2026年の日本市場では、プラグインハイブリッド(PHEV)車の選択肢が大幅に拡大しています。環境性能と実用性を両立したPHEVは、純粋なEVへの移行期における理想的な選択肢として注目を集めています。本記事では、2026年に日本で購入できるPHEVモデルを国産車・輸入車別に完全網羅し、価格、スペック、補助金情報まで詳しく解説します。
PHEVとは?なぜ今注目されているのか
PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)は、外部電源から充電可能な大容量バッテリーを搭載し、電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせたハイブリッド車です。日常的な短距離移動はEVモードで走行し、長距離ドライブではエンジンが作動するため、充電インフラの心配なく電動化の恩恵を受けられます。

2026年にPHEVが注目される理由:

- CEV補助金が最大85万円に増額(2026年1月以降)
- 充電インフラが未整備な地域でも安心して使える
- ガソリン車販売規制(2035年)への対応として最適
- 日常使いはほぼEV、遠出もガソリンで安心

2026年最新!国産PHEVモデル完全リスト
トヨタブランド

| 車種名 | 価格帯(税込) | EV走行距離 | システム出力 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| プリウス PHEV | 390万円~460万円 | 約87km | 223PS | 5代目の先進デザイン、優れた燃費性能 |
| RAV4 PHEV | 未定(2026年後半発売予定) | 約95km | 306PS | 新型RAV4として復活、力強い走行性能 |
| ハリアー PHEV | 620万円前後 | 約93km | 306PS | 都会派高級SUV、上質な内装 |
| クラウン スポーツ PHEV | 635万円~ | 約90km | 306PS | スポーティな走りと高級感の融合 |
| アルファード PHEV | 872万円~ | 約73km | 250PS | 最高級ミニバン、静粛性に優れる |
| ヴェルファイア PHEV | 892万円~ | 約73km | 250PS | アルファードの兄弟車、迫力のデザイン |
トヨタPHEVの特徴:
トヨタは2026年現在、日本市場で最も多様なPHEVラインナップを展開しています。特に新型RAV4 PHEVは2025年12月にハイブリッドモデルが先行発売され、PHEV版は2026年後半に登場予定です。
レクサスブランド

| 車種名 | 価格帯(税込) | EV走行距離 | システム出力 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| NX450h+ | 630万円~714万円 | 約88km | 309PS | コンパクトラグジュアリーSUV |
| RX450h+ | 733万円~870万円 | 約95km | 309PS | フラッグシップSUV、最新技術搭載 |
| UX300e | ※BEVモデル | - | - | PHEVなし、HEVのみ |
レクサスPHEVの特徴:
レクサスのPHEVは、トヨタの技術をベースに高級感と静粛性を追求。NX450h+は都市部での使い勝手が良く、RX450h+は長距離ドライブも快適にこなせます。
三菱ブランド

| 車種名 | 価格帯(税込) | EV走行距離 | システム出力 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| アウトランダーPHEV | 562万円~653万円 | 約83km | 252PS | 日本PHEV市場のパイオニア、2024年度販売台数No.1 |
| アウトランダーPHEV BLACK Edition | 未発表 | 約83km | 252PS | 2026年2月5日発売予定の特別仕様車 |
| エクリプス クロス PHEV | 419万円~517万円 | 約57km | 188PS | コンパクトSUV、手頃な価格帯 |
三菱PHEVの特徴:
三菱はPHEV技術のパイオニアとして、2013年からアウトランダーPHEVを販売。2024年度は8,885台を販売し、累計10万台を突破しました。4WD制御技術「S-AWC」により、悪路走破性にも優れています。
マツダブランド

| 車種名 | 価格帯(税込) | EV走行距離 | システム出力 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| CX-60 PHEV | 583万円~655万円 | 約63km | 327PS | 直列6気筒PHEVシステム、上質な走り |
| CX-80 PHEV | 2026年発売予定 | 約60km(予想) | 327PS | 3列シートの大型SUV |
マツダPHEVの特徴:
マツダは直列6気筒エンジンを採用した独自のPHEVシステムを展開。「走る歓び」を追求した走行性能が魅力です。
日産ブランド(海外モデル)

| 車種名 | 価格帯 | EV走行距離 | システム出力 | 日本導入予定 |
|---|---|---|---|---|
| ローグ PHEV | 未定(北米専売) | 約60km | 248PS | 未定 |
日産の状況:
日産は2026年初頭に北米市場でローグPHEVを発売予定ですが、日本市場への導入は未定です。三菱アウトランダーPHEVのシステムを活用したモデルです。
BYD(中国メーカー)
| 車種名 | 価格帯(税込) | EV走行距離 | システム出力 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| SEALION 6(シーライオン6) | 398万円~449万円 | 約100km | 218PS(FF)/324PS(AWD) | 驚異的なコストパフォーマンス、最大航続距離1,200km |
BYD PHEVの特徴:
2025年12月に発売されたシーライオン6は、BYD独自の「DM-i スーパーハイブリッド技術」を搭載。398万円という衝撃的な価格設定で、PHEV市場に価格革命をもたらしました。FWDモデルは2026年1月末、AWDモデルは3月から納車開始予定です。BYD Japan
2026年最新!輸入車PHEVモデル
メルセデス・ベンツ

