インターネット検索最大手の米グーグルは6日、自動車の情報システムの開発でホンダや米ゼネラル・モーターズ(GM)など5社と提携すると発表した。グーグルの基本ソフト(OS)を搭載したスマートフォン(スマホ)を車内で安全に使えるようにするほか、車載システムに使えるOSも開発する。グーグルは新たな参入分野として自動車に注目。自動車メーカー側はスマホの使い勝手を取り込み、開発コストも削減できるとみているようだ。
自動車メーカー GoogleのAndroid搭載の自動車開発
米グーグルが中心となり、ホンダのほか独アウディや韓国・現代自動車、米半導体メーカーのエヌビディアも加わって「Open Automotive Alliance (OAA)」を設立した。アンドロイドを使った自動車向けのサービスや製品の開発を進める。
同日の声明でグーグルのスンダル・ピチャイ上級副社長は「アンドロイドを自動車に広げることにより、モバイル機器の技術を自動車に統合し、ドライバーは使い慣れたサービスを違和感なく使える」と説明した。
また、こうすることで「道路に集中できる」と述べ、安全性の向上が可能と強調した。米アップルなども車載システム分野に力を入れており、IT大手の競争が激しくなりそうだ。
具体的には音声操作や視線の検知などにより、運転中もスマホを安全に使える技術などを開発するとみられる。また、自動車向けの新たなアンドロイドを開発し、音楽やカーナビゲーションシステムなど自動車の情報システムに利用することを目指す。一部機能は14年中に利用できるようになる見通しだ。
アンドロイドではソフトの設計図に相当するソースコードを広く公開し、利用企業は自由に改良できる。自動車でもこの仕組みを採用することで、自動車メーカーは関連ソフトを独自開発するのに比べて費用や時間を節約できる。グーグルはアンドロイドを搭載した製品の利用を広げることで、ネット広告やコンテンツ販売などの増加を見込む。
参加メンバー
アウディ (Audi) / GM / Google / ホンダ (Honda) / 現代 (Hyundai) / NVIDIA
Open Automotive Alliance (OAA) とは
自動車への Android プラットフォーム搭載促進を目指し、IT 産業および自動車産業を牽引する企業の協力体制を形成します。OAA は、自動車技術を誰にとってもより安全かつ直感的操作を可能にする、技術革新を推進する共通の枠組みです。
自動車における技術革新を加速させることを目的とし、Android プラットフォーム特有の開発モデルおよび共通プラットフォームの活用により、ユーザーに向けた最先端技術の提供をより容易にし、なおかつ安全かつ拡張性の高い方法で、開発者がドライバーとパッセンジャーのために新たな体験を提供する機会を創出します。
Open Automotive Alliance – OAA
https://www.openautoalliance.net/#about
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD060UO_W4A100C1000000/