マツダは2026年1月9日(現地時間)、ベルギー・ブリュッセルモーターショーにおいて、SUVタイプの新型バッテリー電気自動車「MAZDA CX-6e」を世界初公開しました。この新型EVは、欧州市場において2026年夏に発売予定で、豪州でも年内の導入が計画されています。マツダのグローバル電動化戦略における重要な一歩となる注目のモデルです。
マツダの最新EV「CX-6e」がブリュッセルモーターショーで世界初公開

CX-6eとは?マツダの電動化戦略における位置づけ
MAZDA CX-6eは、2025年の上海モーターショーで発表された「MAZDA EZ-6」をベースに開発された、マツダのグローバル市場向け協業バッテリーEVラインアップの第2弾です。2025年9月に発売したミッドサイズセダンのバッテリーEV「MAZDA 6e」に続くモデルとして、マツダの電動化ラインアップをさらに拡充する役割を担っています。
このモデルは、マツダと中国の重慶長安汽車股份有限公司(Changan)との協業プロジェクトの成果物であり、マツダならではのデザインと「人馬一体」の走行性能に、パートナー企業の先進的な電動化・知能化技術を融合させた新世代クロスオーバーSUVです。


MAZDA CX-6eの主要スペック|バッテリー容量・航続距離・パワートレイン

バッテリーと航続距離
MAZDA CX-6eは、容量78kWhのLFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーを搭載しています。WLTP基準での航続距離は最大300マイル(約483km)で、日常使用には十分な実用的な航続性能を提供します。
ただし、競合するテスラ モデルYスタンダードの314マイル(約505km)や、ボルボEX60の最大503マイル(約810km)と比較すると、航続距離の面では若干控えめなスペックとなっています。
パワートレインと性能
- モーター配置:リアモーター(後輪駆動)
- 最高出力:258馬力(258PS / 190kW)
- 最大トルク:214lb-ft(290Nm)
- 0-100km/h加速:7.9秒
- ホイールベース:2,902mm(114.3インチ)
パフォーマンスは日常使用において十分実用的ですが、スポーティな走りを求めるユーザーには物足りなさを感じる可能性があります。
充電性能
- DC急速充電:最大195kW(10-80%充電に約24分)
- AC充電:最大11kW
急速充電性能は競合モデルと同等レベルで、長距離ドライブ時の利便性を確保しています。
デザイン|「FUTURE + SOUL x MODERN」コンセプトの実現
エクステリアデザイン

MAZDA CX-6eは、マツダのデザインコンセプト「FUTURE + SOUL x MODERN」に基づき、造形美と先進性を融合させたスタイリングが特徴です。近年のマツダSUVラインアップの中でも特に洗練された外観デザインとして、業界内外から高い評価を受けています。

