マツダのコンパクトSUV「CX-3」が2026年にフルモデルチェンジを迎える可能性が高まっています。現行モデルは2015年の発売から11年が経過し、生産拠点もタイへ移管されています。新型CX-3を待つべきか、それとも現行モデルを購入すべきか──本記事では最新情報をもとに、購入を検討されている方へ詳しく解説します。
CX-3フルモデルチェンジの最新情報
発売時期:2026年後半が濃厚

マツダが2025年3月に開催した「マルチソリューション説明会2025」で公表された電動化ロードマップによると、「タイ生産の小型SUV」として新型CX-3の導入が示唆されています。
複数の情報源によれば、2026年後半が有力な発売時期とされており、現行モデルは2025年に最後の年次改良を行った後、2026年2月をめどに生産終了する見込みです。
生産体制:タイ生産による逆輸入モデル
現行CX-3は2022年6月に生産拠点を山口県防府工場からタイへ移管しており、新型モデルも引き続きタイからの輸入車となる見通しです。これは、ASEAN市場を重視するマツダの戦略と、コスト競争力の確保が背景にあると考えられます。
新型CX-3のデザインと外観
新世代デザインの採用で一新

新型CX-3のエクステリアデザインは、現行モデルから大きく変更され、上位モデルのCX-60や次期CX-5と共通する最新のデザイン言語が採用される見込みです。

主なデザイン変更点:
- クーペSUVスタイル:リアウィンドウを傾斜させ、スポーティなシルエットを実現
- 流麗なボディライン:マツダの「魂動-Soul of Motion」デザインをさらに進化させた、より滑らかな造形
- 力強いアクセント:車体下部に専用ガードを配置し、SUVらしい力強さを表現
- 上質な印象:CX-30との差別化を図りながら、より洗練されたスタイリングへ
現行モデルがコンパクトハッチバックベースのクロスオーバーであったのに対し、新型は本格SUVとしての存在感が強化されます。
ボディサイズと室内空間
サイズ拡大で快適性向上
新型CX-3は、現行モデルよりもボディサイズが拡大される見通しです。
予想ボディサイズ:
- 全長×全幅×全高:約4,310×1,765×1,540mm
- ホイールベース:約2,600mm
参考:現行モデル
- 全長×全幅×全高:4,275×1,765×1,550mm
- ホイールベース:2,570mm
全長で約35mm、ホイールベースで約30mmの拡大により、特に後席の居住性とラゲッジスペースが改善されます。
新世代プラットフォーム採用
SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREと呼ばれる新世代車両構造技術を採用することで、高い剛性と優れた乗り心地を両立。より上質なドライブフィールが期待できます。
内装・インテリアの進化
質感と先進性の大幅向上

新型CX-3の内装は、最新技術と高品質素材を融合させた上質な仕上がりとなる見込みです。
主な内装の特徴:
- デジタルメーター採用:多彩な車両情報をわかりやすく表示する最新デジタルメーター
- タッチ対応インフォテインメント:操作性に優れた新世代コネクティビティシステム
- Android Auto/Apple CarPlay対応:スマートフォン連携機能の標準装備
- ミニマルデザイン:操作ボタンを減らし、すっきりとした軽快な印象
- 上質な素材:質感の高いトリムとシート素材の採用
室内空間の拡大により、後席からラゲッジスペースまで、より快適で実用的な空間が実現されます。
パワートレインと燃費性能
マイルドハイブリッドシステムを全車標準化
新型CX-3には、環境性能を高めた最新パワートレインが搭載されます。
予想パワートレインラインナップ:
1. SKYACTIV-G 1.5(ガソリン+マイルドハイブリッド)
- エンジン:直列3気筒1.5Lガソリン
- エンジン出力:約111ps/14.7kgm
- モーター出力:約6.5ps/6.2kgm
- 予想燃費:約21km/L(WLTC)
2. SKYACTIV-D 1.5(ディーゼル+マイルドハイブリッド)
- エンジン:直列3気筒1.5Lディーゼルターボ
- エンジン出力:約105ps/25.5kgm
- モーター出力:約6.5ps/6.2kgm
- 予想燃費:約26km/L(WLTC)
3. SKYACTIV-X 1.5(上級グレード)
