本田技研工業(ホンダ)は2026年2月27日、6代目となる新型「CR-V」を日本市場で正式発売しました。CR-Vは1995年の初代発売以来、「Comfortable Runabout Vehicle」という車名の由来どおり、快適性と高い機動性を兼ね備えた都市型SUVの先駆けとして30年以上の歴史を歩んできました。グローバルでの累計販売台数は1,500万台を達成し、ホンダのSUVラインアップを象徴するグローバルモデルへと成長してきた一台です。
6代目となる今回の新型は、**「感動 CR-V」**をグランドコンセプトに掲げ、快適性・走行性・ユーティリティ・ドライバビリティを徹底的に磨き上げた「究極のオールラウンダー」を目指して開発されました。本記事では、価格・スペック・燃費・安全装備・デザインなど、新型CR-Vのすべてをわかりやすく解説します。
1. 新型CR-Vの最新情報・発売日

新型CR-Vは2025年12月4日に先行情報が公開され、同月12日から先行予約の受け付けが開始。2026年2月26日に正式発表、翌2月27日(金)に発売されました。月間販売計画台数は400台とされており、プレミアムSUVセグメントにおける存在感の強化を狙っています。
なお、日本では2022年12月に5代目の販売が終了し、2024年7月に燃料電池車「CR-V e:FCEV」として復活。今回の新型e:HEV RSはそのハイブリッドモデルとして待望の追加設定となります。CR-Vのパワートレインラインナップが拡充されたことで、より多くのユーザーが選べるラインアップが整いました。
2. グレード構成と価格一覧

新型CR-Vは、日本仕様として以下の2グレード展開です。
| グレード | 駆動方式 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| e:HEV RS | FF(2WD) | 5,122,700円 |
| e:HEV RS | 4WD | 5,392,200円 |
| e:HEV RS BLACK EDITION | 4WD | 5,779,400円 |
※ ボディカラーによっては別途44,000円(税抜40,000円)高となります。
e:HEV RSとは?
e:HEV RSは、下まわり部分をボディ同色とし、上質さと都会的なイメージを追求したスポーティグレードです。アッパーミドルSUVクラスにふさわしい上質な内外装と、走りの楽しさを高次元で両立させています。
e:HEV RS BLACK EDITIONとは?

e:HEV RS BLACK EDITIONは、e:HEV RSをベースに内外装の加飾をブラックで統一した日本専用グレード。力強さと洗練を引き立てる存在感抜群のモデルで、以下の専用装備が標準装備されます。
- Honda SENSING 360(Honda SUVとして国内初搭載)
- ヘッドアップディスプレー
- 電動パノラミックサンルーフ
- 運転席&助手席シートベンチレーション
- 19インチ ノイズリデューシング アルミホイール(ベルリナブラック+ダーク切削クリア)
- フロント/リアバンパーロアーガーニッシュ(クリスタルブラック・パール)
- BLACK EDITION専用エンブレム
3. エクステリア(外装)デザイン
新型CR-Vのエクステリアは、歴代CR-Vが培ってきた先進的でスポーティなスタイルを継承しつつ、よりSUVらしく力強いシルエットへと進化しました。フードやピラーなどの水平基調のシンプルな造形の中に、強さと洗練・上質・大人らしさを凝縮して表現しています。

CR-Vの象徴でもある縦型リアコンビネーションランプを踏襲。リッドランプやナンバープレートを上方に配置することで、上質感とどっしりとした安定感を実現しています。

空力面ではアクティブシャッターグリルを採用。走行状況に応じてグリルの開閉を自動制御し、冷却と空力のバランスを最適化しています。

4. インテリア(内装)・居住性
シャープで精緻なコックピット設計

インテリアは水平基調のインパネと直線的な加飾ラインによるシャープで精緻なスタイリングを採用。インパネや前席ドアの加飾を車幅感覚や車両姿勢を把握しやすい位置にレイアウトすることで、視認性と操作性を高めています。ドライバーとの一体感を高めるスポーティな空間と、優れた扱いやすさを両立しました。
後席・荷室の居住性

後席足元スペースを先代モデルから前後長で16mm拡大し、クラストップレベルの広さを実現。8段階調節機能付きの後席リクライニングにより、長距離の移動でも疲れにくい着座姿勢を提供します。
荷室は「考えずに使える」気軽さを追求。フラットな床面と広い開口部を備え、後席のスライド機構により荷室容量をさらに拡大可能。クラストップレベルのカーゴ容量を誇ります。
充実した車内装備

- 9インチ Honda CONNECT ディスプレー:Google搭載(Googleアシスタント・Googleマップ・Google Play対応)
- 60W USB充電ポート(前席):スマートフォン2台の同時急速充電、ノートパソコンの充電も可能
- 15Wワイヤレスチャージャー:先代比約3倍の出力で急速ワイヤレス充電に対応
- BOSEプレミアムサウンドシステム:専用設計の12スピーカーを最適配置。荷室の11.6L大容量サブウーファーにより、音の厚み・臨場感・透明感を高次元で融合

