日産自動車は2025年12月17日、2026年1月9日~11日に開催される「東京オートサロン2026」において、フェアレディZ NISMO 6速マニュアルトランスミッション(MT)モデルを世界初公開すると発表しました。これまでNISMOグレードは9速ATのみの設定でしたが、多くのファンから要望されていた6速MTがついに追加されることになります。
フェアレディZ NISMOに待望の6速MT登場

2026年夏の発売を予定しているマイナーチェンジモデルでは、NISMOの6速MT追加に加え、基準車のデザイン変更や空力性能の向上など、さらなる進化を遂げています。本記事では、フェアレディZ NISMO 6MTの詳細スペック、装備内容、価格情報、そして購入を検討している方に役立つ情報を網羅的に解説します。
フェアレディZ NISMO 6MTとは|ハイパフォーマンスモデルの魅力
NISMOブランドの系譜
フェアレディZ NISMOは、日産のモータースポーツ部門であるNISMOが手がける最高峰のパフォーマンスモデルです。2023年8月に現行RZ34型フェアレディZのラインナップに追加されて以来、純粋なスポーツカーファンから高い評価を得てきました。
6速MT追加の意義

これまでNISMOグレードは9速ATのみの設定でしたが、ドライビングの歓びをより直接的に味わいたいというユーザーの声に応え、6速MTが新たに設定されることになりました。マニュアルトランスミッションの追加により、ドライバーがマシンをコントロールする歓びをより強く感じられる仕様となります。
420馬力を誇るV型6気筒3リッターツインターボエンジンと6速MTの組み合わせは、まさに走りの純粋主義者のための選択肢と言えるでしょう。

2026年モデルの変更点|マイナーチェンジの詳細
エクステリアの変更点
2026年モデルのフェアレディZでは、以下のような変更が施されています。

フロントエンブレムの変更
最も注目すべき変更点は、フロントノーズのエンブレムです。これまで採用されていた「NISSAN」エンブレムから、「Z」エンブレムへと変更されます。この変更により、フェアレディZらしさがより強調され、ブランドアイデンティティが向上しています。
空力性能の追求
フロントバンパーの形状を一部変更することで、空力性能を向上させています。最新の法規にも対応しながら、デザイン性と機能性の両立を実現しています。
インテリアの変更点
自動防眩ルームミラーの標準装備
2026年モデルでは、これまで手動式だった防眩ルームミラーが自動防眩タイプにアップグレードされます。夜間走行時の快適性が大幅に向上する装備です。
6速MTシフトの配置
NISMOグレードの6速MT仕様では、センターコンソールに専用の6速MTシフトレバーが配置されます。シンクロレブマッチング機能のスイッチ配置も最適化され、より直感的な操作が可能になっています。
RECAROシートとスポーツインテリア
NISMO専用チューニングのRECARO製スポーツシートを採用。アルカンターラとレザーを組み合わせたインテリアトリムに、ボディカラーに合わせたステッチを施すことで、スポーティーな室内空間を演出しています。
パワートレインとスペック|420馬力のツインターボエンジン
エンジンスペック
V型6気筒3リッターツインターボ「VR30」
- 最高出力:420PS
- 最大トルク:53.0kgm
- トランスミッション:6速MT(新設定)または9速AT
フェアレディZ NISMOに搭載されるVR30型エンジンは、標準モデルの405馬力から420馬力へとパワーアップされています。専用チューニングにより、最大トルクも53.0kgmを発揮します。
トランスミッション
6速マニュアルトランスミッション
新設計のシンクロナイザーシステムを採用し、シフトプロファイルを変更することで、ドライバーの意のままのスムーズなシフトチェンジを実現。シンクロレブマッチング機能により、ヒール&トゥが不要で正確なシフトダウンが可能です。
9速オートマチックトランスミッション
改良により、シフトダウン時間を約50%短縮。サーキット向けに調整されたシフトプログラムを備えた「スポーツ+」ドライブモードも採用されています。
走行性能
専用サスペンションセッティング
- 専用セッティングのスタビライザー
- バネレート、ダンパーのチューニング
- フロント、リア、リアアンダーフロアのブレース追加
- サスペンションブッシュ、ステアリングラックブッシュの強化
ブレーキシステム
- フロント:381mm大径ローター
- リア:350mm大径ローター
- レッドブレーキキャリパー
ホイール&タイヤ
- 19インチRays製ホイール(グロスブラック仕上げ、軽量化)
- フロント:255/40R19
- リア:285/35R19(標準モデルから10mm幅拡大)
特別仕様車|フェアレディZ ヘリテージエディション
2026年モデルでは、新たな特別仕様車「フェアレディZ ヘリテージエディション(Heritage Edition)」も設定されます。
デザインコンセプト
Z32型フェアレディZ(4代目)をモチーフとしたデザインが特徴です。
エクステリア装備
- ブロンズカラーのRAYS製19インチホイール
- ボディサイドのブロンズカラー"TWIN TURBO"デカール
- カーボン製リアスポイラーに"TWIN TURBO"バッヂ
インテリア装備
- 専用ドアキックプレート
- 専用フロアマット
ヘリテージエディションは、1990年代のスポーツカーブームを象徴するZ32型へのオマージュであり、往年のファンにとって魅力的な選択肢となるでしょう。
価格とグレード展開|2026年モデルの価格情報
予想価格(税込)
フェアレディZ NISMO
- 6速MT:930万2,700円(予想)
- 9速AT:930万2,700円(予想)
標準グレード
- ベースモデル(6速MT/9速AT):549万7,800円
- Version S(6速MT):634万7,000円
- Version T(9速AT):595万9,800円
- Version ST(6速MT/9速AT):675万9,500円
※2026年モデルでは、原材料費や物流費の高騰により、各グレードで約20万円の価格改定が予想されます。

