レクサスの人気コンパクトSUV「NX」が、2026年に大規模なマイナーチェンジを実施する見込みです。2021年11月のフルモデルチェンジから約5年となる2026年7月頃に、次世代技術を搭載した新型モデルが登場すると予想されています。

2026年にレクサスNXが大幅改良へ
通常、レクサスでは発売から3年で年次改良、2年後にマイナーチェンジ、さらに2年後に再度マイナーチェンジを行い、トータル7年でフルモデルチェンジというサイクルが一般的です。しかし、NXは2023年3月と2024年2月に年次改良を行ったものの、2025年のマイナーチェンジは見送られました。この異例の長期改良保留は、2026年の大規模改良に向けた準備期間と考えられます。
2026年モデルの注目ポイント
1. 次世代OS「Arene OS」の搭載

レクサスNX 2026年モデルの最大の目玉は、次世代車載OS「Arene OS」の採用です。このOSは、ESやRZ、新型RXなどの上級モデルにすでに導入されており、NXにも搭載されることで、より直感的な操作性と高度な車両制御が実現します。
Arene OSは、OTA(Over-The-Air)アップデート機能により、購入後も継続的に機能追加やソフトウェア更新が可能です。これにより、NXは「進化し続けるクルマ」として、常に最新の技術を享受できます。
2. Lexus Safety System+ 4.0へのアップグレード

安全性能も大幅に向上します。2026年モデルではLexus Safety System+ 4.0が搭載される見込みです。これにより、以下の機能が強化されます:
- より精度の高い衝突回避支援
- 歩行者・自転車検知性能の向上
- AHS(アダプティブハイビームシステム)とAHB(オートマチックハイビーム)の改良
- e-Latchシステムの採用による後方安全確認
3. 先進の走行支援システム
Lexus Teammateも進化し、特にAdvanced Drive機能が0km/hから40km/hまでの速度域で作動するようになります。これにより、渋滞時や低速走行時の運転負荷が大幅に軽減されます。
さらに、以下の先進機能も追加される可能性があります:
- Dynamic Rear Steering(DRS):後輪操舵システムによる優れた取り回し性能
- Sensory Concierge:ドライバーの状態を検知し、快適性を最適化するシステム
4. 新デザインのディスプレイシステム

現行モデルのタッチスクリーンから、RXに採用されている14インチの大型ディスプレイへと変更される可能性があります。これまでのNXは12.3インチディスプレイを採用していましたが、さらなる視認性と操作性の向上が期待されます。
ディスプレイシステムには、64色のアンビエントライト、Apple CarPlay・Android Autoの最新バージョン、Hey Lexus!音声認識機能なども搭載されています。
エクステリア・デザインの変更点
2026年モデルでは、LEDヘッドライト・テールランプのデザイン刷新が予想されます。レクサス共通の新しいデザイン言語「Le-L」が採用され、より洗練された外観となるでしょう。

また、F SPORTグレードには専用の20インチホイールやTRD製カスタマイズパーツの展開も期待されます。
2024年2月に追加された**OVERTRAIL(オーバートレイル)**グレードは継続され、オフロード志向のユーザーに向けた選択肢として引き続き提供される見込みです。OVERTRAILは、専用の18インチオールテレーンタイヤ(235/60R18)、15mm高い最低地上高、L-Tex素材のシート、AWD専用設定が特徴です。
パワートレインのラインナップ
2026年モデルでは、NX250(2.5L NAエンジン)が廃止される見込みです。これにより、以下の3つのパワートレインに集約されます:
NX350h(2.5Lハイブリッド)

- エンジン:2.5L直列4気筒DOHC
- エンジン出力:190ps/24.8kgm
- モーター出力:182ps/27.5kgm(フロント)+ 54ps/12.3kgm(リア/E-Four)
- 燃費(WLTC):FF 22.2km/L、AWD(E-Four)21.6km/L
- 駆動方式:FF/AWD
最もバランスの取れた選択肢で、優れた燃費性能と日常使いに十分なパフォーマンスを両立しています。
NX350(2.4Lターボ)

- エンジン:2.4L直列4気筒ターボ
- 最高出力:279ps/43.8kgm
- トランスミッション:Direct Shift 8速AT
- 燃費(WLTC):AWD 12.2km/L
- 駆動方式:AWD
スポーティな走りを求めるユーザー向けのモデル。力強い加速性能が魅力ですが、燃費面ではハイブリッドに劣ります。
NX450h+(2.5Lプラグインハイブリッド)

- エンジン:2.5L直列4気筒DOHC
- システム最高出力:305ps
- バッテリー容量:18.1kWh
- EV走行距離:最大90km
- 燃費(WLTC):19.8km/L(HVモード)
- 駆動方式:AWD(E-Four)
NXシリーズの最上位パワートレイン。日常の通勤・買い物はEVモードで、長距離ドライブはハイブリッドモードで対応できる「いいとこ取り」のシステムです。AUTO EV/HVモードでは、走行状況に応じて自動的にEVとHVを切り替えます。
Tazuna Conceptによる直感的操作

NXは「Tazuna Concept(手綱コンセプト)」を採用しています。これは、ドライバーがステアリングから手を離すことなく、必要な操作を直感的に行えるように設計されたインターフェースです。
12.3インチのタッチディスプレイと、ステアリング上のスイッチ、ヘッドアップディスプレイが連携し、視線移動を最小限に抑えた安全な運転環境を実現します。
プラットフォームと走行性能

NXは、トヨタの最新プラットフォームGA-K(TNGA)を採用しています。このプラットフォームは、高い剛性と低重心化により、優れた操縦安定性と快適な乗り心地を両立しています。
F SPORTグレードには、**AVS(アダプティブバリアブルサスペンション)**が装備され、走行状況に応じて減衰力を自動調整します。
ボディサイズと室内空間
ボディサイズ