- エンジン:直列3気筒1.5L SKYACTIV-X
- エンジン出力:約145ps/18.5kgm
- モーター出力:約6.5ps/6.2kgm
- 予想燃費:約23km/L(WLTC)
トランスミッション:6速ATまたは6速MT
駆動方式:FFまたは4WD
注目のロータリーPHEVモデル設定の可能性
最も注目されるのが、**ロータリーエンジンを発電機として使用するプラグインハイブリッド「Rotary-EV」**の設定です。
Rotary-EVのスペック(予想):
- システム:電気モーター+830ccロータリーエンジン(発電専用)
- エンジン出力:約72ps/11.4kgm
- モーター出力:約180ps/28.0kgm
- システム合計出力:約170ps/26.5kgm
- バッテリー容量:17.8kWh
- EV航続距離:約107-110km
- 充電時間:
- 普通充電:約1時間40分
- 急速充電:約25分(20%→80%)
- 総航続距離:約640km(ガソリン併用時)
このロータリーPHEVは、MX-30で採用された「e-SKYACTIV R-EV」技術を踏襲するもので、コンパクトなロータリーエンジンの特性を活かし、モータールームに効率的にパッケージングされます。
日常はEVとして使用し、長距離ドライブ時はロータリーエンジンで発電しながら走行できるため、充電インフラの不安なく電動化のメリットを享受できます。
燃費性能の大幅改善
現行CX-3のディーゼルモデルが23.2km/L(FF)であるのに対し、新型ではマイルドハイブリッドシステムの採用により約26km/Lまで向上する見込みです。ガソリンモデルも現行の17.0km/Lから約21km/Lへの改善が期待されます。
先進安全装備「i-ACTIVSENSE」
最新の予防安全技術を搭載
新型CX-3には、マツダの先進安全技術パッケージ**「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」**の最新版が搭載されます。
主な安全装備:
- アドバンストSCBS(夜間歩行者検知機能付):夜間の歩行者認識精度を向上
- 渋滞支援機能(TJA):アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御
- 前方交差交通警報(FCTA):交差点での危険を事前に警告
- 後方交差交通警報(RCTA):バック時の安全性を向上
- ブラインドスポットモニタリング(BSM):後側方車両を検知
- 交通標識認識システム(TSR):速度制限などの標識を認識
- 車線維持支援システム(LAS/LDWS):車線逸脱を防止
- アダプティブLEDヘッドライト(ALH):夜間視認性を最適化
- ドライバーモニタリング(DM):ドライバーの状態を監視
上位モデルに匹敵する充実した安全装備により、クラストップレベルの安全性能を実現します。
価格帯予想
現行モデルから値上げも装備は充実
新型CX-3の予想価格帯は以下の通りです。
予想価格:
- ガソリンモデル:約240万円~280万円
- ディーゼルモデル:約280万円~320万円
- SKYACTIV-Xモデル:約320万円~360万円
- ロータリーPHEVモデル:約400万円~450万円
参考:現行モデルの価格(2024年)
- 1.5Lガソリン:227.9万円~295.0万円
- 1.8Lディーゼル:279.6万円~343.4万円
最新装備や電動化技術の採用により、現行モデルから一定の価格上昇は避けられませんが、装備内容を考慮すれば妥当な価格設定と言えるでしょう。
特にロータリーPHEVモデルは、最上級グレードとして約450万円程度になる見込みですが、補助金の適用により実質価格は抑えられる可能性があります。
現行CX-3の販売状況と今後
販売台数は低迷傾向
現行CX-3の販売状況を見ると、厳しい状況が続いています。
2024年の販売実績:
- 年間販売台数:8,045台
- 月平均:約670台
- ピーク月(2月):1,418台
- 最少月(1月):143台
同じマツダのSUVラインナップと比較すると、CX-5(約9,997台/半年)やCX-30(約5,529台/半年)を大きく下回っており、コンパクトSUV市場における苦戦が明らかです。
生産終了時期は2026年2月予定
複数の販売店関係者の情報によれば、現行CX-3は2025年に最後の年次改良を実施した後、2026年2月をめどに生産終了となる見込みです。