| 車種名 | 価格帯(税込) | EV走行距離 | システム出力 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| C 350 e | 730万円~ | 約100km | 313PS | コンパクトセダン/ワゴン |
| E 350 e | 950万円~ | 約100km | 313PS | ミドルクラスセダン/ワゴン |
| GLC 350 e 4MATIC | 890万円~ | 約110km | 313PS | 人気のミドルSUV |
| S 580 e | 1,750万円~ | 約100km | 510PS | フラッグシップセダン |
BMW

| 車種名 | 価格帯(税込) | EV走行距離 | システム出力 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| X3 xDrive30e | 880万円~ | 約80km | 292PS | コンパクトSUV |
| X5 xDrive50e | 1,220万円~ | 約100km | 490PS | ラージSUV、力強い走り |
| 530e | 920万円~ | 約90km | 292PS | プレミアムセダン |
ボルボ

| 車種名 | 価格帯(税込) | EV走行距離 | システム出力 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| XC60 Plug-in Hybrid | 849万円~ | 約70km | 455PS | 人気のミドルSUV、北欧デザイン |
| XC90 Plug-in Hybrid | 1,149万円~ | 約70km | 455PS | 3列シートの大型SUV |
| XC70 PHEV | 2025年発表、2026年導入予定 | 約200km | 未発表 | 驚異的な長距離EV走行可能 |
ボルボの新戦略:
ボルボは2025年8月に新型XC70を発表。電気のみで200km以上走行可能な長距離PHEVとして、2026年の日本導入が期待されています。
その他の輸入車PHEV
ランドローバー:
- ディフェンダー PHEV(2026年モデル):初のPHEVモデル、オフロード性能と電動化の融合
ジープ:
- レネゲード 4xe:コンパクトSUV、約50km EV走行
- コンパス 4xe:ミドルSUV、約50km EV走行
DS(シトロエン高級ブランド):
- DS7 クロスバック E-TENSE:フレンチラグジュアリー、約50km EV走行
2026年CEV補助金情報【最新版】
2026年1月1日以降に車両登録するPHEVには、従来より増額された補助金が適用されます。
国のCEV補助金(2026年1月1日以降)
| 車種カテゴリー | 補助金上限額 | 2025年度との比較 |
|---|---|---|
| PHEV(普通車) | 最大85万円 | +25万円(従来60万円) |
| BEV(純粋EV) | 最大130万円 | +40万円(従来90万円) |
| 軽BEV | 最大58万円 | 変更なし |
| FCV(燃料電池車) | 最大150万円 | -105万円(従来255万円) |
重要:申請期限の短縮に注意!
2025年12月22日時点で、補助金の申請期限が当初の2026年3月末から2026年2月13日に短縮されました。予算消化が早いため、購入予定の方は早めの申請が必要です。JAFMate
主要PHEVモデルの補助金額例(2026年1月以降)
| メーカー | 車種 | 補助金額 |
|---|---|---|
| 三菱 | アウトランダーPHEV(Mグレード) | 最大75万円 |
| トヨタ | プリウス PHEV | 最大60~85万円(グレードによる) |
| BYD | シーライオン6 | 最大85万円(予想) |
補助金の計算方法:
補助金額は車両価格の約20%相当が基準となり、環境性能や価格帯によって変動します。具体的な金額は次世代自動車振興センターで確認できます。
地方自治体の上乗せ補助金
多くの自治体が国の補助金に上乗せして独自の補助金を提供しています。
主要都市の例:
- 東京都:国の補助金+都の補助金で最大167万円(BEVの場合、PHEVは別途確認)
- 神奈川県:最大40万円の上乗せ
- 大阪府:最大30万円の上乗せ
お住まいの地域の補助金情報は、各自治体のウェブサイトでご確認ください。
PHEVの充電環境と維持費
充電方法と時間
自宅充電(普通充電):
- 200V電源:約3~5時間でフル充電
- 100V電源:約8~15時間でフル充電
外出先充電:
トヨタEV・PHEV充電サポートなど、各メーカーが提供する充電サービスを利用できます。
| プラン | 基本料金(税込) | 従量料金<普通>(税込) |
|---|---|---|
| トヨタEV・PHEV充電サポート 急速・普通充電プランA | 1,650円/月 | 4.95円/分 |
| トヨタEV・PHEV充電サポート 急速・普通充電プランB | 4,950円/月 | 4.95円/分 |