ボディカラー|多彩なカラーバリエーション
2024年11月の改良で追加された新色も含め、多彩なボディカラーが用意されています。
新色(2024年11月追加)
- ワンガンブルー
- ミッドナイトパープル
- バイブラントレッド/スーパーブラック 2トーン
- ブリリアントホワイトパール/スーパーブラック 2トーン
NISMOモデルでは、専用カラーやツートンカラーの設定により、よりスポーティな外観を演出できます。
燃費性能|環境性能との両立
燃費値(WLTCモード)
標準モデル
- 3リッターターボ 9速AT:10.2km/L
- 3リッターターボ 6速MT:9.5km/L
NISMOモデル
- 9速AT:約10km/L前後(予想)
- 6速MT:約9km/L前後(予想)
420馬力のハイパワーを誇りながらも、前モデル(Z34型)の3.7リッター自然吸気エンジンと比較して燃費性能が向上しています。9速ATでは二桁燃費を実現し、環境性能とパフォーマンスの両立を果たしています。
ボディサイズとスペック|ロングノーズ・ショートデッキ
主要諸元
ボディサイズ
- 全長×全幅×全高:4,380mm×1,845mm×1,315mm
- ホイールベース:2,550mm
- 車両重量:約1,570kg(グレードにより異なる)
NISMOモデルの特徴
- 過去の「フェアレディ240ZG」からインスピレーションを得た「Gノーズ」
- 専用のスプリッター、カナード装備のフロントバンパー
- 大型サイドスカート
- リアフェンダーまで拡大されたリップスポイラー
- 専用リアバンパー
前モデル(Z34型)から全長を130mm延長することで、より伸びやかなデザインを実現。初代フェアレディZ(S30型)から続く特徴的なロングノーズ・ショートデッキのプロポーションを継承しています。
フェアレディZの歴史|50年以上続く伝統
初代S30型(1969年~)
1969年に登場した初代フェアレディZは、流麗なボディラインと高性能エンジンを搭載しながら、ヨーロッパ製高級スポーツカーと比較して低価格であったことから、世界中で人気を博しました。海外では「Z-car(ズィーカー)」の愛称で親しまれています。
歴代モデルの進化
- 2代目S130型:初代の成功を受け継ぎ、さらなる進化
- 3代目Z31型:V型6気筒エンジン「VG型」を初採用
- 4代目Z32型:1990年代のスポーツカーブームを象徴する名車
- 5代目Z33型:21世紀に復活したZ
- 6代目Z34型:3.7リッター自然吸気エンジン搭載
- 7代目RZ34型:現行モデル、ツインターボエンジン搭載
現行RZ34型の意義
2022年8月に日本市場に投入された現行RZ34型は、歴代のデザインDNAを継承しながら、最新技術を融合させたモデルです。初代S30型を彷彿とさせるフロントデザイン、Z32型をイメージしたリアテールランプなど、過去の名車へのオマージュが随所に散りばめられています。
競合車種との比較|スポーツカー市場での位置づけ
主な競合モデル
トヨタ スープラ
- 直列6気筒3リッターターボ:387馬力
- 8速AT/6速MT
- 価格帯:約500万円~740万円
ポルシェ 718ケイマン
- 水平対向4気筒2リッターターボ:300馬力
- 7速PDK/6速MT
- 価格帯:約860万円~
フェアレディZ NISMOは、420馬力のパワーと日本車ならではのコストパフォーマンスで、国内外の強豪スポーツカーと競合できる実力を備えています。
購入ガイド|フェアレディZ NISMO 6MTを手に入れるには
発売時期
2026年夏発売予定
購入方法
正規ディーラーでの購入
全国の日産販売店で取り扱い予定。人気モデルのため、早めの商談・予約をおすすめします。
注文時の注意点
