スズキが軽自動車の人気車種「ワゴンR」のマイナーチェンジを2025年12月に実施します。今回の改良では、これまで3つのデザインバリエーションを展開していたラインナップを「ワゴンRカスタムZ」の1モデルに統一する大胆な戦略転換が実施されます。本記事では、新型ワゴンRの変更点、価格、装備、スペックについて詳しく解説します。
スズキ新型ワゴンR 2025年12月改良の全貌【重要】ラインナップをカスタムZに統一|標準モデル・スティングレー廃止の理由
3モデルから1モデルへの集約戦略
今回のマイナーチェンジにおける最大のトピックは、ラインナップの大幅な見直しです。これまでワゴンRは以下の3つのデザインバリエーションを展開していました。
従来のラインナップ(2022年~2025年)
- 標準モデル「ワゴンR」:親しみやすく実用的なデザイン
- カスタムモデル「ワゴンRカスタムZ」:力強く質感の高いデザイン
- スポーティモデル「ワゴンRスティングレー」:スポーティで個性的なデザイン
しかし、2025年12月の改良モデルからは「ワゴンRカスタムZ」のみに集約されます。標準の「ワゴンR」とスポーティモデル「ワゴンRスティングレー」は廃止となります。
「ワゴンRが統一に!?」
— (有)小島自動車販売店|旭市の50万円台の軽中古車・車検・整備 (@KojimaJ7) November 2, 2025
ギュッと絞り込み、ワゴンRカスタムZに統一されます
グレードは「ZL」と「HYBRID ZX」の2グレードです
12月半ばに発表・発売される予定です
買い換えをご検討中の方は、切り替わり前にお手ごろ価格のワゴンR「FX」をオススメします👩🦰 pic.twitter.com/61IJnwr1YW
カスタムZ統一のメリット
この戦略転換には複数の理由があると考えられます。
- 生産効率の向上:モデル数を減らすことで生産ラインをシンプル化し、コスト削減を実現
- 商品力の集中:人気の高いカスタムモデルにリソースを集中し、競争力を強化
- 価格競争力の維持:原材料費高騰の中、効率化によって価格上昇を抑制
- ブランドイメージの統一:質感の高いカスタムZに統一することで、ワゴンRのプレミアム化を推進
カスタムZの特徴
継続される「ワゴンRカスタムZ」は、以下の特徴を持つ魅力的なモデルです。
- 力強いフロントデザイン:存在感のあるグリルとシャープなヘッドライト
- 質感の高い内外装:メッキ加飾やブラックアウトされた専用デザイン
- 充実した装備:上級グレードならではの快適装備が標準化
今回の改良では、これまで標準モデルにのみ設定されていた5速MT車をカスタムZにも設定することで、走りを楽しみたいユーザーにも対応します。
スズキ新型ワゴンRの主要変更点まとめ
エクステリア(外装)の変更点
フロントグリルに新デザインを採用
カスタムZのフロントグリルデザインを刷新し、より洗練された質感の高い印象に進化。メッキ加飾の配置や形状を見直すことで、高級感と存在感を両立させています。
ボディカラーラインナップ
カスタムZには以下のような魅力的なカラーが用意される見込みです。
- デニムブルーメタリック(人気色)
- ピュアホワイトパール
- シルキーシルバーメタリック
- スーパーブラックパール
- その他、2トーンカラーも設定予定
トランスミッションの変更点
5速MT車をカスタムZに新設定
これまで標準モデルの「ワゴンR FX」にのみ設定されていた5速マニュアルトランスミッション車を、カスタムZにも設定します。
- 対象グレード:カスタムZ ZL(自然吸気エンジン)
- 駆動方式:FF・4WD両方に設定
- メリット:運転の楽しさと燃費性能の両立
マニュアル車の設定により、以下のようなユーザーのニーズに対応します。
- 走りを楽しみたいユーザー:自分でギアを操作する楽しさ
- 燃費重視のユーザー:CVTよりも優れた実燃費を実現(WLTCモード24.8km/L)
- コスト重視のユーザー:CVT車より車両価格が抑えられる傾向
安全装備の大幅進化
新世代「デュアルセンサーブレーキサポートII(DSBSII)」を採用
従来の「デュアルカメラブレーキサポート」から、最新の「デュアルセンサーブレーキサポートII」に進化します。
