2025年9月5日、ホンダの象徴的なスポーツクーペ「プレリュード」が24年ぶりに復活を果たしました。しかし、その価格設定は多くの自動車ファンを驚かせています。日本国内での価格は617万9,800円(税込)からとなり、同じく日本のスポーツカーである日産Zの549万7,800円を大きく上回る設定となっています。
価格比較:プレリュード vs 日産Z、興味深い燃費と馬力の違い
新型プレリュード(2025年モデル)
- 価格:617万9,800円〜(限定モデル「Honda ON Limited Edition」は648万円)
- パワートレイン:e:HEVハイブリッドシステム(2.0L+電気モーター)
- 出力:約200ps(推定)
- WLTCモード燃費:ハイブリッドによる優れた燃費効率 23.6km/L
日産Z(2025年モデル)
- 価格:539万8,800円〜(2025年10月から549万7,800円〜)
- パワートレイン:VR30DDTT 3.0L V6ツインターボ
- 出力:405ps/475Nm
- トランスミッション:6速MT/9速AT
- WLTCモード燃費:10.2km/L
注目すべきは馬力の差です。日産Zが405psを発揮するのに対し、プレリュードは約200psと、日産Zの約2倍の馬力差があります。これは、プレリュードがハイブリッド技術に重点を置いた設計であることを示しています。
プレリュードの価格が高い理由とは?
1. プレミアムポジショニング戦略
新型プレリュードは、シビックをベースとしながらも、より上質でスポーティなクーペとして位置づけられています。実際、シビック タイプRの499万7,300円を大きく上回る価格設定となっています。
2. 先進的なハイブリッド技術
e:HEVシステムは、2.0L直列4気筒エンジンに2つの電気モーターを組み合わせた先進的なハイブリッドシステムです。環境性能とドライビングプレジャーを両立させる技術への投資が価格に反映されています。
3. 豪華な標準装備
- 10.25インチデジタルメータークラスター
- 9インチインフォテインメントディスプレイ(Google Built-in搭載)
- BOSEプレミアムサウンドシステム(8スピーカー)
- レザー・スエードのコンビネーションシート
- デュアルゾーンオートエアコン
- シートヒーター
他の国産スポーツカーとの価格比較
GRスープラとの比較
トヨタ GRスープラ(4気筒モデル)の価格は499万5,000円から始まり、プレリュードよりも約118万円安価です。興味深いことに、GRスープラの4気筒ターボエンジンは255psを発揮し、プレリュードを上回るパワーを持ちながら、価格は抑えられています。
GR86との価格差
トヨタ GR86の最上級グレード「RZ "Yellow Limited"」でも389万7,000円(6MT)で、プレリュードとの価格差は約228万円にもなります。
新型プレリュードの独自性とは?
デザインコンセプト「グライダー」
新型プレリュードのデザインは、エンジンレスの航空機「グライダー」からインスピレーションを得ています。この影響は、低いノーズプロファイル、流麗なライン、そして翼のような形状のLEDヘッドライトに表現されています。
Honda S+ Shift システム
ハイブリッドシステムでありながら、Honda S+ Shiftシステムにより、サウンドエフェクトとトルクマッピングを使用してギアチェンジを疑似体験できます。これにより、CVTでありながらもマニュアルトランスミッションのような感覚を楽しむことができます。
シビック タイプRの技術を継承
プレリュードには、シビック タイプRから継承された以下の技術が搭載されています:
- アダプティブダンパー
- より広いトレッド
- ブレンボ製フロントブレーキ
- デュアルアクシス フロントサスペンション
市場投入と生産計画
ホンダは2025年9月5日から日本国内での受注を開始し、月産300台という限定的な生産体制を敷いています。この生産台数の少なさも、プレミアム価格設定の要因の一つと考えられます。
まとめ:価格と性能のバランスをどう見るか
新型プレリュードの価格設定は確かに高額ですが、それは以下の要因によるものです:
- 先進のハイブリッド技術への投資
- 限定生産による希少性
- プレミアムな装備と素材
- 24年ぶりの復活という特別感
日産Zが純粋なガソリンエンジンで405psを発揮するのに対し、プレリュードは環境性能を重視したハイブリッドで約200ps。馬力では2倍の差がありますが、燃費性能や環境への配慮では大きくリードしています。
これは、現代の自動車業界が直面する「パワー vs 環境性能」という課題を象徴する興味深い対比と言えるでしょう。どちらを選ぶかは、ドライバーの価値観と用途次第。新型プレリュードの市場での評価が注目されます。