レクサスISが2025年9月9日に3度目のマイナーチェンジを発表し、2026年初頭からの発売が予定されています。現行モデルの購入を検討している方、新型を待つべきか迷っている方に向けて、今回のビッグマイナーチェンジの詳細と購入判断のポイントをまとめました。
新型ISは「待つべき」と言える5つの理由
1. レクサス初の3度目意匠変更マイナーチェンジ
今回の改良は、レクサス車史上初めて3度目の意匠変更を伴うマイナーチェンジとなります。1999年の初代モデル誕生から四半世紀以上、累計約130万台を販売してきたISシリーズの集大成とも言える「熟成」モデルです。
2. 走行性能の大幅進化
EPSの革新的進化
電動パワーステアリング(EPS)がラック平行式に変更され、バリアブルギヤを採用。交差点や連続コーナーでの操舵角が抑えられ、よりリニアで快適な操舵フィールを実現しています。
AVSの大幅性能向上
リニアソレノイド式AVS(Adaptive Variable Suspension system)の採用により、減衰力応答性が従来の約4倍に向上。車両挙動の安定性と路面からのショック低減を高次元で両立し、「気持ちのいい走り」をさらに深化させています。
3. デザインの大幅刷新
エクステリア
- LBX以降の新世代デザイン言語を採用
- 左右ヘッドライトを接続するブレード形ラインの新型グリル
- 低重心でワイドスタンスを強調したフロントフェイス
- リアエンブレムを「LEXUS」ロゴに変更
- 新色「ニュートリノグレー」を含む全8色のボディカラー
- F SPORT専用の新形状リヤスポイラーと19インチ軽量アルミホイール
インテリア
- 12.3インチタッチパネルディスプレイを全車標準装備
- 12.3インチフル液晶メーターへの大型化
- 新開発オーナメントパネル「Forged bamboo」の採用
- 新色インテリアカラー「PROMINENCE(プロミネンス)」の設定
- マルチカラーアンビエントライト(64色)を初搭載
4. 安全装備の大幅強化
Lexus Safety System +の機能拡充
- 自転車運転者(夜間)への対応
- 自動二輪車(昼間)への対応
- 交差点での出会い頭衝突回避支援の追加
- プロアクティブドライビングアシスト(PDA)の搭載
高度運転支援技術の搭載
Lexus Teammate Advanced Drive(高速渋滞時ハンズオフ機能)を新搭載。0km/h〜約40km/hの渋滞時に、ドライバーが前方を向いているなど一定条件下でハンズオフ運転が可能になり、渋滞時の疲労を大幅に軽減します。
5. 第4世代レクサスの最終進化形
新型ISは、BEV(電気自動車)全面移行前の第4世代レクサス車の最終進化形として位置づけられています。内燃機関搭載車としての完成度を極限まで高めたモデルであり、今後登場するBEVモデルとは異なる「伝統的なレクサスの走り」を楽しめる最後の機会となる可能性があります。
現行モデルを「待たずに買う」べきケース
すぐに車が必要な方
納車までには一定期間を要するため、2026年初頭以降の発売を待つと、実際の納車は2026年半ば以降になる可能性があります。すぐに車が必要な場合は、現行モデルの在庫車や展示車を検討する価値があります。
価格を重視する方
新型ISの価格は、現行モデルから約20万円程度の値上げが見込まれています。
現行モデル参考価格
- IS300h:5,270,000円
- IS300h F SPORT:5,810,000円
- IS300h version L:6,010,000円
新型予想価格
- IS300h:約530万円〜550万円
- IS300h F SPORT:約590万円〜610万円
- IS300h version L:約610万円〜630万円
現行モデルの在庫処分価格や決算時期の値引きを狙えば、新型よりもお得に購入できる可能性があります。
IS350やIS500を希望する方
重要なポイント
日本市場では、新型は「IS300h(FR)」のみの設定となります。IS350やIS500は海外専売となるため、これらのモデルを希望する方は中古車市場を検討する必要があります。特にIS500 "Climax Edition"は限定車のため、今後希少価値が高まる可能性があります。
新型ISの主要スペックと特徴
パワートレーン
IS300h(日本導入予定)
- エンジン:直列4気筒2.5L+モーターハイブリッド
- エンジン出力:178ps/22.5kgm
- モーター出力:143ps/30.6kgm
- システム出力:226ps
- 駆動方式:FR
- 燃費:18.0km/L(WLTCモード)
IS350(海外仕様)
- エンジン:V型6気筒3.5L
- 出力:318ps/38.7kgm
- 駆動方式:FR / AWD
- トランスミッション:8速AT(FR)、6速AT(AWD)
- 燃費:10.7km/L(WLTCモード)
ボディサイズ