主な進化点
- 自転車検知機能を追加:従来は検知できなかった自転車も認識
- 自動二輪車検知機能を追加:バイクとの衝突リスクを低減
- 検知精度の向上:悪天候時や夜間でもより確実な検知
新たに追加される安全機能
- 低速時ブレーキサポート(前進・後退)
- 駐車場での誤発進・誤後退を抑制
- 前方・後方の障害物を検知してブレーキ制御
- 事故防止効果が高い実用的な機能
- 発進お知らせ機能[先行車・信号切り替わり]
- 信号が青に変わったことを通知
- 前の車が発進したことを通知
- うっかり発進遅れを防止
標準装備される安全機能(全車標準)
- デュアルセンサーブレーキサポートII
- 誤発進抑制機能(前方・後方)
- 車線逸脱警報機能
- 車線逸脱抑制機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト
- 全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)
- 標識認識機能
- リアパーキングセンサー
- SRSエアバッグ(運転席・助手席・サイド・カーテン)
快適装備の標準化
全車に以下の快適装備が標準装備されます。
- オートエアコン:温度設定だけで自動調整
- キーレスプッシュスタートシステム:スマートキーで便利な乗降
- 運転席シートヒーター:冬場の快適性向上
- USB電源ソケット(Type-A/Type-C):スマートフォンの充電に便利
- 7インチディスプレイオーディオ:スマートフォン連携対応
新型ワゴンR カスタムZの価格設定
価格一覧
ワゴンRカスタムZ ZL(自然吸気エンジン)
- 5速MT/CVT
- FF:145万円
- 4WD:157万円
ワゴンRカスタムZ HYBRID ZX(マイルドハイブリッド)
- CVT
- FF:170万円
- 4WD:182万円
ワゴンRカスタムZ HYBRID ZT(ターボ・マイルドハイブリッド)
- CVT
- FF:185万円
- 4WD:197万円
前モデルとの価格比較
スタート価格の変化
- 従来モデル(ワゴンR FX):129.5万円(FF・MT)
- 新型モデル(カスタムZ ZL):145万円(FF・MT/CVT)
- 価格差:約15.5万円のアップ
価格上昇の主な理由は以下の通りです。
- モデルグレードの上位化:標準モデルからカスタムモデルへ
- 安全装備の充実:新世代DSBSII、低速時ブレーキサポートなど
- 快適装備の標準化:オートエアコン、シートヒーターなど全車標準
- 質感の向上:内外装の質感向上、新デザインフロントグリル
ライバル車との価格比較
ダイハツ・ムーヴ カスタム
- カスタムX:約150万円~
- カスタムRS:約165万円~
ホンダ・N-WGN カスタム
- カスタムL:約160万円~
- カスタムターボ:約180万円~
ワゴンRカスタムZは、ライバル車と同等~やや低めの価格設定となっており、コストパフォーマンスの高さが魅力です。
パワートレインと燃費性能
エンジンラインナップ
1. 自然吸気エンジン(R06D型)
- 排気量:直列3気筒660cc
- 最高出力:49ps/6,500rpm
- 最大トルク:5.9kgm/5,000rpm
- トランスミッション:5速MT/CVT
- 特徴:軽量で扱いやすく、実用十分なパワー
2. 自然吸気+マイルドハイブリッド
- ベースエンジン:直列3気筒660cc(49ps/5.9kgm)
- モーター出力:2.6ps/4.1kgm
- トランスミッション:CVT
- 特徴:発進時のモーターアシストで力強い加速
3. ターボ+マイルドハイブリッド
- ベースエンジン:直列3気筒660ccターボ(64ps/10.0kgm)
- モーター出力:3.1ps/5.1kgm
- トランスミッション:CVT
- 特徴:高速道路でも余裕の走り、坂道もスムーズ
燃費性能(WLTCモード)
自然吸気エンジン
- CVT:24.4km/L(FF)
- 5速MT:24.8km/L(FF)
マイルドハイブリッド
- CVT:25.2km/L(FF)