競合車種との比較
コンパクトSUV市場の激戦区
新型CX-3が投入されるコンパクトSUV市場は、国内外の魅力的なモデルがひしめく激戦区です。
主な競合車種:
- トヨタ ヤリスクロス:価格189万円~、ハイブリッド設定あり
- ホンダ ヴェゼル:価格239万円~、e:HEV搭載
- 日産 キックス:価格299万円~、e-POWER専用
- スバル クロストレック:価格266万円~、AWD標準
これらの競合に対し、新型CX-3はロータリーPHEVという独自の電動化技術と、マツダらしい上質な走りと質感で差別化を図ることになります。
新型CX-3を待つべき?購入タイミングの判断基準
待つべきケース
以下に当てはまる方は新型を待つことをおすすめします:
- 最新技術を重視:ロータリーPHEVや最新の安全装備に魅力を感じる
- スタイリング重視:現行モデルのデザインに満足していない
- 燃費性能重視:マイルドハイブリッドによる燃費向上に期待
- 急がない購入計画:2026年後半~2027年まで待てる余裕がある
- 電動化への関心:EVやPHEVに興味があり、充電環境が整っている
現行モデル購入を検討すべきケース
以下に当てはまる方は現行モデルの購入も選択肢です:
- 早期納車希望:すぐにクルマが必要
- 価格重視:生産終了前のお得な条件を狙える可能性
- シンプル志向:複雑な電動化技術よりシンプルなパワートレインを好む
- 実績重視:10年間の販売実績がある現行モデルの信頼性を評価
- 値引き交渉:在庫処分期の値引きに期待できる
購入タイミングの具体的アドバイス
2025年中の購入を検討する場合:
- 2025年の年次改良後モデルが狙い目
- 生産終了が近づくと在庫処分による値引きの可能性
- ただし人気グレード・カラーは早期完売の恐れも
新型を待つ場合:
- 2026年後半の発売を想定し、2026年春頃から情報収集開始
- 発売直後は納期が長期化する可能性を考慮
- 初期ロットを避けたい場合は2027年以降も選択肢
よくある質問(FAQ)
Q1: 新型CX-3の発売日はいつですか?
A: 正式発表はまだですが、2026年後半が有力とされています。マツダの電動化ロードマップでは2026年に「タイ生産の小型SUV」の導入が示唆されています。
Q2: ロータリーPHEVは本当に搭載されますか?
A: MX-30で実績のあるロータリーPHEV技術の搭載が期待されていますが、まだ確定情報ではありません。ただし複数の情報源で言及されており、実現可能性は高いと考えられます。
Q3: 現行モデルはいつまで買えますか?
A: 2026年2月頃に生産終了予定と報じられています。2025年中であれば購入可能ですが、人気グレードは早期に完売する可能性があります。
Q4: 新型と現行モデルで大きく変わる点は?
A: デザインの一新、ボディサイズの拡大、マイルドハイブリッドの標準化、ロータリーPHEVの設定、最新安全装備の搭載などが主な変更点です。
Q5: 価格はどのくらい上がりますか?
A: 現行モデルから20~50万円程度の値上げが予想されます。特にロータリーPHEVモデルは450万円前後と大幅な価格上昇が見込まれますが、補助金適用で実質負担は軽減される可能性があります。
Q6: タイ生産で品質は大丈夫ですか?
A: 現行CX-3も2022年からタイ生産ですが、マツダの品質基準は世界共通です。タイ工場はASEAN市場向けの重要拠点であり、品質面での心配は不要と考えられます。
まとめ:新型CX-3の購入判断
マツダCX-3の新型モデルは、2026年後半に約11年ぶりのフルモデルチェンジを迎える見込みです。新世代デザイン、電動化技術、先進安全装備など、現行モデルから大幅な進化が期待されます。
新型を待つべき方:
- 最新技術とデザインを求める
- ロータリーPHEVに魅力を感じる
- 2026年後半まで待てる
現行モデルを検討すべき方:
- 早期納車が必要
- シンプルなパワートレインを好む
- お得な条件での購入を狙いたい
いずれにしても、マツダの公式発表を待ちながら、ご自身のニーズと予算に合わせて判断することをおすすめします。新型CX-3は、コンパクトSUV市場に新たな選択肢を提供する魅力的なモデルになることが期待されます。
最新情報は随時更新されますので、マツダ公式サイトや販売店での情報収集も併せて行うことをおすすめします。

