,085mm
- 最小回転半径:5.4m
ショートホイールベース(SWB)モデル
- 全長×全幅×全高:4,970×1,785×1,735mm
- ホイールベース:2,750mm
- 最小回転半径:4.9m
参考:トヨタ ハイラックス(現行モデル)
- 全長×全幅×全高:5,340×1,855×1,800mm
- ホイールベース:3,085mm
- 最小回転半径:6.4m
サイズ比較のポイント
新型ハイラックスチャンプのショートホイールベースモデルは、現行ハイラックスと比較して全長が約370mm短く、全幅も70mm狭くなっています。最小回転半径も4.9mと、現行ハイラックスの6.4mと比べて1.5mも小さく、日本の狭い道路や駐車場でも扱いやすいサイズとなっています。
5mを切る全長は、機械式駐車場の制約を受けにくいというメリットもあります。
機能的でシンプル!新型ハイラックスチャンプの内装デザイン
新型ハイラックスチャンプの内装は、機能性を最優先したシンプルで実用的なインテリアとなっています。
ダッシュボードは水平基調のデザインで、使いやすいスイッチ配置と、十分な収納スペースを確保。商用車としての使い勝手を重視した設計となっています。
室内空間は上位モデルの「ハイラックス」とは異なり、2シーターのシングルキャブのみの設定です。後席を備えるダブルキャブや、フロントシート後方に荷物を積み込むことができるエキストラキャブは用意されていませんが、その分、荷台スペースを最大限に活用できる設計となっています。
軽快な走り!新型ハイラックスチャンプのパワートレイン
新型ハイラックスチャンプには、3種類のパワートレインが設定されています。
エンジンラインナップ
1. 直列4気筒2.4Lディーゼルターボエンジン
- 最高出力:150ps(110kW)
- 最大トルク:40.8kgm(343Nm)
- 現行ハイラックスの日本仕様と同じエンジン
2. 直列4気筒2.7Lガソリンエンジン
- 最高出力:166ps
- 最大トルク:25.0kgm
3. 直列4気筒2.0Lガソリンエンジン
- 最高出力:139ps
- 最大トルク:18.7kgm
トランスミッション・駆動方式
- トランスミッション:5速MT または 6速AT
- 駆動方式:FR(後輪駆動)のみ
量販仕様には、「ハイラックス」の日本仕様にも採用されている2.4Lディーゼルターボエンジンが設定されています。トルクフルな走りと経済性を両立したこのエンジンは、商用利用にも最適です。
ただし、現行ハイラックスのような4WDシステムは設定されず、後輪駆動のみとなります。舗装路での使用が中心であれば十分ですが、悪路走破性を求める方には不向きと言えるでしょう。
魅力的!新型ハイラックスチャンプの価格設定
タイ国での価格
- 45.9万~57.7万バーツ(約195万円~245万円)
新型ハイラックスチャンプの価格は、タイ国で約195万円からと非常にリーズナブルな設定となっています。
現行ハイラックス(日本仕様)の価格
- ハイラックス Z:407万2,000円
- ハイラックス GR Sport:431万2,000円
日本導入時の予想価格
日本に導入される際には、安全装備や環境基準への対応などにより価格が上昇する可能性がありますが、それでも300万円台前半~中盤での発売が期待されます。現行ハイラックスと比較すると100万円以上安い価格設定となる可能性が高く、ピックアップトラック市場に新たな選択肢を提供することになるでしょう。
いつ買える?新型ハイラックスチャンプの発売日
新型ハイラックスチャンプは、2023年11月27日にタイで公開され、すでに受注を開始しています。日本発売は2026年が予定されており、あと約1年半ほど待つことになります。
2025年6月には、トヨタ車体が次世代商用バンを発表しており、2027年にはSUVモデルの投入も計画されているなど、IMVシリーズの日本展開が本格化しています。
新型ハイラックスチャンプ vs 現行ハイラックス 徹底比較
サイズ・取り回し性
項目 | 新型ハイラックスチャンプ(SWB) | 現行ハイラックス |
---|---|---|
全長 | 4,970mm | 5,340mm |
全幅 | 1,785mm | 1,855mm |
全高 | 1,735mm | 1,800mm |
最小回転半径 | 4.9m | 6.4m |
勝者:新型ハイラックスチャンプ - コンパクトで取り回しやすい
乗車定員・実用性
項目 | 新型ハイラックスチャンプ | 現行ハイラックス |
---|---|---|
乗車定員 | 2名(シングルキャブのみ) | 5名(ダブルキャブ) |
駆動方式 | FR | 4WD |
勝者:現行ハイラックス - 乗車人数、走破性で優位
価格
項目 | 新型ハイラックスチャンプ | 現行ハイラックス |
---|---|---|
価格帯 | 約195万円~245万円(タイ国価格) | 407万円~431万円 |
勝者:新型ハイラックスチャンプ - 圧倒的なコストパフォーマンス
カスタマイズ性
項目 | 新型ハイラックスチャンプ | 現行ハイラックス |
---|---|---|
カスタマイズ | ボルトオン架装システムで自由度高 | 一般的なアフターマーケット対応 |
勝者:新型ハイラックスチャンプ - 設計段階からカスタマイズを想定
トヨタ IMVシリーズとは?ハイラックスチャンプの位置づけ
トヨタIMVシリーズは、「Innovative International Multi-purpose Vehicle」の略で、1つのプラットフォームから複数の車種を制作する世界戦略車プロジェクトです。
IMVシリーズのラインナップ