ターボ・マイルドハイブリッド
- CVT:22.5km/L(FF)
マイルドハイブリッドシステムにより、クラストップレベルの低燃費を実現。特に5速MT車は25km/L近い優れた燃費性能を誇ります。
内装(インテリア)の魅力
広々とした室内空間
ワゴンRの最大の魅力である広い室内空間は新型でも健在です。
- 前後席間距離:ゆとりの足元スペース
- ヘッドクリアランス:天井が高く開放的
- シートアレンジ:リアシートスライド機能で自由な空間設計
最新インフォテインメント
7インチディスプレイオーディオ
- スマートフォン連携(Apple CarPlay/Android Auto対応)
- Bluetooth接続
- USB端子(Type-A/Type-C)
スズキコネクト対応
- SOSボタン・自動緊急通報
- スマホでエアコン操作・ドアロック
- 車両位置確認
- セキュリティアラーム通知
便利な収納スペース
- インパネトレー
- カップホルダー(前席・後席)
- ドアポケット(ボトルホルダー付)
- グローブボックス
- シートバックポケット
ボディサイズと取り回し
ボディサイズ
- 全長:3,395mm
- 全幅:1,475mm
- 全高:1,650mm
- ホイールベース:2,460mm
- 最小回転半径:4.4m
取り回しの良さ
軽自動車規格を最大限活用しながらも、最小回転半径4.4mと小回りが効くため、狭い道や駐車場でも扱いやすいのが特徴です。
新型ワゴンR発売日と今後の展開
発売時期
2025年12月発売予定
予約開始時期
発売の約1~2ヶ月前、2025年10月頃から予約受付開始が予想されます。
OEMモデルの展開
マツダ向けOEMモデル「フレア」も同時期に改良される見込みです。
ワゴンRとワゴンRスマイルの違い
スズキの軽トールワゴンには「ワゴンR」と「ワゴンRスマイル」の2系統があります。
ワゴンR(本モデル)
- ドア形式:ヒンジドア
- 全高:1,650mm
- キャラクター:走りと燃費を重視、軽快な走行性能
ワゴンRスマイル
- ドア形式:スライドドア
- 全高:1,695mm
- キャラクター:乗降性と積載性を重視、ファミリー向け
用途に応じて選べる2つのワゴンRシリーズが、幅広いニーズに対応します。
よくある質問(FAQ)
Q1. なぜ標準モデルとスティングレーが廃止されたのですか?
A. 生産効率の向上とブランド戦略の見直しのためです。人気の高いカスタムZに集約することで、商品力を高め、価格競争力を維持する狙いがあります。
Q2. カスタムZに統一されて価格は上がりますか?
A. スタート価格は約15万円上昇しますが、安全装備や快適装備が大幅に充実しており、内容を考えると妥当な価格設定です。
Q3. マニュアル車はありますか?
A. はい、カスタムZ ZLグレードに5速MT車が設定されます。FF・4WD両方で選択可能です。
Q4. 納期はどのくらいですか?
A. 正式発表前のため未定ですが、通常1~3ヶ月程度が目安です。人気グレード・カラーは納期が延びる可能性があります。
Q5. 下取りや値引きはありますか?
A. 発売直後は値引きが渋い傾向にありますが、旧型ワゴンRからの乗り換えには下取りキャンペーンが実施される可能性があります。
まとめ|新型ワゴンRはカスタムZ統一で魅力アップ
2025年12月に発売される新型スズキ・ワゴンRは、ラインナップを「カスタムZ」に統一する大胆な戦略転換を実施します。
新型ワゴンRのポイント
✓ カスタムZの1モデルに統一(標準・スティングレー廃止)
✓ 5速MT車をカスタムZに新設定
✓ 新世代安全装備「DSBSII」採用で安全性大幅向上
✓ 低速時ブレーキサポートなど実用的な機能を追加
✓ フロントグリル新デザインで質感向上
✓ スタート価格145万円(FF)から
標準モデルやスティングレーが好きだったユーザーには残念なニュースですが、カスタムZの質感の高さと充実した装備は大きな魅力です。軽自動車トップクラスの燃費性能と安全装備を備えた新型ワゴンRは、コストパフォーマンスに優れた実用的な選択肢となるでしょう。
発売まで続報が入り次第、随時情報を更新していきますのでお楽しみに。