電気代のシミュレーション
自宅充電の場合(1kWhあたり30円で計算):
- バッテリー容量18kWhのPHEV:フル充電で約540円
- 月間1,000km走行(EV走行70%):月額電気代 約3,000~4,000円
- ガソリン代と比較:月間約10,000円以上の節約可能
税制優遇措置
自動車重量税:
- 初度登録時に免税または75%減税
- 例:アウトランダーPHEVは37,500円減税
自動車税:
- エコカー減税適用で翌年度75%減税
- 2.5リッタークラス:通常43,500円 → 約10,875円
PHEV選びのポイント
1. EV走行距離で選ぶ
日常使いメインなら:EV走行距離80km以上
- トヨタ RAV4 PHEV(約95km)
- レクサス RX450h+(約95km)
- BYD シーライオン6(約100km)
- ボルボ XC70 PHEV(約200km)
週末利用メインなら:EV走行距離50~70km
- 三菱 エクリプス クロス PHEV(約57km)
- マツダ CX-60 PHEV(約63km)
- BMW X3 xDrive30e(約80km)
2. 用途で選ぶ
ファミリー向け大型車:
- トヨタ アルファード/ヴェルファイア PHEV
- マツダ CX-80 PHEV(3列シート)
- ボルボ XC90 Plug-in Hybrid
都会派SUV:
- トヨタ ハリアー PHEV
- レクサス NX450h+
- メルセデス・ベンツ GLC 350 e
コストパフォーマンス重視:
- BYD シーライオン6(398万円~)
- 三菱 エクリプス クロス PHEV(419万円~)
- トヨタ プリウス PHEV(390万円~)
3. 走行性能で選ぶ
パワフルな走り:
- マツダ CX-60 PHEV(327PS)
- BMW X5 xDrive50e(490PS)
- メルセデス・ベンツ S 580 e(510PS)
バランス重視:
- トヨタ RAV4 PHEV(306PS)
- 三菱 アウトランダーPHEV(252PS)
- レクサス NX450h+(309PS)
2026年以降のPHEV市場展望
政府の電動化目標
日本政府は2035年までに新車販売の100%を「新エネルギー車」(EV、PHEV、FCV)にする目標を掲げています。つまり、2035年以降はガソリン車のみのハイブリッド車は販売できなくなる可能性があります。
メーカーの戦略
トヨタ:
多様な選択肢(HV・PHEV・EV・FCV)を提供し、段階的に電動化を推進
ホンダ:
2040年までに全車EV化を明言(当面PHEVも継続販売)
日産・三菱:
アライアンス連携でEV/PHEV開発を効率化
中国メーカー(BYD等):
2026年夏には日本専用の軽自動車EVも投入予定、PHEV市場でも価格競争力で攻勢
今後の新型モデル予想
2026年後半~2027年:
- トヨタ RAV4 PHEV(新型)
- マツダ CX-80 PHEV
- ホンダ 新型PHEV(未発表)
- ボルボ XC70 PHEV(日本導入)
まとめ:2026年はPHEV元年
2026年の日本PHEV市場は、国産車・輸入車合わせて40モデル以上が選択可能な成熟期を迎えています。特に以下の点が注目されます:
- 補助金増額:最大85万円の補助金で実質価格が大幅低下
- 価格破壊:BYDシーライオン6の398万円という衝撃価格
- 技術進化:EV走行距離100km超えのモデルが増加
- 選択肢の多様化:軽自動車から高級車まで幅広いラインナップ
PHEVはこんな方におすすめ:
- 充電インフラが不安な方
- 長距離ドライブも楽しみたい方
- 補助金を活用してお得に電動化したい方
- 2035年のガソリン車規制に備えたい方
2026年は、まさに「PHEV元年」と呼ぶにふさわしい年になりそうです。純粋なEVへの移行期として、PHEVは最も現実的な選択肢となるでしょう。
よくある質問(FAQ)
- PHEVとハイブリッド車の違いは?
-
PHEVは外部充電が可能で、電気だけで50~200km走行できます。通常のハイブリッドは外部充電できず、EV走行距離も2~3km程度です。
- 充電設備がなくてもPHEVは使える?
-
はい、使えます。充電しなくても通常のハイブリッド車として走行可能です。ただし、充電しないとPHEVの最大のメリットが活かせません。
- 補助金申請はいつまで?
-
2026年度の補助金申請期限は2026年2月13日に短縮されています(2025年12月22日時点)。早めの申請をおすすめします。
- 日本で一番売れているPHEVは?
-
2024年度は三菱アウトランダーPHEVが8,885台で第1位でした。累計10万台を突破した国内PHEVのパイオニアです。
- 2026年に新発売されるPHEVは?
-
トヨタ RAV4 PHEV(2026年後半)、三菱アウトランダーPHEV BLACK Edition(2026年2月)、マツダ CX-80 PHEV(2026年)などが予定されています。
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