BYDは2026年10月、パリモーターショー2026で新型フラッグシップSUV「ATTO 8(アット エイト)」を発表しました。全長5,040mmの3列シート7人乗りEVで、115kWhの電池を約9分で10%から97%まで充電できる「FLASH Charging」に対応。欧州では2027年第1四半期に販売が始まります。
BYDの欧州向けSUVは、これまでATTO 2、ATTO 3、SEALION 5、SEAL Uといったラインアップでした。ATTO 8はその頂点に立つモデルで、欧州向けのBYD車として初めて第2世代のブレードバッテリーを搭載します。最高出力775PSのAWDモデルも用意され、大きな車体ながら0-100km/h加速は4.6秒です。
日本では現在、BYD Auto JapanがATTO 3 EX、SEALION 7、SEALION 6、SEAL、DOLPHIN、RACCOを販売していますが、ATTO 8の日本導入は発表されていません。大きな3列シートEVを待っている方は、今後のBYD Auto Japanの発表に注目しておきましょう。
この記事では、新型ATTO 8の特徴、ボディサイズ、内外装、スペック、航続距離と充電性能、おすすめグレード、日本導入の見通しまで、わかりやすくまとめました。


そもそもBYD 新型 ATTO 8とは?
ATTO 8は、中国の大手EVメーカーBYDが欧州市場に投入する新しいフラッグシップSUVです。BYDは「ATTO」の名前をSUVシリーズに使っており、日本でもおなじみのATTO 3(コンパクトSUV)や、欧州で販売されている小型のATTO 2がその仲間です。数字が大きいほど車格が上がる命名で、「8」はシリーズ最大のモデルであることを示しています。
発表の舞台は、2026年10月のパリモーターショー2026です。BYDの発表資料(10月12日付)では、ATTO 8を「新しいフラッグシップSUV」と位置づけ、同じブースでは欧州初公開となるPHEVピックアップ「SHARK」も披露されました。ATTO 8は欧州のBYD販売店で2027年第1四半期(1〜3月)に発売される予定です。
最大の特徴は、BYDが「ready in 5, full in 9, cold add 3(5分で走れる、9分で満充電、寒い日は3分プラス)」と表現する充電の速さです。「EVは充電に時間がかかる」という弱点を正面から解決しようとするモデルです。
【特徴まとめ】新型ATTO 8はここがすごい
新型ATTO 8の主な特徴は、以下のとおりです。
- FLASH Charging:10→70%が約5分、10→97%が約9分。マイナス30℃でも20→97%が約12分
- 第2世代ブレードバッテリー:容量115kWh。欧州向けBYD車で初採用
- 長い航続距離:WLTP複合で後輪駆動モデルが最大653km、AWDモデルが最大602km
- 3列シート7人乗り:全長5,040mm・全幅1,996mmの堂々としたボディ
- 最高775PSのAWD:0-100km/h加速4.6秒
- 豪華な装備:26インチのヘッドアップディスプレイ、2.39㎡のパノラマガラスルーフ、前席の冷温庫など
① 約9分で97%まで充電できる「FLASH Charging」
ATTO 8は、BYDのFLASH Chargingに対応します。BYDの発表では、電池残量10%から70%までが約5分、97%までが約9分です。BYDは、ライバルのSUVが10%から80%まで充電する時間のおよそ3分の1で、97%まで充電できるとしています。寒さに弱いといわれるEVの電池ですが、マイナス30℃の環境でも20%から97%まで約12分で充電できるとされています。
ただし、この速さを出すにはBYDのFLASH Charging対応の充電器が必要です。BYDは2027年末までに欧州で3,000か所のFLASH充電ステーションを整える計画を明らかにしています。