- 全長:4,720mm(従来型比+10mm)
- 全幅:1,840mm(±0mm)
- 全高:1,435mm(FR)/ 1,440mm(AWD)(±0mm)
- ホイールベース:2,800mm(±0mm)
- 乗車定員:5名
- タイヤサイズ:18インチ / 19インチ
全長がさらに10mm延長され、より伸びやかでスポーティなスタイルが強調されています。
競合車種との比較
レクサスISの主なライバルは以下の車種です。
- BMW 3シリーズ:ドイツプレミアムセダンの代名詞
- メルセデス・ベンツ Cクラス:洗練されたラグジュアリー性
- アウディ A4:先進技術と上質な仕上がり
新型ISは、これらの競合に対して「日本のプレミアムセダン」としての独自性と、熟成された走りの質で差別化を図っています。特に、Toyota Technical Center Shimoyamaで徹底的に鍛え上げた「Lexus Driving Signature」は、他ブランドにはない魅力です。
購入を待つべき人の特徴チェックリスト
以下に当てはまる項目が多い方は、新型ISの発売を待つことをおすすめします。
✅ 最新の安全装備を重視する
✅ 高度運転支援(ハンズオフ機能)に魅力を感じる
✅ 最新のマルチメディアシステムを使いたい
✅ 新世代デザインのエクステリアに惹かれる
✅ アンビエントライトなど室内の演出を楽しみたい
✅ 2026年半ば以降の納車でも問題ない
✅ 20万円程度の価格上昇は許容範囲
✅ IS300hのFRで十分満足できる
✅ 第4世代レクサスの完成形を所有したい
✅ 長期的に乗り続ける予定がある
すぐに現行モデルを買うべき人の特徴
逆に、以下に当てはまる方は現行モデルの購入を検討すべきです。
✅ すぐに車が必要
✅ 少しでも安く購入したい
✅ 在庫車・展示車の値引きを狙いたい
✅ 現行デザインにこだわりがある
✅ IS350やIS500(中古)を希望する
✅ AWDモデルを希望する
✅ シンプルな装備で十分
✅ 納車を待ちたくない
新型IS発売までのスケジュール
- 2025年9月9日:ワールドプレミア実施(完了)
- 2025年10月〜12月:詳細スペック・価格発表予定
- 2026年1月:日本国内発売開始予定
- 2026年前半:順次納車開始
- 2026年初頭以降:各地域で順次発売
発売日は2026年1月が予定されていますが、実際の納車は発売後数ヶ月かかる可能性があるため、購入を検討している方は早めのディーラー訪問をおすすめします。
レクサスISの歴史と進化
初代IS(1999年〜2005年)
初代ISは1999年にデビュー。車名の由来は「Intelligent Sport(インテリジェント・スポーツ)」の頭文字です。日本では「トヨタ・アルテッツァ」として販売されたモデルがベースとなり、コンパクトFRスポーツセダンとして高い評価を受けました。
2代目IS(2005年〜2013年)
2005年に登場した2代目では、日本でもレクサスブランドとして販売を開始。オープントップの「IS C」や、V型8気筒5Lエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデル「IS F」も設定され、ラインナップの幅が大きく広がりました。
3代目IS(2013年〜現在)
現行の3代目は2013年に登場。ISシリーズ初のハイブリッドモデル「IS300h」を設定し、環境性能と走行性能の両立を実現。2015年の改良ではレクサスのFR車で初となるターボエンジン搭載車も追加されました。
2020年11月には大規模なマイナーチェンジを実施し、さらに2025年にはIS500やIS300を一旦終了させた上で、3度目となる今回のビッグマイナーチェンジが発表されました。
まとめ:新型ISは「待つ価値あり」
今回のレクサスIS新型は、レクサス史上初の3度目意匠変更マイナーチェンジという異例の改良です。単なるマイナーチェンジを超えた大幅な進化を遂げており、以下の点で「待つ価値がある」と結論づけられます。
待つべき最大の理由
- 走行性能の根本的進化(EPS、AVS)
- 第4世代レクサスの最新技術全面採用
- 高度運転支援(ハンズオフ)の搭載
- デザインの大幅刷新
- 内燃機関車としての完成形
一方で、IS350やIS500を希望する方、すぐに車が必要な方、価格を最優先する方は、現行モデルや在庫車の購入も検討価値があります。
購入判断のポイント
最終的には、「最新技術と完成度の高さ」を取るか、「価格とタイミング」を取るかの判断になります。長期的に乗り続けることを考えれば、新型ISの進化は20万円の価格差を十分に補って余りあるものと言えるでしょう。
2026年初頭の発売まであとわずか。レクサスディーラーでの事前相談や試乗予約も開始される時期ですので、気になる方は早めの情報収集をおすすめします。
- レクサス公式サイト:IS詳細ページ
- プレスリリース:Global Toyota