従来の燃焼エンジン搭載モデルCX-60と比較すると、CX-6eはより長く、より幅広いボディサイズを持ち、モダンで未来的なプロポーションを実現しています。

インテリアデザインと先進技術

CX-6eのインテリアは、まさに「未来志向」という言葉がふさわしい革新的な空間デザインが採用されています。
主要な装備・機能:
- 26インチ超大型ディスプレイ:ダッシュボード全体に広がる巨大なタッチスクリーン
- ヘッドアップディスプレイ:従来の計器クラスターを不要にする先進表示システム
- デジタルサイドミラー:カメラベースのミラーシステムで、映像はドアカード内に埋め込まれたスクリーンに表示
- 音声認識・ジェスチャーコントロール:直感的な操作性を実現
- ヘッドレスト内蔵スピーカー:パーソナライズされた音響体験
- 最新運転支援システム:安全で快適な移動体験をサポート
この先進的なインテリアデザインは、物理ボタンを極限まで排除し、デジタルインターフェースに重点を置いた設計思想を反映しています。
実用性と車内空間|ラゲッジスペースの特徴
MAZDA CX-6eのラゲッジスペースは468リットル(16.5立方フィート)で、燃焼エンジン搭載のCX-60の570リットル(20.1立方フィート)や、テスラ モデルYの850リットル以上(30立方フィート以上)と比較すると、やや控えめな容量となっています。
ただし、フロント部分には80リットル(2.8立方フィート)のフランク(前部トランク)が用意されており、充電ケーブルなどの収納に便利です。この点は、フランクを持たないテスラ モデルYに対する優位性となっています。
欧州市場での販売実績と展開計画
マツダの先行モデルである「MAZDA 6e」は、欧州市場での発売以来、累計7,000台以上の販売を達成し、好調なスタートを切っています。CX-6eの投入により、マツダはバッテリーEVのラインアップをさらに拡充し、テスラ モデルY、BMW iX3、アウディQ6 e-tronなどの強豪が揃う欧州EVマーケットでの競争力強化を図ります。
発売時期と市場展開
- 欧州市場:2026年夏発売予定
- 豪州市場:2026年内導入予定
- 米国市場:現時点では導入予定なし(中国生産のため)
- 中国市場:EZ-6として既に販売中(価格は約16,800ドルから)
競合比較|テスラ・BMW・アウディとの違い
テスラ モデルY vs マツダ CX-6e
- 航続距離:モデルY(314マイル)> CX-6e(300マイル)
- ラゲッジスペース:モデルY(850リットル以上)> CX-6e(468リットル+80リットルフランク)
- デザイン性:CX-6eはより洗練されたプレミアム志向
- インテリア:CX-6eの26インチディスプレイは業界最大級
BMW iX3 vs マツダ CX-6e
BMW iX3は、より高いブランドプレステージとパフォーマンス指向の設計が特徴ですが、CX-6eはコストパフォーマンスとデザイン性で差別化を図っています。
アウディ Q6 e-tron vs マツダ CX-6e
アウディQ6 e-tronは、より広い車内空間と長い航続距離を提供しますが、価格帯はCX-6eより高額になると予想されます。
マツダCX-6eの強みと課題
主な強み
- 優れたデザイン性:近年のマツダSUVの中で最も洗練された外観
- 先進的なインテリア:26インチディスプレイをはじめとする革新的なデジタルコックピット
- マツダらしい走り:「人馬一体」思想に基づいた欧州市場向けチューニング
- 実用的な価格設定:競合プレミアムEVと比較してコストパフォーマンスが期待できる
- 充実した装備:デジタルサイドミラー、音声・ジェスチャー認識など
主な課題
- 航続距離:競合モデルと比較してやや短い300マイル
- ラゲッジスペース:468リットルは同クラスSUVとしては小さめ
- 加速性能:0-100km/h加速7.9秒は突出して速いわけではない
- 市場の制約:米国市場への展開予定がない
「人馬一体」の進化|走行性能へのこだわり

マツダは、CX-6eにおいても同社の哲学である「人馬一体」の走行性能を追求しています。欧州市場の特性に合わせて、ハンドリングや乗り心地を最適化し、ドライバーと車が一体となる感覚を電気自動車でも実現することを目指しています。
協業パートナーであるChanganの電動化技術を基盤としながらも、マツダ独自のドライビングダイナミクスを加味したチューニングが施されており、単なる中国製EVの欧州仕様版ではなく、「マツダらしさ」が感じられる仕上がりとなっています。
価格予想|欧州市場でのポジショニング
CX-6eの欧州市場での価格は未発表ですが、中国市場での「EZ-6」の価格が約16,800ドルからであることを考えると、欧州仕様では大幅に価格が上昇すると予想されます。一般的に、中国で生産されるEVが欧州市場で販売される場合、輸入関税や仕様変更のコストにより、価格は2〜3倍程度になることが多いとされています。
競合するテスラ モデルYやBMW iX3の価格帯を考慮すると、CX-6eの欧州での販売価格は4万〜5万ユーロ程度になる可能性があります。
まとめ|MAZDA CX-6eは買いか?
MAZDA CX-6eは、マツダの電動化戦略における重要なステップであり、優れたデザイン性と先進的なインテリア技術が魅力の新世代EVクロスオーバーSUVです。
こんな方におすすめ:
- マツダブランドとデザインを重視する方
- 最新のデジタルコックピットを体験したい方
- 日常使用に十分な航続距離で満足できる方
- プレミアムEVをリーズナブルな価格で購入したい方
慎重に検討すべき方:
- 長距離ドライブが多く、最大限の航続距離を求める方
- 大容量のラゲッジスペースが必要な方
- 強力な加速性能を重視する方
総合的に見れば、MAZDA CX-6eは「スタイル重視」のプレミアムEVとして、欧州市場において一定の成功を収める可能性があります。特に、マツダの「人馬一体」思想を電気自動車で体験したいユーザーにとっては、注目すべき選択肢となるでしょう。
2026年夏の欧州市場での正式発売が待ち遠しい一台です。
マツダ ニュースリリース
https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2026/202601/260112a.html