5. ボディサイズ・先代との比較
| 項目 | 新型CR-V e:HEV | 先代CR-V | 差分 |
|---|---|---|---|
| 全長 | 4,700mm | 4,605mm | +95mm |
| 全幅 | 1,865mm | 1,855mm | +10mm |
| 全高 | 1,680mm | 1,680mm | 変更なし |
| ホイールベース | 2,700mm | 2,660mm | +40mm |
| 車重(FF) | 1,750kg | — | — |
ホイールベースが40mm拡大されたことで後席の足元空間が大幅に向上。特に長距離ドライブでの快適性が格段にアップしています。全長4,700mmというサイズは立体駐車場への入庫に注意が必要ですが、その分室内空間の余裕は大幅に増しています。
6. パワートレイン・e:HEVシステム詳細
CR-V専用チューニングの第4世代e:HEV
新型CR-Vが搭載するパワートレインは、2.0L直噴アトキンソンサイクルDOHCエンジンと高出力モーターを平行軸に配置した2モーター内蔵電気式CVTを組み合わせた第4世代「e:HEV」をベースに、CR-V専用のハイ/ロー2段エンジン直結ギアを追加したものです。これはHondaとして初めて採用されたシステムで、ローギアによるエンジンドライブモードを実現しました。
市街地での緩加速や登坂など負荷が高まる場面ではロー側のギアでエンジンを直結させることで効率を高め、走りと燃費を両立しています。
主要スペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| エンジン | 2.0L直4直噴アトキンソンサイクルDOHC |
| エンジン出力 | 108kW(147PS)/5,000-6,000rpm |
| エンジントルク | 183Nm(18.7kgm)/3,500rpm |
| モーター最高出力 | 135kW(184PS)/5,000-8,000rpm |
| モーター最大トルク | 335Nm(34.2kgm)/0-2,000rpm |
| トランスミッション | 電気式無段変速機(e-CVT)+専用2段ギア |
| 駆動方式 | FF / 4WD |
先代モデルのモーター最大トルク315Nmから335Nmへ向上し、高速域の出力アップも実現。より力強くスムーズな加速性能を発揮します。
3つの走行モード
e:HEVはシーンに応じて以下の3モードを自動切り替えします。
- EVドライブ:バッテリーから電力供給、モーターのみで走行(発進・低速・軽負荷時)
- ハイブリッドドライブ:エンジンで発電しながらモーターで走行
- エンジンドライブ:エンジンで直接駆動(高速クルージング)
5つのドライブモード
SPORT / NORMAL / ECON / SNOW(CR-V初採用) / INDIVIDUAL の5モードを搭載。SNOWモードは滑りやすい路面でのスリップを抑え、スムーズな発進・加速をサポートします。
7. 燃費性能
| グレード | 燃費(WLTCモード) |
|---|---|
| e:HEV RS FF | 19.8km/L |
| e:HEV RS 4WD | 18.2km/L |
ボディサイズが拡大したことにより先代ハイブリッド(21.2km/L)と比較すると若干のダウンとなっていますが、最新のパワートレインにより実用的かつ高い燃費効率を維持。特に都市走行・郊外・高速道路をバランスよく走るユーザーにとって、十分に満足できる数値といえます。
8. 走行性能・ダイナミクス
上質な乗り心地を生む足回り
全タイプに**周波数応答ダンパー(振幅感応型ダンパー)**を採用。微小入力から大きなストロークまで最適な減衰力を発揮し、フラットで上質な乗り味を実現しています。
進化したリアルタイムAWD
4WDモデルには電子制御リアルタイムAWDを採用。コーナリング時の前後輪駆動力配分を**従来の60:40から最大50:50(後輪寄り)**に制御することで、旋回時の安定感とライントレース性を大幅に向上させました。
静粛性へのこだわり
クラスを超えた静粛空間を実現するため、複数の静粛化技術を組み合わせています。
- ノイズリデューシングホイール:タイヤ内部の共鳴音を抑制する専用設計ホイール
- 遮音ガラス:外部ノイズの車内への侵入を抑制
- 進化版アクティブノイズコントロール(ANC):専用スピーカーと追加マイクにより広帯域のノイズを能動的に減衰
可変ギアレシオステアリング(VGR)
低速域では取り回しやすく、高速域では安定した応答性を確保する可変ギアレシオステアリングを採用。ステアリング角度を先代の28度から25度へ変更することで、体格によらずステアリング操作がしやすい運転姿勢を実現しています。
9. 安全装備(Honda SENSING / Honda SENSING 360)
全車標準:Honda SENSING(16機能)
全グレードに先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備。主な搭載機能は以下のとおりです。
- 衝突軽減ブレーキ(CMBS)
- 誤発進抑制機能(前方・後方)