② 欧州初の第2世代ブレードバッテリー
電池は容量115kWhの第2世代ブレードバッテリーです。BYDのブレードバッテリーは、細長い板状のセルを並べて安全性と搭載効率を高めたリン酸鉄リチウムイオン電池で、日本で販売中のBYD車にも使われています。その次の世代を欧州向けで最初に積むのがATTO 8です。
新型ATTO 8のグレードと価格一覧
欧州で発表されたグレードは、後輪駆動の「Design RWD」と、四輪駆動の「Excellence AWD」の2つです。価格は未発表で、日本での価格も発表されていません。
| グレード | 駆動 | 乗車定員 | 価格 |
|---|---|---|---|
| Design RWD | 後輪駆動(RWD) | 3列/7人 | 未発表 |
| Excellence AWD | 四輪駆動(AWD) | 3列/7人 | 未発表 |
参考までに、日本で販売中のBYDのSUVでもっとも大きいSEALION 7(5人乗り)は、後輪駆動が498万3,000円、AWDが575万3,000円(いずれも税込)です。ATTO 8はそれよりも車格が上のモデルです。
新型ATTO 8のボディサイズ
ATTO 8のボディサイズは、全長5,040mm×全幅1,996mm×全高1,760mmです(ホイールベースは未発表)。日本で販売中のSEALION 7と比べると、次のようになります。
| 項目 | ATTO 8 | SEALION 7(日本仕様) |
|---|---|---|
| 全長 | 5,040mm | 4,830mm |
| 全幅 | 1,996mm | 1,925mm |
| 全高 | 1,760mm | 1,620mm |
| ホイールベース | 未発表 | 2,930mm |
| 乗車定員 | 7人 | 5人 |
ATTO 8はSEALION 7より全長が210mm長く、全幅が71mm広く、全高が140mm高くなっています。全長5m超・全幅約2mは、日本の道では大型SUVの部類です。機械式駐車場の多くは全幅1,850mm前後までなので、日本に導入されたとしても、駐車場所の確認は欠かせないサイズといえます。

存在感のあるデザイン!新型ATTO 8の外装(エクステリア)
フロント
フロントは、細く横一文字に伸びるデイタイムランニングライトと、マトリクスLEDヘッドライトの組み合わせです。バンパー下部はシャープな角を持つ形で、大きな車体を引き締めて見せています。
サイド
横から見ると、フロントドアの前端から始まるキャラクターラインと、力強いショルダーラインが目を引きます。ブラックアウトしたCピラーとクロームのDピラーにより、ルーフが浮いて見えるデザインです。
リア
リアには「インフィニティノット(無限の結び目)」をモチーフにしたテールランプと、光るBYDロゴを配置。ルーフスポイラーを一体化し、リアのクォーターパネルの角は空気の流れを整える形にしています。

ラウンジのような空間!新型ATTO 8の内装(インテリア)
コックピットとディスプレイ
運転席の前には10.25インチのデジタルメーター、中央には15.6インチのタッチスクリーンを配置。タッチスクリーンにはGoogleのナビ、アシスタント、Playストアが組み込まれます。さらに26インチの大型ヘッドアップディスプレイを備え、視線を大きく動かさずに情報を確認できます。
シートと快適装備
シートは本革です。前席と2列目の左右席には、ヒーター・ベンチレーション・マッサージ機能が付き、3列目にも高さ調整式のヘッドレストを備えます。エアコンは3ゾーンのオートで、後席用の操作パネルも用意。2.39㎡の大きなパノラマガラスルーフが、3列目まで明るい室内をつくります。
前席には、マイナス6℃まで冷やし、50℃まで温められる冷温庫を装備。スマホ用のワイヤレス充電(50W)は2台分あり、前席にUSB Type-C(60W)を2つ、後席にもUSB Type-C(18W・60W)を備えます。オーディオは、Design RWDが10スピーカー、Excellence AWDが21スピーカーの「DiSound」です。