- 6速MTと9速ATでは納期が異なる可能性があります
- カスタマイズオプションやアクセサリーの選択肢を事前に確認しましょう
- 試乗車の設定状況を確認し、可能であれば試乗してから決定しましょう
維持費の目安
年間維持費(概算)
- 自動車税:6万6,500円(総排気量3リッター超)
- 自動車保険:15万円~30万円(年齢・等級により変動)
- 車検費用:15万円~20万円(2年ごと)
- ガソリン代:実走行燃費8~9km/L程度として年間15万円~20万円(年間1万km走行の場合)
- メンテナンス費:5万円~10万円
SOSコールとインフォテインメントシステム
安全装備
2024年11月の改良により、SOSコールが全グレードに標準装備されました。緊急時に自動または手動でオペレーターに接続し、救急車や警察への通報をサポートします。
最新インフォテインメント
- 12.3インチフルデジタルメーターディスプレイ
- Amazon Alexa対応(2023年8月から)
- 専用3連メーター(ブースト計、ターボスピード計、電圧計)
- シフトアップインジケーター機能
カスタマイズとオプション
フェアレディZカスタマイズドエディション
往年のデザインを踏襲するディーラーオプションとして、「フェアレディZカスタマイズドエディション」が設定されています。
NISMOパフォーマンスパーツ
NISMOブランドから、さらなる性能向上を目指すアフターパーツが用意される予定です。
- エンジンチューニングパーツ
- サスペンションキット
- エアロパーツ
- マフラーシステム
よくある質問(FAQ)
Q1. NISMOモデルの6速MTと9速ATでは、どちらがおすすめですか?
A. ドライビングの歓びを最優先する方には6速MTがおすすめです。日常使いや快適性を重視する方には9速ATが適しています。
Q2. 標準モデルからNISMOへのカスタマイズは可能ですか?
A. エンジンチューニングや専用サスペンションなど、工場出荷時の専用装備が多いため、後からNISMO仕様にするのは現実的ではありません。
Q3. 6速MTモデルでもシンクロレブマッチング機能は使えますか?
A. はい、6速MT仕様にもシンクロレブマッチング機能が搭載されており、ON/OFFの切り替えが可能です。
Q4. ヘリテージエディションとNISMOの違いは?
A. ヘリテージエディションは往年のデザインを踏襲した特別仕様車で、NISMOは最高峰のパフォーマンスを追求したグレードです。
Q5. 納期はどのくらいかかりますか?
A. 2026年モデルの納期は、注文時期や仕様により異なりますが、人気モデルのため数ヶ月から半年程度を見込む必要があります。
まとめ|フェアレディZ NISMO 6MTの魅力
フェアレディZ NISMO 6MTは、日産が誇るスポーツカーの最高峰モデルです。420馬力のツインターボエンジンと待望の6速マニュアルトランスミッションの組み合わせは、純粋なドライビングの歓びを追求するドライバーにとって理想的な選択肢となるでしょう。
2026年モデルのマイナーチェンジでは、デザインの洗練、空力性能の向上、自動防眩ルームミラーの標準装備など、細部にわたる改良が施されています。さらに、ヘリテージエディションの追加により、多様なニーズに応えるラインナップとなっています。
50年以上続くフェアレディZの伝統を受け継ぎながら、最新技術を融合させた現行RZ34型。その最高峰に位置するNISMO 6MTモデルは、日本が世界に誇るスポーツカーとして、今後も多くのファンを魅了し続けることでしょう。
2026年夏の発売が待ち遠しい、フェアレディZ NISMO 6MT。東京オートサロン2026での世界初公開にもぜひ注目してください。