- 全長:4,660mm
- 全幅:1,865mm
- 全高:1,660mm(OVERTRAILは1,675mm)
- ホイールベース:2,690mm
- タイヤサイズ:235/60R18 または 235/50R20
現行UXよりも大きく、RXよりもコンパクトなサイズで、日本の道路事情にマッチした扱いやすいボディです。
ラゲッジスペース
- 通常時:520L
- VDA方式:1,411L
クラストップレベルの積載性能で、日常使いから週末のレジャーまで幅広く対応できます。
グレード構成と価格予想
2026年モデルのグレード構成は以下の通りと予想されます:
NX350h(ハイブリッド)
- 標準グレード:約550万円〜
- version L:約640万円〜
- F SPORT:約640万円〜
- OVERTRAIL:約690万円〜
NX350(ターボ)
- F SPORT:約630万円〜
- OVERTRAIL:約650万円〜
NX450h+(プラグインハイブリッド)
- version L:約750万円〜
- F SPORT:約760万円〜
- OVERTRAIL:約770万円〜
NX250の廃止により、エントリー価格は約550万円からとなり、現行モデルよりも若干高くなる見込みです。
各グレードの特徴
version L(最上級グレード)
- 本革シート(セミアニリン本革)
- 18ウェイパワーシート
- プレミアムサウンドシステム
- パノラマムーンルーフ(オプション)
快適性と上質さを追求したグレード。NX350hとNX450h+に設定されます。
F SPORT(スポーツグレード)
- 専用メッシュグリル
- F SPORT専用サスペンション
- AVS(アダプティブバリアブルサスペンション)
- スポーツシート
- アルミペダル
走りを楽しみたいユーザー向けのグレード。全パワートレインに設定されます。
OVERTRAIL(アウトドアグレード)

- 専用エクステリアデザイン
- オールテレーンタイヤ(235/60R18)
- 最低地上高+15mm
- L-Texシート(合成皮革)
- AWD専用設定
アウトドアやウィンタースポーツを楽しむユーザー向けのグレード。SUVらしいタフな印象が特徴です。
標準グレード
- L-Texシート
- 標準装備でも十分な機能性
コストパフォーマンスを重視するユーザー向け。NX350hにのみ設定されます。
発売時期と購入タイミング
予想される発売スケジュール
- 情報公開:2026年6月頃
- 予約開始:2026年6月〜7月
- 発売:2026年7月頃
現行モデルは2021年発売で、通常のサイクルでは2027〜2028年にフルモデルチェンジが予定されています。2026年のビッグマイナーチェンジは、その中間地点での大規模改良となります。
今買うべき?待つべき?
待つべき人:
- 最新の車載OSや先進技術を体験したい
- より洗練されたデザインを求めている
- Always-on機能など最先端の装備が欲しい
- NX250以外のパワートレインを検討している
今買っても良い人:
- 早く車が必要
- 現行モデルのデザインが気に入っている
- 2026年モデルの価格上昇を避けたい
- 値引き交渉ができる現行モデルを狙いたい
現行モデルは成熟したモデルで、品質や信頼性は確立されています。一方、2026年モデルは次世代技術を搭載した魅力的な改良が予想されますが、初期ロットのリスクや価格上昇も考慮する必要があります。
レクサスNXの競合車種
国産ライバル
- マツダ CX-60:直6エンジンやPHEVを搭載、FRベースの走り
- トヨタ ハリアー:NXのベース車的存在、コスパに優れる
輸入車ライバル
- BMW X3:スポーティな走りと高級感
- メルセデス・ベンツ GLC:上質な内装と快適性
- アウディ Q5:先進技術と洗練されたデザイン
- ボルボ XC60:安全性能と北欧デザイン
NXは、輸入車に負けない上質さを持ちながら、レクサスブランドの信頼性と充実したアフターサービスが強みです。
レクサスの電動化戦略とNXの未来
トヨタ/レクサスは、2035年までにBEV(バッテリー電気自動車)の販売比率を100%にする目標を掲げていました。しかし、市場環境の変化により、この方針は柔軟に見直される可能性があります。
NXは当面、HEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド)を中心としたラインナップを継続する見込みです。完全なBEV版NXの登場は、フルモデルチェンジのタイミング(2027〜2028年)以降と予想されます。
ただし、レクサス初の本格BEV「RZ」の販売状況や、充電インフラの整備状況、バッテリー技術の進化によって、戦略は変更される可能性があります。
まとめ:2026年レクサスNXは「待つ価値あり」
2026年のレクサスNXビッグマイナーチェンジは、単なる改良ではなく、次世代技術を搭載した大規模な進化となる見込みです。
主な進化ポイント:
- 次世代OS「Arene OS」による高度な車両制御とOTA更新
- Lexus Safety System+ 4.0による安全性能の向上
- Lexus Teammate Advanced Driveの低速域対応
- 新デザインのLEDライトとLe-Lデザイン言語
- NX250廃止による洗練されたラインナップ
現在NXの購入を検討している方は、2026年7月頃の発売まで約半年〜1年の待機期間がありますが、次世代技術を体験したいなら待つ価値は十分にあるでしょう。
一方、すぐに車が必要な方や、現行モデルのデザインが気に入っている方は、成熟した現行モデルを選ぶのも賢明な判断です。値引き交渉もしやすくなっているため、コストパフォーマンスを重視するなら現行モデルも魅力的です。
レクサスNXは、日本市場において最も成功しているレクサス車の一つです。2026年のビッグマイナーチェンジにより、さらに魅力的なSUVへと進化することは間違いありません。
公式情報:レクサスNX公式サイト
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