荷室
荷室容量は、3列すべてを使った状態で270L。2列目と3列目を倒すと最大1,960Lまで広がります。さらにボンネットの下に136Lのフロントトランクがあり、充電ケーブルや小物の収納に便利です。
新型ATTO 8のパワートレインとスペック
| 項目 | Design RWD | Excellence AWD |
|---|---|---|
| モーター | リア1基 | リア+フロント |
| 最高出力 | 462PS(340kW) | 775PS(570kW・システム) |
| 最大トルク | 365Nm | 775Nm |
| 0-100km/h加速 | 8.0秒 | 4.6秒 |
| バッテリー | 115kWh 第2世代ブレードバッテリー | 115kWh 第2世代ブレードバッテリー |
| 航続距離(WLTP複合) | 最大653km | 最大602km |
Excellence AWDはフロントにもモーターを加え、システム最高出力775PS・最大トルク775Nmを発揮。7人乗りの大型SUVでありながら、0-100km/h加速4.6秒というスポーツカー並みの加速を実現しています。最高速度は発表されていません。
新型ATTO 8の航続距離と充電性能
航続距離は、WLTP複合モードで後輪駆動が最大653km、AWDが最大602kmです。日本のSEALION 7(82.56kWh)は一充電走行距離が590km(後輪駆動)・540km(AWD)なので、ATTO 8は電池がひと回り大きくなっています。ただし、欧州のWLTPと日本のWLTCは試験条件が異なるため、数字の単純比較はできない点に注意してください。
| FLASH Chargingの条件 | 充電時間(BYD発表値) |
|---|---|
| 10%→70% | 約5分 |
| 10%→97% | 約9分 |
| 20%→97%(マイナス30℃) | 約12分 |
FLASH Chargingの最大充電出力(kW)や、普通充電・一般的な急速充電での充電時間は、今回の発表では明らかにされていません。
新型ATTO 8はどのグレードを選ぶべきか?おすすめグレード
おすすめ① 【航続距離重視なら】Design RWD(3列7人乗り・後輪駆動)
価格:未発表
航続距離が最大653kmと長く、出力も462PSあるため、家族での長距離ドライブにはこちらが向いています。雪道を走る機会が少なく、効率を重視する方におすすめです。
おすすめ② 【走りと音にこだわるなら】Excellence AWD(3列7人乗り・四輪駆動)
価格:未発表
775PSの圧倒的な加速と四輪駆動の安心感を求めるなら、こちらです。21スピーカーのDiSoundオーディオも上位グレードならではの装備。航続距離は最大602kmとRWDより短くなりますが、それでも600kmを超えています。雪の多い地域に住む方や、走りの楽しさも妥協したくない方に向いています。
新型ATTO 8は日本に導入される?
2026年10月27日時点で、BYD Auto JapanからATTO 8の日本導入についての発表はありません。日本のBYDのラインアップには5人乗りのSUVはそろっていますが、3列シートの7人乗りSUVはまだありません。日本はミニバンや3列シートSUVの人気が高い市場なので、ATTO 8が加われば、ラインアップの空白を埋める存在になりそうです。
一方で、全幅約2mのボディサイズは日本では扱いにくい面もあります。また、9分充電を実現するFLASH Chargingは専用の充電器が前提で、日本で同じ充電性能が使えるかどうかも発表されていません。導入される場合、日本向けの充電仕様がどうなるかが大きな注目点になりそうです。
新型ATTO 8の発売日はいつ?
ATTO 8は2027年第1四半期(1〜3月)に欧州のBYD販売店で発売されます。具体的な発売日や欧州での価格は、まだ発表されていません。日本での発売日も未発表です。
購入前にチェックしたい3つのポイント
1つ目は、充電環境です。ATTO 8の約9分充電は、BYDのFLASH Charging対応の充電器を使った場合の数値です。自宅の普通充電や、近くにある急速充電器でどのくらいの時間で充電できるのかは、今後発表される情報で確認する必要があります。
2つ目は、ボディサイズです。全長5,040mm・全幅1,996mmは、日本の機械式駐車場や狭い道ではかなり大きなサイズです。日本に導入された場合は、自宅や職場の駐車場に収まるかを最初に確認しておきましょう。
3つ目は、グレードの選び方です。航続距離を優先するならDesign RWD、加速性能や四輪駆動の安心感を優先するならExcellence AWDと、性格がはっきり分かれています。自分の使い方(長距離が多いか、雪道を走るか)に合わせて選ぶのがおすすめです。
新型ATTO 8に関するよくある質問(FAQ)
Q. 新型ATTO 8はいつ発売されますか?
A. 欧州では2027年第1四半期(1〜3月)に発売される予定です。日本での発売は発表されていません。
Q. 充電にはどのくらいかかりますか?
A. BYDのFLASH Chargingを使った場合、10%から70%まで約5分、97%まで約9分です。マイナス30℃の環境でも、20%から97%まで約12分とされています。
Q. 航続距離はどのくらいですか?
A. WLTP複合モードで、Design RWDが最大653km、Excellence AWDが最大602kmです。
Q. 価格はいくらですか?
A. 欧州・日本ともに価格は未発表です。
Q. 日本で売っているSEALION 7とどう違いますか?
A. ATTO 8は全長が210mm長い7人乗りで、電池容量も115kWhと大きくなっています(SEALION 7は5人乗り・82.56kWh)。
まとめ:新型ATTO 8は「充電の常識」を変える7人乗りフラッグシップ
BYDの新型ATTO 8は、全長5,040mmの3列シート7人乗りEVです。115kWhの第2世代ブレードバッテリーと、約9分で97%まで充電できるFLASH Chargingを組み合わせ、「大きなEVは充電に時間がかかる」という悩みを解決しようとしています。WLTPで最大653kmの航続距離、最高775PSのAWD、本革シートや26インチのヘッドアップディスプレイなどの豪華装備もそろっています。
欧州での発売は2027年第1四半期で、価格と日本導入はまだ発表されていません。3列シートのEVを探している方にとって、日本導入が実現すれば有力な選択肢になりそうです。最新情報が入り次第、随時更新していきます。