- 近距離衝突軽減ブレーキ
- 歩行者事故低減ステアリング
- 路外逸脱抑制機能
- 渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)
- 車線維持支援システム(LKAS)
- トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)
- ブラインドスポットインフォメーション
- パーキングセンサーシステム
- 後退出庫サポート
- Hondaパーキングパイロット
- アダプティブドライビングビーム
- 先行車発進お知らせ機能
- 標識認識機能
- 高速道路での車線変更支援機能
BLACK EDITION専用:Honda SENSING 360(Honda SUVとして国内初搭載)
e:HEV RS BLACK EDITIONには、レーダーとカメラの広角化・コーナーレーダーの追加により安全支援領域を大幅に拡大したHonda SENSING 360を、Honda SUVとして国内で初めて搭載しました。
Honda SENSINGの機能に加え、以下3機能が追加されています。
- 前方交差車両警報:交差点での出会い頭の危険を検知・警告
- 車線変更時衝突抑制機能:車線変更時の側方・後方車両との衝突リスクを低減
- 車線変更支援機能:高速道路での車線変更をスムーズに行うための操作支援
10. ボディカラーラインアップ
新型CR-Vは個性豊かな全5色を設定。うち4色はオプション価格(+44,000円)となります。
| カラー名 | 備考 |
|---|---|
| プラチナホワイト・パール ★ | 定番の白パール |
| スレートグレー・パール ★ | CR-V新色 |
| クリスタルブラック・パール | 標準価格(追加料金なし) |
| ブレイジングレッド・パール ★ | Honda新色|強さとスポーティさを感じさせる高彩度レッド |
| キャニオンリバーブルー・メタリック ★ | 爽やかで個性的なブルー |
★:+44,000円(税抜40,000円)高となります。
11. 先代CR-Vとの主な変更点まとめ
新型CR-Vと先代(5代目)の主な違いを整理します。
パワートレイン
- モーター最大トルク:315Nm → 335Nm(+20Nm)
- モーター高速域出力:5,000-6,000rpm → 5,000-8,000rpm(高回転域へ拡大)
- CR-V専用ハイ/ロー2段エンジン直結ギア新採用(Honda初)
ボディ・パッケージ
- 全長:4,605mm → 4,700mm(+95mm)
- ホイールベース:2,660mm → 2,700mm(+40mm)
- 後席足元スペース:+16mm拡大
- ステアリング角度:28度 → 25度(より立てた設計)
走行性能
- AWD制御:前後60:40 → 最大50:50(コーナリング時)
- ドライブモード:3種 → 5種(SNOW・INDIVIDUAL新追加)
- 全車に周波数応答ダンパー採用
- 可変ギアレシオステアリング(VGR)新採用
安全・装備
- Honda SENSING 360をBLACK EDITIONに初搭載
- ワイヤレスチャージャー:5W → 15W(約3倍)
- 60W USB充電ポート(前席)新採用
- 9インチ Honda CONNECT ディスプレー(Google搭載)
12. 競合車種との比較ポイント
新型CR-Vは512万円台からのプレミアム価格帯SUVとして、以下の競合モデルと比較されることが多いです。
主な競合車
- トヨタ RAV4(主要ハイブリッドモデル:360万円〜)
- マツダ CX-5(235万円〜)
- 三菱 アウトランダーPHEV(456万円〜)
- 日産 エクストレイル e-POWER(384万円〜)
CR-Vの強みは、Honda独自のe:HEVシステムによるモーター主体の走行フィールと、CR-V専用2段ギアによる独自の走りの質感、そしてHonda SENSING 360(BLACK EDITION)という充実した安全装備にあります。価格は競合より高めですが、プレミアムSUVとしての装備・走り・静粛性のバランスは非常に高く評価されています。
13. まとめ・購入を検討する方へ
6代目となる新型ホンダCR-Vは、グランドコンセプト「感動 CR-V」をそのまま体現する一台に仕上がっています。
こんな方に特におすすめ
- 静粛性と乗り心地を重視するSUVユーザー
- 家族でのロングドライブを快適に楽しみたい方
- 最先端の安全装備(Honda SENSING 360)を求める方
- 上質なサウンドシステムを車内で楽しみたい方
- プレミアムSUVブランドを求めながら、ハイブリッドの経済性も重視したい方
価格は512万円台からとなるため決して安くはありませんが、その分クラストップレベルの室内空間・静粛性・走行性能・安全装備を兼ね備えた完成度の高いSUVです。月間販売計画400台という少数精鋭の販売体制からも、ホンダがCR-Vを特別なモデルとして位置づけていることが伝わってきます。
試乗の機会があれば、ぜひe:HEV専用チューニングの2段ギアが生み出す「爽快で上質な走り」を体感してみてください。