- IMV 1~3:ハイラックス(ピックアップトラック)
- IMV 4:フォーチュナー(SUV)
- IMV 5:イノーバ(ミニバン)
- IMV 0:ハイラックスチャンプ(コンパクトピックアップ)
新型ハイラックスチャンプは「IMV 0」として、シリーズの原点に立ち返り、「真にお求めやすく、お客さまのニーズに寄り添うIMVピックアップトラックをつくる」というコンセプトで開発されました。
主なターゲットは新興国ですが、日本市場でも商用車ユーザーや、コストパフォーマンスを重視するユーザーから高い関心を集めています。
ハイラックスチャンプの実用性を徹底解説
積載能力
- 最大積載量:1,000kg
- 荷台長:ロングホイールベースで広々とした積載スペース
- ボルト穴による架装の自由度が高い
用途別活用例
1. 建設業・土木業
- 資材運搬に最適なフラットデッキ
- 工具箱やクレーンの架装が容易
2. 農業・林業
- 肥料や農機具の運搬
- 移動式の作業基地として活用可能
3. 配送業
- コンパクトなサイズで住宅地での配送に便利
- 保冷車、冷凍車への架装も可能
4. アウトドア・レジャー
- キャンピングカーへのカスタマイズ
- サーフボードやバイクの運搬
5. 移動販売
- キッチンカーへの架装
- 移動式店舗としての活用
ハイラックスの歴史とハイラックスチャンプの革新性
ハイラックスの歴史
トヨタ・ハイラックスは、1968年に初代モデルが登場した歴史あるピックアップトラックです。車名の由来は「High」と「Luxury」を合成した造語で、乗用車なみの豪華さを持ったピックアップトラックを目指して開発されました。
世界で愛されるハイラックス
カローラの次に世界で売れているトヨタ車であり、その耐久性の高さは伝説となっています。イギリスBBCの人気自動車番組「トップ・ギア」で行われた耐久実験では、13年前に生産された中古のハイラックスが、階段から落とされ、木に衝突させられ、海中に5時間沈められ、鉄球でダメージを与えられた後でも、基本的な工具のみで走行可能にまで復活し、自走してスタジオに到着したという逸話があります。
日本での販売歴
日本では2004年まで6代目を販売していましたが、需要減少により一旦販売を終了。2017年9月に8代目が約13年ぶりに日本復活を果たし、大きな話題となりました。
ハイラックスチャンプの革新性
新型ハイラックスチャンプは、ハイラックスの伝統的な耐久性と信頼性を受け継ぎながら、以下の点で革新的です。
- 原点回帰:装備を絞り込み、本当に必要な機能に集中
- カスタマイズ性:ユーザー自身が簡単に架装できる設計
- 手頃な価格:より多くの人がピックアップトラックを所有できる価格帯
- コンパクト化:日本の道路環境に適したサイズ
購入を待つ際の注意点とチェックリスト
2026年発売までに確認すべきこと
1. 日本仕様の詳細発表を待つ
- 安全装備(エアバッグ、衝突回避支援システムなど)
- 環境基準への適合
- 日本独自の装備追加の有無
2. 価格の正式発表
- タイ国価格を基準にすると約200万円前後が予想されるが、日本導入時には変動の可能性
3. ディーラーネットワークの確認
- 販売店舗
- アフターサービス体制
- 部品供給体制
4. 試乗車の登場を待つ
- 実際の乗り心地、運転感覚を確認
- 荷台の使い勝手をチェック
現在すべき準備
1. 用途の明確化
- 何に使うのかを具体的にリストアップ
- 必要な架装をイメージする
2. 予算の確保
- 車両本体価格+架装費用を想定
- 税金、保険料などのランニングコストも計算
3. 現行モデルとの比較検討
- 現行ハイラックスの試乗
- 競合他社のピックアップトラックもチェック
4. 情報収集
- トヨタ公式サイトのチェック
- SNSや自動車メディアでの最新情報の確認
競合車種との比較
国内ピックアップトラック市場
日本市場でのピックアップトラックは限られていますが、以下の競合車種があります。
トヨタ ハイラックス
- 価格:407万円~
- 特徴:4WD、ダブルキャブ、高い走破性
いすゞ D-MAX
- 価格:約400万円~(海外価格参考)
- 特徴:3.0Lディーゼルターボ、高い牽引力
三菱 トライトン
- 価格:400万円台(予想)
- 特徴:4WD、先進安全装備
マツダ BT-50(海外モデル)
- 価格:未定
- 特徴:いすゞD-MAXのOEM、洗練されたデザイン
新型ハイラックスチャンプは、これらの競合車種と比較して圧倒的に安価であり、商用車としてのコストパフォーマンスに優れています。
まとめ:新型ハイラックスチャンプは待つべきか?
待つべき人
✅ コンパクトで取り回しやすいピックアップトラックが欲しい
✅ 2シーターで十分(シングルキャブでOK)
✅ 後輪駆動で問題ない(舗装路中心の使用)
✅ コストパフォーマンスを最重視
✅ 自分好みにカスタマイズしたい
✅ 商用利用がメイン
待たない方が良い人(現行ハイラックスを選ぶべき)
❌ 5人乗車が必要
❌ 4WDが必須
❌ 悪路走破性が重要
❌ 高い牽引力が必要
❌ 充実した快適装備が欲しい
❌ すぐに車が必要
最終判断のポイント
新型ハイラックスチャンプは、「実用性」「コストパフォーマンス」「カスタマイズ性」を重視する方には非常に魅力的な選択肢となります。2026年の発売まで約1年半ありますが、その間に用途を明確化し、必要な架装を検討する時間として活用できます。
一方、家族での使用や、4WDが必要なハードな用途を想定している場合は、現行ハイラックスや他の競合車種を検討する方が賢明でしょう。
いずれにしても、2026年の正式発表を待ち、日本仕様の詳細や価格を確認してから最終判断することをおすすめします。
参考リンク